JPS6211018B2 - - Google Patents

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JPS6211018B2
JPS6211018B2 JP8723879A JP8723879A JPS6211018B2 JP S6211018 B2 JPS6211018 B2 JP S6211018B2 JP 8723879 A JP8723879 A JP 8723879A JP 8723879 A JP8723879 A JP 8723879A JP S6211018 B2 JPS6211018 B2 JP S6211018B2
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JP
Japan
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pva
membrane
silica
weight
parts
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JP8723879A
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English (en)
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Akinori Sueoka
Takehiko Okamoto
Akio Oomori
Shuji Kawai
Minoru Ueda
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPS5610533A publication Critical patent/JPS5610533A/ja
Publication of JPS6211018B2 publication Critical patent/JPS6211018B2/ja
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はポリビニルアルコール系重合体(以下
PVAとする)を主成分とする多孔質膜材に関す
る。詳しくは新規な微孔構造とすぐれた透過性能
を有するPVA系膜およびその製造法に関する。
近年ミクロンからミクロン以下の微粒子の過
を目的とした多孔質膜に関し、種々の製法により
作られた膜が報告されている。例えば良溶媒と貧
溶媒にポリマーを溶解し、その混合液を流延乾燥
し成型される膜、ポリマーに可溶性物質を添加し
後で添加物を抽出し成型される膜、ポリマー粒子
を焼結し成型される膜、フイルムを延伸すること
により成型される膜等がある。しかしながら、こ
れらの膜についてはその成型法および成型法に帰
因する膜性能に関し、それぞれ一長一短があるの
が現状である。
PVA系分離膜は、親水性ポリマーであること
等のポリマー素材の特異性から注目されている
が、多孔質膜材についての報告は少ない。
PVA系多孔質体の一つとして、PVA水溶液に
デン粉やデキストリンとホルマリンを混合し、ホ
ルマール化と同時にデン粉粒子間の膨潤を生じせ
しめホルマール化反応後水洗し、でん粉を除去す
ることにより成型される多孔質体が公知である。
この方法により成型された多孔質体は徴孔が成型
品全体に分布した均質構造を与える。この方法に
より成型された多孔質体は、その成型方法に由来
し、得られる微孔径は数μ以上、通常10μ以上と
大きなものしか得られないため、より微小な粒子
を過する目的には不適当である。さらにこの方
法により成型されたものは一般に孔径分布の均一
性が劣るという欠点も有している。また上述のホ
ルマール化反応に長時間を要するために紡糸によ
る中空繊維状の膜を得ることはできない。
一方、本発明者らは特開昭52―123385で、
PVAとポリアルキレングリコール(PAG)とを
混合溶解し、凝固成型時又は後にPAGを抽出す
ることにより均一微細孔をもち特異な構造を有す
る、平板状又は中空繊維状のPVA系多孔質膜を
開示している。この方法により成型された多孔質
