JPS6213316B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、成型直後で未乾燥のセメント瓦に
下塗りと上塗りとの二重の塗装を施すセメント瓦
の塗装装置に関し、設置面積が狭くてしかも作業
人員も少なくできる該塗装装置を提供せんとする
ものである。

屋根を美麗に体裁良く葺くために表面に塗料を
塗布した塗装セメント瓦が広く用いられている。
このように塗装瓦を製造する場合、従来はプレス
成型後充分の時間をかけて養生し乾燥固化したセ
メント瓦に塗料を塗布していたが、近年有効な親
水性塗料の開発により、プレス成型直後の未乾燥
状態で水分を多く含んだ所謂生瓦に直接塗装する
ことが可能となつた。ところでこのような塗装瓦
において、比較的高級な瓦には下塗りと上塗りと
の２回の塗装が行なわれている。このように２回
の塗装を行なうには、上塗りを行なう前に下塗り
塗装がある程度乾燥していなければならない。

このため、セメント瓦のプレス成型から２回の
塗装までを連続して行なう場合、従来は第１図に
示すように下塗りを行なう第一塗装機１と上塗り
を行なう第二塗装機２とを相当の距離Ｌだけ離し
て設けるようにしていた。このため、装置の設置
面積が広くなるだけでなく、次に述べるような不
都合を生じていた。すなわち、プレス成型機３で
成型された生瓦を受取る受台４上に受板を１枚ず
つ供給する作業と、２回の塗装を施されてコンベ
ア５上を送られて来る塗装済の生瓦を養生棚６に
収納する作業とは人手により行なわなければなら
ないが、上述の従来装置に於いては、受台４と養
生棚６とが遠く離れているため、それぞれの場所
に１人ずつ合計２人の作業員を置く必要があつ
た。瓦の製造速度は約10秒に１枚程度であるた
め、受台４人と養生棚６とを近くに設ければ両方
の作業を１人でも十分に行なえる。

本発明のセメント瓦塗装装置は、第一塗装機を
通過して下塗りを終つた生瓦を立体的に移送する
ようにして前述の従来装置の欠点を解消し、設置
面積が狭くしかも省力化をも図ることのできる該
塗装装置を得たものである。

以下、実施例を示す図面により本発明を説明す
る。

第２〜３図は生瓦成型機と連続させて設けた本
発明による塗装装置の全体構成を示している。３
はモルタルの自動供給機７から一定量ずつ自動的
に供給されるモルタルを加圧成型し、成型後の生
瓦を、受台４上に人手により供給された受板（図
示省略）の上に自動的に載置するプレス成型機、
９は受台４上に載せられた生瓦を受板ごと取り出
し、次の下塗り工程に送るためのコンベヤで、後
方（第２〜３図右方）のプーリ１０を中心として
第２図矢印ａで示すように若干揺動し受台４上の
受板をすくい取り運び出す。１１は該ベルトコン
ベヤ９にその後方において連続するチエンコンベ
ヤで、第一塗装機１内を貫通して後述する乾燥塔
１２まで延びている。

乾燥塔１２は第４〜５図に示すように、平行し
て設けられた２本の無端チエン１３，１３ａの外
周側に多数のロツド１４，１４を固定し、該ロツ
ド１４の前記無端チエン１３よりもチエンコンベ
ヤ１１側に突出した突出部１４ａにロツド１本に
つき１個の受篭１５を揺動自在に取付けて構成さ
れている。受篭１５は第６〜８図に示すように垂
直に設けられた基板１６の左右両側に、断面Ｌ形
の載置棒１７，１７を左右対称になるように、か
つ各載置棒１７の水平辺１７ａを内側に向けてそ
れぞれ複数本植立したもので、同一平面内にある
左右１対の載置棒１７，１７の間隔Ｗ（第６図）
はチエンコンベヤ１１を生瓦を載せて送られてく
る受板８の幅よりも少しく短く形成する。前述の
チエンコンベヤ１１の後端部（第２〜３図右端
部）は第６〜８図に示すように、左右の載置棒１
７の間に入り込むように位置している。１９は上
下方向に一定間隔で設けられた各載置棒１７，１
７を連結して設けられた補強材、２０は基板１６
の上端部に固定された吊下部材で、受篭１５を前
記突出部１４ａに吊下げるためのものである。こ
のように構成される受篭１５は、第９図に示すよ
うに吊下部材２０に連結したロツド２１，２１と
軸受２２，２２とを介して各突出部１４ａの下方
に１個ずつ揺動自在に取付けられる。

