JPS6154397B2 - - Google Patents

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JPS6154397B2
JPS6154397B2 JP14855677A JP14855677A JPS6154397B2 JP S6154397 B2 JPS6154397 B2 JP S6154397B2 JP 14855677 A JP14855677 A JP 14855677A JP 14855677 A JP14855677 A JP 14855677A JP S6154397 B2 JPS6154397 B2 JP S6154397B2
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JP
Japan
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hydantoinase
genus
enzyme
microorganism
bacterial cells
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Application number
JP14855677A
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English (en)
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JPS5484086A (en
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Hideaki Yamada
Satomi Takahashi
Kazunari Sumino
Koji Yoneda
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は微生物によるヒダントイナーゼ標品の
製造法に関する。更に詳しく云えば、5―置換ヒ
ダントイン類のD型を立体特異的に加水分解して
光学活性のD―N―カルバモイルアミノ酸類を生
成させる作用を有する、微生物由来の酵素標品を
有利に製造する方法に関するものである。 D―N―カルバモイルアミノ酸類は夫々対応す
る光学活性D―アミノ酸類に変換することができ
るが、光学活性D―アミノ酸類は医薬中間体とし
て重要な化合物であるので、これらの酵素標品は
工業的に非常に有用である。 K.H.Dudleyらは、5―フエニルヒダントイン
をN―カルバモイル―2―フエニルグリシンに変
換する酵素が多くの動物の肝臓や腎臓に存在する
ことを見出し、ラツトの肝臓から抽出した酵素に
ついて調べたところ、5―フエニルヒダントイン
のD型のみが開裂加水分解されてD―N―カルバ
モイル―2―フエニルグリシンが生成することを
報告した。そしてこの酵素は本来ジヒドロウラシ
ルやジヒドロチミンを基質とするジヒドロピリミ
ジナーゼであると述べている(Drug Metab.
Disp.Vol.2,No.2,103,1974)。次いでF.Cecere
らは、仔牛の肝臓から抽出し部分精製したジヒド
ロピリミジナーゼを使用して5種類の5―置換ヒ
ダントイン類の加水分解を行い、それらの生成物
がいずれもD型のN―カルバモイル―α―アミノ
酸であることを示した(FEBS LETTERS,
Vol.57,No.2,192,1975)。このように動物の肝
臓から採取したジヒドロピリミジナーゼが、5―
置換ヒダントイン類のD体を選択的に開裂加水分
解する作用を有することが知られている。 微生物の酵素を利用して5―置換ヒダントイン
類からD体のN―カルバモイル―α―アミノ酸類
を生成させる方法については特開昭52―10484に
シユードモナス属(Pseudomonas)の微生物酵
素を利用して、DL―5―フエニルヒダントイン
をD―N―カルバモイル―2―フエニルグリシン
に変換する方法が開示されている。しかし、この
場合に、関与する酵素がいかなる酵素であるかは
明らかにされていない。本発明者らは既に多数の
種属の微生物について、それらの培養液、菌体ま
たは菌体処理物を5―置換ヒダントイン類に作用
させて光学活性D―N―カルバモイル―α―アミ
ノ酸類を生成させる方法を見出し、さきに特許出
願した(特願昭51―11575、特願昭51―145748、
