JPS62124219A - フエライト系ステンレス鋼板のテイグ溶接加工方法 - Google Patents
フエライト系ステンレス鋼板のテイグ溶接加工方法Info
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- JPS62124219A JPS62124219A JP26155485A JP26155485A JPS62124219A JP S62124219 A JPS62124219 A JP S62124219A JP 26155485 A JP26155485 A JP 26155485A JP 26155485 A JP26155485 A JP 26155485A JP S62124219 A JPS62124219 A JP S62124219A
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/005—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment of ferrous alloys
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
[産業上の利用分野1
本発明は、フェライト系ステンレス鋼板を速い速度でテ
ィグ溶接した後、口の溶接体を脱化割れを起こさせる口
となく変形加工することの出来るフェライト系ステンレ
ス鋼板のティグ溶接加工方法に関するものである。 [従来の技術と問題点) 一般にティグ溶接ではアーク及び溶融金属を大気から遮
蔽するためにアルゴン等の不活性ガスをシールドガスと
して用いている。このシールドガス中に水素をAl13
0づ゛るごとによってアークのエネルギー密度を増大せ
しめて溶接の高速化が可能であることが知られている(
例えば金刺久義ら;SUS304の溶接性におよぼすシ
ールドガスの影響。 日新製鋼技報No、39.1978年)。そして既にオ
ーステナイト系ステンレス鋼板の溶接ではシールドガス
中に体積率で5〜10%の水素を含有せしめて使用する
ことが実用化されており、溶接の高速化による生産性の
向上に大きな効果をあげている。 このような水素添加による溶接の高速化の効果は、特に
造管時の溶接のように連続的に長時間行なう場合に顕著
であり、オーステナイト系ステンレス鋼管の造管では2
(8以上の生産性の向上が得られている。 しかしながら、フェライト系ステンレス鋼板は水素含有
によって脆化し易い性質があり、ティグ溶接の際にシー
ルドガスとして不活性ガスに水素を添加したものを使用
した場合は、その後の加工等によって溶接部に脆化割れ
を起こす危険が非常に高いので、ティグ溶接のシールド
ガス中には水素は含有されていない。従ってフェライト
系ステンレス鋼板に対してはティグ溶接を高速化するこ
とが出来ず、殊にティグ溶接をしながら連続的に造管す
る場合はその生産性はオーステナイト系ステンレス鋼管
の場合に比べて50%以下になるという問題点があった
。 [問題点を解決するための手段] 本発明は、上記従来技術の問題点を解決してフェライト
系ステンレス鋼板を速い速度でティグ溶接した後にその
溶接体を脆化割れを起こさせる口となく変形加工するこ
との出来るフェライト系ステンレスtJ4根のティグ溶
接加工方法を提供することを目的に研究した結果、完成
されたものである。 すなわち本発明は、不活性ガスと水素との混合ガスをシ
ールドガスとして用いてフェライト系ステンレス鋼板を
ティグ溶接した一次所定形状の溶接体を二次所定形状に
変形加工するに際して、溶接体の溶接金属100g当り
