JPS6161753B2

JPS6161753B2 -

Info

Publication number: JPS6161753B2
Application number: JP4280281A
Authority: JP
Inventors: Katsumi Adachi; Katsumi Mitsuda
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1981-03-23
Filing date: 1981-03-23
Publication date: 1986-12-26
Also published as: JPS57157688A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は投写型カラーテレビジヨン受像機のよ
うに複数の陰極線管および複数の偏向ヨークを持
ち、それぞれの陰極線管（以下CRTと呼ぶ）上
に映出された画像を重ね合わせて一つの画像を得
るテレビジヨン受像機の特に垂直偏向装置に関
し、画面の歪がなく、かつ温度変動による色ずれ
もない品位の高い画像を提供するものである。

一般に投写型カラーテレビジヨン受像機は赤
（Ｒ）、緑(G)、青(B)の３原色を映出するCRTで構
成されているが、通常単一の垂直偏向回路、単一
の水平偏向回路でもつて前述の各CRTに装着さ
れた偏向ヨークを駆動している。そして温度変動
の点からは、それぞれの垂直偏向コイルは第１図
のように直列に接続されている事が望ましい。そ
の理由は、受像機自体の発熱、周囲温度の変動等
により受像機内部の温度は一様でなく、各偏向ヨ
ークの温度も必ずしも同一でない。そのため、そ
れぞれ垂直偏向コイルの温度も同一でなく、垂直
偏向コイルもその温度差による抵抗値の差を生ず
るが、垂直偏向コイル自体に流れる垂直偏向電流
は同じであるので、垂直振幅は全体として変動し
ても、各CRTラスターの垂直振幅の差は生じな
い。そのため投写スクリーン上で色ずれも生じな
いためである。

ここで第１図について説明する。１は垂直偏向
回路である。２は赤CRTに装着された偏向ヨー
クである。一般に偏向コイルは相対する２つのコ
イルで構成されている。３と４はその相対する２
つの垂直偏向コイル部分である。５と６は垂直偏
向コイル３と４に並列接続されたタンピング抵抗
である。同様に７は緑CRTの偏向ヨーク、８，
９はその垂直偏向コイル部分、１０，１１はその
ダンピング抵抗である。同様に１２は青CRTの
偏向ヨーク、１３，１４はその垂直偏向コイル部
分、１５，１６はそのタンピング抵抗である。垂
直偏向電流は垂直偏向回路１で発生し、垂直偏向
コイル部分３，４，８，９，１３，１４を流れる
のである。

しかしながら、このように垂直偏向コイルを直
列に接続すると、画面の左側（水平走査の前半
部）において横線のうねりが発生するという欠点
があつた。この様子を第２図に示す。第２図にお
いて、Ｇのラスターは実線で示すようにうねりは
ほとんど発生しないが、Ｒは一点鎖線、Ｂは破線
で示すようにおのおの左側でＲとＢの間隔が開く
ようにうねりを生ずるのである。このうねりはわ
ずわの量であつても画面上で色ずれとなり、画像
の品位をはなはだしく低下させるものであつた。

そのため、従来の投写型カラーテレビジヨン受
像機などでは垂直偏向コイルを第３図のように並
列接続するものが多い。第３図において、第１図
と同様のものは同一番号を付し説明は省略する。
この並列接続ではうねりはほとんど発生しない
が、前述したように各垂直偏向コイル間に温度差
が生じると垂直偏向コイルの抵抗値に差が生じる
ため、垂直偏向電流のアンバランスが発生してし
まうという欠点がある。すなわち、垂直振幅が各
CRTで異なつてくるため垂直方向での色ずれが
発生しやすいものであつた。

本発明は垂直偏向コイルを直列接続し、それで
いてうねりのない垂直偏向装置を提供するもので
ある。

本発明者らはまず、うねりが生じる原因を見い
出し、これを除去するようにした。ここで、本発
明を説明する前にこのうねりの原因について述べ
る。

第４図に、直列接続した場合の青の垂直偏向コ
イルを例にとりその等価回路を図示する。第４図
において１３，１４は相対する垂直偏向コイル部
分であり、両者の間には相互誘導がある。１５，
１６はダンピング抵抗である。１７は青の水平偏
向コイル、１８はこの水平偏向コイル１７の直列
抵抗を示している。１９は垂直偏向コイル−水平
偏向コイル間の浮遊容量で通常数十〜約100pF程
度である。２０は垂直偏向コイル部１３からみた
緑と赤の垂直偏向コイルのインピーダンスを表わ
したものである。また２１は垂直偏向コイル部分
１４の端子間容量、２２は垂直偏向コイル部分１
３の端子間容量である。水平偏向回路（図示して
いない）から水平偏向コイル１７に数百Vppの水
平パルス電圧が加わる。この水平パルスは浮遊容
量１９を通じて垂直偏向コイル部分１４に加わ
る。このため、垂直偏向コイル部分１４と端子間
容量２１とダンピング抵抗１６の回路で振動を生
じ、垂直偏向電流にこの振動電流が加わつた形で
うねりを生ずるのである。この様子を第５図に示
す。図中ａは水平パルス、６は垂直偏向コイル部
分１４に誘起する誘起電圧、ｃは垂直偏向コイル
に流れる誘起電流である。ａとｃの波形の位相を
比較すれば明らかな様に水平帰線期間内に振動が
おさまらないため画面のうねりとなるわけであ
る。（なお、垂直偏向コイルのインダクタンス、
浮遊容量１９の値によつては第５図ｂ，ｃの波形
は若干異なる場合がある。）そして、垂直偏向コ
イル部分１３に加わる水平パルスはインピーダン
ス２０があるため垂直偏向コイル部分１４に加わ
るよりもかなり小さいが、垂直偏向コイル部分１
４との相互誘導により同波形の電圧が誘起する。
ダンピング抵抗１５と端子間容量２２は当然なが
ら抵抗１６と端子間容量２１と同じ値なので同様
に振動を生じるが、大きさは垂直偏向コイル部分
１４に発生するよりも小さくなる。