特願昭51―157713および特願昭52―48717)。これ
らの方法はD型アミノ酸の製造に極めて有効であ
り、特に半合成ペニシリン、半合成セフアロスポ
リンの製造中間体として重要なD―フエニルグリ
シンとD―P―ヒドロキシフエニルグリシンの製
造に関連して優れた実用効果が期待されている。 このような実情から、本発明者らは5―置換ヒ
ダントイン類からD型のN―カルバモイル―α―
アミノ酸類を生成する反応に関与する微生物酵素
について研究を行つた結果、シユードモナス属の
微生物菌体からそれを結晶状の酵素標品として取
得することに成功した。この酵素は、ジヒドロウ
ラシル、ジヒドロチミンおよびヒダントインを
夫々相当するN―カルバモイルアミノ酸へ変換す
る性質を有して居り、ジヒドロピリミジナーゼで
あろうと推定された。しかしながら、シユードモ
ナス属以外の種属に属し、5―置換ヒダントイン
類を開裂加水分解してD―N―カルバモイル―α
―アミノ酸類を生成させる能力を有する多くの微
生物については、この反応に関与する酵素の本質
は未だ明らかになつていない。そのような意味か
ら本明細書においては、5―置換ヒダントイン類
を立体特異的に開裂加水分解して光学活性D―N
―カルバモイル―α―アミノ酸類に変換する微生
物酵素を、ヒダントイナーゼと呼ぶことにする。 前に述べたように、光学活性D―N―カルバモ
イル―α―アミノ酸類の製造に動物の組織から分
離したジヒドロピリミジナーゼが用いられること
は知られているが、このような酵素を大量に入手
することは難しいので、工業的には微生物酵素を
利用することが好ましい。しかしながら、かかる
微生物酵素の生産量の増大に関しては、例えば前
記の特開昭52―10484の5―メチルヒダントイン
のようにヒダントイン化合物を使用しているに過
ぎない。本発明者らは、微生物のヒダントイナー
ゼを有利に製造するために種々研究を行つた結
果、ヒダントイナーゼ含有量を増加させる微生物
の培養方法を見出し、本発明を完成するに至つ
た。すなわち、本発明は、ピリミジン系核酸塩基
またはその誘導体を0.05〜0.5%含有する培地で
微生物を培養して、菌体中にヒダントイナーゼを
生成蓄積させることを特徴とする微生物によるヒ
ダントイナーゼ標品の製造法である。 本発明で用いられる微生物は、自然界に存在す
る野性株、公的な微生物保存機関に保存されてい
る菌株、あるいはそれらから人工的に変異誘導し
た微生物などから、ヒダントイナーゼ活性の有無
を調べることによつて選択されるものである。こ
の活性の検定方法としては、例えば次のような方
法が用いられる。先づ微生物の培養液2mlを遠心
分離して菌体を集め、これを2mlの0.9%食塩水
で洗滌後再び遠心分離して集菌する。この生菌体
(湿重量40〜400mg)を濃度0.1〜1.0%の5―置換
ヒダントイン化合物の水溶液あるいは懸濁液2ml
に加えて、PH7〜10、温度30〜40℃に保つて10〜
40時間反応させる。反応後P―ジメチルアミノベ
ンズアルデヒドの濃塩酸溶液を加え、その液を遠
心分離して菌体等の不溶物を除き、上清液中のN
―カルバモイル―α―アミノ酸の生成量を比色定
量する。このようにしてヒダントイン環を開裂加
水分解する能力、すなわちヒダントイナーゼ活性
を有すると認められた菌株を本発明に使用する微
生物として採用する。 本発明で用いられる微生物は、細菌、放線菌、
かび、酵母および不完全菌の中から上記の検定に
合格するものが選ばれるが、既に特願昭51―
11575、特願昭51―145748、特願昭51―157713お
よび特願昭52―48717に記載したように、分類学
的にみても極めて広範囲の種属の中に見出すこと
ができる。例えば、細菌に属するものとしてはア
クロモバクター属(Achromobacter)、アエロバ
クター属(Aerobacter)、アエロモナス属
(Aeromonas)、アグロバクテリウム属
(Agrobacterium)、アルカリゲネス属
(Alcaligenes)、アルスロバクター属
(Arthrobacter)、バチルス属(Bacillus)、ブレ
ビバクテリウム属(Brevibacterium)、コリネバ
クテリウム属(Corynebacterium)、エンテロバ
クター属(Enterobacter)、エルウイニア属
(Erwinia)、エシエリヒア属(Escherichia)、ク
レブシーラ属(Klebsiella)、ミクロバクテリウ
ム属(Microbacterium)、ミクロコツカス属