上述のように構成される多数の受篭１５，１５
を有する乾燥塔１２に於いては、無端チエン１
３，１３ａが同じ速度で間欠的にかつ低速で第４
〜５図の矢印ｂ方向に駆動されており、チエンコ
ンベヤ１１（第２〜３図参照）から篭１５内に移
された受板上の生瓦１８は、該乾燥塔１２の上半
部を半周した後、第二塗装機２に通じるチエンコ
ンベヤ２３に送られる。該チエンコンベヤ２３は
前記のチエンコンベヤ１１と同じ構成で駆動方向
が逆向き（第３図に於いて右から左）になつてお
り、前端部（第３図右端部）は乾燥塔１２の受篭
１５の左右の載置棒１７，１７の間に入り込んで
いる。このようなチエンコンベヤ２３は、第二塗
装機２内を貫通し、後端部は養生棚６近くの受取
部２４に通じている。

次に以上に述べた通り構成される本発明の塗装
装置の作用について説明する。

プレス成型機３（これの構造は任意である）に
よりプレス成型され、受台４に載せた受板上に生
瓦が取り出されると、該受台４がプレス成型機３
のテーブル２５ごと図中右方へ移動し、この状態
でコンベヤ９が受台４上の生瓦を受板ごとすくい
上げるようにして取り出し、チエンコンベヤ１１
に送る。受板と共にチエンコンベヤ１１上に載せ
られた生瓦は第一塗装機１を通過する間に下塗り
塗料を吹付けられて下塗りを施される。第一塗装
機１にはリミツトスイツチ等が設けられ、該塗装
機１内に生瓦が位置する時にのみノズルから塗料
を噴霧するように構成されている。かつ該塗装機
１内には第１０図に示すように受板８の下面の凹
部と係合する位置決めチエン２６を設け、チエン
コンベヤ１１上で生瓦が左右方向にずれないよう
に構成しているため、塗料吹付けノズルと生瓦と
の位置は適正に保たれる。

下塗りが終わつて第一塗装機１から送り出され
た生瓦１８は、次いでチエンコンベヤ１１によつ
て乾燥塔１２の受篭１５の載置棒１７，１７の間
に送られる。この時、乾燥塔１２の無端チエン１
３，１３ａは停止している。生瓦１８が第８図に
示すように載置棒１７，１７の間に所定深さまで
送り込まれると、該受板８が図示しないスイツチ
を押し、無端チエン１３，１３ａが少しく駆動さ
れ、受篭１５が載置棒１７，１７の１ピツチ分
（第４，７図ｈ）だけ上昇し、生瓦１８を受板８
ごと持ち上げて停止する。受篭１５は次の受板が
空の載置棒１７，１７の間に送り込まれると再び
１ピツチ分ｈだけ上昇して停止し、以下同じ動作
を繰り返す。受篭１５の全ての段（図示の例では
４段）の載置棒１７，１７に生瓦１８，１８が送
り込まれると該受篭１５は、１つ下方の受篭１５
の最上段の載置棒１７，１７が所定位置に来るま
で少しく大きく（第４図Ｈ）上昇し停止し、以下
前述と同じ動作を繰り返す。

