JPS6210479Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は噴射式洗濯機等に用いるポンプ装置に
関するものである。

従来の技術 従来のポンプ装置は、吸水口および吐出口を有
するケーシング中に羽根車を設け、この羽根車の
回転により水を吸水口より吸入し吐出口より吐き
出すものであつた。そして、羽根車を停止させる
とケーシングの内底部に水が残るため、ケーシン
グの底部に排水口を設け、この排水口に接続した
排水ホースを介して機外に排水する構成であつ
た。このように排水口を設けるのは、ポンプの残
水によるポンプの凍結あるいは構成部品の発錆、
変質を防止し、ポンプの寿命の低下を防止するた
めであつた。

しかし、ポンプの残水を流出させる排水口を設
けると、通常のポンプ運転時に排水口を介して水
が機外に排水されてしまい、ポンプの吐出圧の低
下を招来していた。これを解決するために、実公
昭46−36852号公報に記載されているように、ポ
ンプの吐出側に設けられた電磁弁を排水管側に切
換えて排水を行うとともに、ポンプのケーシング
内の残水をドレーン口に設けた栓体を取り外すこ
とにより排出していた。

考案が解決しようとする問題点 しかし従来の構成では、ポンプの残水を抜き取
るためには電磁弁を切換える排水作業とは別に栓
体を取り外す必要があり、作業性がわずらわしい
という問題点を有していた。

上記問題点は残水を導入する排出管を排水弁に
接続すれば解消できるが、ポンプの運転中、吐出
口以外に排出管を介して水が排水弁の上流側に流
出したしまうため、ポンプの吐出量を低下させポ
ンプ効率を低下させるという問題点を有してい
た。

また、上記問題点はポンプのケーシングの内底
部と羽根車との間隙を小さくすることである程度
解消できるが、間隙を小さくすると、ポンプの残
水の排出時に水が流出しにくくなるとともに、水
吸着作用により完全に水が排出できなくなり、凍
結、発錆等を防止できない。

本考案は上記問題点に鑑み、操作が簡単で、か
つポンプの効率を低下させることなく残水の排出
を円滑にするとともに残水を完全に排出できるポ
ンプ装置を提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために本考案のポンプ装置
は、上部に吸水口および側面に吐出口を有するケ
ーシングと、このケーシング内に回転自在に設け
られ、吸水口から水を吸い込み吐出口から水を吐
き出す羽根車を備え、前記羽根車は吸水口側の主
羽根とケーシング底部側の補助羽根からなり、前
記ケーシングの底部には機器の排水弁に接続され
る排水口を設け、前記補助羽根と前記ケーシング
内底面との間隙は、前記補助羽根が前記排水口に
対し吸引作用を発生し得る程度に設定した構成で
ある。

作 用 以上の構成により、羽根車を回転させると水は
吸水口から吸引され吐出口から吐き出されるポン
プ作用を発揮する。この回転状態では、ケーシン
グ内の圧力が高まつた状態であるが、ケーシング
の底部測の補助羽根の吸引作用により、底部に設
けた排水口を介してケーシング内の水が流出する
ことがない。また、回転停止状態では、補助羽根
の吸引作用がなくなり、この状態で排水弁を開く
と、ケーシング内の残水は補助羽根とケーシング
内底面の間隙が所定幅確保できているため、円滑
に排水口、排水弁を介して機外に排水される。

実施例 以下、噴射式洗濯機を例にとつて本実施例のポ
ンプ装置を説明する。図において、１は外筐、２
は洗濯槽で、脱水受槽３と一体的に合成樹脂にて
形成されている。４は洗濯槽２に載置固定される
スイツチ台で、洗濯タイムスイツチ５、脱水タイ
ムスイツチ６、切替スイツチ７、水道栓に連結さ
れる給水ホース８が固着される給水口９が内設さ
れている。１０は回転自在な撹拌翼で、モーター
１１により駆動される。１２は排水ホース、１３
は溢水ホース、１４は排水弁である。１５は吸水
口で、洗濯槽２底部一隅に開設されポンプケーシ
ング１６の吸水口１７に接続される。ポンプケー
シング１６内には主羽根１６ａ、補助羽根１６−
ｂからなる羽根車が回転自在に設けられている。
そして主羽根１６−ａはポンプケーシング１６の
上部に設けた吸水口側に位置し、補助羽根１６−
ｂはポンプケーシングの底部側に位置している。
羽根車はポンプ用モーター２２と同一速度で回転
する。１８はポンプ吐出口で、洗濯槽２の側壁に
固着された吐出口１９に吐出ホース２０により接
続されている。２１は補助羽根１６−ｂと対応し
てポンプケーシング１６の底部に一体的に形成さ
れた排水口で、排水ホース２１′により排水ホー
ス１２と接続されている。この排水口２１と補助
羽根１６−ｂとの間隙は補助羽根１６−ｂが排水
口２１に対し吸引作用を発生し得るように設定さ
れている。２３は仕切板で、洗濯槽２に固着さ
れ。多数の小孔が開設されたフイルター２４が着
脱自在に挿着されている。２５は洗濯槽２、仕切
板２３、フイルター２４で形成される上部に開口
した通水路で給水口９と対向している。