の拡散性水素量が変形加工の歪a (X 9fo )の
区分毎に示す以下の許容残存拡散性水素量(イ)、 (イ)歪量(X%)が15%以下で5%以上の場合:Y
≦−0,08X + 1.8 (ロ)歪量(X%)が5%未満で1.0%以上の場合:
Y≦−0.IX+1.9 (ハ)歪量(X%)が1.0%未満で0.5%以上の場
合:y ≦−0,4X +2.2 (ニ)歪量(X%)が0.5%未満で0.1%以上の場
合:Y1≦−1,5X+2.75 の範囲内となるように溶接体を脱水素処理して後に変形
加工するごとを特徴とするフェライト系ステンレス鋼板
のティグ溶接加工方法に関するものである。
ィグ溶接した後、口の溶接体を脱化割れを起こさせる口
となく変形加工することの出来るフェライト系ステンレ
ス鋼板のティグ溶接加工方法に関するものである。 [従来の技術と問題点) 一般にティグ溶接ではアーク及び溶融金属を大気から遮
蔽するためにアルゴン等の不活性ガスをシールドガスと
して用いている。このシールドガス中に水素をAl13
0づ゛るごとによってアークのエネルギー密度を増大せ
しめて溶接の高速化が可能であることが知られている(
例えば金刺久義ら;SUS304の溶接性におよぼすシ
ールドガスの影響。 日新製鋼技報No、39.1978年)。そして既にオ
ーステナイト系ステンレス鋼板の溶接ではシールドガス
中に体積率で5〜10%の水素を含有せしめて使用する
ことが実用化されており、溶接の高速化による生産性の
向上に大きな効果をあげている。 このような水素添加による溶接の高速化の効果は、特に
造管時の溶接のように連続的に長時間行なう場合に顕著
であり、オーステナイト系ステンレス鋼管の造管では2
(8以上の生産性の向上が得られている。 しかしながら、フェライト系ステンレス鋼板は水素含有
によって脆化し易い性質があり、ティグ溶接の際にシー
ルドガスとして不活性ガスに水素を添加したものを使用
した場合は、その後の加工等によって溶接部に脆化割れ
を起こす危険が非常に高いので、ティグ溶接のシールド
ガス中には水素は含有されていない。従ってフェライト
系ステンレス鋼板に対してはティグ溶接を高速化するこ
とが出来ず、殊にティグ溶接をしながら連続的に造管す
る場合はその生産性はオーステナイト系ステンレス鋼管
の場合に比べて50%以下になるという問題点があった
。 [問題点を解決するための手段] 本発明は、上記従来技術の問題点を解決してフェライト
系ステンレス鋼板を速い速度でティグ溶接した後にその
溶接体を脆化割れを起こさせる口となく変形加工するこ
との出来るフェライト系ステンレスtJ4根のティグ溶
接加工方法を提供することを目的に研究した結果、完成
されたものである。 すなわち本発明は、不活性ガスと水素との混合ガスをシ
ールドガスとして用いてフェライト系ステンレス鋼板を
ティグ溶接した一次所定形状の溶接体を二次所定形状に
変形加工するに際して、溶接体の溶接金属100g当り
の拡散性水素量が変形加工の歪a (X 9fo )の
区分毎に示す以下の許容残存拡散性水素量(イ)、 (イ)歪量(X%)が15%以下で5%以上の場合:Y
≦−0,08X + 1.8 (ロ)歪量(X%)が5%未満で1.0%以上の場合:
Y≦−0.IX+1.9 (ハ)歪量(X%)が1.0%未満で0.5%以上の場
合:y ≦−0,4X +2.2 (ニ)歪量(X%)が0.5%未満で0.1%以上の場
合:Y1≦−1,5X+2.75 の範囲内となるように溶接体を脱水素処理して後に変形
加工するごとを特徴とするフェライト系ステンレス鋼板
のティグ溶接加工方法に関するものである。
【構成の詳細な説明】
本発明方法を図面を用いて詳細に説明する。
