JPS6156023B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、旋動式破砕機の原料均等供給装置に
関するものである。

従来の旋動式破砕機に於ける原料供給装置は、
第１図に示す如く入口ホツパー１の上部に、投入
シユート２と該投入シユート２の外周に嵌合固定
した断面Ｌ型の環状板３と投入シユート２の下端
に連ねた排出シユート４とから成る原料供給シユ
ート５を、前記断面Ｌ型の環状板３にて図示せぬ
フレームに取付けた複数の水平なキヤスター６と
複数の垂直なキヤスター６′に支持して回転可能
ならしめたものである。

この原料供給装置７は、粉塵が激しい場合、キ
ヤスター６，６′の摩耗が早く、頻繁な保守、点
検、交換が必要となる。その為、旋動式破砕機を
停止させなければならず、稼動率が著しく低下し
ていた。またキヤスター６，６′が摩耗した場
合、原料供給シユート５が上下、左右に振動する
為、回転がスムーズにいかず、本来の目的である
破砕原料の均等供給が不充分となつていた。さら
に原料供給シユート５がＶベルト駆動の場合、振
動によつてＶベルトが外れ、運転不能に陥いるこ
とが頻繁に生じていた。

また原料供給シユート５に於ける排出シユート
４は、従来第２図ａ，ｂ，ｃに夫々示す如き構造
のものであるが、第２図ａの排出シユート４は投
入シユート２に投入された破砕原料が直かに当る
傾斜部分４ａの摩耗が早いものであり、第２図ｂ
の排出シユート４は投入シユート２に投入された
破砕原料が直かに当る山形の先端部４ｂの摩耗が
早いものであり、第２図ｃの排出シユート４（第
１図に示される排出シユート４と同一）は摩耗を
防ぐ為デツド方式（セルフライニング方式）とし
て水平部４ｃを形成しているが、水分、泥分が多
い場合は図示の如く堆積伸長して、ついには排出
口４′が閉塞してしまうものである。

本発明は斯かる問題を解消すべくなされたもの
であり、原料供給シユートを真直に支持して円滑
に回転できて、振動による回転不能は生ぜず、ま
た破砕原料を投入しても原料供給シユートに於け
る排出シユートは摩耗することがなく原料供給シ
ユートの回転による遠心力により円滑に破砕原料
を排出して破砕室の周方向に均等に供給でき、さ
らに原料供給シユートの回転数を任意に可変でき
且つ原料供給シユートの回転中心を旋動式破砕機
の中心に芯合わせできるようにした原料均等供給
装置を提供せんとするものである。

以下本発明の旋動式破砕機の原料均等供給装置
の実施例を第３，４，５図によつて説明する。第
３図は旋動式破砕機全体の縦断面図である。図中
１０は破砕機の本体ケーシングで、入口ホツパー
１を上端に取付けた上部ケーシング１１と該上部
ケーシング１１の下端をボルト１２にて上端に接
続した下部ケーシング１３より成る。１４は上部
ケーシング１１の内周側に固設したコーンケーブ
リングで、これに対向してマントル１５が配され
て、両者の間に環状の破砕室１６が形成されてい
る。マントル１５はマントルコア１７を介して主
軸１８に固設され、主軸１８は傘歯車機構１９を
介して回転力伝達軸２０に連繁され、回転力伝達
軸２０の軸端にはプーリ２１が取付けられ、これ
と図示せぬ電動機の出力軸上のプーリとの間にベ
ルトが装架されている。回転力伝達軸２０は下部
ケーシング１３の下端に接続した駆動部ケーシン
グ２３に取付けた筒状体２４に軸受２５を介して
支持されている。主軸１８は上下動可能になさ
れ、マントル１５とコーンケーブリング１４の間
の破砕室１６の下端の排出口１６ａの寸法が調整
されるようになつている。

