JPS6153923B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、一つの送材台が材料を把持して鋸機
の一側を往復する送材車となつたり、鋸機の側方
に停止してその上に送り手段、又は、人力により
材料を送るテーブルとなつたりするため、至極簡
単な構造によつて万能的な製材が出来る製材機械
に関する。

（従来の技術） 従来、送材車式帯鋸盤の機能とオートテーブル
の機能とを兼ね備えさせた帯鋸盤は、特開昭57−
212001号公報により公知である。

このものは、無端帯鋸内にレールを貫通させ
て、このレールに送材台を走行させ、該送材台に
挽材を案内する定規と挽材を支承・固定する手段
とを備えさせ、帯鋸の一側に挽材の移送ロールを
配設して、この送ローラ間の前記定規に対応する
部分に挽材を定規へ押し付けて回転する送りロー
ラを進退可能に設けることにより、一台の帯鋸盤
によつて材車式の挽材とテーブル式の挽材の両方
を行なわせることが出来るものである。

（発明が解決しようとする問題点） しかし、前記した帯鋸盤は、本機は一台で足り
るが、送材手段は送材車式とテーブル式の二系統
を必要とするため、構造が複雑であつて設備費が
非常に高くつき、不経済である問題点があつた。

本発明は、前記した従来の問題点を解決するた
めになされたもので、鋸機の一側に敷設した軌条
を走行する送材台に材料の把持手段と、補助送材
手段とを装備させると共に、該送材台を進退手段
によつて往復させたり、鋸機の側方に停止させた
りすることが出来る様にして、一台の送材台で送
材車式とテーブル式の両方の製材が行なわれる万
能製材機を提供することを目的としている。

（問題点を解決するための手段） 本発明に関する万能製材機は、図面第１図〜第
６図にその実施例を示すように、鋸機Ａの一側に
鋸１の延長線と平行に敷設した軌条９，９と、こ
の軌条９，９を走行する送材台６と、該送材台６
に材料の長さに応じた範囲の往復運動を行なわせ
ると共に、送材台６を鋸機Ａの側方定位置に移動
させて停止させる進退手段１０と、前記送材台６
の上面に装備して送材台６の停止時、材料の移送
を補助させる補助送材手段Ｂと、前記送材台６の
鋸機Ａとは反対側に装備して、送材台６の往復
時、前記補助送材手段Ｂ上に置いた材料を把持さ
せ、送材台６の停止時は前記補助送材手段Ｂ上の
送材を妨げない位置に待避させる材料把持手段１
７と、前記送材台６の停止時、送材台６の側方か
ら公知の定規２０へ向かつて繰り出され、材料を
定規２０へ押し付けて回転し、材料の送りを行な
わせる送り手段２１とを備えさせた構成のもので
ある。

（作用） 前記の用に構成される万能製材機は、送材台６
の図面第１図に示す位置に置いて、その補助送材
手段Ｂの上に荒挽面を修正すべき材料を図面第３
図に示す様に乗せ、材料把持手段１７により把持
させて、進退手段のドラム１０を前進方向へ回転
させると、送材台６がワイヤ１２に引かれて軌条
９，９上を前進し、送材台６に支持される材料を
鋸機Ａに対して正しく直線移送し、非直線の荒挽
面を挽き落とされて、直線精度の高い挽材面を得
る挽肌修正を行なわれる。

又、送材台６上に図面第４図に示す様に多数の
耳付板を重ねて、材料把持手段１７により把持さ
せ、送材台６を鋸機Ａに対して直線移送させれ
ば、多数の耳付板の耳部を真直に切り揃える耳摺
りが行なわれるものであつて、前記二例において
は送材車式挽材の特性が生かされる。

次に進退手段１０により送材台６を図面第２図
の位置に移動させて停止させると、送材台６はそ
の手前側が給材手段２８に対応した状態におい
て、後部即ち、送材方向前方が製品搬出手段２９
に対応するから、この状態において材料を補助送
材手段Ｂへ送り込み、その先端が定規２０に達し
たとき、送り手段のスパイクローラ２１をシリン
ダ２７により定規２０側へ作動させれば、材料は
図面第５図に示す様にスパイクローラ２１により
定規２０へ押し付けられ、スパイクローラ２１の
回転により鋸機Ａに対して送られ、定規２０と鋸
１との間隔により設定される寸法に挽き割られる
作業を自動的に行なわれる。

又、送材台６を前記と同様の位置に置き、その
補助送材手段Ｂ上に材料を供給し、これを人手に
より定規２０へ押し付けながら鋸機Ａに対して送
れば、材料は前記同様定規２０と鋸１との間隔に
より設定される寸法に挽割られる作業を人為送り
により行なわれるものであつて、前記二例におい
てはテーブル式挽材の特性が生かされる。

（実施例） 以下に本発明に関する万能製材装置の実施の一
例を図面に基づいて説明する。

図面第１図〜第３図においてＡは鋸機で、一般
には帯鋸１を上下の鋸車２，３に無端状に懸張
し、一定方向へ連続回転させて材料の挽き割りを
行なわせる。

Ｂは前記した鋸機Ａに対する材料の補助送材手
段で、フレーム４上に支持される後記送材台上へ
所定の間隔で多数の遊転若しくは動力駆動のロー
ラ５を併設するか、或いは、図面には示してない
が、キヤタピラ、コンベヤを懸張して、これらの
回転により後記する送り手段若しくは人力による
送材が軽快に行なわれる様に補助させる。

６は送材台６で、複数組の車輪７，７を車軸８
により取り付け、前記車輪７，７を鋸１の延長線
と平行に前記フレーム４上に敷設した軌条９，９
に係合させ、車輪７，７の回転により送材台６を
材料の長さに応じた範囲で往復運動をさせたり、
又、定位置へ移動させて停止させたりすることが
出来る様にしてある。

