JPS6159998B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は充填装置に関し、より詳しくは炭酸飲
料と無炭酸飲料とを充填することが可能な兼用型
の充填装置に関するものである。

「従来の技術」 従来、充填液タンク内の充填液を容器内に供給
する液通路と、この液通路の途中に設けた弁座
と、昇降自在に設けられて通常は上方へ付勢され
たバルブステムと、このバルブステム設けられ、
このバルブステムの降下により上記弁座に着座さ
れて上記液通路を閉鎖する液バルブの弁体と、上
記バルブステムの軸部に形成したガス通路と、こ
のガス通路を開閉するガスバルブとを備えた炭酸
飲料用充填装置は、既に周知である。

この種の炭酸飲料用充填装置において、容器内
に炭酸飲料を充填するには、まず容器を密封した
状態で上記ガスバルブを開放させて充填液タンク
内のガスを容器内に供給し、容器内のガス圧が充
填液タンク内の圧力に略等しくなつたら上記付勢
力によつてバルブステムを上昇させて液バルブを
開放させ、これによつて充填液タンク内の炭酸飲
料を容器内に充填する。

次に、容器内に所要量の炭酸飲料が充填されて
充填液タンクから容器内への充填が終了したら、
上記バルブステムを降下させて液バルブを閉鎖さ
せるとともにガスバルブを閉鎖させ、さらに容器
内に封入されたガスをスニフトバルブを介して徐
徐に外部に排出させて容器内が略大気圧となつた
ら、容器の密封を除して炭酸飲料の充填作業を終
了するようにしている。

「発明が解決しようとする問題点」 ところで従来、上述した炭酸飲料用充填装置を
利用して無炭酸飲料を充填することが行なわれて
いるが、従来の炭酸飲料用充填装置では、無炭酸
飲料を充填する場合においても炭酸飲料の場合と
同様にカウンタプレツシヤをかける必要がある。

すなわち、上述した従来の炭酸飲料用充填装置
では、充填終了時に上記ガスバルブを閉鎖させる
とガス通路内に充填液が残溜するので、その残溜
充填液が次回の充填時に、充填液の充填に伴なつ
て逃げようとする容器内の空気の流通を阻害し
て、充填不能若しくは充填不良となる。

したがつて従来装置では、充填開始時にカウン
タプレツシヤをかけ、その圧力により残溜充填液
を容器内に排出してガス通路の連通状態を確保す
る必要があり、その分ランニングコストが増大し
ていた。

「問題点を解決するための手段」 本発明はそのような事情に鑑み、炭酸飲料を充
填することができることはもとより、カウンタプ
レツシヤをかけずに無炭酸飲料の充填をも行なう
ことのできる充填装置を提供するものである。

すなわち本発明は、充填液タンク内の充填液を
容器内に供給する液通路と、この液通路の途中に
設けた弁座と、昇降自在に設けられて通常は上方
へ付勢されたバルブステムと、このバルブステム
設けられ、このバルブステムの降下により上記弁
座に着座されて上記液通路を閉鎖する液バルブの
弁体と、上記バルブステムの下方に配設固定した
ベントチユーブと、このベントチユーブの軸部と
上記バルブステムの軸部とにそれぞれ形成され、
かつ相互に連通して上記容器内のガス若しくはエ
アを排出するガス通路と、このガス通路を開閉す
るガスバルブと、上記液バルブよりも上方でガス
バルブよりも下方位置におけるガス通路と上記液
バルブよりも下流側の液通路とを連通する連通路
と、上記ベントチユーブとバルブステムとに設け
られて上記連通路を開閉する開閉弁と、さらに上
記容器内に封入されたガスを外部に逃がすスニフ
トバルブとを備えたもので、さらに上記開閉弁
は、バルブステムが上昇して上記液バルブを開放
した際に相互に接触して上記連通路を閉じ、かつ
バルブステムが降下して上記液バルブを閉鎖した
際に相互に離隔してその連通路を開くことを特徴
とするものである。

