JPS6161792B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明はたばこ中骨等に用いられる水浸漬装置
に関する。

たばこ中骨（以下単に中骨という）は葉たばこ
から葉肉（ラミナ）部分を分離して得られる葉脈
部分で、製品たばこに緩和性を賦与するための重
要な製造原料とされている。この中骨は比重が水
より軽く、成分中にカリウム塩類等の水溶性無機
成分からなる悪癖成分を比較的多量に含み、これ
が製品たばこの喫味を阻害するといわれている。

本発明は上記のような中骨に含有される水溶性
悪癖成分を水抽出するため等に用いられる水浸漬
装置に関するものである。

「従来の技術およびその問題点」 従来この種の水浸漬装置としては、長方水槽内
に複数個の羽根車を並設した形式のものが知られ
ている。しかしこの形式の水浸漬装置では羽根車
の羽根間に滞留したりして中骨の水浸漬時間が羽
根車の回転速度と必ずしも相関々係を有せず、中
骨の水浸漬が不均一となり、ひいては水浸漬後の
中骨成分にバラツキを生ずる原因となつていた。
又、他の欠点として複数個の羽根車間において中
骨が水面に浮上し、必ずしも完全な浸漬が行なわ
れず、又、羽根車間に中骨が詰つて掻き出しが円
滑に行なわれない、又浸漬した原料のための水切
りコンベヤが後の工程で必要である等の問題点が
あつた。

本発明はかかる従来の羽根車方式の水浸漬装置
の欠点に鑑がみ、中骨の水浸漬が確実かつ均一に
行なわれ、しかも構造が簡単な中骨の水浸漬装置
を提供することを目的とする。

「実施例」 以下に本発明を実施例を示す添付の図面に基づ
いて詳細に説明する。

第１図は本発明に係る中骨の水浸漬装置の一部
切欠側面図を、第２図は同平面図を示す。

図において本発明の水浸漬装置は後端面を傾斜
面とした舟形の水槽１と、水槽１内に下半部が水
浸漬されるように水平に配設された浸漬コンベヤ
Ａと、浸漬コンベヤＡの後方水槽内に傾斜させて
その前半部が水浸漬されるように配設された取出
しコンベヤＢとから主として構成される。

先ず、浸漬コンベヤＡは以下のようにして構成
される。すなわち、架台２ａ，２ｂに載設された
水槽１の上縁付近に、架台２ａ，２ｂに適当な間
隔を隔てて固定された軸受３ａ，３ｂ及び４ａ，
４ｂを介して水槽１上に橋架された軸５，６の両
端にスプロケツト７ａ，７ｂ及び８ａ，８ｂが装
着され、このスプロケツトにチエーン１０ａ，１
０ｂが無端状に周設される。しかしてチエーン１
０ａ，１０ｂのスプロケツト部を除く下方にはチ
エーンを蛇行を防止し乍らその上面を滑動させる
ための樹脂製のレール１１ａ，１１ｂが、またチ
エーン１０ａ，１０ｂを水面内において取出コン
ベヤＢの搬送面と同一方向に曲げるためのレール
１１ｃ，１１ｄが取付けられる。

次に、第３図に第１図のＡ−A′部分の拡大断
面図を示したようにチエーン１０ａ，１０ｂの内
側にアタツチメント９ａ，９ｂがチエーン全周に
わたつて多数固着され、このアタツチメントには
ほぼ一定間隔毎にスペーサ１２ａ，１２ｂを介し
て平形のバー１３が無端チエーン１０ａ，１０ｂ
間に複数本固定装着され、又、このバー１３上に
金網１４が無端チエーン１０ａ，１０ｂの全周に
わたつて張設される。該金網１４は樹脂製の網で
あつてもよい。

金網１４の網目は10メツシユ前後で中骨が通過
しない程度であればよい。

しかして平型バー１３に対応する金網上には適
宜の大きさの孔を全面に多数穿設した孔開き板１
５ａを支持板としてこれに金網１４と同様の金網
１５ｂを添着して構成した送り出し板１５が立設
固定される。この孔開き板１５ａは金網１５ｂの
補強板として作用するもので、通水自在に形成さ
れる送り出し板であれば上記の構成に限定されな
い。又、送り出し板１５の高さは約50〜100mmに
形成される。この送り出し板１５により、無端チ
エーン１０ａ，１０ｂの全周にわたつて張設され
た金網１４の周面は複数個に区画される。