第1図はフェライト系ステンレス鋼板のティグ溶接体を
脆化vjれを起こさせることなく変形加工することの出
来る場合の歪量(%)と溶接金属100g当りの許容残
存拡散性水素a (CC)との関係を示す図、第2図は
フェライト系ステンレス鋼管製造装置員終部の1実施例
の説明図である。 本発明方法による溶接加工の対象としては、フェライト
系ステンレス鋼板の中でも、5tlS430 (Cr1
7重量%)をベースとしてC+Nを0.03重量%以下
に低減させたもの、或はC及びNをそれぞれ0.03重
世%以下に低減させ更にTiやNbを0.3〜0.7重
量%添加させたもの、又SUS410 (Cr13重世
%)をベースとしてC+Nを0.01重量%以下に低減
させたもの、或はC及びNをそれぞれ0.02重世%以
下に低減させ更にTiやNbを0.3〜0.7重量%添
加させたもののように、tioo℃付近の高温でもフェ
ライト単相を帷¥′fするものであり、例えば第1表に
示す化学成分のフェライト系ステンレス鋼板が示される
。 本発明方法においても、このようなフェライト系ステン
レス鋼板を、シールドガス中に体積率で1〜20%の水
素を含有させてティグ溶接を行ない、−次所定形状の溶
接体を製作する。この水素を含有させるごとによってテ
ィグ溶接の高速化が可能なことはオーステナイト系ステ
ンレス鋼板の場合と同様である。この−次所定形状とは
、例えば造管工程において鋼帯を管状に成形してティグ
溶接で突合わせ部を溶接したままの所定形状とか、平面
状鋼板を単にティグ溶接で平面状又は角度を付けて接続
しただけの所定形状とかであって、未だその次の変形カ
ロエがなされていない状態のものを言う。 このような−次所定形状の溶接体を変形加工、例えば引
張り、圧縮、m径、折曲等によって、二次所定形状例え
ば所定の径を有する円管とか、所定形状の箱体1円錐体
1円筒体、或はこれらの組合わせ体等となすに際して、
本発明方法においてはこの変形加工による脆化割れを防
止するために、変形加工実施の前に、ティグ溶接によっ
て溶接金属中に吸収された拡散性水素量を減少せしめて
おくのであり、このため脱水素処理を行なう。脱水素処
理は溶接体を100〜900℃で加熱することによって
行なうが、この加熱は例えば加熱炉や塩浴炉によっても
良い。脱水素処理の程度は、溶接体の変形加工によって
生じる歪!(X%)を予め知り、その区分毎に定められ
た溶接金属1001)当りの許容残存拡散性水素ff1
fYcc)の範囲内となるように行なう。こ口に歪量(
X%)は、変形加工前の変形方向の長さlIlが変形加
工後に長さlに変形した場合のX=(l l−1,l/
/、 )xloo(%)で示される。 歪!(X%)と許容残存拡散性水素fit(Ycc)と
の関係は次のようにして定めた。第1表に示す化学成分
のフェライト系ステンレス鋼板(板厚1.Omm)を供
試材として用い、これを月S l 2201の5号試験
片として規定されている引張試験片に加工し、その長手
方向中央の長手方向に直角な線上に溶加材を使用しない
ティグ溶接を第2表に示す条件で行なった。 第 2 表 次に、溶接終了直後に200℃に加熱した塩浴炉に試験
片を浸漬することによって脱水素処理を行なった。この
ような脱水素処理により、溶接時にシールドガスから吸
収された拡散性水素は放出されるので、溶接金属に残存
する拡散性水素量は処理時間の経過と共に減少する。そ
こで処理時間を変化させて残存拡散性水素伍〔溶接金属
100g当りの残存拡散性水素ff1(cc)で表わし
、その測定は月813113に準拠した〕が0.OCC
,1,OCC,1,4CC,1,8CC,2,OCC及