「作用」 そのような構成において、容器内に炭酸飲料を
充填する際には、まず容器を密封した状態で上記
ガスバルブを開放させて充填液タンク内のガスを
容器内に供給する。この際には液バルブは閉じて
おり、したがつて開閉弁が開放して連通路を介し
て容器内とガス通路を連通しているので、充填液
タンク内のガスは上記ベントチユーブとバルブス
テムとに設けたガス通路とともに、連通路を介し
て容器内に供給されるようになる。

このようにして容器内にガスが供給され、その
ガス圧が充填液タンク内の圧力に略等しくなる
と、上記付勢力によつてバルブステムが上昇され
て液バルブが開放され、これによつて充填液タン
ク内の炭酸飲料が容器内に充填される。そして液
バルブが開放されると開閉弁が閉じられるので、
この際には、炭酸飲料の容器内への充填に伴なつ
て、容器内の空気又はガスはベントチユーブとバ
ルブステムとに設けたガス通路から充填液タンク
内に排出されるようになる。

さらに、容器内に所要量の炭酸飲料が充填され
て充填液タンクから容器内への充填が終了した
ら、上記バルブステムを降下させて液バルブを閉
鎖させるとともにガスバルブを閉鎖させ、さらに
容器内に封入さたガスをスニフトバルブを介して
徐々に外部に排出させる。

この状態においては、従来装置では、上記ガス
バルブが閉じることによつてガス通路内に充填液
が密封されてそこに残溜するようになるが、本発
明においては上記開閉弁を開放させて、液バルブ
よりも上方でガスバルブよりも下方位置における
ガス通路と上記液バルブよりも下流側の液通路と
を連通路を介して連通させているので、そのガス
通路内に流入した充填液を容器内に落下させるこ
とができ、したがつてガス通路内に充填液が残溜
することを防止することができる。

そして上述の説明から理解されるように、本発
明に係る充填装置によつて容器内に無炭酸飲料を
充填する際においても、充填終了後に上記ガス通
路に充填液が残存することはなく、したがつて従
来装置のように充填開始時にカウンタプレツシヤ
をかけて残溜充填液をガス通路から排出する必要
がなく、ランニングコストの低減を図ることがで
きる。

「実施例」 以下図示実施例について本発明を説明すると、
第１図において、充填液タンク１の底部にブロツ
ク２を固定してこのブロツク２と充填液タンク１
の底壁とにその充填液タンク１内に連通する液通
路３を形成し、この液通路３の途中にこれを開閉
する液バルブ４を設けている。

この液バルブ４は上記ブロツク２に設けた弁座
５とこの弁座５に上方から着座して液通路３を閉
じる弁体６とを備えており、この弁体６はバルブ
ステム７の下端部に一体に形成している。バルブ
ステム７の中間部には環状部材８を設けてあり、
この環状部材８を充填液タンク１と一体に設けた
筒状部材９内に摺動自在に嵌合するとともに、こ
の筒状部材９の段部と環状部材８との間にばね１
０を弾装して、バルブステム７を弁体６が弁座５
から離座する上方向に附勢している。

なお、上記液通路３は筒状部材９の軸部からこ
れに形成したスリツト１１を介して充填液タンク
１内底部に連通している。

上記バルブステム７の上端部はガスバルブ１５
の筒状部内に摺動自在に嵌合し、バルブステム７
とガスバルブ１５との間に弾装したばね１６の弾
撥力により、第２図に示すように、ガスバルブ１
５を上方に変位させた際には、バルブステム７軸
部のガス通路１７を上記ガスバルブ１５の筒状部
に形成した孔１８を介して充填液タンク１内の上
方空間に連通させている。

上記ガスバルブ１５は図示しない開閉機構に連
動し、この開閉機構は充填液タンク１の外部から
の操作により上記ばね１６に抗してガスバルブ１
５を押下げ、第１図に示すように、ガス通路１７
と充填液タンク１内の上方空間との連通を遮断で
きるようにしている。

