JPS6155843B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は幅矧板の加工装置に係り、更に詳述
すれば原木を挽割りして得た小幅板の耳摺りを行
なつたものを接着して作られる集成幅矧板の加工
装置に関するものである。

従来、構造用集成幅矧板あるいは化粧集成材を
得る方法としては、挽板の複数枚をスカーフジヨ
イント、フインガージヨイント等の接合方法を用
いて接合した挽板の表裏に周知のスプレツター等
の塗布装置を用いて接着剤を塗布後これを積重ね
接合してから切断する方法と、小片挽材の耳摺り
後、これを幅方向に接合することにより一定幅の
板材を得る方法とがある。

後者の方法を用いて集成幅幅矧板を得る場合、
従来では例えば第１図に示すように定寸幅の小幅
板a₀を給材スキートＡで給材部Ｂに押送しこの直
前で端面に接着剤が塗着されると共に一定枚数の
小幅板a₀はこの給材部Ｂよりプレス部C₀にコンベ
アＤで移送される。このプレス部C₀は可動加熱
プレートC₁の一端にストツパーC₂が他端に側圧
を加えるためのプレツシヤープレートC₃と流体
圧シリンダC₄とが取付けられており、モータに
より上下動する可動加熱プレートC₁と固定加熱
プレートC₅との間に複数枚の小幅板a₀を挾込むと
共に流体圧シリンダC₄が動作し、ストツパーC₂
方向にプレツシヤープレートC₃を動かし側圧を
加え、前記可動および固定加熱プレートC₁，C₅
をスチーム等の熱源で加熱した後、一定の養生時
間を経てから可動加熱プレートC₁を上昇せし
め、プレス部C₀外に再びコンベアＤで搬出する
加工手段を取つている。

したがつて、このような手段での加工ではプレ
ス部C₀の送り込み側にストツパーC₂があり、送
り出し側に側圧を加えるプレツシヤープレート
C₃があるため、小幅板ａの幅は一定寸法のもの
か、幅は特にランダムであつても給材部ではこの
小幅板a₀の複数枚をもつて所定の幅である必要が
ありこれらをプレス部C₀に送り、このプレス部
C₀では所定の幅の集成幅矧板の接着加工しかな
し得ず、プレート幅よりも広い集成幅矧板の加工
は不可能であるという重大な欠点があつた。

この発明は上述した欠点を除去することを目的
とするもので、その特徴とするところは原木を挽
割した小幅板を搬入する搬入デツキと、小幅板の
耳摺りを行なう耳摺機と、耳摺り後の小幅板の側
面に接着材を塗着する側面糊付機と、小幅板を加
熱加圧せ着する加熱加圧装置と、集合幅矧板を所
定の幅に挽切りするランニングソーによる挽切り
部を有し、前記加熱加圧装置の加熱加圧プレート
の製品搬出側にストツパーを設け小幅板の送り込
み側に側圧付加装置を設け、かつ前記挽切り部の
ランニングソーを前記幅矧板の送り方向に移動可
能の台車に搭載してこの台車を油圧シリンダ等の
ドライブ機構を介して前記方向に駆動後固定ロツ
クするように構成してなる幅矧板の加工装置を提
供するものである。以下この発明を図に示す一実
施例について詳述する。

第２図はこの発明の幅矧板の加工装置のレイア
ウトを示すもので、１は原木を挽割した取付きの
小幅板ａを搬入する耳摺り搬入デツキ、２は未加
工小幅板の両耳を一度に摺り落す両面耳摺機、３
は耳摺り後の小幅板ｂを搬出すると共に背板を排
出する背板搬出装置、４は小幅板の側面に接着剤
を塗着する側面糊付機、５は他所で耳摺りした小
幅板ｂを搬入する搬入デツキ、６は側面に糊付さ
れた小幅板を接合する加熱加圧装置、７は集成さ
れた幅矧板を所定の幅に切断するランニングソ
ー、８は最終耳摺り搬出装置である。

耳摺り搬入デツキ１は３本の無端状ベルト１１
が平板１２間を回動し、矢印方向に挽割板ａを搬
送する。耳摺機２は２枚の丸鋸２１を台枠２２と
直角方向に移動し幅出しが簡単に出来る構成のも
ので挽割板の状態に応じて丸鋸間の間隔を変え両
耳を一度に裁断する。耳摺搬出装置３では両耳を
ライン外に搬出すると共に耳摺済の小幅板ｂを前
方に搬送する。側面糊付機４は第３図に示すよう
に給送ライブローラ４１と、糊付ローラ４２およ
び押えローラ４３とで構成され、図示してない合
成糊供給部よりの糊を糊付ローラ４２を介して押
えローラ４３で前記糊付ローラ４２に小幅板ｂを
押え付けるようにして移動させて小幅板ａの一側
面に一様に糊付けする。他所で耳摺された小幅板
ｂの搬入デツキ５はベルト数は違うが前述した耳
摺り搬入デツキ１と同じ構成である。

