JPS6151165B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はねじグロメツトに関し、更にくわし
くは、軸心に対し傾斜した方向からねじ込まれる
ねじ山付フアスナを受容することのできるねじグ
ロメツトに関するものである。家具などではグロ
メツトの軸心に対し20゜位までの角度でねじ込ま
れるねじを受容できるねじグロメツトが必要であ
る。このためには一般的にグロメツトに斜めの内
筒部をもたせるか、薄い可撓性の円すい形内部形
状を有するグロメツトを用いる。しかし、前者で
は精密な方向配置を必要とし、後者はねじに係合
する部分が薄いので比較的弱いと言う問題点があ
る。

この発明は、本特許出願人の英国特許第
1403236号に記載されているグロメツトを改良
し、斜めにねじ込まれるねじを受容して確実に保
持することができる様にしたのである。

この発明によるねじグロメツトは、フアスナが
挿入される前端と後端を有するほぼ円筒形のシヤ
ンクを含み、シヤンクは外表面に溝により軸方向
に離れた複数列のあご状掛止部を備えていると共
に、シヤンクは第１円筒部と、前記第１円筒部を
これよりも小径の第２円筒部に連結する第１テー
パ部と、第２円筒部から後端に向かつて末広がり
になつて第２テーパ部からなる内筒部を備えてい
る。

このグロメツトはフアスナを前端からだけでな
く、両端から受容できるように対称的に形成して
もよい。あご状掛止部は、フアスナを前端からだ
け挿入する形式の場合は前端に向けて切り起つた
鋸歯形断面にし、両端から挿入する型式のものは
対称形状の山形断面にしてもよい。又、グロメツ
トには前端から延びる直径方向のスロツトを設け
てもよい。

以下、この発明を図示の実施例を参照して説明
する。

第１図には前端３と後端４をもつた円筒状シヤ
ンク２を有するグロメツト１が示してある。この
シヤンクの外表面には溝によつて離された鋸歯形
断面のあご状掛止部５の列が設けてある。掛止部
５は環状で一つ一つが離されていてもよいし、螺
旋状につながつていて見かけ上螺旋状の溝によつ
て分離されていてもよい。

グロメツトには軸方向の内筒部が貫通してい
る。この内筒部は第１円筒部６、第１テーパ部
７、第２円筒部８、第２テーパ部９を有す。第１
テーパ部７は第１円筒部６から第２円筒部８に向
かつて径を縮め、第２テーパ部９は第２円筒部８
から後端４に向かつて径が拡大している。そし
て、軸方向のスロツト１０が前端から第１円筒部
６を越えて第１テーパ部に達する様に設けられて
いる。このスロツトは図示の如くグロメツトの筒
壁を完全に分断する様に貫通していてもよいし、
或いは筒壁を分断せずに薄膜でつなぐ様に溝状に
形成してもよい。いずれにしても、これにより挿
入すべき孔の中にグロメツトをスロツト１０で変
形させて挿込み、挿込んだら膨張させて孔壁に密
着させることができる。

この実施例では、後端部には台円錐形のスピゴ
ツド状取付面１１を備えている。

第２図はこのグロメツトで二つの部材、例えば
２枚のパネルを接合している状態を示すもので一
方のパネルに盲穴をあけてグロメツトを挿込んで
ある。他方のパネルの縁には盲穴に入つてグロメ
ツトの後端部に被さる相補形状をした突出部があ
り、突出部には取付面１１に嵌合する取付面２１
を有し、グロメツトの軸心に対し約20゜傾いた孔
２０が開口している。

取付面２１と１１を当接させると孔２０の中心
の延長線はグロメツト１の内筒部の第２円筒部８
の略々中心を通過する。

グロメツトと突出部材を第２図の状態にし、タ
ツピングねじその他のねじ山付フアスナを孔２０
に通してねじ込むとフアスナは鎖線で示した如く
グロメツトの孔壁内にねじ山を切り込む。すなわ
ち、フアスナは、第１、第２円筒部と第１、第２
テーパ部の各々の壁の一部にかみ合う。この様に
多領域にねじを切つてかみ合うことによりフアス
ナはグロメツトにより確実に保持される。

そしてグロメツト１０が形成してあるため、フ
アスナを内筒部にねじ込むにしたがつてグロメツ
トは膨張し、掛止部５とパネルの盲穴の壁は互い
に確実にかみ合う。あご状掛止部５の列間の溝は
盲穴の壁にかみ合う各あご状掛止部の周縁部に半
径方向に向いた面を備えているのでフアスナをグ
ロメツトにねじ込む際にグロメツトが一緒に回転
することはない。

この様に、フアスナは約20゜の角度でグロメツ
トに通る。グロメツトの内筒部はテーパになつた
円すい部と円筒部とで交互に構成されているの
で、フアスナの傾斜に対してグロメツトの角度を
合わせることは不要であり、したがつて盲穴内で
グロメツトの向く角度を調整する必要はない。

第３図の他の一実施例のグロメツトは三つの部
材、例えば３枚のパネルを一体に固定するため
に、二本のねじ山付フアスナを受容するように用
いることができる。この実施例のグロメツトは円
筒形をしていて、その両端に取付面３１があり、
外表面には数列のあご状掛止部３５が形成してあ
る。