膜は微細孔が膜横断面全体にわたり均一に分布し
た多孔質構造を与える。またこの方法により成型
された膜は平均孔径が0.02〜2μであり、微小な
粒子を過するには秀れているが、より大きな孔
径を有する膜を得ることはできない。
上述のように従来のPVA系多孔質体および膜
材は比較的大孔径の多孔質体では孔径分布がシヤ
ープでなく精密な過には不適当であり、また比
較的小孔径の多孔質膜は比較的秀れた孔径分布の
シヤープさを有しているがより改善されることが
期待されている。
また、膜の構造と透過性能および機械的性能と
の間に重要な関連性がある。上述した従来の
PVA系多孔質体および膜材はいずれも微孔が膜
厚全体にわたり均一に分布した均質多孔構造であ
る。一方セルロースアセテート等のポリマーを良
溶媒と貧溶媒に溶解し、混合液を流延乾燥後凝固
することにより非対称構造膜が得られることは公
知である。この膜は通常1μ以下で全膜厚に対し
て1/100以下という薄い活性層と、大きな孔を有す る支持層からなつている。前者の均質多孔質膜
は、過に際して膜面に垂直方向の液の通路を通
り全膜厚にわたつて粒子の補集を行なうため、た
とえば膜表面に欠陥構造があつても、粒子の補集
を確実に行なうことができ、さらに微孔が均一に
分布しているため膜の機械的強度に秀れていると
いう有利さを有している。しかしながら液の通路
が全膜厚にわたつて存在するため、過抵抗が大
となり透水性が劣るという欠点を有している。
一方後者の非対称膜の場合、実質的に透過性能
を支配している活性層が非常に薄いため、透水性
が秀れているという有利さを有している。しかし
ながら活性層が薄いため膜表面にわずかな欠陥構
造が存在しても分画性が大巾に低下するという欠
点を有しており、さらに均質多孔質膜に比べ一般
に支持層の微孔が不均一であるため膜強度が劣
る。
本発明者らは、均質微孔膜の基本的特性を保持
しかつその過抵抗を小さくしうる膜製造の可能
性につき検討の結果、本発明を完成した。
本発明は均質分散されたシリカ微粒子を含有す
るPVA系膜より該シリカ微粒子の90%以上を抽
出除去して得られるPVA系多孔質膜であつて、
該膜は全膜厚の20〜80%が平均孔径(r)0.01〜
50μの均質微孔層と、長軸長さ(l)が10μ以上
で全膜厚の80〜20%に相当しかつl/rが5以上で
ある空胞を有する支持層からなり、空孔率70%以
上を有することを特徴とするPVA系多孔質膜で
ある。
本発明による膜の第一の特徴はシリカ微粒子を
PVA膜中に含有させ、該シリカ微粒子を除去す
ることにより膜に微細孔構造を形成させる点にあ
る。本発明に用いるシリカ微粒子はPVA原液に
対し安定であり、粒径のコントロールが容易であ
り微孔構造の均一性に秀れている。シリカ微粒子
としては無水ケイ酸の微粒子を水中に分散させた
コロイダルシリカ、および無水又は含水ケイ酸か
らなる微粉末シリカ(以下シリカ粉体とする)が
用いられる。
コロイダルシリカは現在0.005〜0.1μ程度の範
囲で均一な粒子径を有するものが入手でき、これ
をPVAの原液中に混合する。原液中のコロイダ
ルシリカの凝集が生じないように分散させれば、
コロイダルシリカの粒子径にほゞ対応する0.01〜
1μ程度の微孔が形成され、凝集が生じるように
分散させれば0.1〜50μ程度の微孔が形成され
る。シリカ粉体は現在0.01〜10μ程度の均一な粒
子径のものが入手でき、これを同様に原液に混合
し、凝集を抑えて0.01〜10μ程度の微孔が形成さ
れ、凝集が生じるようにして0.1〜50μ程度の微
孔が形成される。
このように本発明の膜は、平均孔径0.01〜50μ
より好ましくは0.05〜20μの広い範囲で任意の均
一微孔からなる均質微孔層をもつ。均質微孔層と
は後述する支持層を除いた部分を云う。
本発明による膜は、全膜厚に対し20〜80%が平
均孔径0.01〜50μの均一微孔を有する均質多孔質
層と、長軸長さが10μ以上で全膜厚の80〜20%に
相当しかつl(空胞の長軸の長さ)/r(均一微
孔の平均孔径)が5以上の空胞を有する支持層か
らなる構造を有する。
ここでいう空胞はその長軸の長さが10μ以上好