び2.GCCとなる種々な引張試験片を作成し、これら
の引張試験片について長手方向に引張る引張試験を寅施
し、脆化割れが発生する直前の長手方向の歪量(以下、
この歪量をLOr(%)と略記する〕を求めた。上記試
験を多数行なってLcr(%)の平均値、残存拡散性水
素II(CC)と組み合わせて示せば、(0,6cc、
15%)、 (1,0cc、 10%)。 (1,4cc、 5%)、 (1,8cc、 1%)、
(2,0cc、 0.5%)。 (2,6cc、 Oj%)を得た。このようにして得た
Lcr(%)と残存拡散性水素!(cc)との関係から
、変形加工によって生じる歪量(%)をLcr(%)と
するときに上記関係においてLcr(%)と対応する残
存拡散性水素量(%)以下に、予め変形加工前に溶接体
を脱水素処理しておけば、変形加工によって脆化割れは
起こらないのである。第1図は、上記の試験によって得
られたLcr(%)を変形加工によって生じる歪!(X
%)とし、このLCr(%)に対応する残存拡散性水素
量(CC)を許容残存拡散性水素量(YcC)の上限と
して各点を結んで描いたものである。従って一次所定形
状の溶接体を二次所定形状に変形加工するに際して、第
1図に示す線とX軸との間(線を含む)の’y’ccと
なるように溶接体を脱水素処理した1殺に変形加工すれ
ば、脆化割れは起こらない。第1図の線について、X軸
に対する傾斜度を異にする部分によって分けた歪!(X
%)の区分(イ)、(ロ)、(ハ)及び(ニ)毎に一次
方程式を導いて前記の如く許容残存拡散性水素!(Yc
c)の範囲を示した。 [実施例及び比較例1,2] 素材鋼板として第1表に示す化学成分のフェライト系ス
テンレス鋼板を用いてステンレスIl管を連続的に製造
した実施例と比較例1.2とを第2図により説明する。 鋼帯搬入装置(図示なし)により素材鋼板を連続的に供
給しながらフォーミングロール(図示なし)で管状に成
形してその突合わせ部を第2図に示すようにスクイズロ
ール1により突き合わせた状態に維持しながら1〜数本
のティグ溶接トーチ2で連続的にティグ溶接して円管状
を成す一次所定形状(外径19.2mm 、肉厚1.0
mm)の溶接体3 とした。 このティグ溶接のときに使用したシールドガスの組成は
、実施例及び比較例1の場合は体積比でアルゴンガス:
水素ガス−9:1であり、比較例2の場合は100%ア
ルゴンガスであった。この−次所定形状の溶接体3′を
続いて矢印方向に前進せしめて、実施例の場合は加熱炉
から成る脱水素処理装置4により脱水素処理した後、又
比較例1゜2の場合は脱水素処理せずに、潤滑油供給ノ
ズル5から潤滑油を供給し、前方から引張力を加えなが
らサイジングロール6で圧縮して縮径する変形加工を行
なって二次所定形状(外径19. omm 、肉厚1.
0mm)のステンレス鋼管3とした。なお、第2図中の
位置Pで残存拡散性水素ff1(cc)を測定しながら
、脱水素処理条件を調整して所定の残存拡散性水素a(
ac)とした。 上記造管工程において素材鋼板を一次所定形状の溶接体
3′とするときに、アンダーカットや溶は込み不足tf
発生しないで安定した溶接ビードが得られる最高の溶接
速度は、実施例及び比較例1では4.5m/分であり、
比較例2では1.8m/分であり、それぞれこの速度で
造管した。 又、上記造管工程において円管状を成す一次所定形状の
溶接体3′を二次所定形状のステンレス鋼管3に変形加
工するときに生じる歪量は、実測により1%であること
を知ることが出来た。そこで実施例での脱水素処理後の
溶接金属100g当りの残存拡散性水素fit(cc)
が歪量の区分(ロ)に示される許容残存拡散性水素1!