(Micrococcus)、プロタミノバクター属
(Protaminobacter)、プロテウス属(Proteus)、
シユードモナス属(Pseudomonas)、サルチナ属
(Sartina)、セラチア属(Serratia)、キサントモ
ナス属(Xanthomonas)など、放線菌に属する
ものとしてはアクチノミセス属
(Actinomyces)、ミコバクテリウム属
(Mycobacterium)、ノカルデイア属
(Nocardia)、ストレプトミセス属
(Streptomyces)など、かびに属するものとして
はアスペルギルス属(Aspergillus)、パエシロミ
セス属(Paecilomyces)、ペニシリウム属
(Penicillium)など、酵母に属するものとしては
キヤンデイダ属(Candida)、ピヒア属
(Pichia)、ロードトルラ属(Rhodotorula)、トル
ロプシス属(Torulopsis)などがある。 また上記の微生物の中で、ヒダントイナーゼ活
性が比較的高く実用性の優れた菌株を具体的に例
示すればアエロバクター・クロアカエ
(Aerobacter cloacae)IAM 1221,アグロバクテ
リウム・リゾゲネス(Agrobacterium
rhizogenes)IFO 13259,ブレビバクテリウム・
インサータム(Brevibacterium incertum)IFO
12145,コリネバクテリウム・セペドニカム
(Corynebacterium sepedonicum)IFO 3306,
ミクロバクテリウム・フラバム
(Microbacterium flavum)ATCC 10340,ミク
ロコツカス・ロゼウス(Micrococcus roseus)
IFO 3764,シユードモナス・ストリアタ
(Pseudomonas striata)IFO 12996,ミコバクテ
リウム・スメグマテイス(Mycobacterium
smegmatis)ATCC 607,ノカルデイア・コラリ
ナ(Nocardia corallina)IFO 3338,ストレプト
ミセス・フラベオラス(Streptomyces
flaveolus)IFO 3241などがある。 本発明の方法において、微生物の培養培地に含
有させるピリミジン系核酸塩基とは、ウラシル,
シトシン,チミンを、それらの誘導体とは、ジヒ
ドロウラシル,ジヒドロチミンよりなる水素化
物、ウリジン,シチジンよりなるヌクレオシド、
ウリジン1燐酸,シチジン1燐酸よりなるヌクレ
オチドを意味する。 本発明で用いられる微生物は、一般に天然栄養
源を用いた通常の培地で培養した場合でも菌体中
にヒダントイナーゼを生成蓄積するが、培養培地
中に更にピリミジン系核酸塩基またはその誘導体
を含有させることにより、ヒダントイナーゼの蓄
積量を一層増加させることができる。培地に含有
させるこれらピリミジン系化合物の量は、菌株の
種類、培地組成、経済性などによつて変化する
が、通常0.05〜0.5重量%の範囲から選ばれ、特
に0.1〜0.2重量%の使用量が適当である。 微生物の培養は通常液体培地で行われるが、固
体表面培養によつても行うことができる。培地に
は通常資化し得る炭素源、窒素源および各微生物
の生育に必要な無機塩、栄養素を含有させるが、
その他に前記のピリミジン系核酸塩基またはその
誘導材を含有させる。これらのピリミジン系化合
物もまた窒素源として利用されるが、それらに含
まれる窒素量は培地中の全窒素量の通常2〜50%
の範囲に保たれる。培養条件は使用する微生物の
至適生育条件に応じて温度20〜85℃、PH4〜11の
範囲が用いられるが、一般的には温度20〜40℃、
PH5〜9において10〜75時間培養する。培養中に
は通気、撹拌を行つて、微生物の生育を促進させ
ることもできる。このようにして培養の経過と共
に、菌体中にヒダントイナーゼが生成蓄積され
る。 本発明の方法で製造されるヒダントイナーゼ標
品とは、ヒダントイナーゼを含有する菌体、菌体
処理物、菌体抽出物、粗製酵素、精製酵素のよう
な調製品を意味するものである。菌体としては生
菌体の他、凍結乾燥、アセトン乾燥などによる各
種乾燥菌体があり、菌体処理物としては菌体破砕
物などがあげられる。また菌体抽出液、粗製酵
素、部分精製酵素、精製酵素など精製度の異る各
種の酵素液あるいは酵素が含まれ、また固定化菌
体、固定化酵素等の固定化物も本発明の標品に含
まれる。 微生物の菌体中に生成蓄積されたヒダントイナ