ましくは50μ以上でl/rが5以上好ましくは10以
上で全膜厚の20〜80%好ましくは50〜80%に相当
し、膜の横断面にわたり、その長軸が膜の厚み方
向と平行に配列されている。該空胞が多数存する
層を支持層とする。
空胞の長軸の長さが80%以上の場合、主として
分画性を規定する均一多孔質層が20%以下と小に
なるため、膜表面に欠陥構造があつた場合分画性
が低下する危険性があつたり、膜の機械的強度が
低下するという点で好ましくなく、80%以下であ
ることが必要である。一方空胞が20%以下の場合
又は長軸が10μ以下、l/rが5以下の場合、はつ
きりした透水性の増大が認められずこの構造の有
利性を発揮できないので好ましくない。本発明の
膜構造の特徴をより明らかにするために、一例を
電顕写真により説明する。
第1図は実施例―1で製膜した中空繊維の横断
面の電顕写真(60倍)である。第2図はその拡大
図である(240倍)。均一微孔を有する均質多孔質
層が中空糸横断面の外周部に、全膜厚に対し30〜
40%存在し、一方長軸が平均200μの空胞が中空
糸内周部に円周にわたり放射状に配列されている
支持層が全膜厚に対し70〜60%存在している。第
2図から均質多孔層は平均2μの均一な微孔が層
全体に均質に分布していることがわかる。
このように本発明の膜において、空胞を有する
支持層は、過に際し、ほとんど過抵抗を与え
ず膜強度の補強の役割を果すものであり、その結
果主として過の抵抗となる均質多孔質層の厚さ
が小となるため、均質多孔膜に比べ機械的強度を
維持したまま透水性が増大するという大きな利点
を有している。さらに均質多孔質層は、均一微孔
が分布しかつ全膜厚の20〜80%存在しているた
め、非対称膜に比べ粒子の補集を確実に行なえる
特徴を合せ持つている秀れた膜である。
次に本発明の膜は70%以上の空孔率を有してい
る。一般に微孔形成剤を抽出成型された多孔質膜
の場合空孔率が小さいと微孔間が連続しない独立
孔となる可能性が大となり、高い透過性能を示さ
ない。かかる点から本発明において実用上有効な
透過性能をもつために70%以上の空孔率が必要で
ある。
本発明の膜のシリカ除去率は膜の使用中での溶
出を防ぐため、および高い空孔率を得るために高
いことが必要であり90%以上好ましくは99%以上
が望ましい。本発明の膜は平膜、チユーブラ、中
空糸膜等の各種の形状にすることができる。特に
中空糸はコンパクト化できること、モジユール化
が容易であること等の特徴を生かし広い用途範囲
の応用が可能である。
なおここでいう微孔径は水銀圧入法による孔径
分布曲線および電子顕微鏡、光学顕微鏡観察から
求めた。
空孔率は次式より求めた (1−〓a/〓b)×100(%) 〓aは多孔質膜の見掛密度 〓bは空孔を有しない膜の密度 次に本発明の製造法について述べる。
即ちPVA系重合体100重量部に対し、平均粒子
径50Å〜10μのシリカ微粒子を50〜500重量部お
よび硼酸又は硼酸塩5〜30重量部含有するPVA
系重合体組成物を調製し0.5〜250g/のアルカ
リおよび脱水性塩を含有する凝固浴中に凝固成型
し、凝固時又は凝固後、アルカリ溶液にて成型物
中のシリカ成分を抽出することを特徴とする
PVA系多孔質膜の製造法である。
充てん物をポリマーと混合し成型後充てん物を
抽出することによる多孔質膜の製法(以下抽出法
という)において、充てん物の大きさポリマー中
での分散状態等により膜性能が支配されるので、
均一な孔径で分散状態が良好で、さらには製膜過
程において構造変化をうけ難いものでなければ、
孔径分布がシヤープな良好な膜が得られない。さ
らに重要な点は充てん物を十分に抽出できるこ
と、即ちポリマー素材に対しては溶解はもち論破
壊又は変質させない溶媒であつてしかも充てん物
を容易に溶解又は抽出しうる溶媒を選択しなけれ
ばならない。
かかる点に着目し、充てん物として均一な粒子
径を有しPVAとの混和性にすぐれたシリカ微粒
子を用い、さらには充てん物の溶媒としてPVA
に対しては安定で、シリカに対しては容易に溶解
しうるアルカリ溶液を採用したことが、本発明の
製造法の第1の特徴である。
シリカ微粒子としては、無水ケイ酸の微粒子を