斯かる構造の旋動式破砕機に於ける入口ホツパ
ー１の上部には本発明の原料均等供給装置２６が
設けられている。この原料均等供給装置２６は、
投入シユート２７と該投入シユート２７の外周側
中高部に嵌合固定した円板２７ｂと投入シユート
２７の下部の垂直円筒部２７ａの下端に連ねた複
数の排出シユート２８とから成る原料供給シユー
ト２９を、第４，５図に示す如く入口ホツパー１
の上端に設けた支持フレーム３０，３１上にて等
角度間隔に配設された垂直支持輪３２及び水平支
持輪３３にて垂直及び水平方向に支持したもので
ある。即ち、３個の垂直支持輪３２にて投入シユ
ート２７の外周側中高部の円板２７ｂを支持し、
３個の水平支持輪３３にて投入シユート２７の下
部の垂直円筒部２７ａを支持している。そして３
個の垂直支持輪３２の内の１個の垂直支持輪３２
は、支持フレーム３０上に設けた電動機３４の出
力軸に支持して、直接電動機３４にて回転し、原
料供給シユート２９を回転するようにしてある。

直接電動機３４で回転する垂直支持輪３２は原
料供給シユート２９の中心に向つて進退可能且つ
固定可能になされている。即ち、本例では電動機
３４を支持フレーム３０上で原料供給シユート２
９の中心に向つて進退可能且つ固定可能に設けて
いる。

尚、垂直支持輪３２は、電動機３４の出力軸で
原料供給シユート２９の中心に向つて進退可能且
つ固定可能に設けても良いものである。

前記水平支持輪３３は、原料供給シユート２９
の中心に向つて位置調整可能となつている。即
ち、本例では水平支持輪３３を取付けたブラケツ
ト３６を、支持フレーム３１上でアジヤスター装
置３７により原料供給シユート２９の中心に向つ
て進退可能且つ固定可能に設けている。

これらの垂直支持輪３２及び水平支持輪３３
は、その軸及び軸受を粉塵による摩耗を防止する
為に、グリース密封式となし、且つ圧縮して組付
支持する為に、ゴムタイヤとなしてある。

然して原料供給シユート２９の排出シユート２
８は、その上部に投入シユート２７に投入された
破砕原料が直かに当るように水平部２８ａを形成
し、破砕原料の当らない他の部分を下方に傾斜さ
せて傾斜部２８ｂを形成してある。

次に、上述の如く構成された本発明の旋動式破
砕機の原料均等供給装置の作用について説明す
る。

旋動式破砕機で破砕原料を破砕するに先立つ
て、原料均等供給装置２６を駆動する。即ち、電
動機３４を運転し、垂直支持輪３２を回転してこ
れに載つている円板２７ｂを介して原料供給シユ
ート２９を回転する。この時、他の垂直支持輪３
２は、円板２７ｂの回転により従動回転して原料
供給シユート２９の回転を円滑にする。また水平
支持輪３３は、原料供給シユート２９の中間の垂
直円筒部２７ａを支持して従動回転する。かくし
て原料供給シユート２９は、各垂直支持輪３２に
より水平に支持され、各水平支持輪３３により垂
直に支持されて円滑に回転し、振動による回転不
能は起らない。

このように回転する原料供給シユート２９の投
入シユート２７に破砕原料を投入すると、破砕原
料は投入シユート２７を滑り落ち、垂直円筒部２
７ａを通つて排出シユート２８の上部の水平部２
８ａ上に当るが、原料供給シユート２９の回転に
よる遠心力により傾斜部２８ｂから円滑に排出さ
れ、第３図に示す旋動式破砕機の入口ホツパー１
から破砕室１６の周方向に均一に供給されること
になる。破砕室１６に供給された破砕原料は、図
示せぬ電動機の駆動によりベルト２２、プーリ２
１、回転力伝達軸２０、傘歯車機構１９を介して
回転せしめられている主軸１８上のマントル１５
とこれに対向するコーンケーブリング１４とによ
り所定の寸法まで破砕され、破砕室１６の下端の
排出口１６ａより排出される。そして下部ケーシ
ング１３に図示せぬ製品排出口より送出される。

前記原料供給シユート２９の回転数を変える場
合には、電動機３４を支持フレーム３０上で進退
させるか、又は電動機３４の出力軸上で垂直支持
輪３２を進退させることによつて、垂直支持輪３
２の位置を変えて円板２７ｂの周速度を変え、原
料供給シユート２９の回転数を変える。即ち、垂
直支持輪３２を前進させて原料供給シユート２９
の回転数を上げ、垂直支持輪３２を後退させて原
料供給シユート２９の回転数を下げる。