加熱加圧装置６は第３図のａに示すように、台
枠６１２上に固定された固定板状部板６１１と該
板状部材とその間隔を調整する調整手段６１４を
介して対峙するもう一つの可動板状部材６１３と
からなる搬入ガイド装置６１と、台枠６２２上に
固定された固定加熱加圧板６２１と流体圧シリン
ダ６２３で上下動する可動加熱加圧板６２４とか
らなる高周波コンポーザ６２と、前記可動加熱加
圧板６２４の一端に取付けられた流体圧シリンダ
６３５で前記加熱加圧板の側面を摺動する支持板
６３２と、その下端に取付けられた流体圧シリン
ダ６３３で水平移動する押え板６３４とで構成さ
れた側圧装置６３と、台枠６２２の上方に取付け
られた流体シリンダー６４１で可動加熱加圧板６
２４の他端面を摺動する押え駒６４２とで固定加
圧板６２１の一面に押付けるように構成されたス
トツパー６４とで構成されている。ランニングソ
ー７は第３図ｂに示すように台枠７１上のレール
７２に載り、流体圧シリンダ７３で前後方向に若
干移動し得るコンベア付き移動台車７４と、前記
台車の端部に軸着され、流体圧シリンダ７５で回
動し幅矧板の前進阻止ストツパー７６と前記移動
台車上に横設されたレール７７上をモータ７８で
駆動されて左右動する４軸鋸台７９とで構成され
ている。耳摺り搬出装置８は、台枠８１に取付け
られたトリマー用の２台の丸鋸８２と、前記台枠
に取付けられたベルトコンベア８３と丸鋸および
コンベアーを回動並びに駆動するモータ８４，８
５とで構成されている。

この発明の幅矧板の加工装置は以上のように構
成されており以下この装置を用いて幅矧板の加工
手順を説明する。

他所で挽割された挽割板は第２図に示すように
耳摺り搬入デツキ１で順次搬入されて来る。この
耳が付いた状態にある挽割板は耳摺機２で両側の
耳を取られて小幅板となる。この小幅板は耳摺搬
出装置３で糊付機４に送られその一方の側面に糊
付けされる。糊付けがなされた小幅板ｂ（第４図
ａ）は、台枠６５１に取付けられた押込スキート
６５２と、プツシヤー用流体圧シリンダ６５３で
左右動するプツシヤーアーム６５４とで構成され
る給材装置６５の押込スキート６５２で、搬入ガ
イド装置６１の両板状部材６１１，６１３間に押
込まれ、既に押込まれている小幅板ｂの一方の端
面を糊付けされた端面が当接し小幅板の板幅だけ
前進する。次にプツシヤーアーム６５４のストロ
ーク長より短い幅だけ搬入ガイド装置６１に第４
図ｂに示すような小幅板がたまると、プツシヤー
用の流体圧シリンダ６５３が動作して両板状部材
６１１，６１３間にある全小幅板ｂ，ｂを加熱加
圧装置６の固定加熱加圧板６２１上に先に下降し
たストツパー６４の押え駒６４２に当るまでプツ
シヤ６５５で給送する。プレツシヤーアーム６５
４とプツシヤ６５５が後退すると、可動加熱加圧
板６２４が下降し、続いて流体圧シリンダ６３５
で支持板６３２が下降し、流体圧シリンダ６３３
で押え板６３４が小幅板ｂの側面に当り、集合し
た小幅板第４図ｃに予圧が続いて側圧が加えられ
る。なおプツシヤ６５５は軸Ｐを中心に左傾する
ようになつていて、スプリングＳにより常には直
立を保ち、小幅板ｂはスキート６５２によりスプ
リングＳに抗しプツシヤ６５５を左傾させ乍ら左
進する。

予圧が加えられてから引続いて第４図ｃの実線
で示した部分ｂの上下両面に本圧が加えられ高周
波加熱手段が作動し、30〜60秒程度加圧加熱が行
なわれる。

この本圧時側圧装置６３は次の給送のため後退
し、高周波加熱手段が停止してから10〜20秒程度
の養生時間をおいて可動加熱加圧板６２４および
押え駒６４２が上昇する。この間搬入ガイド装置
６１の両板状部材６１１，６１３間には前述と同
様耳摺りされ、糊付けされた小幅板ｂが押込まれ
て並列しており、再びプレツシヤーアーム６５４
とプツシヤ６５５の左方への移動でこれら並列小
幅板が押送され既に接合集成した幅矧板Ｃの端面
に当り、幅矧板を固定加熱加圧板６２１上より搬
入ガイド装置６１と同じ構成である台枠６６２上
で取付けられた固定板状部材６６１と間隔調整手
段６６４を介してその上方に取付けられた可動板
状部材６６３間に押し出される。この場合幅矧板
化した右端は可動加熱加圧板６２４の下に残る状
態にあり、まずストツパー６４が動作し押え駒６
４２と固定加熱加圧板６２１との間に前記幅矧板
ｂを挾むようにして左方へのずれを阻止した上
で、前述と同様予圧、側圧後本圧加熱を行なう。
この間搬入ガイド装置６１はこの両板状部材６１
１，６１３間には前述と同様小幅板ｂで押込まれ
ており、高周波コンポーザ６２での加熱加圧加工
が終わると幅矧板化された幅矧板Ｃを搬出ガイド
装置６６側に押出すと共に前記両板状部材６１
１，６１３間の小幅板を前記高周波コンポーザ６
２に送込む。