水中に分散させたコロイダルシリカ、および無水
又は含水ケイ酸からなる微粉末シリカ(以下シリ
カ粉体とする)が用いられる。コロイダルシリカ
は0.005〜0.1μ好ましくは0.007〜0.05μの粒子径
のものが用いられる。一方シリカ粉体は0.01〜10
μの粒子径をもつたものが用いられる。コロイダ
ルシリカの場合、水中分散液であるコロイダルシ
リカにPVAを直接混合するか、PVA水溶液とコ
ロイダルシリカを混合溶解することにより原液を
調製することができる。一方シリカ粉体の場合、
シリカ粉体を水に懸濁させた後PVAと混合する
か、PVA水溶液にシリカ粉体を直接混合溶解す
ることにより原液を調製することができる。
PVAに対するシリカ微粒子の含有量はPVA100
重量部に対し50〜500重量部好ましくは80〜300重
量部である。PVAに対するシリカ微粒子の含有
量が50重量部以下である場合、空孔率が小となり
膜中の微孔が独立孔となりやすいため十分な透過
性能を得ることができず、好ましくない。一方、
500重量部以上の場合、空孔率が大きくなりすぎ
るため十分な膜強度のものが得られず膜材料とし
て適当でない。
上述の原液中に含まれるシリカ微粒子は、少く
ともその一部が凝集するように調整される。本発
明において、原液に添加されたシリカ微粒子がそ
のまゝの形で成型物から抽出されれば、膜の微孔
径は添加されたシリカ微粒子径にほゞ対応するは
ずである。しかし添加されたシリカ微粒子があま
りに小さい場合、そのまゝ膜から抽出されると、
膜の微孔構造が小さすぎて好ましくない場合があ
る。従つて添加したシリカ微粒子の径をコントロ
ールすることは、得られる膜の構造及び性能を任
意に変化させることができるので、有利である。
シリカ微粒子の凝集は水又はDMSO等を溶媒とす
るPVA溶液中にシリカ微粒子が懸濁する系にお
いて生じることであり、本発明はその現象を巧み
に利用している。
次に充てん物であるシリカ微粒子の溶媒として
アルカリ溶液が用いられる。アルカリ剤としては
NaOH,KOH,LiOH等が用いられる。アルカリ
剤の溶媒として水およびメタノール、エタノール
等のアルコールが用いられるが、取扱い性等の点
で水が好ましい。シリカの抽出は上記アルカリ溶
液中に膜を浸漬することにより達せられるが、こ
の場合抽出速度はアルカリの濃度及び温度等が関
与し、温度濃度共に大の程抽出が早くなる。
NaOH水溶液の場合抽出時間を短縮する意味で5
%以上さらには10%以上が好ましく、抽出温度も
40℃以上さらには60℃以上が好ましい。例えば適
当な抽出条件を選択することにより1時間以内の
処理で99%以上のシリカ成分を除去することがで
きる。膜の形状として、平膜状、管状、中空繊維
状等があり、本発明はいずれの形状のものも作り
得る。中空繊維は取扱いやすさの点から、その有
用性が特に大きい。従つて以下、中空繊維を中心
にして説明を行うが、何らこれに限定されるもの
ではない。
PVAの湿式凝固法としては下述する方法が知
られている。
PVA系ポリマー水溶液をNa2SO4等の脱水性
塩類水溶液中に押出す方法PVA系ポリマー水
溶液をNaoH等のアルカリ水溶液中に押出す方法
硼酸又は硼酸塩を含有したPVA系ポリマー水
溶液をNaOHとNa2SO4の混合水溶液等のアルカ
リ性脱水性塩類水溶液中に押出す方法等がある。
PVA系中空繊維の製造において、前述したよう
に成型安定性から、凝固速度を大にすることが必
要でありの方法が好ましい。の方法は原液を
アルカリ性凝固浴に押出す際にPVAに硼酸又は
硼酸塩が架橋を形成するもので、凝固速度が早
く、中空繊維の形態がしつかりしており、成型安
定性という点で,の方法に比べ秀れている。
硼酸又は硼酸塩の添加量は1%(対PVA)から
それ以下の少量で紡糸安定性等の効果が顕著に現
われるため、また多量に添加すると原液が不安定
になる場合があること等から、従来は通常添加量
として1%程度又はそれ以下であつた。
本発明による製造法の第2の特徴は原液中の硼
酸又はその塩の添加量を大巾に増大させたことで
ある。即ちPVAに対し5〜30重量部好ましくは
