JPS6212228Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は冷凍冷蔵庫用マグネツト入りガスケツ
トに関する。

冷凍および冷蔵庫の扉はその閉じたときの気密
性が必要なため扉にガスケツトを附設し、このガ
スケツトを介して冷凍および冷蔵庫本体に密着で
きるようにしている。そしてこのガスケツトの構
造は軟質合成樹脂にて中空枠体を形成し、空気を
内蔵することにより断熱効果を持たせ、伸縮自在
にして先端に可撓性マグネツトを内挿し、この伸
縮部の伸縮容易性によりマグネツトの本体への吸
引を滑らかにし、密着性を保つている。特に温度
の低い冷凍部の扉はその断熱性を高めるためにガ
スケツトの内部の内方に二重壁を設け、これによ
り二重の中空部を形成している。

しかしながら、このようにガスケツトの枠体の
外方を一重の壁、内方を二重の壁にて形成し、し
かもこれらの壁に伸縮性を持たせると、伸縮性に
差異が生じ、マグネツトが本体に吸引される際、
伸縮性の容易な一重壁が先に吸着され、二重壁の
方は遅れて吸着されるため、マグネツトの外方寄
りと内方寄りでは吸着力に差異が生じ、この差異
の甚しい場合には二重壁の方は本体から浮上がる
ようなことがある。このようになると冷凍部の冷
却効果は減殺され、それだけ冷却のため動力を要
し不経済でもある。

本考案はこのような点に鑑みなされたもので、
外側に伸縮壁、内側に伸縮壁と区画壁の二重壁を
有するガスケツトにおいて、二重壁側の伸縮壁に
切欠き凹条を形成して伸縮容易性を附与し、これ
により内外側の伸縮性を均衡してマグネツトの冷
凍および冷蔵庫への吸引のバランスをとり、気密
性の完全を期すものである。

次に本考案の一実施例を図面について説明す
る。

１はガスケツトで、このガスケツト１は軟質の
合成樹脂、たとえば塩化ビニル樹脂にて図示しな
い冷凍および冷蔵庫の扉１５の内側周縁に適合す
る大きさの環状の矩形枠状に形成されている。

このガスケツト１の断面は全周にわたつて同一
で、冷凍および冷蔵庫の扉１５側から冷凍および
冷蔵庫の方に向つて順次取付部２、伸縮部３およ
びマグネツト内挿部４が形成されている。取付部
２はほぼチヤンネル状基体５の内部の巾方向中央
に扉１５側に向つた断面鉤状の係止部６が長さ方
向に沿つて突設され、この係止部６の基端側が基
体５の両側片との間で補強板７により補強されて
いる。

また、マグネツト内挿部４は断面矩形に形成さ
れ、この内挿部４には可撓性マグネツト８が内挿
されている。そして上記取付部２とマグネツト内
挿部４の間に伸縮部３が形成され、この伸縮部３
は肉薄の外周側の伸縮壁９および内周側の伸縮壁
１０が上記取付部２とマグネツト内挿部４とを連
繋しかつ外周側及び内周側に夫々彎曲突出して形
成され、扉１５側から冷蔵庫側に伸縮自在に形成
されている。またこの伸縮部３は上記マグネツト
内挿部４と基体５の間に上記内周側の伸縮壁１０
のさらに内周側において区画壁１１が形成され、
この区画壁１１と上記内周側の伸縮壁１０により
二重壁が形成され、これら二重壁および上記外周
側の伸縮壁９の間に２つの中空部１６，１７が形
成されている。そして内周側の伸縮壁１０の上記
区画壁１１側の壁面の上記基体５との連接部およ
びマグネツト内挿部４との連接部近傍に夫々断面
三角形状の切欠き凹条１２，１２がガスケツト１
の長さ方向全周に形成され、かつこの内周側の伸
縮壁１０のこれらの凹条１２，１２の中間の中空
部１７側に上記凹条１２と同様の切欠き凹条１３
が形成されている。

