JPS6210198Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用天井内装材の改良に関するも
のである。

（従来の技術とその問題点） 従来の自動車用天井内装材は塩化ビニール等の
合成樹脂材よりなるシート或いはレザーを普通と
するが、伸縮性の大きなシートやレザー類を使用
すると経時変化によつてたるみが生じ易く、他
方、伸縮性の乏しい布地を裏面に添着したレザー
類を使用すると装着作業に手数を要するうえに使
用中に破れたり皺が生じたりして体裁が損なわれ
るという問題点がある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記のような問題点を解決した自動車
用天井内装材を目的として完成されたもので、多
数枚の帯状生地をその長手側縁辺部分において連
結するとともに各連結継目の裏側にリステイング
ワイヤ挿入用の袋状部を設けてなり、前記帯状生
地は伸縮性の大きい表地に伸縮性の大きい裏布を
添着した少なくとも１枚の伸縮性帯状生地と、該
伸縮性帯状生地の表地と同材よりなる表地に伸縮
性の乏しい裏布を添着した数枚の伸縮性の乏しい
帯状生地とよりなることを特徴とするものであ
る。

（作用） このような自動車用天井内装材は、裏側に設け
られている各リステイングワイヤ挿入用の袋状部
にリステイングワイヤを挿込んでこれを車体に係
止させるとともに、自動車用天井内装材自身の周
縁をボデイフランジなどに接着するなどして自動
車の天井とする。

（実施例） 次に、本考案を図示の実施例について詳細に説
明すれば、３は１枚の大きさを220mm×1100mm程
度とする５枚の伸縮性の乏しい帯状生地であつ
て、各帯状生地３はいずれも塩化ビニール樹脂系
シートのような伸縮性の大きい0.2mm厚の表地１
ａに伸縮性の小さい裏布２として40番手レーヨン
糸よりなる平織の金巾を添着した金巾レザー地よ
りなるものであり、各帯状生地３はその長手側縁
辺部分を突き合せて前後に並列したうえ各突き合
せ部分をミシンや高周波ミシンで縫着することに
より連結されている。５は連結された５枚の帯状
生地３のうち最後端のものの長手側縁辺部分に長
手側縁辺部分を突き合せて前記同様の手段で連結
してある伸縮性帯状生地であつて、該伸縮性帯状
生地５は前記帯状生地３の表地１ａと同材よりな
る表地１ｂに伸縮性の大きい裏布４として30番手
のポリエステル系糸よりなる天竺編地を添着した
メリヤスレザー地よりなるものとしてある。そし
て、各帯状生地３，３間に形成される連結継目
と、後端の帯状生地３と伸縮性帯状生地５間に形
成される連結継目の各裏側にはリステイングワイ
ヤ挿入用の袋状部６をそれぞれ設けてある。

このように構成されたものは、裏側に横方向に
設けられているリステイングワイヤ挿入用の袋状
部６にリステイングワイヤ７を挿込んでこれを車
体に係止させるとともに自動車用天井内装材自身
の周縁をボデイフランジなどに接着するなどして
自動車の天井とすれば、車内から見た場合に帯状
生地３と伸縮性帯状生地５とは別の性質をもつも
のであるにも拘らず両者の表地１ａ，１ｂは同一
のものであり、しかも、各帯状生地３，３間にあ
る連結継目と、帯状生地３と伸縮性帯状生地５間
の連結継目の配置も同様のもので並行する条模様
を形成してるから、極めて体裁がよくて装飾効果
上も優れたものとなる。さらに、各帯状生地３は
表地１ａが塩化ビニール樹脂系のシートのような
伸縮性の大きいものであるにも拘らずその裏面に
添着されている裏布２は金巾などの伸縮性の乏し
いものであることによつて全体として経時変化に
よつてもたるみが生じ難い伸縮性が乏しいものと
なつているのに対し、伸縮性帯状生地５は伸縮性
の大きい前記表地１ａと同材よりなる表地１ｂの
裏面に編地等の伸縮性の大きい裏布４を添着した
もので、伸縮性に優れているから、該伸縮性帯状
生地５の伸縮性を利用して寸法誤差のある天井面
に対してでも無理なく緊張状態に取付けることが
でき、また、その取付作業も容易で規格化された
仕上りが得られることとなる。さらに、使用中に
帯状生地３は経時変化などによつて収縮すること
があつても、伸縮性帯状生地５がこの伸縮分を吸
収するから、一部に無理な力が加わつて破れるお
それのないものとなり、前記実施例に示したもの
を用いて自動車の天井を形成し、80℃〜20℃へ車
内温度を変化させて行つた実験結果によれば、従
来の金巾張りの塩化ビニル樹脂レザーのみを使用
したものやメリヤス張りの塩化ビニール樹脂レザ
ーのみを使用した場合に比較して著しく破れや端
末のはずれ或いは脱落が少なかつた。なお、前記
実施例では伸縮性帯状生地５は１枚のみ使用し、
これを連結された５枚の帯状生地３の最後端に連
結させているが、伸縮性帯状生地５を伸縮性の乏
しい帯状生地３，３間に介在させるなど、全体と
して前後方向の伸縮が可能な状態となるよう数枚
の伸縮性の乏しい帯状生地３と、１〜２枚の伸縮
性帯状生地５とを組み合せ連結したものであれ
ば、その配置関係は前記実施例ものに限定される
ものではない。

（考案の効果） 本考案は前記説明から明らかなように、車体へ
の装着に手数を要するが経時変化によつてたるみ
の生じることのない伸縮性に乏しいレザー地より
なる天井用内装材と、車体への装着は容易である
が経時変化によつてたるみの生じる伸縮性レザー
地の両方の長所を有し、短所をなくすとともに、
意匠的に優れたものとしたもので、在来のこの種
自動車用天井内装材の問題点を解決したものとし
て実用的価値極めて大なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す一部切欠斜視
図、第２図は使用状態において示す一部切欠側面
図である。 １ａ，１ｂ……伸縮性の大きい表地、２……伸
縮性の乏しい裏布、３……伸縮性の乏しい帯状生
地、４……伸縮性の大きい裏布、５……伸縮性帯
状生地、６……袋状部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数枚の帯状生地をその長手側縁辺部分におい
   て連結するとともに各連結継目の裏側にリステイ
   ングワイヤ挿入用の袋状部を設けてなり、前記帯
   状生地は伸縮性の大きい表地に伸縮性の大きい裏
   布を添着した少なくとも１枚の伸縮性帯状生地
   と、該伸縮性帯状生地の表地と同材よりなる表地
   に伸縮性の乏しい裏布を添着した数枚の伸縮性の
   乏しい帯状生地とよりなることを特徴とする自動
   車用天井内装材。