JPS6211911B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は振動篩機に使用される篩スクリーン装
置及びその製造方法に関する。

振動篩機はよく知られており、例えば石油工業
における掘削作業段階においてドリリングマツド
（drilling mud）からシルト（silt）及び掘削屑
（cutting）を分離して再使用可能の掘削液を得る
ために使用されている。本発明は、特に（但し限
定的ではない）このような機械のためのスクリー
ン装置に関する。

振動篩機において従来のスクリーン装置は、篩
効果を得るために比較的細かいメツシユとした上
側篩スクリーンと、篩作用はないが前記上側スク
リーンの支持体又は裏張りとしてのみ機能する比
較的粗いメツシユの下側スクリーンと、これらス
クリーンを支えるフレームとからなつている。

上側スクリーンは下側スクリーン上に重ねら
れ、二枚のスクリーンは両側が同じネジ操作式締
付けバーによつて一緒に締め付けられて同じよう
に張られる。また、これらスクリーンは、スクリ
ーンを横方向にアーチ状に張る横方向に間隔をあ
けられたランナー（runners）又はストリンガー
（stringers）に接する。

そして該ランナーやストリンガーは二枚のスク
リーンの面を一緒に支持する。

このようなスクリーン装置における重大な問題
は、上側スクリーンが、スクリーンの目にくさび
状に割り込む粒子によつてしばしば目詰まりを起
し、これがスクリーンの効果を著るしく減ずるこ
とである。よつて該スクリーンは頻繁に交換され
ねばならず、更にネジ操作式締付け具を使用して
いるのでこの交換には長時間及び多大の労力並び
に篩操作の中止を必要とする。

本発明の目的は、閉塞乃至目詰まりが防止され
るか又は大幅に減じられると共に、容易かつ迅速
に取り外し交換できるスクリーン装置を提供する
ことにある。

本発明によれば、振動篩機に使用される篩スク
リーン装置は、フレームと、二枚の平坦スクリー
ンを備え、一方のスクリーンは他方のスクリーン
上に重ねられて前記フレームに接着結合されて張
られ、両スクリーンのうち一方のスクリーンにお
ける張り度は他方のスクリーンの張り度より低く
なつており、前記フレームが振動せしめられた場
合にはそれによつて上記二枚のスクリーンは異つ
て振動することができ、相対的に低い張り度にあ
る前記スクリーンは相対的に高い張り度にある前
記スクリーンを打ち、目詰まり物の除去又は当該
除去の手助けを行い、又は目詰まりの防止又は減
少をもたらす。

更に、本発明によれば、振動篩機に使用する篩
スクリーン装置の製造方法は、平坦な二枚のスク
リーンが使用中異つて振動でき、相対的に低い張
り度の一方の前記スクリーンが相対的に高い張り
度の他方の前記スクリーンを打つて両スクリーン
の閉塞物を除去し、又は当該除去を助け又は両ス
クリーンの閉塞乃至目詰まりを防止又は減じるよ
うに、二枚の平坦なスクリーンを互いに重ねてフ
レーム上に配置し、これらスクリーンを異る張力
で張り、これらスクリーンを前記フレームに接着
結合することからなる。

望ましくは、下側の前記スクリーンが低い張力
下にあり、かつ、相対的に粗いメツシユとなつて
いると共にナイロンのモノフイラメント ストラ
ンド（monofilament strands）で織られてお
り、上側の前記スクリーンは高い張力下にあり、
かつ、相対的に細かいメツシユとなつていると共
にステンレススチールワイヤで織られている。

前記上側スクリーンのメツシユは、例えば、略
100から200でよく、下側スクリーンのメツシユは
略８から20でよい。これら数字は各方向における
孔の数を示している。

本発明の一実施例では、振動篩機に使用される
スクリーン装置は、一般に、矩形フレームと、二
枚の矩形スクリーンとよりなる。一方のスクリー
ンは他方のスクリーン上に重ねられる。そして二
枚のスクリーンはそれらの縁部分が前記フレーム
に接着結合される。該スクリーンは張力下におか
れ、上側スクリーンの張りは下側スクリーンのそ
れより高くされる。上側スクリーンはステンレス
スチールより織られ、下側スクリーンはナイン口
のモノフイラメント・ストランドより織られる。
上側及び下側のスクリーンの張力はそれぞれスク
リーンの約2.54cm（１インチ）毎に約4.08Kg（約
９ポンド）及び約1.36Kg（約３ポンド）である。
そしてその張力は両方向、すなわち縦方向及び横
方向に加えられる。双方のスクリーンは平坦であ
る。