ーゼは、その用途に応じて上記のような各種の形
態で利用される。例えば5―置換ヒダントイン類
の立体特異的加水分解反応の触媒として使用する
場合には、一般にヒダントイナーゼを蓄積させた
菌体のまゝでも目的が達せられるので、微生物の
培養液、菌体または固定化菌体などの形態で利用
すればよい。しかし目的に応じてヒダントイナー
ゼを採取して使用する場合には、超音波処理また
は石英砂、ガラスビーズなどの破砕処理によつて
菌体を破壊し、水その他の溶媒で抽出するなどの
菌体内酵素分離の常法により単離、精製を行うこ
とができるので、所望の粗製酵素、部分精製酵
素、精製酵素あるいは固定化酵素のような標品と
して使用することができる。 本発明の方法によつて得られるヒダントイナー
ゼ標品は、PH7〜10の水性媒体中でDL―5―置
換ヒダントイン類に作用して、D型のN―カルバ
モイル―α―アミノ酸類を生成するので、医薬中
間体として重要な各種D型α―アミノ酸類の製造
に利用することができる。本発明の方法によれ
ば、ピリミジン系核酸塩基又はその誘導体を含有
させた培地で微生物を培養するという簡便な操作
によりヒダントイナーゼを大量に得ることができ
るので、従来知られている動・植物組織からの抽
出分離法と比べて、工業的製法として非常に有利
である。 以下実施例によつて本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれによつて限定されるものではな
い。 実施例 1 肉エキス2.0%、グリセリン0.6%、KH2PO40.2
%、MgSO4・7H2O 0.1%、CaCl2・2H2O
40ppm、FeSO4・7H2O、MnSO4・4H2O、
CuSO4・5H2O各20ppmおよびウラシル0.1%から
なるPH5.5の培地に、シユードモナス・ストリア
タIFO 12996を接種し、通気および撹拌しながら
30℃で18時間培養した。 こうして得られた培養液80を遠心分離して菌
体を集め、この菌体を4.0の0.1Mトリス・マレ
エート緩衝液(PH6.3、CoCl21mM含有)に懸濁
し、ガラスビーズで連続磨砕を行つた後、遠心分
離で不溶物を除いて4.15の菌体抽出液を得た。 この菌体抽出液に5%プロタミン硫酸水溶液
(PH6.3)400mlを加え、生じた沈澱を遠心分離で
除き、次いでこの上清液に硫酸アンモニウムを
0.30飽和になるまで加え、生じた沈澱を遠心分離
で除いた。得られた上清液に更に硫酸アンモニウ
ムを0.60飽和になるまで加え、一夜放置し、生じ
た沈澱を分離して2の0.02Mトリス・マレエー
ト緩衝液(PH6.3、CoCl21mM含有)に溶解し、
この溶液を100の同緩衝液で48時間透析した。 以上のようにして得た硫安分画2450mlを、予め
0.02Mトリス・マレエート緩衝液(PH6.3、
CoCl21mM含有)で緩衝化したDEAE―セフアデ
ツクス(A―50)のカラムに流過させて、ヒダン
トイナーゼをカラムに吸着させた。次いで0.2M
のKClを含む0.02Mトリス・マレエート緩衝液
(PH6.3、CoCl21mM含有)をカラムに流して不純
蛋白質を除去し、更に0.3MのKClを含む同緩衝液
で目的とするヒダントイナーゼを溶出した。この
溶出液2950mlに硫酸アンモニウムを0.60飽和にな
るまで加えてヒダントイナーゼを沈澱させ、この
沈澱を遠心分離して0.02Mトリス・マレエート緩
衝液(PH6.3、CoCl21mM含有)に溶解し、この
溶液を同緩衝液で48時間透析した。 この酵素溶液145mlに硫酸アンモニウムを0.35
飽和になるまで加えて数時間放置し、生じた沈澱
を除去した後更に0.55飽和まで硫酸アンモニウム
を添加し、一夜放置して生じた沈澱を遠心分離し
て集めた。これを少量の0.02Mトリス・マレエー
ト緩衝液(PH6.3、CoCl21mM含有)に溶かし
て、同緩衝液で48時間透析した。 この透析酵素溶液50mlを、予め0.02Mトリス・
マレエート緩衝液(PH6.3、CoCl21mM含有)で
緩衝化したヒドロキシルアパタイトのカラムに流
過して、ヒダントイナーゼを吸着させた。次いで
このカラムに、硫酸アンモニウムの濃度を0から
15%(W/V)に直線的に増加させた0.02Mトリ
ス・マレエート緩衝液(PH6.3、CoCl21mM含
有)を5.0ml/hr.cm2の流速で流して、ヒダントイ
ナーゼ含有溶出液185mlを得た。 この溶出液に硫酸アンモニウムを0.60飽和に加