次に、チエーン１０ａ，１０ｂに取付けられた
各アタツチメント９ａ，９ｂには送り出し板１５
と同様の高さを有するうろこ状の側板１６ａ，１
６ｂが夫々一部重ね合されてチエーン１０ａ，１
０ｂと平行に、かつ送り出し板１５の両側端に近
接して立設される。

第４図に側板１６ａ，１６ｂの取付状態を示す
拡大側面図を、第５図〜第７図に側板１６ａ，１
６ｂの詳細図を示した。第５図は平面図、第６図
は正面図、第７図は側面図を示し、側板１６ａ又
は１６ｂは底縁に設けた屈折片１６a′又は１６
b′をスペーサ１２ａ又は１２ｂを介してアタツチ
メント９ａ又は９ｂにボルト締め等により夫々一
部重畳させて固定される。従つて無端チエーン１
０ａ，１０ｂの全周にわたつて張設された金網１
４の両側縁には側板１６ａ，１６ｂが隙間なく立
設され、又、側板がスプロケツト７ａ，７ｂ及び
８ａ，８ｂを廻る際にも側板間に隙間が生ずるこ
とがない。

次に、取出しコンベヤＢは以下のように構成さ
れる。すなわち、適当な間隔を隔てて一方の軸受
１７ａ，１７ｂを水槽１の外側側壁に固定し、他
方の軸受１８ａ，１８ｂおよび中間の軸受１８
ｃ，１８ｄを架台２ａ，２ｂに固定し、夫々の軸
受間に橋架された軸１９，２０ａおよび２０ｂの
両端にスプロケツト２１ａ，２１ｂ，２ａ，２２
ｂ及び２２ｃ，２２ｄを装着し、このスプロケツ
トに夫々アタツチメント（図示せず）を全周にわ
たり直列に連設したチエーン２３ａ，２３ｂが無
端状に周設され、チエーンのスプロケツト部を除
く下方に樹脂製のレール２４ａ，２４ｂが取付け
られる。前記軸１９は水面下において水槽１を貫
通して設けられており該貫通部分はメカニカルシ
ールあるいはグランドパツキン１７ｃ，１７ｄで
軸封されている。

又、無端チエーン２３ａ，２３ｂ間にアタツチ
メント及びスペーサを介して平形のバーが複数本
固定装着され、このバー上に金網２５が無端チエ
ーン２３ａ，２３ｂの全周にわたつて張設され
る。

更にチエーン２３ａ，２３ｂに取付けられた各
アタツチメントにはうろこ状の側板２６ａ，２６
ｂが前記と同様に取付けられる。

以上の構成は送り出し板１５を除き浸漬コンベ
ヤＡの構成とほぼ同様であるが、該取出コンベヤ
Ｂの側板２６ａ，２６ｂは浸漬コンベヤＡの側板
１６ａ，１６ｂよりも高く、外側に近接してラツ
プする如くに形成される。又、取出コンベヤＢの
後半分は水槽上部にほぼ水平方向に延長されてい
る。

又、水槽１の前端部には中骨を浸漬コンベヤＡ
に導くためのガイド板２７が設けられる。

又、水槽１の後端部には取出しコンベヤＢの金
網面に接して金網面に附着した中骨を掻き落すた
めのブラシローラ２９が設けられる。更に、水槽
１の後端部に近い側壁上縁には水槽に充満される
水の水位を規制するための切欠部３０が設けら
れ、この切欠部３０には別個に設置された水槽３
１に連通する配管３２が連設される。

又、取出しコンベヤＢの後端部下方には処理済
中骨の搬送コンベヤ（図示せず）が設けられてい
る。水槽３１には更に水供給配管３５及び加熱用
配管３６を臨ませ、又、ポンプ３７を介して水槽
１への水供給配管３８が連設される。なお、３９
は排水管、４０，４１は浸漬コンベヤＡ及び取出
しコンベヤＢのスプロケツト駆動用スプロケツ
ト、４２，４３はそれらの駆動用チエーンであ
る。