又、グロメツトには軸方向の内筒部があり、こ
の内筒部は交互になつたテーパ部と円筒部を含ん
でいる。先ず、内筒部の中央領域は円筒部３６
で、この円筒部各の端に先細になつたテーパ部３
７，３８が背中合せに連接し、その各小径端はそ
れぞれ円筒部３６より小径な円筒部３９，４０と
連接し、各小径円筒部３９，４０は、それぞれ先
広がりのテーパ部４１，４２と連接し、グロメツ
トの各端にはテーパ部４１，４２の大径端が開口
している。

この内筒部を可及簡単に鋳造するために、この
グロメツトには軸方向に延びる２つのスロツトが
設けてあつて、グロメツトの中央部分へ中子が挿
入できる様にしてある。このスロツトは中央円筒
部３６と、テーパ部３７，３８にかけて軸方向に
延びる。このスロツトの幅は、第５図に矢印Ａで
示すように、中央円筒部３６とテーパ部３７，３
８を造る中子をグロメツトの軸心に対し半径方向
にではなく、接続方向に喰違わせて出入させるこ
とにより狭くすることができ、内筒部の円筒部３
９，４０の径よりも小さくすることができるの
で、フアスナをスロツトの１つの平面内でグロメ
ツトに挿入した場合、フアスナはスロツト内に入
り、そのねじ山をスロツトの側部にかみ合わせ、
しつかりとこれを把握する。半径方向に移動する
中子によつて内筒部を形成するには、中子の幅を
形成すべき内筒部と同じにしなければならないの
でスロツトの幅も中子ないし内筒部の幅と同じに
なつて広くなり、したがつて、内筒部のより小さ
な円筒部を通して入るフアスナはスロツトの両側
にかみ合うことができなくなるのである。

使用するには、最初にパネル４４に形成した貫
通穴にグロメツトをさし込む。第１，２図の実施
例で説明したように、他の２枚のパネル４５，４
６は相補形状の部材４７を備えており、これらの
相補部材を同時に、或いは順番に、グロメツトの
各端部にまでもち上げ、相補部材の取付面４８を
夫々グロメツトの取付面３１に当接させ、次い
で、前記相補部材の孔を通じねじ山付フアスナを
ねじ込んでグロメツトの内筒部中に各端部にさし
込む。フアスナをさし込むと、グロメツトの全体
が半径方向に膨張して、内筒部の壁をしつかりと
把握する。図示の組立体は両ねじ山付フアスナの
軸心は交叉するのでしたがつてそれらの長さは互
いに交らない様に定める必要がある。より長いね
じ山付フアスナを使用できるようにするために
は、パネル４５と４６内に相補部材を設定し、パ
ネルの厚さに対しグロメツトを中央部に位置づけ
た場合に前記相補部材の取付面４８がグロメツト
に係合するようにしなければならない。このよう
な位置づけが行われた場合、第４図に示すよう
に、パネル４５または４６の一方を逆にして、ね
じ山付フアスナの軸心を平行にしてグロメツト内
に入り、したがつてフアスナがグロメツトの内筒
部の中央部分で平行に重なるようにする。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるグロメツトの一実施例の
縦断面図、第２図は第１図のグロメツトの使用状
態を示す断面図、第３図はグロメツトの他の一実
施例の一使用状態における断面図、第４図は第３
図に示したグロメツトの他の使用状態を示す断面
図、第５図は第３，４図に示したグロメツトの断
面図であつて、中子の出入状態を示し、図中、１
……グロメツト、２……シヤンク、３……前端、
４……後端、５……あご状掛止部、６……第１円
筒部、７……第１テーパ部、８……第２円筒部、
９……第２テーパ部、１０……スロツト、２０…
…孔、３７，３８……内側へのテーパ部、３９，
４０……円筒部、４１，４２……ひろがりテーパ
部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 外表面に、軸方向に離れたあご状掛止部の列
   を備えたほゞ円筒形のシヤンクより成るねじグロ
   メツトであつて、前記あご状掛止部の列は溝によ
   り分離されており、かつ前記シヤンクは長さの途
   中に第１円筒部と、前記第１円筒部をそれより小
   径の第２円筒部へ連結する第１テーパ部と、第２
   円筒部から末広がりになつていてグロメツトの一
   端で終る第２円筒部からなる内筒部を備えている
   ことを特徴とするねじグロメツト。 ２ 内筒部は或る直径の第１中央円筒部と、この
   第１中央円筒部の各端を第２のより小径な２つの
   円筒部に夫々連結するテーパ部と、各第２円筒部
   をグロメツトの各端に連結するためにグロメツト
   の各端部に向つて末広がりになつているテーパ部
   を備えている特許請求の範囲第１項記載のねじグ
   ロメツト。 ３ シヤンクは直径面で弱化させてある特許請求
   の範囲第１項または第２項記載のねじグロメツ
   ト。 ４ 前記弱化はシヤンクに設けた１つまたは複数
   の縦方向のスロツトにより行われている特許請求
   の範囲第３項記載のねじグロメツト。 ５ 前記弱化はシヤンクに１つまたは複数の縦方
   向に肉厚を減らした薄い部分を形成して行われて
   いる特許請求の範囲第３項記載のねじグロメツ
   ト。 ６ 縦方向のスロツトは内筒部の小径円筒部間の
   領域に延びている特許請求の範囲第２項に記載の
   ねじグロメツト。 ７ 一端または両端に取付スピゴツトを備えた特
   許請求の範囲第１項から第６項のどれか１つに記
   載のねじグロメツト。 ８ 合成樹脂で一体的に成形された特許請求の範
   囲第１項から第７項のどれか１つに記載のねじグ
   ロメツト。