上側スクリーンにおいて、メツシユサイズは
120でありワイヤー径は0.0813mm、孔サイズは122
ミクロンである。下側スクリーンにおいて、メツ
シユサイズは８であり、ストランドの径は0.914
mm、孔サイズは2.261mmである。効率的なスクリ
ーン面サイズは、長さ約132.1cm（52インチ）、幅
約55.9cm（22インチ）である。

スクリーンが振動篩機に取り付けられ、当該機
械が使用される場合には、上側及び下側スクリー
ンは振動力に別々に応答し、その結果、下側スク
リーンは、上側スクリーンが閉塞又は目詰まり状
態になつたり、又はその状態のままになる可能性
を防止し又は減ずるに十分な力で上側スクリーン
を間欠的に打つ。両スクリーンの振動は、その振
動数、振幅、相（phase）又はこれらのいずれか
二つ又はすべての組合せにおいて異なることがで
きる。上述の如き材料及び寸法のスクリーン装置
は特に毎分800から2000サイクル又はそれ以上で
振動せしめられる場合に適している。

上記フレームを構成するメンバーは山形メンバ
ー（angle section members）であることが望ま
しく、各メンバーは垂直配置のフランジと該フラ
ンジの頂部から水平方向に外方へ突出するもう一
つのフランジを備えていることが望ましい。もつ
ともこれに代つて該水平フランジの一端は内方へ
突出していてもよい。

前記フレームは少くとも一本の断面Ｔ字形状の
補強バーを備えることができる。該バーは前記フ
レームを等範囲部分に分割し、該フレームの長手
方向に平行に配置され、該フレームの横及び端の
水平フランジ上面と同一面上に該バーの水平リム
の上面を有している。この場合、両スクリーン
は、該補強バーに接着結合される。しかしなが
ら、補強バーは、断面Ｔ字形状である必要はな
く、例えば、筒状のものでもよく、また、補強バ
ーはスクリーンが該バーに固定されることなく単
にフレームを補強するようにスクリーンの下に間
隔をおいて配置されていてもよい。更にいずれの
場合でも、該バーはフレームの横方向に延びる形
態のものでもよい。

該スクリーン装置は次のようにして作られる。
すなわち、フレームが張り装置に水平に支持され
る。そして、フレームの全水平フランジ上面及び
Ｔ形バーの水平リム上面に熱硬化性接着剤が塗布
される。該接着剤はエポキシ樹脂接着剤であつて
“アラルダイト（Araldite）”として市販されてい
るものが望ましい。

次にナイロンで織られた比較的に粗いメツシユ
のスクリーンがフレーム上の接着剤部分に当接さ
れる。該スクリーンは縦横寸法がフレームより大
きいものである。該スクリーンのフレームよりは
み出た縁部が張り装置につかまれ、該スクリーン
に両方向に所望の張力を加えるように該張り装置
が操作される。

このように張り装置によつて一枚のスクリーン
が張られた状態のスクリーン装置は接着剤を硬化
させるためにヒーターの下に配置される。そして
硬化が完了すると張り装置はヒーター下より除去
される。スクリーンのはみ出た縁部分はこの段階
で切り離されてもよい。次に一枚目の前記スクリ
ーンのうち前記フレーム及びＴ字形バーに接着し
た区域に接着剤が塗布される。そして比較的に細
かいメツシユに織られたステンレス・スチール・
ワイヤー製のスクリーンが前記一枚目のナイロン
スクリーン上に置かれる。次に該ステンレス・ス
チール・スクリーンは、前記ナイロン・スクリー
ンより強く所望の状態に張られ、そのあと接着剤
が硬化せしられる。はみ出た縁部分は上記ナイロ
ン・スクリーンの場合と同様、切り離される。

各種の変更態様が本発明の範囲を逸脱すること
なく採用されうる。例えば、時間が許すなら接着
剤の加熱硬化は省略して大気温度にて硬化させて
もよく、更にエポキシ樹脂以外の適当な接着剤を
使用することもできる。

