JPH0528240Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、充填液を容器内に充填するガス詰め
充填装置に関し、より詳しくは、容器内へ充填さ
れた余剰の充填液をガス通路から外部に排出して
容器内の充填液の液面高さを一定にするトツピン
グバルブを備えたガス詰め充填装置に関する。

「従来の技術」 従来、充填液を容器内に充填するガス詰め充填
装置として、容器内に充填液を注入する充填液通
路と、この充填液通路内に昇降自在に設けたベン
トチユーブと、上記充填液通路を囲んで形成した
弁座と、上記ベントチユーブに設けられて上記弁
座に着座する液バルブと、上記ベントチユーブに
連動し、該ベントチユーブを昇降作動させて上記
液バルブを開閉させるカムレバーと、このカムレ
バーに係合して上記液バルブを開放させる開放カ
ムと、上記カムレバーに係合して上記液バルブを
閉鎖させる閉鎖カムと、充填液が充填されて液バ
ルブが閉鎖した状態の容器内に圧力ガスを供給
し、該容器内に充填された余剰の充填液を上記ベ
ントチユーブ内のガス通路を介して外部に排出さ
せるトツピングバルブと、このトツピングバルブ
に係合してこれを開放させるトツピングカムとを
備えたものが知られている（特開昭61−287519号
公報）。

この種のガス詰め充填装置においては、容器内
の空気又はガスを上記ベントチユーブ内のガス通
路を介して排出しつつ上記充填液通路から容器内
に充填液を充填し、その充填液がガス通路下端を
閉鎖したら自動的に充填液の容器内への充填を終
了するようにしている。この状態では、容器内に
充填された充填液の液面はガス通路下端よりも上
方となつているのが普通である。

容器内への充填液の充填が終了したら上記液バ
ルブを閉鎖し、次に上述したトツピングバルブを
所定位置に設けた上記トツピングカムに係合さ
せ、該トツピングバルブを開放させて容器内に圧
力ガスを供給する。するとこの圧力ガスの圧力に
より、上記ガス通路下端よりも上方まで充填され
ていた余剰の充填液がガス通路を介して外部に排
出されるので、容器内の充填液の液面高さがガス
通路下端の高さ位置に揃えられる。この後、トツ
ピングバルブに係合していたカムが離隔されると
トツピングバルブが閉鎖されて容器内への圧力ガ
スの供給が停止する。

「考案が解決しようとする課題」 しかるに従来は、上記カムレバーの摩擦力によ
つて液バルブを閉鎖状態に維持するようにしてい
たので、トツピングバルブが開放されて容器内に
圧力ガスが導入された際に、そのガスの圧力で上
記液バルブが僅かに開放されてしまい、圧力ガス
がその液バルブおよび充填液通路を介して容器の
外部に漏洩するという問題があつた。

そしてそのような事態が生じると、圧力ガスの
消費量が増大することは勿論、充填液の液面高さ
が不揃になり、或いは充填液が発泡し易くなる等
の欠点が生じる。

「課題を解決するための手段」 本考案はそのような事情に鑑み、上述したガス
詰め充填装置において、上記トツピングカムによ
るトツピングバルブの開放区間内に、上記カムレ
バーに係合して液バルブを閉鎖状態に維持する押
えカムを設けるようにしたものである。

「作用」 上記構成によれば、トツピングバルブが開放さ
れて容器内に圧力ガスが導入される際には、上記
押えカムによつて液バルブを閉鎖状態に維持する
ことができるので、上記圧力ガスの圧力で液バル
ブが開放されることを防止でき、したがつて上述
した従来の欠点を解消することができる。

「実施例」 以下図示実施例について本考案を説明すると、
第２図において、タンク１の内部に炭酸飲料等の
充填液２を貯溜してあり、またその上部空間に炭
酸ガス等の圧力ガス３を導入している。このタン
ク１の底部外周の等間隔位置には複数の充填機構
４を設けてあり、各充填機構４は上記タンク１の
回転によつて第１図の矢印Ｙ方向に移動されるよ
うになつている。

上記各充填機構４によつて充填液が充填される
容器５は、第１図に示す供給側スターホイール６
によつて図示しない昇降テーブル上に供給され、
上記タンク１と一体的に回転移送される間に充填
液が充填される。そして充填の終了した容器５
は、排出側スターホイール７によつて上記昇降テ
ーブル上から外部に排出される。

上記各充填機構４は、軸部に形成した充填液通
路９と、この充填液通路９内に昇降自在に設けた
ベントチユーブ１０とを備えており、このベント
チユーブ１０内をガス通路１１としている。上記
ベントチユーブ１０の外周には充填液通路９を開
閉する液バルブ１２を設けてあり、通常は、この
液バルブ１２をばね１３の弾撥力に抗して下方に
移動させ、上記充填液通路９を囲んで形成した弁
座１４に着座させることにより、該充填液通路９
を閉鎖している。