上述のように小さなピツチｈで連続回上昇した
後、比較的大きなピツチＨで１回上昇すると言う
サイクルを繰り返させるための機構としては、例
えば無端チエン１３，１３ａを駆動するためのス
プロケツト２７，２７ａを、該スプロケツト２
７，２７ａが１回転すると上記の１サイクルが丁
度完結するような大きさに形成し、一方のスプロ
ケツト２７の側面に第１１図に示すように載置棒
１７，１７の段数と同じ数（図示の例では４個）
の突起２８，２８を、前記ピツチｈ及びＨと見合
うだけの角ピツチで配列し無端チエン１３，１３
ａ駆動用のスプロケツト２７，２７ａを駆動する
モータ（図示省略）を停止させるリミツトスイツ
チを該突起２８，２８と接触する位置に設けても
良く、また各段の載置棒１７，１７に直接突起を
設け、前記リミツトスイツチを該突起と係合させ
るように構成することもできる。

次に、各段の載置棒１７，１７に生瓦１８，１
８を送り込みつつ無端チエン１３，１３ａが半周
すると、該載置棒１７，１７に載せられた受板は
第二塗装機２に通じるチエンコンベヤ２３に自動
的にすくい取られ、該第二塗装機２に送られる。
第二塗装機２は前述の第一塗装機１と同様に構成
されており、該塗装機２内で受板に載せられた生
瓦に上塗りが行なわれる。

上塗り終了後の生瓦はそのままチエンコンベヤ
２３上を送られて受取部２４上に達する。受取部
２４上に載せられた塗装完了後の生瓦は人手によ
り整理しつつ養生棚６に収められる。この時、養
生棚６の各棚には予め空の受板８を入れておき、
該受板８をプレス成型機３の受台４に供給しつつ
空になつた棚に塗装完了後の生瓦を収めるように
すれば作業を能率良く行なうことができる。

なお、以上の実施例に於いては各塗装機１，２
には塗料の飛散を防止するためにカバー及びダク
トを設け、乾燥塔１２にも下塗り後の生瓦の表面
にほこり等に付着するのを防止するためにカバー
を設けている。

本発明の瓦の塗装装置は以上に述べた様に、下
塗りと上塗りとの間の乾燥行程を立体的に設けか
つ装置全体を平面的に見て略Ｕ字形になるように
構成したので、装置全体の設置面積が少なくて済
み、かつ省力化をも図れる瓦の塗装装置として産
業上の効果が大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の瓦の塗装装置を示す略側面図、
第２図は本発明の実施例を示す第３図のＡ−Ａ断
面図、第３図は平面図、第４図は第２図の右方か
ら見た図、第５図は乾燥塔の構成を略示する斜視
図、第６〜８図は受篭を示し、第６図は正面図、
第７図は左側面図、第８図は平面図、第９図は受
篭の吊下部を示す第５図のＢ−Ｂ断面図、第１０
図は第２図のＣ−Ｃ断面図、第１１図は第５図の
拡大Ｄ矢視斜視図である。 １：第一塗装機、２：第二塗装機、３：プレス
成型機、４：受台、６：養生棚、８：受板、１
１：チエンコンベヤ、１２：乾燥塔、１３，１３
ａ：無端チエン、１４：ロツド、１４ａ：突出
部、１５：受篭、１６：基板、１７：載置棒、１
８：生瓦、２３：チエンコンベヤ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 生瓦１８を載せた受板８を取り出す手段を前
   端部に設けたチエンコンベヤ１１の途中に第一塗
   装機１を設け、該チエンコンベヤ１１の後端部
   は、無端チエン１３，１３ａの外周に固定された
   複数のロツド１４，１４の各突出部１４ａの下方
   に揺動自在に、前記受板８の両端部を支持する左
   右１対の載置棒１７，１７を複数段に設けた受篭
   １５を吊り下げて成る乾燥塔１２の載置棒１７，
   １７の間に位置させ、乾燥塔１２の前記チエンコ
   ンベヤ１１と反対の側には該コンベヤ１１と対称
   に第二塗装機２に通じるチエンコンベヤ２３を設
   け、乾燥塔１２には、第一塗装機１に通じるチエ
   ンコンベヤ１１の後端部に対応する位置に各受篭
   １５の各段の載置棒１７，１７が停止するように
   無端チエン１３，１３ａを間欠駆動する手段を設
   けて成るセメント瓦の塗装装置。