なお、区画壁１１の内周側の冷凍および冷蔵庫
側には気密用舌片１４が扉１５に向つて突設され
ている。

このようにして形成されたガスケツト１は図示
しない冷凍および冷蔵庫の扉１５に取付部２が取
付けられ使用されるが扉１５を閉めようとする
と、マグネツト８が冷凍および冷蔵庫の開口周縁
に近接したとき吸引され、この吸引につれ伸縮部
３が伸長してマグネツト８の吸引に追従する。こ
の際ガスケツト１の外周側は一重壁、内周側は二
重壁となつているが、二重壁の内方の伸縮壁１０
には３つの切欠き凹条１２，１２，１３が形成さ
れ、伸縮容易に形成されているから、両側の一重
壁、二重壁は伸縮性に大きな差異を生ぜずマグネ
ツト８は冷凍および冷蔵庫の吸着面に対し平行に
突出して吸引される。そして扉１５を閉め終ると
両方の伸縮壁９，１０は外周側、内周側に彎曲し
て縮少され扉のゆがみなどによりマグネツト８が
扉側に力を受けないように緩和材として機能す
る。

また、扉を開くときは伸縮部３で均衡して伸長
し、内外周側に均等に力が加わつてマグネツト８
は冷凍および冷蔵庫より離反される。

なお、上記切欠き凹条１２，１３は伸縮壁１０
のどちらの面に形成してもよく、また両面の同じ
位置或いは異なる位置に形成しても良い。またこ
の切欠き凹条１２，１３は断面Ｕ字型、角型など
どのような形状でも良い。

本考案によれば、四角形の環状に形成され外周
側に伸縮壁、内周側に伸縮壁と区画壁の二重壁を
有し２つの中空部を形成して断熱効果をはかつた
ガスケツトにおいて、二重壁側の伸縮壁の全長に
切欠き凹条を形成して伸縮壁の伸縮方向の一部を
肉薄にし伸縮壁の弾力に柔軟性を附与したから二
重壁による弾力性のかたさが緩和され他方の一重
壁よりなる伸縮壁との伸縮性の差を可及的に少な
くすることができる。したがつて外周側を一重
壁、内周側を二重壁で支持されたマグネツトの内
外周のバランスが保たれマグネツトの全面を均衡
させて冷凍冷蔵庫に吸着させることができ、気密
性を向上させることができる。さらに、切欠き凹
条は、伸縮壁の巾方向の両端に近いガスケツトの
取付部側と、マグネツト支持側と、さらに両者の
中間位置に形成したから、伸縮壁の伸縮方向に、
取付側の基部と中間部と先端のマグネツト支持側
に切欠き凹条よりなる肉薄部が形成され、伸縮壁
の全体に均等に柔かい弾性を附与させることがで
きるとともに、１ケ所の切欠き凹条に伸びが集中
して肉薄の凹条位置からちぎれてしまうようなこ
ともない。また、ガスケツトが伸縮する取付部か
ら吸着面までの高さは、せいぜい十数mmでありこ
のような狭い範囲では弾性を調節するために伸縮
壁の巾方向（伸縮方向）の形状を複雑に変化させ
ることは製作上極めて困難であるが、一方の伸縮
壁に切欠き凹条を形成するだけの簡単な構造であ
るから複雑な加工を施す必要がなく、製作に際し
てはガスケツトの押出成形に際して同時に切欠き
凹条を成形できるため製作工程を特に複雑化する
おそれもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すガスケツトの
一部を切欠いた斜視図、第２図はその拡大断面図
である。 １……ガスケツト、２……取付部、３……伸縮
部、４……マグネツト内挿部、８……マグネツ
ト、９，１０……伸縮壁、１１……区画壁、１
２，１３……切欠き凹条、１５……扉、１６，１
７……中空部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扉への取付側より吸着側に向つて順次取付部、
   伸縮部および可撓性マグネツトを内挿するマグネ
   ツト内挿部を有し四角形の環状に形成され、上記
   伸縮部は外周側に伸縮壁、内周側に上記伸縮壁と
   ほぼ同形の伸縮壁およびこの伸縮壁のさらに内周
   側に設けた区画壁の二重壁を有し、これらの伸縮
   壁、区画壁により２つの中空部を有するガスケツ
   トにおいて、上記二重壁側の伸縮壁の上記取付部
   との連接部およびマグネツト内挿部との連接部の
   それぞれの近傍およびこれらの連接部の中間に切
   欠き凹条を長さ方向全周に設けたことを特徴とす
   る冷凍冷蔵庫用マグネツト入りガスケツト。