JPS6211756Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、船外機における冷却水取入口の構造
に関する。

第１図は、一般的な船外機１を示すもので、第
２図ａ，ｂは、第１図に矢印Ａで示した部分に設
置される従来の冷却水取入口２の構造を示すもの
である。

この冷却水取入口２は、船外機１のギヤケース
１ａの両側部にウオータフイルタ３，３を設置
し、これらのウオータフイルタ３間に室４を形成
した構成となつている。この冷却水取入口２によ
つて、ウオータフイルタ３，３を介して室４内に
採り入れられた冷却水は、通路５を介して図示し
ないウオータポンプに送られ、さらに、該ウオー
タポンプによつて、図示しないエンジンの各部に
送られ、該エンジンの冷却に供せられる。

ところで、この従来の冷却水取入口２では、船
外機１が高速運転状態にある場合、ウオータフイ
ルタ３，３を介して室４に流入した冷却水が、室
１４内で渦を生じさせたり、あるいは互いに対向
するウオータフイルタ１１を介して船外機１の外
部へ流出してしまう等のため、該冷却水が上記ウ
オータポンプにスムーズに導入されなかつた。す
なわち、船外機１の高速運転時には、冷却水取入
口２における吸水効率が低下した。

本考案は、上記実情に鑑みてなされたもので、
船外機１の高速運転時にも吸水効率が低下するこ
との無い船外機における冷却水取入口の構造を提
供することを目的とする。

本考案では、上記目的を達成するために、室内
にガイド壁を突設し、このガイド壁によつてウオ
ータフイルタを介して該室内へ流入する冷却水を
ウオータポンプへ通ずる通路に案内するように
し、これによつて、上記室内での冷却水による渦
の発生を抑制するとともに、上記冷却水が対向す
るウオータフイルタを介して船外機外へ流出しな
いようにしている。

以下、本考案に係る船外機における冷却水取入
口の構造について、添付図面を参照しながら詳細
に説明する。

第３図ａ，ｂは、本考案に係る船外機における
冷却水取入口の構造の一実施例を示すものであ
る。

この冷却水取入口１０は、第１図に示した船外
機１に対応させて説明すると、そのギヤケース１
ａの両側部にウオータフイルタ１１，１１を設置
し、これらのウオータフイルタ１１間に、通路１
２によつて図示しないウオータポンプに連通され
た室１３を形成するとともに、室１３内に、該室
の上部から下部に向かつて２次曲線的に末広がり
で、かつ突起度を増した略半円錐状のガイド壁１
４を形成した構成としている。なお、このガイド
壁１４は、船外機１の進行方向と反対側の室１３
の壁１３ａ側に設置されている。このガイド壁１
４は、例えばウオータフイルタ１１の一方に、あ
るいはギヤケース１ａに一体成形される。さら
に、この冷却水取入口１０では、上記両ウオータ
フイルタ１１は、その一端に雌ネジ孔１１ａを有
し、その他端にネジ挿通孔１１ｂを有しており、
これらのウオータフイルタ１１は、ギヤケース１
ａに形成した段部１ｂによつてそれぞれ該ギヤケ
ースの両側部に位置決めされ、ネジ１５，１５に
よつて互いに固定されている。

このような従来の冷却水取入口１０の構造によ
ると、船外機１が高速運転状態にある場合、ウオ
ータフイルタ１１，１１を介して室１３内へ流入
する冷却水は、ガイド壁１４の壁面に衝突するこ
とによつて、通路１２にスムーズに導入され、し
かも、上記冷却水による渦の発生が、ガイド壁１
４によつて抑制される。

なお、上記実施例では、ガイド壁１４を室１３
の壁１３ａ側に設置してるが、本考案は勿論これ
に限らず、船外機１の進行方向の室１３の壁１３
ｂ側に設置しても良く、要は、ウオータフイルタ
１１，１１を介して室１３内に流入する冷却水の
流入経路等を考慮して、該冷却水をスムーズに通
路１２へ導くとともに、該冷却水による渦の発生
を抑制する態様で形成されれば良い。したがつ
て、ガイド壁１４の形状、大きさ、長手方向の向
き等は、上記したことに勘案して、適宜決定され
るのが望ましい。

以上説明したように、本考案に係る船外機にお
ける冷却水取入口の構造は、ウオータフイルタを
介して室内に流入する冷却水を、該室内に突設し
たガイド壁によつて、該室とウオータポンプを連
通する通路にスムースに導くとともに、該室内に
おける冷却水による渦の発生を抑制するようにし
ているため、当該船外機の高速運転時にも、冷却
水の吸水効率が低下することが無い。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的な船外機を示す側面図、第２図
ａ，ｂは、第１図に示した船外機の矢印Ａで示し
た部分に設置された従来の冷却水取入口の構造を
示すもので、第２図ａはその縦断面正面図、第２
図ｂはその縦断面側面図、第３図ａ，ｂは、第１
図に示した船外機の矢印Ａで示した部分に設置さ
れた本考案に係る冷却水取入口の構造を示すもの
で、第３図ａはその縦断面正面図、第３図ｂはそ
の縦断面側面図である。 １０……冷却水取入口、１１……ウオータフイ
ルタ、１２……通路、１３……室、１４……ガイ
ド壁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ギヤケース両側部にウオータフイルタを設置
   して、これらのウオータフイルタ間にウオータ
   ポンプに連通する室を形成した船外機における
   冷却水取入口の構造において、上記室内にガイ
   ド壁を突設し、上記両ウオータフイルタを介し
   て上記室内に流入する冷却水を、上記ガイド壁
   によつて、上記ウオータポンプへ案内するよう
   にしたことを特徴とする船外機における冷却水
   取入口の構造。 (2) 前記ガイド壁を前記室の上部から下部へ向か
   つて、２次曲線的に末広がりで、かつ突起度を
   増した略半円錐状に形成したことを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の船外機に
   おける冷却水取入口の構造。