6〜20重量部である。添加量が5重量部以下の場
合均質多孔質膜となり、本発明による新規な構
造、即ち均質微孔層と空胞を有する支持層とから
なる中空繊維膜を得るためには、5重量部以上が
必要である。また中空繊維の透水性を増大させる
方法として、PVA濃度を低くしたり、シリカ含
量を大にすることが効果的であるが、通常凝固速
度が遅くなり紡糸性が不安定になる方向である。
しかしながら本発明の場合添加量が5重量部以上
と大であるため、このような場合でも安定に紡糸
ができる。
一方添加量が30重量部以上の場合、添加量を増
大させた割には紡糸安定性の顕著な増加は認めら
れず、また原液の安定性が低下する場合があるた
めに好ましくない。
次に上述した原液を、0.5g/〜250g/好ま
しくは1〜150g/のアルカリおよび脱水性塩を
含有する凝固浴中に紡出、凝固し中空繊維を製造
する。アルカリとしてNaOH,KOH,NH4OH等
が用いられる。アルカリ濃度が0.5g/以下の場
合は凝固速度が遅くなり紡糸安定性が劣るため好
ましくない。一方250g/以上の場合は、濃度を
増大することによる効果が認められないという点
で、250g/以下であることが望ましい。脱水性
塩としてNa2SO4,K2SO4,(NH42SO4等が用い
られる。これら濃度は特に限定しないが、紡糸安
定性という点から高い程好ましく通常浴組成に対
する飽和濃度が用いられる。
本発明で用いられるPVA系ポリマーは平均重
合度500〜3500、ケン化度85〜100モル%のPVA
およびエチレン、ビニルピロリドン、塩化ビニ
ル、メチルメタクリレート、アクリロニトリル、
イタコン酸等を10モル%未満含有するPVAとの
共重合体(ブロツク共重合体、グラフト共重合体
を含む)、さらにこれらPVAおよびその共重合体
の部分アセタール化物等の誘導体も包含される。
さらに上述したPVA、シリカ微粒子および硼
酸又は硼酸塩の他に、たとえばシリカ微粒子の安
定化のために少量のアルミニウムイオン、アミ
ン、グリセリン等のアルコールを、またシリカ微
粒子の凝集を利用し粒径を大きくするために
NaClおよびNa2SO4等の塩を原液中に添加混合す
ることができる。
本発明による膜は耐圧性、耐熱性等を賦与する
ために、凝固成膜後またはシリカ抽出前後の任意
の段階で熱処理や架橋処理を行なうことができ
る。架橋処理としてはグルタールアルデヒド、グ
リオキザール等による分子間アセタール化架橋、
ホルムアルデヒド等による分子内アセタールおよ
びこれら両者を組合せたもの等が用いられる。
本発明による膜は基本的にはPVA系重合体の
みからなるものであり、耐バクテリア性、耐薬品
性等の特徴を生かし、しかもこの膜は透過性能に
すぐれているため、各種分野の分離用膜として用
いることができる。
以下実施例により本発明を説明する。
実施例 1 ケン化度98.5%平均重合度2400のPVA、コロイ
ダルシリカ(スノーテツクス粒子径100〜200Å)
および硼酸を混合しPHを5.0に調整した後100℃で
加熱溶解し、PVA濃度10%、SiO2濃度140%(対
PVA重量比)、硼酸10%(対PVA)の均一な水溶
液を調製した。この紡糸原液を環状ノズルを通し
て、5g/NaOHと350g/Na2SO4からなる凝
固浴に紡出し中空繊維を得た。得られた中空繊維
をグルタールアルデヒト/H2SO4/Na2SO4
3/30/200g/の処理浴中70℃−1時間浸漬し
架橋処理を行なつた後、300g/NaOH中90℃−
1時間浸漬しシリカを抽出した。その後1%Hcl
水溶液に浸漬中和した後十分に流水洗した。得ら
れた中空繊維の外径は1400μ、内径600μ、膜厚
400μであつた。
中空繊維の横断面の電顕写真を第1図(60倍)
第2図(240倍)に示した。これによると平均5
μの均一な微孔からなる均質多孔質層が中空糸断
面の外周部に全膜厚に対して30〜40%存在し、一
方長軸が200μの空胞が中空糸内周部に円周にわ
たつて放射状に配列されている支持層が全膜厚に
対し70〜60%存在する構造を有していた。l/rは
40〜50であつた。またこの中空繊維の純水の透水
性を測定したところ5×103l/hr.atm、m2とすぐ