さらに上記ベントチユーブ１０の上端にはガス
通路１１を開閉するガスバルブ１５を取付けて
り、このガスバルブ１５をアーム１６および回転
軸１７を介して概略Ｖ字形のカムレバー１８に連
動させ、そのカムレバー１８の作動により通常は
ガス通路１１を閉鎖させている。このガスバルブ
１５には逆止弁１９を設けてあり、この逆止弁１
９はガス通路１１からタンク１への圧力ガス３の
流通を許容し、その逆の流れを阻止するようにな
つている。

上記充填液通路９には液バルブ１２よりも下流
側位置にガス通路２０の一端を開口させてあり、
このガス通路２０の他端は、通常はこのガス通路
２０を遮断するトツピングバルブ２１およびガス
室２２を介して、タンク１内の圧力ガス３よりも
圧力の高い圧力ガスを供給する図示しない供給源
に連通させている。そして上記トツピングバルブ
２１と充填液通路９との間にガス通路２０を外部
に開放するスニフト通路２３を接続してあり、こ
のスニフト通路２３に、通常はこれを閉鎖するス
ニフトバルブ２４を設けている。

また各充填機構４の下方側には、図示しなガイ
ドロツドに昇降自在に取付けた支持部材２５を配
設しており、この支持部材２５に容器５の口部を
密封するびん口パツキン２６と容器５のセンタリ
ングを行なうガイドコーン２７を取付けている。

然して第１図に示すように、上記充填機構４の
移動軌跡に近接した所要位置には、上記Ｖ字形カ
ムレバー１８の上方部分１８ａに係合して該カム
レバー１８を第３図反時計方向に回転させ、上記
ガスバルブ１５および液バルブ１２を開放させる
開放カム２９と、Ｖ字形カムレバー１８の下方部
分１８ｂに係合して該カムレバー１８を逆方向に
回転させ、上記ガスバルブ１５および液バルブ１
２を閉鎖させる閉鎖カム３０とを設けている。

また、上記閉鎖カム３０よりもタンク１の回転
方向前方側には、上記トツピングバルブ２１に係
合してこれを開放するトツピングカム３１を設け
るとともに、該トツピングカム３１の上方に押え
カム３２を設け、該押えカム３２を上記Ｖ形カム
レバーの下方部分１８ｂに係合させて該カムレバ
ー１８を閉鎖状態に維持し、それによつて上記液
バルブ１２がトツピング時の圧力によつて開放す
るのを防止できるようにしている。この押えカム
３２は、第２図に示すように、ばね３３によつて
上方に付勢してあり、所要の押圧力で上記カムレ
バー１８を閉鎖状態に維持できるようになつてい
る。

さらに上記トツピングカム３１よりも回転方向
前方側には、上述したスニフトバルブ２４に係合
してこれを開放するスニフトカム３４を配設して
あり、スニフトバルブ２４と係合してこれを開放
させた際には、スニフト通路２３を介して容器５
内の上部空間に残留したガスの圧力を徐々に低下
させることができるようにしている。

以上の構成において、容器５が供給側スターホ
イール６によつて図示しない昇降テーブル上に供
給されると、第１図におけるＡ区間において上記
昇降テーブルの上昇に伴つて上昇され、ガイドコ
ーン２７によつてセンタリングされつつびん口パ
ツキン２６に圧着される。これにより容器５内が
密封されるとともに、ベントチユーブ１０の下端
部が相対的に容器５内に挿入される。

次に、上記容器５がＢ区間に移動されると、上
記カムレバー１８の上方部分１８ａが開放カム２
９に係合して第３図反時計方向に回転される。す
ると、回転軸１７を介してアーム１６が上昇され
るので、先ずガスバルブ１５が開放されてタンク
１内の圧力ガス３がガス通路１１を介して容器５
内に供給される。そして容器５内に圧力ガス３が
導入されてその内部の圧力とタンク１内の圧力と
の差が小さくなると、ばね１３の弾撥力によつて
ベントチユーブ１０が上昇されて液バルブ１２が
開放され、これによりタンク１内の充填液２が容
器５内に充填される。

容器５内に充填された充填液２がベントチユー
ブ１０の開口すなわちガス通路１１の下端を閉鎖
すると、容器５内の圧力ガスが外部に逃げられな
くなるので、充填液通路９から容器５内への充填
液２の充填が終了するが、既に液バルブ１２より
も下流側の液通路５に流れ込んでいた充填液は容
器内に落下するので、容器５内の充填液２はベン
トチユーブ１０の下端よりも上方まで充填され
る。そして容器５内への充填液２の充填が終了す
るとカムレバー１８の下方部分１８ｂが閉鎖カム
３０に係合して該カムレバー１８を第３図時計方
向に回転させるので、アーム１６およびベントチ
ユーブ１０に連動されたガスバルブ１５と液バル
ブ１２とが閉鎖される。