フレームの内側周囲端と摩擦接触することによ
るスクリーンの摩耗を減じ又は防止するために、
フレームメンバーの水平フランジ上面及び垂直フ
ランジ内面をゴム又はネオプレンの如き弾性材の
帯で被覆してもよい。更に上側スクリーンの閉塞
を防止し又は除去するに役立つように、下側スク
リーンはまた上側スクリーンを支持するようにな
つている。

上記フレームとスクリーンは矩形である必要は
なく、それらが取付けられる機械のデザインや使
用目的に応じて他の形状、例えば円形でもよい。
また、フレームメンバーは、フレーム形状に関係
なく、断面山形である必要はなく、他の適当な断
面形状のもの、例えば箱形断面のものでもよい。

前述のスクリーン装置において、下側スクリー
ンは粗いメツシユを有しており、相対的に低張力
下にある。しかしながら、双方のスクリーンのい
ずれかを粗目とすることも可能であり、いずれか
を高張力下におくことも可能である。かくして、
例えば下側スクリーンが相対的に高張力下におか
れることも、また上側スクリーンが粗いメツシユ
で低張力下におかれることも可能である。

更に、双方のスクリーンがステンレススチール
又はナイロンで作られてもよい。

ナイロン以外の合成樹脂材料及びステンレスス
チール以外の金属材料が代わりに使用されうる。
例えば、ポリプロピレン又はポリエステル（例え
ばテリレン）をナイロンの代わりに使用でき、青
銅をステンレススチールの代わりに使用できる。

上述の張り装置は流体圧駆動ラムによつて作動
するものであることが望ましい。

スクリーン装置の他の例にあつては、上側スク
リーンは相対的に細かいメツシユをしていて、ス
テンレススチール又はナイロンにより織られてお
り、約2.54cm（１インチ）毎に約5.44Kg（約12ポ
ンド）という相対的に低い張力で張られ、他方下
側スクリーンは相対的に粗いメツシユであつてス
テンレススチールから織られており、約2.54cm
（１インチ）毎に約13.15Kg（約29ポンド）という
高い張力で張られる。