上記ブロツク２には、第１図、第３図に示すよ
うに、これに一体にリブ２０および筒状部２２を
形成してあり、この筒状部２２の軸部にベントチ
ユーブ２１を固定している。上記筒状部２２は昇
降自在な上記バルブステム７と同一軸線上に配置
してその下端のフランジ部をバルブステム７下端
の筒状部内に相対的に摺動自在に嵌合し、かつバ
ルブステム７の筒状部内上端部に下方に向けて形
成した筒状部２３をベントチユーブ２１のガス通
路２４内上端部に遊嵌合させて、両ガス通路１
７，２４を相互に連通させている。

そして上記筒状部２２の上端部外周に弁体２５
を、バルブステム７の筒状部内にその弁体２５に
下方より対向する弁座２６をそれぞれ設け、この
弁体２５と弁座２６とにより、第１図に示すよう
にバルブステム７が押下げられて液バルブ４を閉
じた際に開、第２図に示すようにバルブステム７
がばね１０により押上げられた際に閉となる開閉
弁２７を構成している。

そしてさらに、この開閉弁２７を設けた連通路
２８の上方を上記筒状部２３とガス通路２４との
間隙を介して常時ガス通路１７，２４に連通さ
せ、また開閉弁２７より下方の連通路２８を上記
筒状部２２に形成した通路２９を介して液バルブ
４より下流側の液通路３に連通させている。

上記ブロツク２には液バルブ４より下流側の液
通路３と大気とを連通するスニフト通路３０を形
成するとともに、このスニフト通路３０を開閉す
るスニフトバルブ３１を設けている。このスニフ
トバルブ３１は、上記ブロツク２に嵌着した筒状
部材３２と、この筒状部材３２に摺動自在に嵌合
したステム３３と、このステム３３に設けた弁体
３４と、この弁体３４を通常は上記筒状部３２の
端部弁座に圧着させるばね３５とから構成してい
る。

また上記ブロツク２の下方に昇降テーブル（図
示せず）によつて昇降される容器３７の口部を案
内する容器案内部材３８を設け、この案内部材３
８に容器３７を大気に対して密封するシール部材
３９を設けている。上記容器案内部材３８は、充
填液タンク１に設けたガイドロツド３９に昇降自
在に係合させている。

以上の構成において、充填開始前の状態では、
図示しない開閉機構によつてガスバルブ１５が押
下げられてガス通路１７を閉じ、またこれと同時
にバルブステム７が押下げられて液バルブ４を閉
じるとともに、開閉弁２７を開いている。またス
ニフトバルブ３１も閉じている。

この状態から容器３７が図示しない昇降テーブ
ルによつて上昇され、その口部がシール部材３９
によつてシールされると、上記開閉機構を介して
ガスバルブ１５が作動され、ガス通路１７を開
く。

炭酸飲料を充填する場合には、充填液タンク１
の上方空間のガスがガス通路１７からガス通路２
４を介して、またガス通路１７から上記連通路２
８、開閉弁２７の弁体２５と弁座２６との間隙、
通路２９および液通路３を介して容器３７内に導
入され、その容器３７内の圧力が充填液タンク１
内の圧力と略等しくなると、ばね１０の弾撥力に
よりバルブステム７が上昇し、液バルブ４を開く
と同時に開閉弁２７を閉じる。 他方、無炭酸飲
料を充填する場合には、充填液タンク１の上方空
間を大気圧としておけば、最初から充填液タンク
１内の圧力と容器３７内の圧力が等しいので、ガ
スバルブ１５の上昇と同時にバルブステム７も上
昇して上述のように液バルブ４を開くと同時に開
閉弁２７を閉じる。