原料供給シユート２９の回転中心が旋動式破砕
機の中心と芯ずれして、破砕原料を破砕室１６の
周方向に均等に供給できなくなつた場合には、各
水平支持輪３３を取付けたブラケツト３６を、支
持フレーム３１上でアジヤスター装置３７により
適宜に進退させて、各水平支持輪３３により原料
供給シユート２９の回転中心を旋動式破砕機の中
心に芯合わせする。かくして破砕原料は破砕室１
６の周方向に均等に供給される。

然して垂直支持輪３２、水平支持輪３３にゴム
タイヤを使用する場合、該ゴムタイヤを５〜10mm
圧縮して組付けて原料供給シユート２９を支持す
るので、摩耗しても原料供給シユート２９に対す
る追従性があり、回転中心のずれが補正されるの
で、振動が少なく回転が円滑である。また垂直支
持輪３２、水平支持輪３３の軸及び軸受をグリー
ス密封式とした場合、粉塵による摩耗が防止さ
れ、原料供給シユート２９ががたつくことがな
く、保守、点検、交換は殆んど必要ないものであ
る。

以上の説明で判るように本発明の旋動式破砕機
の原料均等供給装置によれば、原料供給シユート
を等角度間隔に配した垂直支持輪及び水平支持輪
にて真直に支持して円滑に回転できるので、振動
による回転不能は起らない。また原料供給シユー
トの排出シユートの上部を、投入される破砕原料
が直かに当るように水平にし、破砕原料が当らな
い部分を傾斜させてあるので、投入される破砕原
料により排出シユートが摩耗することがなく、破
砕原料は原料供給シユートの回転による遠心力に
より排出シユートの傾斜部から円滑に排出され、
破砕室の周方向に均等に供給される。さらに垂直
支持輪の一つを原料供給シユートの中心方向に進
退させることにより容易に原料供給シユートの回
転数を変えることができるので、破砕原料の供給
速度、供給量を適宜調整できる。また原料供給シ
ユートが芯ずれしても各水平支持輪を適宜に進退
させることにより原料供給シユートの回転中心を
旋動式破砕機の中心に芯合わせすることができる
ので、破砕原料は破砕室の周方向に均等に供給で
きる。さらに垂直支持輪、水平支持輪にゴムタイ
ヤを使用した場合は、圧縮して組付けて原料供給
シユートを支持するので、摩耗に対して追従性が
あり、回転中心のずれが補正されるので、振動が
少なく回転が円滑となる。さらに垂直支持輪、水
平支持輪の軸及び軸受をグリース密封式とした場
合は摩耗が防止され、原料供給シユートはがたつ
くことがなく、保守、点検、交換が殆んど必要な
い等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の旋動式破砕機に於ける原料供給
装置の概略図、第２図ａ，ｂ，ｃは原料供給シユ
ートに於ける従来の排出シユートの構造を示す概
略図、第３図は本発明の原料均等供給装置を備え
た旋動式破砕機の縦断面図、第４図は本発明の原
料均等供給装置の拡大平面図、第５図はそのＡ―
Ａ線縦断面図である。 １…入口ホツパー、２６…原料均等供給装置、
２７…投入シユート、２７ａ…垂直円筒部、２７
ｂ…円板、２９…原料供給シユート、３０，３１
…支持フレーム、３２…垂直支持輪、３３…水平
支持輪、３４…電動機、３６…ブラケツト、３７
…アジヤスター装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 旋動式破砕機に於いて、入口ホツパー上部に
   設けた投入シユートと該投入シユート外周側中高
   部に嵌合固定した円板と投入シユートの下端に連
   ねた複数の排出シユートとから成る原料供給シユ
   ートを、等角度間隔に配された垂直支持輪及び水
   平支持輪にて垂直及び水平方向に支持し、該垂直
   支持輪及び水平支持輪を原料シユート中心に向つ
   て位置調整可能にし、垂直支持輪の内の１個を直
   接電動機で回転することにより原料供給シユート
   を回転するようにしたことを特徴とする旋動式破
   砕機の原料均等供給装置。 ２ 垂直支持輪及び水平支持輪がゴムタイヤであ
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
   旋動式破砕機の原料均等供給装置。 ３ 原料供給シユートに於ける排出シユートの上
   部を、投入シユートに投入された破砕原料が直か
   に当るように水平にし、破砕原料が当らない他の
   部分を傾斜させたことを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載の旋動式破砕機の原料均等供給装
   置。