以下に本発明の一実施を図面に基いて説明す
る。

図面において、１はフレーム、２及び３はそれ
ぞれ下側スクリーン及び上側スクリーンである。
下側スクリーン２は比較的粗目に織られたワイヤ
ースクリーンであり、上側スクリーン３は比較的
細かい目の合成樹脂スクリーンである。４は断面
がＴ字形状のバーである（図面には一部が示され
ているだけである）。Ｔ形バーを備えてこれにス
クリーンを固定することはスクリーンの望ましか
らぬ激しいフラツピング（flapping）を防止する
か又は減じ、スクリーンの寿命を長びかせる。各
スクリーンは異つた張力下におかれると共に異つ
て振動し互いにぶつかり合うので篩スクリーンの
目詰まりは防止されるか又は大幅に減じられる。
該スクリーン装置は迅速かつ容易に振動機から外
されることができ、また迅速に新たなスクリーン
と交換されうる。それ故従来から知られている装
置に比べ、大幅に時間及び労力が節約される。上
記新たなスクリーンは既に要求される状態に張ら
れているので機械の性能は一定化する。更に、該
スクリーンは平坦であるので、篩スクリーン全体
に材料が平坦に行きわたり、その結果ふるい操作
が改良される。また該スクリーン装置は同目的の
従来スクリーンに比し相当長いワーキングライナ
（working life）を有することも見い出された。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すものであつて、
第１図は本発明スクリーン装置の一部省略斜面
図、第２図は当該スクリーン装置のスクリーン部
分及びフレームのサイドメンバーの断面図であ
る。 １……フレーム、２……下側スクリーン、３…
…上側スクリーン、４……断面Ｔ字形状のバー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ フレームと、一方が他方の上に重ねられた状
   態で前記フレームに接着結合されると共に張られ
   た二枚の平坦なスクリーンとからなり、前記両ス
   クリーンのうち一方のスクリーンの張り度は他方
   のスクリーンの張り度より低くなつており、それ
   によつて前記フレームが振動せしめられたとき前
   記両スクリーンが異つて振動できると共に相対的
   に低い張り度にある前記スクリーンが相対的に高
   い張り度にある前記スクリーンを打つて前記スク
   リーンの閉塞物を除去するか又は当該除去を助
   け、又は前記スクリーンの閉塞乃至目詰まりを防
   止し又は減じることができることを特徴とする振
   動篩機に使用する篩スクリーン装置。 ２ 前記両スクリーンのうち上側スクリーンが相
   対的に高い張り度にあり、相対的に細かいメツシ
   ユとなつており、前記両スクリーンのうち下側の
   スクリーンが相対的に粗いメツシユとなつている
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の装
   置。 ３ 前記上側スクリーン装置が合成樹脂材料製の
   ストランドから織られており、前記下側スクリー
   ンは金属ワイヤから織られていることを特徴とす
   る特許請求の範囲第２項記載の装置。 ４ 前記ストランドがナイロン・モノフイラメン
   ト・ストランドであり、前記ワイヤがステンレ
   ス・スチール・ワイヤであることを特徴とする特
   許請求の範囲第３項記載の装置。 ５ 前記上側スクリーンの張りがスクリーンの約
   2.54cm（１インチ）毎に約4.08Kg（約９ポンド）
   の力で得られ、前記下側スクリーンの張りがスク
   リーンの約2.54cm（１インチ）毎に約1.36Kg（約
   ３ポンド）の力で得られていることを特徴とする
   特許請求の範囲第４項記載の装置。 ６ 前記上側スクリーンが低い張り度にあり、合
   成樹脂材料のストランドから織られていて、相対
   的に細かいメツシユとなつており、前記下側スク
   リーンは相対的に粗いメツシユとなつていると共
   に金属ワイヤから織られていることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載の装置。 ７ 前記上側スクリーンの張りがスクリーンの約
   2.54cm（１インチ）長さ毎に約5.44Kg（約12ポン
   ド）の力で与えられ、前記下側スクリーンの張り
   がスクリーンの約2.54cm（１インチ）長さ毎に約
   13.15Kg（約29ポンド）の力で与えられているこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第６項記載の装
   置。 ８ 相対的に細かいメツシユの前記スクリーンの
   該メツシユが100〜200であり、相対的に粗いメツ
   シユの前記スクリーンの該メツシユが８から20で
   あることを特徴とする特許請求の範囲第３項又は
   第６項記載の装置。 ９ 平坦な二枚のスクリーンが使用中異つて振動
   でき、相対的に低い張り度の一方のスクリーンが
   相対的に高い張り度の他方のスクリーンを打つて
   両スクリーンの閉塞物を除去し又は当該除去を助
   け、或は両スクリーンの閉塞乃至目詰まりを防止
   又は減少するように、二枚の平坦なスクリーンを
   互いに重ねてフレーム上に配置し、これらスクリ
   ーンを異る張力で張り、これらスクリーンを前記
   フレームに接着結合することを特徴とする振動篩
   機に使用する篩スクリーン装置の製造方法。 １０ 前記フレームの上面に熱硬化性接着剤を被
   覆し、該フレームの接着剤被覆部分にステンレ
   ス・スチール・ストランドから織られた相対的に
   粗いメツシユの前記スクリーンを当接して該スク
   リーンを張り、熱によつて前記接着剤を硬化せし
   め、前記ステンレス・スチール・スクリーンのう
   ち前記フレームに接着した区域に更に接着剤を塗
   布して該スクリーンにナイロン・モノフイラメン
   ト・ストランドから織られた相対的に細かいメツ
   シユの前記スクリーンを重ね、該ナイロン・スク
   リーンを前記ステンレス・スチール・スクリーン
   より強く張つてあとで塗布した前記接着剤を硬化
   させることを特徴とする特許請求の範囲第９項記
   載の方法。 １１ 前記両スクリーンのうちの一方のスクリー
   ンにおける高い張り度が該スクリーンの約2.54cm
   （１インチ）長さ毎に毎に約4.08Kg（約９ポン
   ド）の力で与えられ、他方のスクリーンにおける
   低い張り度が該スクリーンの約2.54cm（１イン
   チ）長さ毎に約1.36Kg（約３ポンド）の力で与え
   られることを特徴とする特許請求の範囲第１０項
   記載の方法。