(cc)(X = 1%のとき、Y≦1.8cc)の範
囲内に入るように500℃、10秒間の脱水素処理を行
ない、処理後の残存拡散性水素量(CC)を溶接金属1
00g当り0.8ccとした。水素混合のシールドガス
を使用した比較例1で脱水素処理をしなかったとCろ、
残存拡散性水素量は2.2ccと多かった。 このようにして連続的に造管したときの溶接部の脆化割
れ発生個数を第3表に示す。 上表の実施例及び比較例1と従来法に相当する比較例2
との比較から、シールドガス中に水素を含有させた場合
には溶接速度を2.5倍に上げることが出来るが、単に
シールドガスに水素を含ませただけの比較例1では脆化
割れが多く発生して実用化出来ないことが判る。しかし
ながら、実施例と比較例1との比較から、脱水素処理を
行なって残存拡散性水素量を所定範囲内とすることによ
り、脆化割れを皆無として品質良く変形加工を行なうこ
との出来る口とが判る。 【効 果1 本発明方法によれば、フェライト系ステンレス鋼板をテ
ィグ溶接した後に変形加工するに際して、シールドガス
に水素ガスを含有せしめてティグ溶接を行ない、次の変
形加工の前に脱水素処理により溶接部の残存拡散性水素
量を変形加工時に生じる歪量に応じた所定範囲内にまで
減少しておくことにより、ティグ溶接を高速化してしか
も変形加工における脆化削れの発生を無くし、フェライ
ト系ステンレス鋼板を速い速度で且つ品質良くティグ溶
接加工することが出来る。
脆化vjれを起こさせることなく変形加工することの出
来る場合の歪量(%)と溶接金属100g当りの許容残
存拡散性水素a (CC)との関係を示す図、第2図は
フェライト系ステンレス鋼管製造装置員終部の1実施例
の説明図である。 本発明方法による溶接加工の対象としては、フェライト
系ステンレス鋼板の中でも、5tlS430 (Cr1
7重量%)をベースとしてC+Nを0.03重量%以下
に低減させたもの、或はC及びNをそれぞれ0.03重
世%以下に低減させ更にTiやNbを0.3〜0.7重
量%添加させたもの、又SUS410 (Cr13重世
%)をベースとしてC+Nを0.01重量%以下に低減
させたもの、或はC及びNをそれぞれ0.02重世%以
下に低減させ更にTiやNbを0.3〜0.7重量%添
加させたもののように、tioo℃付近の高温でもフェ
ライト単相を帷¥′fするものであり、例えば第1表に
示す化学成分のフェライト系ステンレス鋼板が示される
。 本発明方法においても、このようなフェライト系ステン
レス鋼板を、シールドガス中に体積率で1〜20%の水
素を含有させてティグ溶接を行ない、−次所定形状の溶
接体を製作する。この水素を含有させるごとによってテ
ィグ溶接の高速化が可能なことはオーステナイト系ステ
ンレス鋼板の場合と同様である。この−次所定形状とは
、例えば造管工程において鋼帯を管状に成形してティグ
溶接で突合わせ部を溶接したままの所定形状とか、平面
状鋼板を単にティグ溶接で平面状又は角度を付けて接続
しただけの所定形状とかであって、未だその次の変形カ
ロエがなされていない状態のものを言う。 このような−次所定形状の溶接体を変形加工、例えば引
張り、圧縮、m径、折曲等によって、二次所定形状例え
ば所定の径を有する円管とか、所定形状の箱体1円錐体
1円筒体、或はこれらの組合わせ体等となすに際して、
本発明方法においてはこの変形加工による脆化割れを防
止するために、変形加工実施の前に、ティグ溶接によっ
て溶接金属中に吸収された拡散性水素量を減少せしめて
おくのであり、このため脱水素処理を行なう。脱水素処
理は溶接体を100〜900℃で加熱することによって
行なうが、この加熱は例えば加熱炉や塩浴炉によっても
良い。脱水素処理の程度は、溶接体の変形加工によって
生じる歪!(X%)を予め知り、その区分毎に定められ
た溶接金属1001)当りの許容残存拡散性水素ff1
fYcc)の範囲内となるように行なう。こ口に歪量(