れていた。膜中のシリカ含有量を比色法で分析し
たところ0.2%(対PVA)でありほぼ完全に除去
されていた。空孔率は85%であつた。
実施例 2 ケン化度98.5%平均重合度2400のPVA、シリカ
粉体(フアインシール、平均凝集粒子径1.5μ)
および硼酸を混合しPHを3.0に調整した後100℃で
加熱溶解しPVA濃度10%、SiO2濃度100%(対
PVA)、硼酸8%(対PVA)の均一な水溶液を調
製した。
この紡糸原液を環状ノズルを通して6g/
NaOHと320g/Na2SO4からなる凝固浴に紡出
し中空繊維を得た。得られた中空繊維を実施例―
1と同様に架橋処理およびシリカの抽出処理を行
なつた。得られた中空繊維の横断面を電顕観察し
たところ平均孔径3μの均一な微孔を有する均質
多孔質層が中空糸断面の外囲部に50%存在し、長
軸が150μの空胞が中空糸断面の内囲部に円周に
わたつて放射状に配列されている支持層が全膜厚
に対し50%存在する構造を有していた。l/rは50
であつた。純水の透水性は3×103l/hr.atm、m2
とすぐれていた。膜中のSiO2含有量は0.1%とほ
ぼ完全に除去されていた。空孔率は80%であつ
た。
実施例 3 コロイダルシリカ(スノーテツクス、粒子径
100〜200Å)ケン化度98.5%、重合度2400のPVA
及び硼酸を混合しPH5.0に調整した後100℃で加熱
溶解して、PVA濃度7.5重量%SiO2濃度140%(対
PVA重量比)、硼酸10%(対PVA重量比)のSiO2
分散水溶液を調製した。この原液をスリツトを通
して35℃の凝固浴(5g/NaOHと350g/
Na2SO4の水溶液)中に流延凝固し、皮膜を得
た。次に、得られた皮膜をグルタールアルデヒ
ド/H2SO4/Na2SO4=3/30/200g/の処理
浴中70℃1時間浸漬し架橋処理を行なつた後、
300g/NaOH水溶液中90℃で1時間浸漬し、シ
リカを抽出した。その後、60℃の温水にて充分洗
浄した。得られた皮膜の膜厚は300μmであつ
た。この皮膜の断面を電顕観察した所、平均孔径
5μmの均一な微孔を有する均質微孔層が皮膜の
両面に40%存在し、長軸が180μmの空胞が皮膜
断面の中央部に配列された状態で存在する支持層
が全膜厚に対して60%存在する構造を有しており
l/rは36であつた。この皮膜の25℃純水の透水性
は5×104l/hr・m2・atmとすぐれていた。膜中
に残存するSiO2含有量は0.09%とほぼ完全に除去
されていた。空孔率は86%であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による1例の中空繊維膜の断面
を示す電顕写真であり、第2図はその一部拡大図
である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 均質分散されたシリカ微粒子を含有するポリ
    ビニルアルコール(PVA)系膜より、該シリカ
    微粒子の90%以上を抽出除去して得られるPVA
    系多孔質膜であつて、該膜は全膜厚の20〜80%が
    平均孔径(r)0.01〜50μの均質微孔層と、長軸
    長さ(l)が10μ以上で全膜厚の80〜20%に相当
    しかつl/rが5以上である空胞を有する支持層か
    らなり、、空孔率70%以上を有することを特徴と
    するPVA系多孔質膜。 2 特許請求の範囲第1項記載の発明において、
    該PVA系多孔質膜は中空繊維である。 3 PVA系重合体100重量部に対し、平均粒子径
    50Å〜10μのシリカ微粒子を50〜500重量部およ
    び硼酸又は硼酸塩を5〜30重量部含有するPVA
    系重合体組成物を調製し、0.5g/〜250g/の
    アルカリおよび脱水性塩を含有する凝固浴中に凝
    固成型し、凝固時又は凝固後にアルカリ溶液にて
    成型物中のシリカ成分を抽出することを特徴とす
    るPVA系多孔質膜の製造法。
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