JPS6150457B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は洗浄水、たとえば水を注水洗浄し、そ
してエゼクタ式吸引装置のノズルより圧縮空気を
噴出させた時に生ずる吸引作用によつて口腔内特
に根管内の洗浄水、薬液、汚物等を吸引し根管内
を乾燥させる歯科用マイクロバキユームハンドピ
ースに関するものである。

１本のハンドピースで根管内に洗浄水を注水
し、かつ根管内の洗浄水、薬液、汚物等を吸引
し、さらに微小な水滴をも吸引し根管内を乾燥す
ることのできるものとして、本出願人は先に特許
願昭58−88951号にて歯科用マイクロバキユーム
ハンドピースを紹介した。同ハンドピースのエゼ
クタ式吸引装置はハンドピース軸と直角に設定さ
れ、その一部がハンドピースの外部へ突出し、さ
らにその先に吸引物排出用のホースが接続されて
いる。よつて同ハンドピースとホースとはＴ字形
になる為、術者にとつて多少把持し難い点があつ
たので、その解消策として同出願中にその他の実
施例として、エゼクタ式吸引装置をハンドピース
軸と平行に設け排出用のホースも供給用のホース
と並列させることによつて把持し安いハンドピー
スを示している。がまだ術者には把持に違和感が
あつた。

本発明は以上の点に鑑みてなされたもので、そ
の特徴はエゼクタ式吸引装置をハンドピースの把
持部内に設けた点である。

以下一実施例の図面を参照しながら本発明を詳
細に説明する。初めに本実施例に於いては次の２
点を前提とする。第１点は歯科用エアータービン
ハンドピースに圧縮空気と水を供給し、使役後の
圧縮空気を排気するいわゆるタービンホースに本
発明の歯科用マイクロバキユームハンドピースを
接続することである。もちろん専用のホースを設
定することも十分可能なことであるが、タービン
ホースを用いるとタービンホース１本でエアータ
ービンハンドピースとマイクロバキユームハンド
ピースの両ハンドピースを取り換え接続使用でき
るので、ホース１本が節約できることになる。次
に第２点として、マイクロバキユームハンドピー
スの外観形状をエアータービンハンドピースの外
観形状と同一にしたことである。上記同様専用形
状のものでも十分であるが、エアータービンハン
ドピースと同一形状にすることによつて術者に対
し視覚的違和感を抱かすこともなく、、取扱い安
いものだという安心感を与えることができる。

上記タービンホースは第４図のａに示されてい
るようにホースコネクター２５、袋フツト２６、
ホース２７から構成されている。そしてホース２
７は第４図のｂに示されているように送気ホース
２７ａ、送水ホース２７ｂ、排気ホース２７ｃの
それぞれのホースが互いに連結して３連管を形成
している。しかし最も一般的なタービンホースは
４連管（図示せず）である。これはハンドピース
の先端よりチツプエアーを噴出できるようハンド
ピース内にチツプエアー用の管路を有する歯科用
エアータービンハンドピースにチツプエアーを送
るホースが連結されているからである。本発明の
ハンドピースの後端面にチツプエアーを送るチツ
プエアーパイプとハンドピース内にチツプエアー
用の管路を設けることは十分可能であり、その構
造は単に送水回路を１本増設することであり、そ
れは容易なことである。しかしながら本発明の歯
科用マイクロバキユームハンドピースの目的の注
水洗浄、吸引乾燥を実現するにチツプエアーがな
くても十分である。また本発明のハンドピースは
最も一般的なタービンホースと接続することを前
提としているが、ハンドピース内にチツプエアー
用の管路を設けなくてもハンドピース端面にパイ
プ径及びその位置を同一とするめくらのチツプエ
アーパイプを設けるか、もしくはチツプエアーパ
イプを設けずともホースコネクターとハンドピー
ス後端面とはパツキンによつてシールされている
ので最も一般的なタービンホースを接続してもチ
ツプエアーが漏れる心配はなく、何ら問題となる
こともない。以上の点より本発明のハンドピース
の実施例に於いてはチツプエアー管路を省略して
説明する。またエアータービンでは水を冷却用と
して用いるが本発明では洗浄用すなわち洗浄水と
して説明する。