１０は送材台６を移動させる進退手段で、モー
タ１１に駆動されるドラムを用い、このドラム１
０にワイヤ１２を巻装し、このワイヤ１２の両端
を前記軌条９，９の両端部に軸１３支した滑車１
４を介して送材台６の前後に結着し、ドラム１０
の一方回転により、送材台６の前端に結着したワ
イヤ１２を巻き取ると送材台６が前進され、ドラ
ム１０の他方回転により送材台６の後端に結着し
たワイヤ１２を巻き取ると送材台６が後退され
て、材料の長さに応じた往復運動を行なわせると
共に、送材台６を所定位置に移動させて停止させ
て置くことが出来る様にしてある。

１５は送材台６の車輪７，７に装備した公知の
オフセツト装置で、その操作レバー１６を送材台
６が前進、或いは、後退起動するとき、前記ワイ
ヤー１２等により操作させ、送材台６を前進時は
鋸１側に寄せ、後退時は鋸１から離れさせるよう
に作動させる。

１７は送材台上の鋸機Ａとは反対側に設けた材
料の把持手段で、送材台６へ支軸１８により回動
自在に取り付けた鎹を用い、この鎹を送材台６の
進退により送材するときは、トルクアクチユエー
タ１９により第１図及び第３図に示す様に送材台
６上へ回動させて材料を把持させ、送材台６を停
止させて補助送材手段Ｂにより送材するときは、
第２図に示す様にトルクアクチユエータ１９によ
り送材を妨げない送材台６の外方位置へ待避させ
る。

２０は送材台６とは反対側の鋸１の近くに設け
た定規で、送材台６を停止させて補助送材手段Ｂ
上に送材するとき、材料の基準面を当てて送材を
案内させるもので、この定規２０には公知のねじ
式、シリンダ式等の歩出機構（図面省略）を連係
させて、鋸１との間隔を任意の挽材寸法に合わせ
る歩出しが簡単に出来る様にしてある。

２１は送材台６を停止させて補助送材手段Ｂ上
に送材するとき用いる送り手段で、公知のスパイ
クローラを用い、このスパイクローラを取付台２
２へ軸２３着した揺動アーム２４の先端に取り付
けて、モータ２５からチエン２６により伝動し、
送材方向へ回転させると共に、軸２３の下端に揺
動アーム２４とは反対向きに取り付けた操作レバ
ー２４′へ油圧シリンダ２７を連結し、このシリ
ンダ２７により定規２０へ向かつての押し出しと
を反対方向への待避とが行なえるようにしてあ
る。

尚、この自動送り手段は、前述のスパイクロー
ラの代わりに、補助送材手段６と平行する水平ロ
ーラを用いることもあるが、これは公知に属する
ものであるから図面は省略する。

２８は給材装置Ｂに隣接して鋸機Ａの手前側に
設けた給材手段で、ライブローラ、デツドローラ
を用い、送材台６と協働して鋸機Ａに対する送材
を行なう。

２９は鋸機Ａの後方（材料の進行方向に対して
は前方）に設けた製品搬出手段で、ライブローラ
の間に複数のスキツト３０を配設し、之等スキツ
ト３０を製品が制止板３１に当接したとき、油圧
シリンダ３２等により作動させて、ライブローラ
上の製品を処理部へ送り出させるものである。

（発明の効果） 本発明に関する万能製材機は、前記の様に一つ
の送材台を材料を把持して鋸機の側方を往復し、
鋸による挽材を行なわせる送材車と、定位置に停
止してその上に送り手段により材料を移送して挽
材を行なわせるテーブルとに兼用するものである
から、送材台とテーブルとを併設して、両者を選
択使用した従来の多用途帯鋸盤と違つて、構造が
至つて簡単であるため、送材用の設備費が大幅に
低減されて極めて経済的であり、又、テーブル式
の場合は、動力送りと人力送りによる挽材が自由
に選択出来る便利があり、更に、一つの送材台を
移動させるか、停止させるかによつて送材車とテ
ーブルに切換えられるため、操作性、作業性に優
れて省力化と能率の増進にも有効である。

等の特有の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に関する万能製材装置の一実施
を送材車式の製材に用いた場合の平面図。第２図
は同上をテーブル式の製材に用いた場合の平面
図。第３図は同上の送材車式製材において荒挽面
の修正をする正面図。第４図は同上送材車式製材
において重ね板の耳摺をする正面図。第５図は同
上のテーブル式製材において動力送りで端材から
製板をする正面図。第６図は同上テーブル式製材
において人力送りで中割材の小割りをする正面図
である。 図中Ａは鋸機、１は鋸、６は送材台、９，９は
軌条、１０は進退手段、Ｂは補助送材手段、１７
は材料把持手段、２０は定規、２１は送り手段で
ある。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 鋸機の一側に鋸の延長線と平行に敷設した軌
   条と、この軌条上を走行する送材台と、該送材台
   に材料の長さに応じた範囲の往復運動を行なわせ
   ると共に、送材台を帯鋸の側方定位置に移動させ
   て停止させる進退手段と、前記送材台の上面に装
   備して送材台の停止時、材料の移送を補助させる
   補助送材手段と、前記送材台の鋸とは反対側に装
   備して、送材台の往復時、送材台上に置いた材料
   を把持させ、送材台の停止時、送材台上の送材を
   妨げない位置に待避させる材料把持手段と、前記
   送材台の停止時、送材台の側方から挽材の厚さを
   決める定規へ向かつて繰り出され、材料を定規へ
   押し付けて回転し、材料の送りを行なわせる送り
   手段とを備えさせたことを特徴とする万能製材
   機。