え、一夜放置して生じた沈澱を遠心分離して集
め、少量の0.02Mトリス・マレエート緩衝液(PH
6.3、CoCl21mM含有)に溶かした。同緩衝液で
予め緩衝化したセフアデツクスG―200のカラム
にこの溶液を充填し、次いで同緩衝液を4.5ml/
hr・cm2の速度で流過させ、流出液をフラクシヨ
ン・コレクターで分画した。 ヒダントイナーゼを含有する上記流出液205ml
に硫酸アンモニウムを0.60飽和まで加え、生じた
沈澱を遠心分離して集め、これを少量の0.02Mト
リス・マレエート緩衝液(PH6.3、CoCl21mM含
有)に溶かすと1mlにつき約20mgの蛋白質を含む
溶液が得られた。この溶液に微かな白濁が生じる
程度に硫酸アンモニウムを加え、変性蛋白などの
沈澱を遠心分離した後20℃の室温に放置すると、
ヒダントイナーゼが結晶化し始めた。結晶核の生
成がみられ出したときに冷蔵庫に入れて放置した
ところ、約2週間で結晶化が完了した。以上のよ
うにして得られたヒダントイナーゼは針状結晶
で、超遠心分析法およびデイスク電気泳動法の測
定結果から、この結晶酵素は単一蛋白であること
を示した。また、そのヒダントイナーゼ活性は、
例えば使用酵素量など反応条件によつて変動する
が、DL―5―(2―メチルチオエチル)ヒダン
トインを基質として30℃で測定したときに30〜35
単位/mg蛋白であつた。なおヒダントイナーゼ活
性の測定は次のようにして行つた。 DL―5―(2―メチルチオエチル)ヒダント
イン20mgを含有しPH8.7に調整した0.1M NH4OH
―NH4Cl緩衝液1.0mlに酵素液を加え、水で希釈
して全量2.0mlとした(基質濃度57.4mM)。この
溶液を30℃で20分間反応を行わせた。20分後に12
%トリクロル酢酸溶液0.5mlを加えて反応を停止
し、次いで10%P―ジメチルアミノベンズアルデ
ヒドの6N塩酸溶液0.5mlを加えて発色させた。水
で希釈して全量を6.0mlとした後、不溶物を遠心
分離により除去し、上清液の発色強度を420nmに
おける吸収によつて測定して、反応で生成したN
―カルバモイルメチオニンを定量した。毎分1.0
μmoleのN―カルバモイルメチオニンを生成さ
せるヒダントイナーゼの量を1単位と規定し、用
いた蛋白質量1mg当りの単位数で活性を表した。 実施例 2 表1に示すピリミジン核酸塩基またはその誘導
体各0.1%を含み、PH7.0に調整した下記組成の培
地を各10ml試験管に分注し、120℃で20分間蒸気
殺菌を行つた。 培地組成 肉エキス 0.5% 酵母エキス 0.5% ペプトン 0.1% NaCl 0.15% ピリミジン系核酸塩基またはその誘導体 0.1% コリネバクテリウム・セペドニウムIFO3306、
ミコバクテリウム・スメグマテイスATCC 607お
よびシユードモナス・ストリアタIFO 12996の3
種の菌株を、各ピリミジン系化合物を含有する前
記の培地に夫々接種し、33℃で24時間振盪培養し
た。各培養液の20mlを採つて遠心分離により集菌
し、0.9%食塩水2mlで洗滌した後、これらの菌
体についてヒダントイナーゼ活性を測定した。測
定法は前に述べたヒダントイナーゼ活性測定法と
は少し異つているので次に説明する。すなわち、
DL―5―(2―メチルチオエチル)ヒダントイ
ン34.8mgを含有しPH8.7に調整した0.05M Na2CO3
―NaHCO3緩衝液1.0mlと、培養液2.0mlから集菌
した菌体を0.05M Na2CO3―NaHCO3緩衝液に懸
濁させた菌体懸濁液1.0mlを混合し、37℃で2時
間静置して反応させた(基質濃度100mM)。反応
後、10%過塩素酸溶液4.0mlを加え、遠心分離し
て菌体残渣を除いた。この上清液より3.0ml分取
し、5%P―ジメチルアミノベンズアルデヒドの
12N塩酸溶液2.0mlを加えて発色させた。発色強
度を420nmにおける吸収によつて測定し、反応で
生成したN―カルバモイルメチオニンを定量し
た。その結果を表1に示す。なおヒダントイナー
ゼ活性を全活性と比活性の2種の表わし方で示し
ているが、前者は使用した培養液1ml当り2時間
の反応で生成したN―カルバモイルメチオニン
(CM)のμmole数を示し、後者は使用した菌体
の乾燥重量1mg当り2時間の反応で生成したN―
カルバモイルメチオニン(CM)のμmole数を示
している。
【表】 実施例 3 ピリミジン系核酸塩基またはその誘導体として