X%)は、変形加工前の変形方向の長さlIlが変形加
工後に長さlに変形した場合のX=(l l−1,l/
/、 )xloo(%)で示される。 歪!(X%)と許容残存拡散性水素fit(Ycc)と
の関係は次のようにして定めた。第1表に示す化学成分
のフェライト系ステンレス鋼板(板厚1.Omm)を供
試材として用い、これを月S l 2201の5号試験
片として規定されている引張試験片に加工し、その長手
方向中央の長手方向に直角な線上に溶加材を使用しない
ティグ溶接を第2表に示す条件で行なった。 第 2 表 次に、溶接終了直後に200℃に加熱した塩浴炉に試験
片を浸漬することによって脱水素処理を行なった。この
ような脱水素処理により、溶接時にシールドガスから吸
収された拡散性水素は放出されるので、溶接金属に残存
する拡散性水素量は処理時間の経過と共に減少する。そ
こで処理時間を変化させて残存拡散性水素伍〔溶接金属
100g当りの残存拡散性水素ff1(cc)で表わし
、その測定は月813113に準拠した〕が0.OCC
,1,OCC,1,4CC,1,8CC,2,OCC及
び2.GCCとなる種々な引張試験片を作成し、これら
の引張試験片について長手方向に引張る引張試験を寅施
し、脆化割れが発生する直前の長手方向の歪量(以下、
この歪量をLOr(%)と略記する〕を求めた。上記試
験を多数行なってLcr(%)の平均値、残存拡散性水
素II(CC)と組み合わせて示せば、(0,6cc、
15%)、 (1,0cc、 10%)。 (1,4cc、 5%)、 (1,8cc、 1%)、
(2,0cc、 0.5%)。 (2,6cc、 Oj%)を得た。このようにして得た
Lcr(%)と残存拡散性水素!(cc)との関係から
、変形加工によって生じる歪量(%)をLcr(%)と
するときに上記関係においてLcr(%)と対応する残
存拡散性水素量(%)以下に、予め変形加工前に溶接体
を脱水素処理しておけば、変形加工によって脆化割れは
起こらないのである。第1図は、上記の試験によって得
られたLcr(%)を変形加工によって生じる歪!(X
%)とし、このLCr(%)に対応する残存拡散性水素
量(CC)を許容残存拡散性水素量(YcC)の上限と
して各点を結んで描いたものである。従って一次所定形
状の溶接体を二次所定形状に変形加工するに際して、第
1図に示す線とX軸との間(線を含む)の’y’ccと
なるように溶接体を脱水素処理した1殺に変形加工すれ
ば、脆化割れは起こらない。第1図の線について、X軸
に対する傾斜度を異にする部分によって分けた歪!(X
%)の区分(イ)、(ロ)、(ハ)及び(ニ)毎に一次
方程式を導いて前記の如く許容残存拡散性水素!(Yc
c)の範囲を示した。 [実施例及び比較例1,2] 素材鋼板として第1表に示す化学成分のフェライト系ス
テンレス鋼板を用いてステンレスIl管を連続的に製造
した実施例と比較例1.2とを第2図により説明する。 鋼帯搬入装置(図示なし)により素材鋼板を連続的に供
給しながらフォーミングロール(図示なし)で管状に成
形してその突合わせ部を第2図に示すようにスクイズロ
ール1により突き合わせた状態に維持しながら1〜数本
のティグ溶接トーチ2で連続的にティグ溶接して円管状
を成す一次所定形状(外径19.2mm 、肉厚1.0
mm)の溶接体3 とした。 このティグ溶接のときに使用したシールドガスの組成は
、実施例及び比較例1の場合は体積比でアルゴンガス:
水素ガス−9:1であり、比較例2の場合は100%ア
ルゴンガスであった。この−次所定形状の溶接体3′を
続いて矢印方向に前進せしめて、実施例の場合は加熱炉
から成る脱水素処理装置4により脱水素処理した後、又
比較例1゜2の場合は脱水素処理せずに、潤滑油供給ノ
ズル5から潤滑油を供給し、前方から引張力を加えなが
らサイジングロール6で圧縮して縮径する変形加工を行
なって二次所定形状(外径19. omm 、肉厚1.
