JPS621302Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、除雪時に雪が前方に飛散するのを防
ぐための除雪装置の飛雪防止装置に関するもので
ある。

従来、この種の飛雪防止装置としては、第１図
ａに示すようにオーガケース１の上端にデイフレ
クタ２がヒンジ３を介して取付けられて成るもの
が使用されている。この従来の飛雪防止装置で
は、デイフレクタ２はわずかな力ででも前後に動
く状態にあり、オーガ４でかき寄せられた雪がブ
ロアにより吐出されずにこのデイフレクタ２に当
ると、このデイフレクタ２は前方にはね上げられ
てしまうため、雪の前方への飛散が的確には防止
されえない。また、その際、雪の中に氷や石等の
硬い異物が混入している場合は、これらが雪とと
もに前方に飛び散るため極めて危険であつた。

そこで、最近、第２図に示すように、オーガケ
ース１の上端にストツパ部材５を設けたり、ある
いは、第３図に示すように、オーガケース１とデ
イフレクタ２の下部とをワイヤ６でつないだりし
て、デイフレクタ２の前方へのはね上がりを制限
することが試みられている。この場合、オーガ４
による雪のかき込み量が多くなつて過負荷になり
ブロアがこれを吐出しきれなくなると雪はデイフ
レクタ２を前方に押しやるが、ストツパ部材５や
ワイヤ６がこのデイフレクタ２の前方へのはね上
がりを制限するため雪や異物はオーガ４の手前に
落下することになる。ところが、デイフレクタ２
には過大な力が急にかかるので、デイフレクタ２
が図中２点鎖線で示すように折れ曲つたり、ワイ
ヤ６が切れてしまつたりするという問題があつ
た。

本考案は、オーガケースにスプリングを設け、
このスプリングとデイフレクタを紐体により接続
することにより、上記従来の問題点を解消したも
ので、デイフレクタの前方への揺動がスプリング
により弾性的に拘束されるため、デイフレクタ等
が過負荷により折損せしめられることはなく、的
確に雪の飛散を防止することができ、しかも、デ
イフレクタの後方への揺動が紐体により自由とさ
れているので、オーガの前側上方の高い積雪を除
雪する際に妨げとなることはない除雪装置におけ
る飛雪防止装置を提供することを目的とする。

以下、本考案を図面に基づいて詳細に説明す
る。

第４図ないし第７図は本考案の一実施例を示す
もので、図中１０は従来周知のオーガケースであ
る。このオーガケース１０の上端には、オーガケ
ース１０の幅方向に亘つて複数のデイフレクタ１
１が連結部材１２を介して複数のヒンジ１３によ
り前後に揺動自在に取付けられるとともに、各デ
イフレクタ１１の背面下方には複数のブラケツト
１４が設けられ、この各ブラケツト１４にピン１
５がそれぞれ取付けられている。また、上記オー
ガケース１０の下側面にも複数のピン１６がブラ
ケツト１７に支持されて設けられている。

さらに、上記オーガケース１０側のピン１６に
はスプリング１８が取付けられ、かつ、このスプ
リング１８と上記デイフレクタ１１側のピン１５
はワイヤ等の紐体１９により接続されている。上
記スプリング１８は、左右に円筒形のコイル部１
８ａを備えたもので、その各コイル部１８ａの中
央部が一側に延長されて一つの円環状の係止部１
８ｂを形成し、かつ、その両側の端部１８ｃは他
側に延長されてオーガケース１０の下側面に当接
せしめられるようになつており、上記コイル部１
８ａがその間にベアリング２０を介在せしめて上
記ピン１６に挿通されて取付けられている。一
方、上記紐体１９は両端に円環状の係止部１９
ａ，１９ｂを備えたものであり、一側の係止部１
９ａが上記スプリング１８の係止部１８ｂに、ま
た、他側の係止部１９ｂがデイフレクタ１１側の
ピン１５にそれぞれ取付けられており、デイフレ
クタ１１が垂直な状態において丁度たるみがなく
張られるようになつている。そして、上記デイフ
レクタ１１は、上記スプリング１８の作用により
その前方への揺動が弾性的に拘束されるととも
に、その後方へは自由に揺動するようになつてい
る。

次に、本考案の作用について説明する。

除雪装置を作動させて除雪をなす際、デイフレ
クタ１１に特に力が作用しない場合には、デイフ
レクタ１１は、第５図にＡで示すように垂直な状
態にある。そして、除雪作業を進めていくうちに
負荷が増大し、オーガでかき寄せた雪をブロアが
吐出しきれなくなると、かき寄せた雪の一部はデ
イフレクタ１１に当たつてオーガの手前に落下す
る。このとき、この雪の押圧力によりデイフレク
タ１１は前方に押し上げられていき、ついには第
５図におけるＢの位置まで至るが、デイフレクタ
１１はスプリング１８の付勢力に抗して徐々に押
し上げられるので、雪の押圧力により損傷せしめ
られたりすることはない。また、デイフレクタ１
１は、雪の押圧力が減じられれば、それに応じて
スプリング１８の付勢力により元の位置Ａまで戻
るとともに、前方に動いた反動により後方に揺れ
る。一方、高く積つた雪の除雪をなす場合、雪は
オーガの前方上側からオーガに組込まれるが、そ
の際、デイフレクタ１１は雪により第５図におけ
るＣの位置まで後方に押し上げられ、ブラケツト
１４の端面がオーガケース１０の下面側に丁度当
接して止まる。したがつて、除雪作業の妨げとな
ることはない。

以上のように本考案の除雪防止装置にあつて
は、デイフレクタの前方への揺動がスプリングに
より弾性的に拘束されるので、雪等の押圧力によ
つてデイフレクタ等が損傷せしめられたりするこ
とはなく、雪や異物の飛散を的確に防止すること
ができる。また、デイフレクタは後方へは自由に
揺動しうる構造とされているので、高く積つた雪
の除雪が妨げられることはない。このように、本
考案によれば除雪作業を安全にかつ効率よくなす
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａおよびｂは従来の飛雪防止装置を示す
側面図、第２図および第３図はそれぞれ従来の改
良型の飛雪防止装置を示す側面図である。また、
第４図ないし第７図は本考案の一実施例を示すも
ので、第４図は正面図、第５図は第４図の−
矢視断面図、第６図は第５図の−矢視断面
図、第７図は第５図の−矢視断面図である。 １０……オーガケース、１１……デイフレク
タ、１３……ヒンジ、１８……スプリング、１９
……紐体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. オーガケースの上端に、雪の前方への飛散を阻
   止するデイフレクタが前後に揺動自在に取付けら
   れた除雪装置における飛雪防止装置において、上
   記オーガケースには、紐体を介して上記デイフレ
   クタに接続されてデイフレクタの前方への揺動を
   弾性的に拘束するスプリングが設けられて成るこ
   とを特徴とする除雪装置における飛雪防止装置。