「作用」 次に、本発明の水浸漬装置の作用について説明
する。

先ず、矢印ａ方向より中骨を水槽１前端部のガ
イド板２７に沿つて投入すると図示しない可変減
速機によりスプロケツト４０を介して駆動される
スプロケツト７ａ，７ｂ及び８ａ，８ｂによりチ
エーン１０ａ，１０ｂと共に矢印イ方向に送行さ
れる送り出し板１５に接してそのまま下方に送り
込まれ、更に水滑中を水抽出され乍ら矢印ｂ方向
に移送される。この場合、中骨は水より軽いため
送り出し板１５と側板１６ａ，１６ｂにより区画
される金網面に保持され乍ら順次移送される間に
送り出し板１５の金網１５ｂを介して通水が円滑
に行なわれ、中骨は金網１４外に流出することな
く確実、かつ均一に水抽出が行なわれる。中骨の
水浸漬時間は中骨の種類、内容成分等によつても
異なるが通常５〜10分程度でよく、スプロケツト
の回転はこの浸漬時間に合せて調整される。

浸漬コンベヤＡの水浸漬部を通過した中骨は、
浸漬コンベヤＡの後端部で金網１４が上昇すると
共に水面に浮上し、矢印ｂ方向の水流に伴なわれ
て取出しコンベヤＢの金網面に送られる。取出し
コンベヤＢの金網２５は図示しない駆動源により
スプロケツト４１を介して回転されるスプロケツ
ト２２ａ，２２ｂ等により矢印ロ方向に送行され
るので、水浸漬が終了した中骨は水面上に運ばれ
て前記水平部分にて水切りが行なわれながら、取
出しコンベヤＢの後端部から矢印ｄに示すように
図示しない兼搬送コンベヤ上に落下され、次工程
に搬送される。この場合落下せずに金網面に附着
した中骨はブラシローラ２９により掻き落され
る。

一方、中骨の水浸漬に使用される水は、配管３
８より水槽１に供給されるが、浸漬水に中骨の水
抽出能力が十分に存する場合には水槽３１を介し
て循環使用することができ、又、浸漬水は温度が
高い場合抽出効率が上昇するので、この場合には
加熱配管３６に蒸気等を通して加温することがで
きる。

「発明の効果」 本発明の水浸漬装置は上記のようにスプロケツ
ト間に張設した無端チエーンに金網を周設し、こ
の金網上に通水自在の送り出し板と側板とを立設
して金網図面を複数に区画して形成した浸漬コン
ベヤと送り出し板を除いて浸漬コンベヤと同様に
形成した取出しコンベヤとを水槽内に連設して構
成される装置であるから、構造が簡単で、しかも
中骨を確実かつ均一に効率よく水浸漬し得る利点
を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る中骨の水浸漬装置の一部
切欠側面図、第２図は同平面図、第３図は第１図
のＡ−Ａ断面図、第４図は側板の取付状態を示す
拡大側面図、第５図は側板の平面図、第６図は側
板の正面図、第７図は側板の側面図を示す。 １……水槽、２ａ，２ｂ……架台、７ａ，７
ｂ，８ａ，８ｂ……スプロケツト、９ａ，９ｂ…
…アタツチメント、１０ａ，１０ｂ……チエー
ン、１３……バー、１４……金網、１５……送り
出し板、１６ａ，１６ｂ……側板、２１ａ，２１
ｂ，２２ａ，２２ｂ……スプロケツト、２３ａ，
２３ｂ……チエーン、２５……金網、２６ａ，２
６ｂ……側板、２９……ブラシローラ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 水平に配設されたスプロケツト間に張設した
   無端チエーンに網を周設し、該網上に通水自在の
   送り出し板を複数個該チエーン方向と垂直に立設
   すると共に、各々一部を重畳して配設した側板を
   該送り出し板の両側端に接して該チエーンの全周
   に立設して形成した浸漬コンベヤと、該浸漬コン
   ベヤから前記送り出し板を除いた以外は該浸漬コ
   ンベヤと同様に形成した取出しコンベヤとを水槽
   内に、該浸漬コンベヤの下半部が該水槽内の水に
   浸漬され、又該取出しコンベヤの前半部が該水槽
   内の水に浸漬される位置において、取出コンベヤ
   の側板が、浸漬コンベヤの両側板にラツプする如
   く位置して浸漬コンベヤと連設し、該取出しコン
   ベヤの後半部が水槽上部にほぼ水平方向に延長さ
   れたことを特徴とする水浸漬装置。