JPS6211617Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は患者用ベツド、治療用ベツド等背中、
頭を支持する部分が起伏可能なベツドにおける起
伏装置の改良に関するものである。

患者用ベツド、治療用ベツドにおいては、椅子
に坐らせることができない患者の為に、ベツドの
一部を起伏可能とすることにより、必要に応じて
患者の上半身を起こし得るようにしている。

従来汎用されているこの種ベツドにおいては、
起伏動作を行なわせる機構として、操作ハンド
ルに連結するネジを回転させる手動式のもの、及
び油圧モータを用いてベルト駆動にしたり、油
圧シリンダーを併用して起伏動作を行なわせる電
動式のものがあつたのであるが、前記のものに
おいては減速機構の操作ハンドルの操作量が多く
なり、特に入院患者の食事時等においては、この
操作を行なう看護婦の作業量が過大となるという
欠点があり、また、前記のものにおいては、看
護婦の作業量は軽減されるが、停電時および、供
給電源の不備な場所においては全く起伏操作を行
なうことができなくなるという欠点があつた。

本考案は、油圧電動式のものを、電力を使用し
なくとも外部操作により、ベツドを起伏させる油
の流路を連通させ得る逆止弁を設けることによ
り、上記の欠点を解消したものであり、以下実施
例を示す添付図面によつて詳細に説明する。

第１図は本考案装置の油圧回路を示しており、
油タンク１とベツド起伏用のシリンダー装置２と
の間を油圧モータポンプ３と逆止弁４とを直列に
介挿した管路５にて連通するとともに、外部操作
により逆止状態を解除し得る逆止弁６を介挿した
管路７にて連通し、更に、電磁弁８と流量調節バ
ルブ９を直列に介挿した管路１０にて連通してい
る。

第２図は機械的動作部を示しており、マツトを
二分したベツド２４において患者の腰、脚部を支
える下半身用のマツト２５の下位に前記シリンダ
ー装置２の基部を上下回動可能に枢着するととも
に、該シリンダー装置２のピストン杆２１の先端
部を、患者の頭、背中部を支える上半身用のマツ
ト２６の下面に垂設した腕杆２２の下端部に回動
可能に枢着し、更に、該マツト２６の他のマツト
２５寄りの基端部をベツド２４の枠体２７に軸２
８にて上方回動可能に枢着している。図中、２
８′は枠体に設けた軸受部である。

尚、２３はピストン杆２１と枠体２７との間に
張設されてピストン杆２１を常時引つ込み方向に
付勢するばねである。

前記逆止弁６は、第３図に示すように、断面Ｔ
字形のケース６１と、互に対向する通孔６２，６
３の一方に弁体６４を設けるとともに、他方に該
弁体６４を押動する操作杆６５を設けている。

尚６６は弁体６４を内向鍔縁６７に水密的に押
圧着するばね、６８は油の流通を妨げることなく
ばね６６の一端部を支承するばね受け、６９は通
孔６３の開口端部を蔽うように設けられたナツ
ト、７０は操作杆６５の中央部に設けられ、嵌合
部から流体を外部え漏洩させない為のゴムパツキ
ンであり、７１は、操作杆６５を所定位置に復帰
させるために、通孔６３の所定位置に設けた内向
鍔縁７２と大径鍔部７０′との間に張設されて操
作杆６５を外向きに付勢するばね、７３は操作杆
６５の突出外端部に固着された操作用頭である。

以上の構成になる患者用ベツドの作用は次のと
おりである。

第４図に示すように、上半身用のマツト２６が
倒されている状態において、当該マツト２６を起
立させるには、スイツチ（図示せず）を操作する
ことにより油圧モーターポンプ３を作動させれ
ば、油タンク１内の油は管路５を通つてシリンダ
ー装置２に送られ、ピストン杆２１が引き出され
るのでマツト２６がピストン杆２１の引出量に対
応して、軸２８を中心に上方に回動起立される。

この状態で油圧モーターポンプ３を停止させれ
ばシリンダー装置２に送り込まれた油は、逆止弁
４，６及び電磁弁８にて保持され、従つてマツト
２６は第５図に示すように起立状態に保持され
る。

次いでマツト２６を倒す場合には、スイツチ
（図示せず）を操作することにより電磁弁８を作
動させれば、管路１０が開通されるので、患者及
びマツト２６の自重及びばね２３によりピストン
杆２１が引き込まれ、シリンダー装置２内の油が
管路１０を通つて油タンク１に送られ、マツト２
６が水平状態にまで倒される。尚スイツチ操作を
中断すれば任意の角度で保持停止する。

尚、この場合マツト２６の倒れる速度は、流量
調節バルブ９により管路１０内の油の流量を変え
ることにより変化させることができる。

以上は、油圧モーターポンプ３及び電磁弁８を
作動させ得る状態について記述したが、停電時に
おいては油圧モーターポンプ３及び電磁弁８を作
動させることができないので上記動作を行なわせ
ることができない。

この場合において、第４図々示の傾倒状態から
第５図々示の起立状態にマツト２６を回動させる
場合には、患者の上体と共にマツト２６を持ち上
げればピストン杆２１が引き出され、該ピストン
杆２１の引出量に対応して油タンク１内の油が管
路７を通つてシリンダー装置２内に吸い込まれ
る。このとき、弁体６４は油の吸い込みに伴なつ
てばね６６の力に抗して内向鍔縁６７から離間す
る方向に移動されることにより油の通過を許すの
である。

また、第５図々示の起立状態からマツト２６を
倒す場合には、操作用頭７３を押し込めば、操作
杆６５により弁体６４が内向鍔縁６７から離間す
る方向へ押動され、管路７が開通されるので油は
自由に油タンク１に向かつて流動可能となり、患
者、マツト２６の自重及びばね２３によりピスト
ン杆２１が引き込まれ、シリンダー装置２内の油
は管路７を通つて油タンク１に戻される。

尚、マツト２６の倒し具合を調節することは、
操作用頭７３を押し込んでいる時間を調節するこ
とにより行なうことができる。

以上のようになる本考案の起伏装置は、非停電
時にはスイツチ等の操作のみによつてマツトの起
伏動作を行なわせることができるとともに、停電
時にはマツトを引き上げ、或は逆止弁を外部操作
することにより簡単にマツトの起伏動作を行なわ
せることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案起伏装置の油圧回路、第２図
は、同機械的作動部を示す簡略縦断側面図、第３
図は、逆止弁を示す縦断側面図、第４図は、マツ
トの傾倒状態を示す簡略側面図、第５図は、マツ
トの起立状態を示す簡略側面図。 １……油タンク、２……シリンダー装置、３…
…油圧モータポンプ、４，６……逆止弁、５，
７，１０……管路、８……電磁弁、２４……ベツ
ド、２５，２６……マツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベツドのマツトを起伏動作させる油圧手段と油
   タンクとの間に逆止弁を介挿し、且つ電気信号に
   より作動する給油手段を介挿した給油用の管路を
   設けるとともに、電気信号により開通される油抜
   き用の管路を設け、更に、常時は油の逆流を阻止
   し、外部手動操作によつて逆流を可能とする手段
   を介挿した管路を設けて成るベツドの起込装置。