ウラシルを使用した他は実施例2と同様にして、
表2に示す8種の菌株を培養した。培養後も全く
同様にして、各菌株のヒダントイナーゼ活性を測
定した。その結果を表2に示す。
【表】 実施例 4 表3に示すピリミジン系核酸塩基またはその誘
導体を各0.2%含み、PH7.0に調整した下記組成の
培地を各10ml試験管に分注し、120℃で20分間蒸
気殺菌を行つた。 培地組成 グルコース 2.0% ソイビーン・ミール 1.0% 酵母エキス 0.25% (NH42SO4 0.1% CaCO3 0.5% K2HPO4 0.4% ピリミジン系核酸塩基またはその誘導体 0.2% ストレプトミセス・フラベオラスIFO3241を各
ピリミジン系化合物を含有する前記の培地に接種
し、30℃で45時間振盪培養した。 各培養液の2.0mlを採つて遠心分離により集菌
し、これらの菌体についてヒダントイナーゼ活性
を測定した。DL―5―(2―メチルチオエチ
ル)ヒダントイン20mgを含有しPH8.3に調整した
0.05Mトリシン緩衝液2.0mlに上記菌体を懸濁さ
せ、30℃で2時間振盪しながら反応させた。 反応後12%トリクロル酢酸溶液0.5mlを加えて
反応を停止し、次いで10%P―ジメチルアミノベ
ンズアルデヒドの6N塩酸溶液0.5mlを加えて発色
させた。水で希釈して全量を6.0mlとした後、不
溶物を遠心分離により除去し、上清液の発色強度
を420nmにおける吸収によつて測定して、反応で
生成したN―カルバモイルメチオニンを定量し
た。その結果を表3に示す。この場合は、単位培
養液当りのN―カルバモイルメチオニン生成量を
ヒダントイナーゼ全活性として示している。
【表】 実施例 5 表4に示すピリミジン系核酸塩基またはその誘
導体各0.2%を含み、PHを7.0に調整した下記組成
の培地を各10ml試験管に分注し、120℃で20分間
蒸気殺菌を行つた。但し、エタノールを用いる培
地では、蒸気殺菌後にエタノールを添加した。 培地組成 リンゴ酸またはエタノール 1% プ ロ リ ン 0.1% (NH42SO4 0.5% KH2PO4 0.1% MgSO4・7H2O 0.05% KCl 0.02% CuSO4・5H2O 6 ppm FeSO4・7H2O 1 ppm MnCl2・4H2O 8 ppm ZnSO4・7H2O 1.5ppm ピリミジン系核酸塩基またはその誘導体 0.2% シユードモナス・ストリアタIFO 12996を各ピ
リミジン化合物を含有する前記の培地に夫々接種
し、33℃で24時間培養した。各培養液2.0mlを採
つて遠心分離により集菌し、これらの菌体につい
て実施例2と同様に行つてヒダントイナーゼ活性
を測定した。その結果を表4に示す。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ウラシル,シトシン,チミン,ジヒドロウラ
    シル,ジヒドロチミン,ウリジン,シチジン,ウ
    リジン1燐酸またはシチジン1燐酸から選ばれる
    ピリミジン系核酸塩基またはその誘導体を0.05〜
    0.5%含有する培地で微生物を培養して、菌体中
    にヒダントイナーゼを生成蓄積させることを特徴
    とする微生物によるヒダントイナーゼ標品の製造
    法。 2 微生物が、アエロバクター属,アグロバクテ
    リウム属,バチルス属,ブレビバクテリウム属,
    コリネバクテリウム属,ミクロバクテリウム属,
    ミクロコツカス属,シユードモナス属,ミコバク
    テリウム属,ノカルデイア属またはストレプトミ
    セス属に属するものから選ばれる特許請求の範囲
    第1項記載の製造法。 3 ヒダントイナーゼ標品が、ヒダントイナーゼ
    を含有する菌体、菌体処理物,菌体抽出物,粗製
    酵素,精製酵素またはそれらの固定化物である特
    許請求の範囲第1項記載の製造法。
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JP4529338B2 (ja) 2001-03-08 2010-08-25 味の素株式会社 ヒダントイナーゼをコードするdna、n−カルバミル−l−アミノ酸ハイドロラーゼをコードするdna、組み換えdna、形質転換された細胞、タンパク質の製造方法および光学活性アミノ酸の製造方法

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