液バルブ４が開かれると、充填液タンク１内の
充填液が液通路３を介して容器３７内に充填され
るようになり、これと同時に容器３７内のガス若
しくはエアは、開閉弁２７が閉じているので、ガ
ス通路２４と１７のみから充填液タンク１内に排
出される。そして充填液の液面がベントチユーブ
２１の下端に達して、ガス通路２４を閉塞する
と、充填液の充填が終了する。このとき、充填液
はベントチユーブ２１およびバルブステム７のガ
ス通路２４，１７内を充填液タンク１内の液のヘ
ツド圧とバランスする高さ位置まで上昇するよう
になる（第２図参照）。

容器３７内への充填液の注入が終了すると、前
記開閉機構によつてガスバルブ１５およびバルブ
ステム７が押下げられ、ガスバルブ１５が閉じる
とともに液バルブ４が閉じ、さらに開閉弁２７が
開く。すると、ガス通路２４の上端部と液通路３
とが相互に連通して圧力を同圧に維持するように
なるので、ガス通路２４内に流入した充填液は容
器３７内に落下し、またガス通路１７の下部に若
干量だけ流入した充填液も、その自重によつて容
器３７内に落下するようになる。

したがつて無炭酸飲料を充填する場合におい
て、開閉弁２７のない従来装置のように、次回の
充填時にガス通路２４，１７内に残溜する充填液
によつて容器３７内のエアの排出が阻害されると
いつた事態を未然に防止できる。

次にスニフトバルブ３１のステム３３が図示し
ない固定カム等によりばね３５に抗して右行され
るとスニフト通路３０が開き、容器３７内の圧力
を大気圧まで低下させる。このとき、特に炭酸飲
料を充填する場合において、ガス通路１７，２４
内のガスは両通路の接続部分からなる開閉弁２７
を介してスニフト通路３０へ流れるので、従来装
置のようにガス通路２４から充填液内を介してス
ニフト通路３０に流れることがなく、したがつて
充填液の発泡を最少に抑制することができる。

この後、容器３７は昇降テーブルにより降下さ
れて充填作動の１サイクルが終了する。なお、無
炭酸飲料を充填する場合には、最後のスニフト通
路３０を開く工程を省略できることは勿論であ
る。

「発明の効果」 以上のように、本発明によれば、ガス通路内に
流入して残溜しようとする充填液を開閉弁を開く
ことによつてカウンタプレツシヤをかけることな
く容器内に落下させることができるので、ランニ
ングコストの増大を招くことなく次回の充填作業
を円滑に行なわせることができるという効果が得
られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す縦断面図、第
２図は第１図と異る状態を示す縦断面図、第３図
は第１図および第２図の要部の斜視図である。 １…充填液タンク、３…液通路、４…液バル
ブ、５…弁座、６…弁体、７…バルブステム、１
５…ガスバルブ、１７，２４…ガス通路、２１…
ベントチユーブ、２７…開閉弁、２８…連通路、
３７…容器、３１…スニフトバルブ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 充填液タンク内の充填液を容器内に供給する
   液通路と、この液通路の途中に設けた弁座と、昇
   降自在に設けられて通常は上方へ付勢されたバル
   ブステムと、このバルブステムに設けられ、この
   バルブステムの降下により上記弁座に着座されて
   上記液通路を閉鎖する液バルブの弁体と、上記バ
   ルブステムの下方に配設固定したベントチユーブ
   と、このベントチユーブの軸部と上記バルブステ
   ムの軸部とにそれぞれ形成され、かつ相互に連通
   して上記容器内のガス若しくはエアを排出するガ
   ス通路と、このガス通路を開閉するガスバルブ
   と、上記液バルブよりも上方でガスバルブよりも
   下方位置におけるガス通路と上記液バルブよりも
   下流側の液通路とを連通する連通路と、上記ベン
   トチユーブとバルブステムとに設けられて上記連
   通路を開閉する開閉弁と、さらに上記容器内に封
   入されたガスを外部に逃がすスニフトバルブとを
   備え、上記開閉弁は、バルブステムが上昇して上
   記液バルブを開放した際に相互に接触して上記連
   通路を閉じ、かつバルブステムが降下して上記液
   バルブを閉鎖した際に相互に離隔してその連通路
   を開くことを特徴とする充填装置。