0mm)のステンレス鋼管3とした。なお、第2図中の
位置Pで残存拡散性水素ff1(cc)を測定しながら
、脱水素処理条件を調整して所定の残存拡散性水素a(
ac)とした。 上記造管工程において素材鋼板を一次所定形状の溶接体
3′とするときに、アンダーカットや溶は込み不足tf
発生しないで安定した溶接ビードが得られる最高の溶接
速度は、実施例及び比較例1では4.5m/分であり、
比較例2では1.8m/分であり、それぞれこの速度で
造管した。 又、上記造管工程において円管状を成す一次所定形状の
溶接体3′を二次所定形状のステンレス鋼管3に変形加
工するときに生じる歪量は、実測により1%であること
を知ることが出来た。そこで実施例での脱水素処理後の
溶接金属100g当りの残存拡散性水素fit(cc)
が歪量の区分(ロ)に示される許容残存拡散性水素1!
(cc)(X = 1%のとき、Y≦1.8cc)の範
囲内に入るように500℃、10秒間の脱水素処理を行
ない、処理後の残存拡散性水素量(CC)を溶接金属1
00g当り0.8ccとした。水素混合のシールドガス
を使用した比較例1で脱水素処理をしなかったとCろ、
残存拡散性水素量は2.2ccと多かった。 このようにして連続的に造管したときの溶接部の脆化割
れ発生個数を第3表に示す。 上表の実施例及び比較例1と従来法に相当する比較例2
との比較から、シールドガス中に水素を含有させた場合
には溶接速度を2.5倍に上げることが出来るが、単に
シールドガスに水素を含ませただけの比較例1では脆化
割れが多く発生して実用化出来ないことが判る。しかし
ながら、実施例と比較例1との比較から、脱水素処理を
行なって残存拡散性水素量を所定範囲内とすることによ
り、脆化割れを皆無として品質良く変形加工を行なうこ
との出来る口とが判る。 【効 果1 本発明方法によれば、フェライト系ステンレス鋼板をテ
ィグ溶接した後に変形加工するに際して、シールドガス
に水素ガスを含有せしめてティグ溶接を行ない、次の変
形加工の前に脱水素処理により溶接部の残存拡散性水素
量を変形加工時に生じる歪量に応じた所定範囲内にまで
減少しておくことにより、ティグ溶接を高速化してしか
も変形加工における脆化削れの発生を無くし、フェライ
ト系ステンレス鋼板を速い速度で且つ品質良くティグ溶
接加工することが出来る。
第1図はフェライト系ステンレス鋼板のティグ溶接体を
脆化υjれを起こさせることなく変形加工することの出
来る場合の歪量(%)と溶接金属100g当りの許容残
存拡散性水素Hcc)との関係を示す図、第2図はフェ
ライト系ステンレス鋼管製造装置最終部の1実施例の説
明図である。 1・・・・スクイズロール 2・・・・ティグ溶接トーチ 3・・・・二次所定形状の鋼管 3′・・・・−次所定形状の溶接体 4・・・・脱水素処理装置 5・・・・潤滑油供給ノズル 6・・・・サイジングロール P・・・・残存拡散性水素量を測定する位置#11 図 歪 量 (”/、) 第21!t
脆化υjれを起こさせることなく変形加工することの出
来る場合の歪量(%)と溶接金属100g当りの許容残
存拡散性水素Hcc)との関係を示す図、第2図はフェ
ライト系ステンレス鋼管製造装置最終部の1実施例の説
明図である。 1・・・・スクイズロール 2・・・・ティグ溶接トーチ 3・・・・二次所定形状の鋼管 3′・・・・−次所定形状の溶接体 4・・・・脱水素処理装置 5・・・・潤滑油供給ノズル 6・・・・サイジングロール P・・・・残存拡散性水素量を測定する位置#11 図 歪 量 (”/、) 第21!t
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 不活性ガスと水素との混合ガスをシールドガスとし
て用いてフェライト系ステンレス鋼板をテイグ溶接した
一次所定形状の溶接体を二次所定形状に変形加工するに
際して、溶接体の溶接金属100g当りの拡散性水素量
が変形加工の歪量(X%)の区分毎に示す以下の許容残
存拡散性水素量(Ycc)、 (イ)歪量(X%)が15%以下で5%以上の場合Y≦
−0.08X+1.8 (ロ)歪量(X%)が5%未満で1.0%以上の場合:
Y≦−0.1X+1.9 (ハ)歪量(X%)が1.0%未満で0.5%以上の場
合:Y≦−0.4X+2.2 (ニ)歪量(X%)が0.5%未満で0.1%以上の場
合:Y≦−1.5X+2.75 の範囲内となるように溶接体を脱水素処理して後に変形
加工することを特徴とするフェライト系ステンレス鋼板
のテイグ溶接加工方法。 2 脱水素処理を加熱炉で行なう特許請求の範囲第1項
に記載のフェライト系ステンレス鋼板のテイグ溶接加工
方法。 3 フェライト系ステンレス鋼板としてSUS430を
ベースとしてC+Nを0.03重量%以下に低減せしめ
たものを用いる特許請求の範囲第1項又は第2項に記載
のフェライト系ステンレス鋼板のテイグ溶接加工方法。 4 フェライト系ステンレス鋼板としてSUS430を