この送り込みにより搬出ガイド装置６６より押
出された先頭の幅矧板Ｃは送込み量に応じてその
端面にストツパー７６が当接するようレール７２
上を左右動する移動台車７４上に送込まれ、４軸
ランニングソー７で第４図ｄに示すように一定幅
に挽切りされ、次の押出しにより後退したストツ
パー７６上を通り耳摺搬出装置８で第４図ｅに示
すように長手方向両端の最終耳摺りが行なわれた
集成幅矧板製品ｄを得ることができる。

なおランニングソー７での挽切りを行なわなけ
ればこの発明では特に高周波コンポーザ６２の送
り出し側にストツパー６４を設けてあり、送込み
側に側圧装置６３を設けてあるため連続した長尺
の幅矧板が得られる。

次に第５図ａに示すように連続幅矧板Ｅから第
５図ｂに示す若干幅広の幅矧板Ｆを２枚得るには
第６図ａ、第５図ａに示すようにランニングソー
７の丸鋸９１，９３をシリンダピストン９５，９
７により上昇させた後、丸鋸９２，９４で切断す
ればよい。

さらに第５図ｃに示すように丸鋸９１，９２，
９３をそれぞれ上昇させて第５図ｄに示すような
さらに幅広の製品F₁を得るには第６図ｂに示す
ようにシリンダピストン９５，９６，９７を上昇
動作させればよく、下降している丸鋸９４により
切断すればよい。

また、この発明では特に第６図ｂに示す油圧シ
リンダ７３を動作させて移動台車７４を微小に移
動させることにより第５図ｃに示すように丸鋸９
４を所望寸法αだけ左右に移動でき切断幅を所望
寸法に正確に調整することができるから厳密に規
制された所望幅の幅矧板を極めて容易に得ること
ができるものである。

以上述べたようにこの発明は原木を挽割した小
幅板を搬入する搬入デツキと、小幅板の耳摺りを
行なう耳摺機と、耳摺り後の小幅板の側面に接着
剤を塗着する側面糊付機と、小幅板を加熱加圧接
着する加熱加圧装置と、集合幅矧板を所定の幅に
挽切りするランニングソーによる挽切り部を有
し、前記加熱加圧装置の加熱加圧プレートの製品
搬出側にストツパーを設け小幅板の送り込み側に
側圧付加装置を設け、かつ前記挽切り部のランニ
ングソーを前記幅矧板の送り方向に移動可能の台
車に搭載してこの台車を油圧シリンダ等のドライ
ブ機構を介して前記方向に駆動後固定ロツクする
ように構成したので、一定幅から長尺幅までの集
成矧板を得ることが出来、しかも挽割により前記
一定の幅の幅矧板を加工する際挽幅以下のものが
生じないので無駄が生じない等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の集成幅矧板加工装置の構成図、
第２図および第３図はこの発明の一実施例を示す
もので、第２図は幅矧加工装置の構成図、第３図
ａ，ｂはそれぞれ前記装置の要部のより詳細な構
成図、第４図ａ乃至ｅおよび第５図ａ乃至ｄはそ
れぞれ工程順序を示す説明図、第６図ａ乃至ｂは
ランニングソーの状態を異にした構成図である。 ａ……小幅板、ｂ……耳摺後の小幅板、１……
耳摺り搬入デツキ、２……両面耳摺機、３……背
板搬出装置、４……側面糊付機、６……加熱加圧
装置、６４，７６……ストツパー、６３……側圧
装置、７……ランニングソー、８……耳摺り搬出
装置、７４……台車、７３……油圧シリンダ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 原木を挽割した小幅板を搬入する搬入デツキ
   と、小幅板の耳摺りを行なう耳摺機と耳摺り後の
   小幅板の側面に接着板を塗着する側面糊付機と、
   小幅板を加熱加圧接着する加熱加圧装置と、集合
   幅矧板を所定の幅に挽切りするランニングソーに
   よる挽切り部を有し、前記加熱加圧装置の加熱加
   圧プレートの製品搬出側にストツパーを設け、小
   幅板の送り込み側に側圧付加装置を設け、かつ前
   記挽切り部のランニングソーを前記幅矧板の送り
   方向に移動可能の台車に搭載してこの台車を油圧
   シリンダ等のドライブ機構を介して前記方向に駆
   動後固定ロツクするように構成してなる幅矧板の
   加工装置。