JPS6161003B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ボイラの火炉、工業用燃焼炉等の複
数バーナを備えた燃焼炉における部分負荷運転時
の炉内脱硝燃焼法の改良に関する。

従来の最も一般的なボイラの系統を第１図に、
また低NO_X燃焼法を取入れた従来のボイラの系統
を第２図に略示する。

第１図に示す一般的な従来のボイラの燃焼系統
においては、ボイラ火炉０１内の火炎Ｅで発生し
た排ガスＧは、ボイラ壁へ熱を放散させながら煙
道０２を通り、空気予熱器０４で燃焼用空気に熱
を与えた後、煙突０３より外部へ排出される。

ここで、燃料Ｆは燃料供給ポンプ０９より、燃
料パイプ１０を通り、燃料流量調整弁１１ａ，１
１ｂで流量を適正量に調整された後、バーナガン
１２ａ，１２ｂから噴出され、火炎Ｅの燃焼にあ
ずかる。

一方、燃焼用空気Ａは押込送風機０５から、空
気予熱器０４、空気ダクト０６を通り、ダンパ０
８ａ，０８ｂによつて、空気流量調整の後、バー
ナ風箱０７ａ，０７ｂから送り出される。

さて、第２図は現在最も進んだ低NO_X燃焼法を
行なう系統を示すもので、第１図の系統に排ガス
再循環フアン１３と再循環ガスダクト１４，１４
ａとからなるGR系統、及び燃焼用空気をバイパ
スさせて２段燃焼させるためのオーバーフアイア
エア系統０８ｃ，０７ｃ及び火炎Ｅで発生した
NO_Xを還元させるための燃料投入用の補助バーナ
１２ｃ及び燃焼完結のための空気吹き込み用アデ
イシヨナルエア系統０８ｄ，０７ｄが追設された
ものである。

これらの追加設備により次のようなNO_X低減効
果をもたせることができる。 すなわち、 (ア) GR系統１４，１３，１４ａから、再循環ガ
スを空気Ａに混入することによつて、火炎Ｅの
燃焼温度を下げることができ、これによつて、
火炎ＥのNO_X発生量を抑えることができる。

(イ) オーバーフアイアエアの系統０８ｃ，０７ｃ
によつて、火炎Ｅは空気不足の一次燃焼となつ
て、NO_Xの発生量は低く抑えられる。

一次燃焼後の未燃分はオーバーフアイアエア
風箱０７ｃから吹き込まれる空気によつて二次
的に燃焼される。

(ウ) オーバーフアイアエアによる二次燃焼のあと
補助バーナ系統１１ｃ，１２ｃから炭化水素系
燃料（ガス、油、石炭など）を追加投入するこ
とによつて、火炎Ｅで発生したNO_Xを還元させ
る。このとき、一部未燃分が残存することがあ
るので、燃焼完結用としてアデイシヨナルエア
系統から必要量の空気を送る。

以上の(ア)、(イ)、(ウ)の効果により第１図の場合の
一般燃焼法に比べ第２図の低NO_X燃焼法ではNO_X
の発生量を1/4〜1/5に抑えることができる。

しかし第１図、第２図に示した従来の燃焼法で
はいずれも、ボイラの部分負荷時に一部のバーナ
を停止させる場合に、次のような欠点がある。

すなわち、停止バーナには焼損防止と、火炉０
１内の排ガスの滞留時間を必要以上に長くさせな
い（部分負荷時に排ガスの滞留時間が長いと、不
完全燃焼ガスが留る危険がある。）ために、一定
量の空気Ａを流しておく必要があり、このため燃
料Ｆ流量からみた空気の過剰率は必要以上に高く
なる。

このことによつて、 (ア) 排ガスＧの量が増加し、排熱損失が増えるた
め、ボイラの熱効率が低下する。

(イ) 火炉０１内の酸素雰囲気が高くなるため、
NO_Xの発生量が増加する。

(ウ) ことに、第２図の補助バーナ１２ｃによる
NO_X還元を行なわせる場合、酸素濃度は０〜４
％程度が適正で、ボイラの部分負荷時における
７〜15％O₂濃度となるような場合にはNO_X還
元効果を著るしく損なう。

等の欠点が生ずる。

本発明は上述の欠点を解決することを目的とす
るものである。すなわち本発明は、複数のバーナ
をそなえた火炉の一部のバーナを停止し、残りの
バーナで燃焼を行う部分負荷時のバーナ燃焼法に
おいて、火炉内強制排気用のガス流量を燃焼バー
ナから出る排ガスと、火炉から排出された排ガス
の一部を火炉に再循環させたものとで確保すると
共に、前記再循環される排ガスの少なくとも一部
を停止バーナを介して火炉内に投入することを特
徴とする複数バーナ燃焼法にある。