ベースとしてC及びNをそれぞれ0.03重量%以下に
低減せしめ更にTi及びNbの1者以上を0.3〜0.
7重量%添加されたものを用いる特許請求の範囲第1項
又は第2項に記載のフエライト系ステンレス鋼板のテイ
グ溶接加工方法。 5 フエライト系ステンレス鋼板としてSUS410を
ベースとしてC+Nを0.01重量%以下に低減せしめ
たものを用いる特許請求の範囲第1項又は第2項に記載
のフェライト系ステンレス鋼板のテイグ溶接加工方法。 6 フェライト系ステンレス鋼板としてSUS410を
ベースとしてC及びNをそれぞれ0.02重量%以下に
低減せしめ更にTi及びNbの1者以上を0.3〜0.
7重量%添加されたものを用いる特許請求の範囲第1項
又は第2項に記載のフェライト系ステンレス鋼板のテイ
グ溶接加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26155485A JPS62124219A (ja) | 1985-11-22 | 1985-11-22 | フエライト系ステンレス鋼板のテイグ溶接加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26155485A JPS62124219A (ja) | 1985-11-22 | 1985-11-22 | フエライト系ステンレス鋼板のテイグ溶接加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62124219A true JPS62124219A (ja) | 1987-06-05 |
Family
ID=17363508
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26155485A Pending JPS62124219A (ja) | 1985-11-22 | 1985-11-22 | フエライト系ステンレス鋼板のテイグ溶接加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62124219A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1854562A1 (en) * | 2005-02-25 | 2007-11-14 | Nippon Steel Corporation | High-strength welded steel pipe excellent in hydrogen embrittlement cracking resistance of weld metal and process for producing the same |
-
1985
- 1985-11-22 JP JP26155485A patent/JPS62124219A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1854562A1 (en) * | 2005-02-25 | 2007-11-14 | Nippon Steel Corporation | High-strength welded steel pipe excellent in hydrogen embrittlement cracking resistance of weld metal and process for producing the same |
EP1854562A4 (en) * | 2005-02-25 | 2009-04-15 | Nippon Steel Corp | VERY RESISTANT WELDED STEEL HOSE WITH EXCELLENT CRACK RESISTANCE DUE TO HYDROGEN FRAGILIZATION OF WELDING METAL AND METHOD OF PRODUCING THE SAME |
KR100991636B1 (ko) * | 2005-02-25 | 2010-11-04 | 신닛뽄세이테쯔 카부시키카이샤 | 용접 금속의 내수소 취화 균열 특성이 우수한 고강도 용접강관과 그 제조 방법 |
US8653400B2 (en) | 2005-02-25 | 2014-02-18 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | High strength welded steel tube superior in hydrogen embrittlement cracking resistance of weld metal and method of production of same |
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