上記容器５がＣ区間に移動すると、トツピング
カム３１がトツピングバルブ２１に係合してトツ
ピングバルブ２１を開放するので、ガス室２２内
の圧力ガスがガス通路２０と充填液通路９とを介
して容器５内の上部空間に供給される。この圧力
ガスの圧力はタンク１内の圧力ガス３の圧力より
も高いので、ベントチユーブ１０の下端開口を越
えて上方の位置まで充填されていた充填液２は、
圧力ガスの圧力によりベントチユーブ１０の下端
開口からガス通路１１内に押出され、ガスバルブ
１５に設けた逆止弁１９を開放してタンク１内に
排出される。

この際、前述したように、従来は液バルブ１２
が単にカムレバー１８の摩擦力によつて弁座１４
に着座されていたので、上記圧力ガスの圧力によ
つて液バルブ１２が押上げられることがあり、液
バルブ１２が弁座１４から離座すると、その間隙
から圧力ガスがタンク１内に逃げていた。

これに対し本実施例では、上記トツピングバル
ブ２１が開放される際には、上記Ｖ字形カムレバ
ー１８の下方部分１８ｂが押えカム３２に係合し
ているので、そのトツピングバルブ２１の開放に
よつて容器５内に圧力ガスが導入されても、該圧
力ガスは上記液バルブ１２を押上げることができ
ない。したがつて、液バルブ１２と弁座１４との
間隙から圧力ガスがタンク１内に逃げることを確
実に防止することができる。

次に、上記トツピングバルブ２１とトツピング
カム３１との係合が解除されると、トツピングバ
ルブ２１が閉鎖されて容器５内への圧力ガスの供
給が停止され、またカムレバー１８と押えカム３
２との係合も解除される。

さらに、上記容器５がＤ区間に移動すると、ス
ニフトバルブ２４がスニフトカム３４に係合して
開放されるので、容器５内の上部空間の圧力ガス
が充填液通路９とスニフト通路２３を介して徐々
に外部に流出され、容器５内の上部空間のガスの
圧力が低下する。そして引続き容器５がＥ区間に
移動されると、昇降テーブルの下降により元の高
さ位置まで降下され、さらに排出側スターホイー
ル７によつて昇降テーブル上から排出されて次工
程に移送される。他方、上記スニフトバルブ２４
は、スニフトカム３４から離脱することによつて
閉鎖されるようになる。

なお、上記実施例では閉鎖カム３０と押えカム
３２とを別部材で構成しているが、両者を一体に
形成しても良いことは勿論である。

「考案の効果」 以上のように、本考案によれば、トツピング時
の圧力ガスの漏洩を防止することができるで、圧
力ガスの消費量を低減することができるととも
に、容器内の充填液の液面高さを実質的に一定に
することができ、また発泡の減少やトツピング時
間の短縮等を図ることができるという効果が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す概略平面図、
第２図は第１図の要部の断面図、第３図は第２図
の方向矢視図である。 １……タンク、２……充填液、４……充填機
構、５……容器、９……充填液通路、１０……ベ
ントチユーブ、１１……ガス通路、１２……液バ
ルブ、１４……弁座、１５……ガスバルブ、１８
……カムレバー、２１……トツピングバルブ、２
９……開放カム、３０……閉鎖カム、３１……ト
ツピングカム、３２……押えカム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 容器内に充填液を注入する充填液通路と、この
   充填液通路内に昇降自在に設けたベントチユーブ
   と、上記充填液通路を囲んで形成した弁座と、上
   記ベントチユーブに設けられて上記弁座に着座す
   る液バルブと、上記ベントチユーブに連動し、該
   ベントチユーブを昇降作動させて上記液バルブを
   開閉させるカムレバーと、このカムレバーに係合
   して上記液バルブを開放させる開放カムと、上記
   カムレバーに係合して上記液バルブを閉鎖させる
   閉鎖カムと、充填液が充填されて液バルブが閉鎖
   した状態の容器内に圧力ガスを供給し、該容器内
   に充填された余剰の充填液を上記ベントチユーブ
   内のガス通路を介して外部に排出させるトツピン
   グバルブと、このトツピングバルブに係合してこ
   れを開放させるトツピングカムとを備えたガス詰
   め充填装置において、 上記トツピングカムによるトツピングバルブの
   開放区間内に、上記カムレバーに係合して液バル
   ブを閉鎖状態に維持する押えカムを設けたことを
   特徴とするガス詰め充填装置。