以下本発明を第３図および第４図に例示したそ
の好適な実施例について詳述する。

第３図は従来の第１図の通常燃焼系統に、排ガ
ス再循環フアン１３と再循環ダクト１４，１４ｂ
とを追加し、再循環ガスGRをバーナ風箱０７
ａ，０７ｂに送ることができるようにしたもので
ある。また、再循環ガスGRは必要に応じ、ダン
パ１６ａ，１６ｂの開閉によつて使用する。

いま、複数バーナのうちの一部を停止したボイ
ラの部分負荷運転を行う場合、再循環フアン１３
を起動させて再循環ガスGRを再循環ダクト１
４，１４ｂを通して停止バーナ（いま１２ａとす
る。このとき弁１１ａは閉）の風箱０７ａへ送
る。このとき再循環ガスダンパ１６ａを開き、空
気ダンパ１８ａは閉じておく。その他のバーナに
ついては通常通り空気ダンパ０８ｂを開き、再循
環ガスダンパ１６ｂは閉じて運転する。

第４図は第２図の低NO_X燃焼系統に本発明の系
統を追設したもので、排ガス再循環フアン１３の
出口ダクトを２系統に分岐させて一方の１４ａは
従来通り空気ダクト０６に接続させ、他の一つ１
４ｂは各バーナ風箱０７ａ，０７ｂ及び各空気ノ
ズル風箱０７ｃ，０７ｄに接続させる。

分岐させた再循環ダクト１４ａ，１４ｂにはダ
ンパ１５ａ，１５ｂを設け、それぞれの流量を調
整する。

また、各バーナ及び各空気ノズルへの再循環ダ
クトには各々にダンパ１６ａ〜１６ｄを設けてあ
る。

このようにすることによつて、一部のバーナを
停止させる場合（弁１１ａ〜１１ｃのいずれかを
閉じる）不要となつた空気はダンパ（０８ａ〜０
８ｄのいずれか）を閉じ、これに換えて冷却用と
して再循環ガスGRをダンパ（１６ａ〜１６ｄの
いずれか）を開いて必要量を停止バーナ風箱（必
要によつてはオーバーフアイアエア風箱又はアデ
イシヨナルエア風箱）に送る。

このようにして、複数バーナの一部を停止させ
た部分負荷運転の場合に、本発明の系統では、停
止バーナの冷却（焼損防止）と燃焼の安全性を確
保するために必要な空気を再循環ガスGRにおき
かえることができる。

これによつて、 (ア) 部分負荷運転時の排出ガスＧの量を削減する
ことができ、これによつて、熱損失を低減でき
る。

(イ) 部分負荷運転時でも炉内の酸素濃度を低く抑
えることができるため、NO_X発生量が低減でき
る。

(ウ) とくに、第４図の補助バーナ１２ｃによる
NO_X還元を行なわせる場合には有効で、部分負
荷時にも、炉内を適正酸素濃度（０〜４％）に
できることから所期のNO_X還元効果を得ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の一般的なボイラの燃焼系統図、
第２図は低NO_X燃焼法を取入れた従来のボイラの
系統図、第３図は本発明を第１図のボイラ燃焼系
統に適用した場合を示す系統図、第４図は本発明
を第２図のボイラ燃焼系統に適用した場合を示す
系統図である。 ０１……ボイラ火炉、０２……煙道、０３……
煙突、０４……空気予熱器、０５……押込送風
機、０６……空気ダクト、０７ａ，０７ｂ……バ
ーナ風箱、０７ｃ……オーバーフアイアエア風
箱、０７ｄ……アデイシヨナルエア風箱、０８ａ
〜０８ｄ……空気流量調整用ダンパ、０９……燃
料供給ポンプ、１０……燃料供給パイプ、１１ａ
〜１１ｃ……燃料流量調整弁、１２ａ，１２ｂ…
…バーナガン、１２ｃ……補助バーナガン、１３
……排ガス再循環フアン、１４，１４ａ……再循
環ガスダクト、１５……再循環ガス流量調整ダン
パ、Ａ……空気、Ｅ……火炎、Ｆ……燃料、Ｇ…
…排ガス、GR……再循環ガス。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数のバーナをそなえた火炉の一部のバーナ
   を停止し、残りのバーナで燃焼を行う部分負荷時
   のバーナ燃焼法において、火炉内強制排気用のガ
   ス流量を燃焼バーナから出る排ガスと、火炉から
   排出された排ガスの一部を火炉に再循環させたも
   のとで確保すると共に、前記再循環される排ガス
   の少なくとも一部を停止バーナを介して火炉内に
   投入することを特徴とする、複数バーナ燃焼法。