次に緑の偏向ヨークについて述べる。その等価
回路を第６図に示す。第５図と同様のものは同一
番号を付し説明は省略する。８は緑の垂直偏向コ
イルのうちの１つの部分であり、１０，２５はそ
れぞれダンピング抵抗、端子間容量である。また
２３は赤の垂直偏向コイルのインピーダンスを表
わしたものである。９はもう１つの垂直偏向コイ
ル部分であり、１１，２６はそれぞれダンピング
抵抗、端子間容量である。２４は青の垂直偏向コ
イルのインピーダンスを表わしたものである。垂
直偏向コイル部分８に生じる水平パルスはインピ
ーダンス２３があるためかなり小さくなる。そし
て垂直偏向コイル部分９に関してもインピーダン
ス２４のため小さいものである。さらにインピー
ダンス２３と２４がほぼ同じ値であるため垂直偏
向コイル部分８と９に生ずる誘起電圧はほぼ同じ
大きさとなる。そして垂直偏向電流はインピーダ
ンス２３、垂直偏向コイル部分８、垂直偏向コイ
ル部分９、インピーダンス２４を通つて流れるた
め、垂直偏向コイル部分８と９に発生する誘起電
圧は垂直偏向電流に関しては逆極性となり、この
ため振動を生じても互いに打ち消しあいうねりは
発生しないのである。垂直偏向コイルを並列接続
するとうねりが発生しないのも同様の理由であ
る。水平周波数では垂直偏向回路の出力点はアー
ス点と等価なので、赤と青は極性が逆で同じ大き
さの誘起電圧が発生する。第７図に各コイルの誘
起電圧の大きさと方向の矢印の長さと方向で示
す。

次に本発明を第８図に示す実施例と共に説明す
る。本発明は赤（Ｒ）の１つの（第１の）垂直偏
向コイル部分３、次に青(B)の１つの（第１の）垂
直偏向コイル部分１３、次に緑(G)の１つの（第１
の）垂直偏向コイル部分８を直列に接続し、そし
て次に緑(G)、青(B)、赤（Ｒ）の順番で残りの（第
２の）垂直偏向コイル部分９，１４，４を直列接
続するのである。本発明において垂直偏向電流は
各コイルを直列に流れるが、水平偏向コイルから
の水平パルスの誘起は各偏向ヨーク内で大きさは
同じで逆極性となるため偏向磁界内で打ち消しあ
い画面のうねりは発生しない。本発明者による実
験では従来の直列接続で垂直振幅の最大３％あつ
たうねりが、本発明の構成により最大0.4％に減
少した。この値は走査線１本の幅とほぼ同じで実
用上まつたく問題はない。

なお、上下糸巻歪補正について言及しなかつた
が、アース点に対する対称性を損なわない位置、
すなわち第８図の垂直偏向コイル部分８と９の間
に上下糸巻歪補正用の変調トランスを接続すれば
本発明の効果を損なわずに補正をすることが可能
である。

以上説明したように本発明によれば、画面上で
うねりがなく、かつ各陰極線管の垂直振幅の差も
発生せず色ずれのない品位の高い画像を得ること
が可能となる。さらに本発明はこのような型式の
テレビジヨン受像機全てに適用でき、新たな部品
の追加、調整も必要としないためコスト的にも極
めて実用効果の高いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の垂直偏向コイルの接続を示す構
成図、第２図は第１図の構成だ発生する画面のう
ねりを示す説明図、第３図は異なる従来例を示す
構成図、第４図は青の垂直偏向コイルの等価回路
図、第５図は水平パルスの誘起電圧波形と誘起電
流波形図、第６図は緑の垂直偏向コイルの等価回
路図、第７図は各コイルに発生する誘起電圧波形
の極性と大きさを示す図、第８図は本発明の一実
施例におけるテレビジヨン受像機の垂直偏向装置
の構成図である。１……垂直偏向回路、２，１２，７……偏向ヨ
ーク、３……偏向ヨーク２の第１の垂直偏向コイ
ル部分、１３……偏向ヨーク１２の第１の垂直偏
向コイル部分、８……偏向ヨーク７の第１の垂直
偏向コイル部分、９……偏向ヨーク７の第２の垂
直偏向コイル部分、１４……偏向ヨーク１２の第
２の垂直偏向コイル部分、４……偏向ヨーク２の
第２の垂直偏向コイル部分。

Claims

【特許請求の範囲】

１複数の陰極線管とこの陰極線管に装着された
複数の偏向ヨークと単一の垂直偏向回路を含み、
前記陰極線管に映出された画像を合成して単一の
画像を得るテレビジヨン受像機において、前記偏
向ヨークは水平偏向コイルと、第１の垂直偏向コ
イル部分と第２の垂直偏向コイル部分とからなる
垂直偏向コイルとで構成され、前記複数の偏向ヨ
ークのそれぞれの第１の垂直偏向コイル部分を直
列接続し、第２の垂直偏向コイル部分を第１の垂
直偏向コイル部分と逆の順番で第１の垂直偏向コ
イル部分に直列接続し、この直列接続された垂直
偏向コイルへ前記垂直偏向回路から垂直偏向電流
を供給することを特徴とするテレビジヨン受像機
の垂直偏向装置。