JPS6211679Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はオルゴールおもちや、特に発音機構を
内蔵したドラムの下蓋にグリツプの先端を固着し
た乳児用のオルゴールおもちやに関するものであ
る。

従来、この種のオルゴールおもちやにおいて、
グリツプをドラムに結合するには、ドラムの下蓋
の内側に位置する木材又はチツプボード（本来、
発音体としてのピアノ線を保持する）に雌ねじを
刻設し、この雌ねじにグリツプの先端をねじ込む
ようにしていた。

しかしながら、このものではねじ結合のゆるみ
止めが充分でなく、使用中にグリツプがドラムか
ら外れてしまうおそれがあり、このような場合、
グリツプの先端が乳児の口中に入つてしまう危険
性を有していた。

本考案は上記の欠点に鑑みてなされたもので、
その目的は、グリツプとドラムとの結合を確実な
ものとし、乳児に対する安全性を充分に考慮した
オルゴールおもちやを提供することにある。

以下、本考案を一実施例である添付図面に従つ
て説明する。

第１図ないし第２図において、１はドラム、２
は上蓋、４は下蓋で、それぞれ適宜合成樹脂にて
成形され、ドラム１の上下端部はドラム１の外周
に巻回した化粧筒８の上下端部とともに上蓋２、
下蓋４の環状溝部３，５に嵌込まれている。な
お、化粧筒８は紙ないしはフイルムからなり、表
面には適宜模様、図柄が表わされている。また、
ドラム１と上蓋２、下蓋４とは接着されている。

９は複数のピアノ線で、それぞれ振動数の異な
るものの下端が環状のチツプボード１０に埋込ま
れており、チツプボード１０は下蓋４の凹部６に
嵌込まれている。１２はハンマで、上蓋２の天井
部から柔軟なピン１３の下端に固着され、外部振
動に応じてピアノ線９を打ち、ピアノ線９を発音
させる。

一方、１４はグリツプで、下端には球体１８を
介して環体１９を備え、先端部には、第３図に示
すように、鍔部１５とこの鍔部１５の上方に延在
する軸部１６とこの軸部１６の周方向に突出した
突起１７，１７とが形成されている。なお、この
グリツプ１４は適宜樹脂材からブロー成形にて成
形されている。

２０はグリツプ受け部材で、第３図ないし第７
図に示すように、上記グリツプ１４の軸部１６と
突起１７，１７とが軸方向に挿通可能な挿通孔２
１を有し、鍔部２２を有する上面に一対のガイド
部２３，２３とストツパ用突起２４，２４を形成
したもので、ガイド部２３は挿通孔２１に臨む部
分から周方向に徐々に立上がる傾斜面２３ａを有
し、ストツパ用突起２４はガイド部２３の段部２
３ｂと対向している。

上記グリツプ受け部材２０はチツプボード１０
の中心孔１１に圧入され、鍔部２２が中心孔１１
の縁部に当接することにより位置決めされる。一
方、グリツプ１４は鍔部１５が下蓋４の下面に当
接するまで、軸部１６を下蓋４の開口７を通じて
グリツプ受け部材２０の挿通孔２１に挿通し、第
３図中時計回り方向に回転させる。このとき、突
起１７，１７はいつたんガイド部２３，２３の傾
斜面２３ａ，２３ａに乗り上げたのち、段部２３
ｂ，２３ｂとストツパ用突起２４，２４の間に落
ち込む。即ち、グリツプ１４は鍔部１５と突起１
７とでグリツプ受け部材２０と下蓋４とを挾着す
ることにより下蓋４に固定され、この固定はゆる
むことがない。なお、グリツプ１４が時計回り方
向に回転したとき、突起１７が傾斜面２３ａに乗
り上げるのは、突起１７の弾性あるいは鍔部１
５、下蓋４に形成した開口７の縁部の弾性等によ
る。

本考案に係るオルゴールおもちやは、グリツプ
１４の突起１７をグリツプ受け部材２０の段部２
３ｂ、突起２４間に位置せしめることにより、グ
リツプ１４の脱落を確実に防止して乳児に対する
安全性を考慮しているが、その他、グリツプ１４
の下端に外径46mm程の環体１９を設けることによ
り、グリツプ１４の下端が乳児の口中に入らない
ように配慮している。また、上蓋２、下蓋４の内
周壁部３ａ，５ａを長くとることにより、換言す
れば環状溝部３，５を深くすることにより、ドラ
ム１とこの上蓋２、下蓋４との結合が強固なもの
とされている。

なお、本考案に係るオルゴールおもちやは上記
実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲
内で種々に変更することができる。例えば、グリ
ツプ受け部材２０は下蓋４と一体に成形したもの
でもよい。

以上の説明で明らかなように、本考案によれ
ば、グリツプの突起がグリツプ受け部の傾斜面を
乗り越えて段部とストツパ部との間に位置するこ
ととなるため、グリツプは従来のねじ止めに比べ
てゆるむことなく確実に下蓋に固定され、従来の
ようにグリツプが外れて乳児の口中に入つてしま
うといつた危険性を除去できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るオルゴールの一実施例を示
し、第１図は全体の正面図、第２図は第１図のＡ
−Ａ断面図、第３図は要部に関する斜視図であ
る。第４図以下はグリツプ受け部材を示し、第４
図は平面図、第５図は半断面正面図、第６図は半
断面右側面図、第７図は底面図である。 １……ドラム、４……下蓋、９……ピアノ線、
１２……ハンマ、１４……グリツプ、１５……鍔
部、１６……軸部、１７……突起、２０……グリ
ツプ受け部材、２１……挿通孔、２３……ガイド
部、２３ａ……傾斜面、２３ｂ……段部、２４…
…ストツパ用突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 発音機構を内蔵したドラムの下蓋にグリツプの
   先端を固着したオルゴールおもちやにおいて、上
   記グリツプの先端部に鍔部とこの鍔部の上方に延
   在する軸部とこの軸部の周方向に突出した突起と
   を形成する一方、上記下蓋の内側に位置するグリ
   ツプ受け部に軸方向に開口する挿通孔と傾斜面及
   び段部を有するガイド部とこの段部と対向するス
   トツパ部とを形成し、上記グリツプの軸部を上記
   挿通孔に挿通して回転させることにより、上記突
   起を傾斜面上で案内して段部とストツパ部との間
   に位置せしめ、この突起と上記鍔部とでグリツプ
   受け部と下蓋とを挾着したことを特徴とするオル
   ゴールおもちや。