上記の洗濯機においては、切替スイツチ７によ
り撹拌翼１０用のモーター１１とポンプモーター
２２へ選択的に通電し、それ等も総括して洗濯タ
イムスイツチ５が制御するものである。したがつ
て撹拌翼１０による洗濯と吐出口１９よりの噴出
水による洗濯が切替えられるものであり、洗濯物
に見合つた洗濯が行なえるものである。

いまポンプモーター２２に通電すると、吸込口
１５よりポンプ１６→吐出口１８→吐出ホース２
０→吐出口１９へと循環して、洗濯物２６へ噴射
せしめてその衝突エネルギー及び水流により洗浄
する。この洗浄方式は直接撹拌翼１０で撹拌する
ものに比しておだやかに作用し、デリケートな素
材の生地に最適な洗浄を行なう。即ち、生地を損
傷しない事で著しい効果がある。

次に洗浄→オーバーフローすすぎ終了時に、洗
濯槽２の排水を行うべくポンプ用モーター２２を
停止せしめた後、排水弁１４を開栓すると排水ホ
ース１２を経て洗濯槽２内の水が排水されるばか
りでなくポンプケーシング１６中の水も排水口２
１、排水ホース２１′→排水ホース１２→排水弁
１４を介して機外に排水される。なお、吸水口１
５→ポンプケーシング１６→排水口２１→排水弁
１４へスムーズに流れるように適度の落差を設け
ている。

次にポンプ装置の動作について詳細に説明す
る。ポンプ用モーター２２を駆動すると羽根車は
回転を行う。すると吸水口１５から水を吸い込
み、吐出口から水を吐き出す。この状態では、ポ
ンプケーシング１６内の圧力は増大しているが、
補助羽根１６−ｂを設けて排水口２１部分の水を
吸引させ、排水口２１から水が流出することを防
止している。この部分の水はほとんど静止状態で
あるため、排水口２１の位置はポンプケーシング
１６の外周より中心に近づけた位置に設ける方が
良い。

上記補助羽根１６−ｂとポンプケーシングの内
底面との間隙は上記補助羽根１６−ｂの作用によ
り大きく設定することができ、排水口２１から流
出する残水の抵抗とならず、また水の吸着作用に
より残水が完全に排出できなくなることを防止で
きる。この間隙の大きさは補助羽根１６−ｂの吸
引作用が及ばなくなる範囲内であれば自由に設定
できるため、この範囲内でかつ残水の抵抗となら
ないように間隙を設定すれば、ポンプ運転時の排
水口２１からの水の流出を防止できるとともに、
残水を排水口２１から円滑にかつ完全に流出でき
る。

このように本実施例によれば、排水弁１４を開
栓する操作で、ポンプケーシング中の水を排水口
２１を介して機外に円滑にかつ完全に排出でき、
また、ポンプ作動中は補助羽根１６−ｂの吸引作
用により排水ホース１２側にポンプケーシング１
６中の水が流出することを防止でき、吐出口１９
からの吐出量を低下させることがない。

考案の効果 以上実施例の説明から明らかなように本考案に
よれば、補助羽根を設けることによりケーシング
の内底面と補助羽根の間隙を大きく設定しても、
ポンプ運転中にケーシング底部の排水口から排水
弁の上流側にケーシング内の水が流出することが
なくポンプの効率の低下を防止できる。また、運
転を停止し排水弁を開栓する簡単な操作によりケ
ーシング内の残水を円滑にかつ完全に排出でき、
凍結防止、発錆防止を確実に行えるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例装置を施した洗濯機
の縦断面図、第２図は本考案の一実施例装置を示
す拡大断面図である。 １６……ポンプケーシング、１６−ａ……主ラ
ンナー、１６−ｂ……補助ランナー、１７……吸
水口、１８……吐出口、２１……排水口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部に吸水口および側面に吐出口を有するケー
   シングと、このケーシング内に回転自在に設けら
   れ、吸水口から水を吸い込み吐出口から水を吐き
   出す羽根車を備え、前記羽根車は吸水口側の主羽
   根とケーシング底部側の補助羽根からなり、前記
   ケーシングの底部には機器の排水弁に接続される
   排水口を設け、前記補助羽根が前記排水口に対し
   吸引作用を発生し得るように前記補助羽根と前記
   ケーシングの内底面との間隙を設定したポンプ装
   置。