第１図は本発明の歯科用マイクロバキユームハ
ンドピースの縦断面図である。１は本発明の歯科
用マイクロバキユームハンドピースで把持部２の
内部にエゼクタ式吸引装置５があり、後端に歯科
用エアータービンハンドピースの後端接続部と同
一の接続部３、すなわち後端外周にエアータービ
ンハンドピースと同一の螺合６を形成し、さらに
ハンドピース端面にパイプ径及びその位置を同一
とする洗浄水を送る送水パイプ９と圧縮空気を送
る送気パイプ８と排出物を排出する排出パイプ１
０を設ける。先端のヘツド部４に螺合によつて着
脱自在なアダプター１５があり、その先端に吸引
パイプ１１があり、このパイプ１１に口腔内特に
根管内に挿入されるもので可撓性を有し先端に向
けて漸縮する樹脂製もしくは金属製のピペツト１
７が着脱自在に接続されている。エゼクタ式吸引
装置５のノズル１２に送気路８ａ、送気管８ｂを
介して送気パイプ８と連通し、ひろがり管部１４
は排出路１０ａ、排出管１０ｂを介して排出パイ
プ１０と連通し、吸引室２９は吸引路１１ａ、吸
引管１１ｂを介して吸引パイプ１１と連通し、注
水口１６は送水路９ａ、送水管９ｂを介し送水パ
イプ９と連通している。以上のように構成された
歯科用マイクロバキユームハンドピース１にパツ
キン７を介しタービンホース２８を連結する。こ
こで洗浄水を送水すると、洗浄水は送水パイプ
９、送水路９ａ、送水管９ｂを通り注水口１６よ
り流出し、そしてピペツト１７の外周面に沿つて
流れる。次に圧縮空気は送気すると、圧縮空気は
送気パイプ８、送気路８ａ、送気管８ｂを通りノ
ズル１２より高速度で噴出する。この時最初に吸
引室２９内の空気が引きつけられて負圧ができ吸
引作用が生じ、ピペツト１７より根管内の洗浄
水、薬液、汚物等が吸引され吸引パイプ１１、吸
引路１１ａ吸引管１１ｂを通りノズル１２の前方
で先の圧縮空気と混合して進み、さらにのど部１
３を通過時に高速となり低圧を生じ吸引作用が強
められ、圧縮空気と混合した洗浄水、薬液、汚物
等はひろがり管部１４、排出路１０ａ、排出管１
０ｂ、排出パイプ１０を通り排気ホース２７ｃに
よつて排出される。

以上のように本発明の歯科用マイクロバキユー
ムハンドピースを使用すると、根管内壁に付着し
ている汚物等は洗浄水で洗い落され、そしてそれ
ら全ては吸引される。また根尖部近くに付着して
圧縮空気の吹き付けでは除去できない水滴をも完
全に吸引し、乾燥した根管を得ることができる。

本発明はハンドピース把持部の外に吸引装置の
一部又は全部を構成することなく全て把持部内に
設けたので、本出願人が先に紹介したハンドピー
スの問題点を解消し、術者には大いに取り扱い安
いものとなつた。また本発明のハンドピースはエ
アータービンハンドピースと外観形状を同一に構
成したので視覚的違和感もない。さらにハンドピ
ース後端のホースとの接続部を同一に構成したの
でタービンホースに接続できる。よつてタービン
ホース１本でエアータービンハンドピースとマイ
クロバキユームハンドピースの両ハンドピースを
取り換え接続して使用することが可能なので、マ
イクロバキユームハンドピース専用のホースを設
定した場合と比較して、ホース１本の節約にな
る。またマイクロバキユームハンドピースの起
動、停止操作はエアータービンハンドピースと同
様にフツトスイツチ操作になり、、その操作を術
者はすでに習熟しているので、操作に全く労せず
治療に専念することができる。以上本発明のマイ
クロバキユームハンドピースは大いに有益なもの
である。

次に、その他の実施例として第２図に示すよう
に、排出路閉塞装置を設けたものである。これは
ピペツトあるいは吸引管等の吸引回路に詰まりが
生じた時に排出路を閉じ、ノズルから噴出した圧
縮空気を吸引回路に逆流させ詰まり物を吹き飛ば
すものである。すなわち、把持部２の外へその一
部を出しスプリング２０の弾性力により摺動自在
な押シピン１９があり、押シピン１９はピン固定
ナツト２１によつてハンドピースの把持部に取付
られている。ここで押シピン１９を押圧するとそ
の先端が排出路を閉じる。そこへ圧縮空気を送気
すると圧縮空気は吸引回路を通りピペツト１７よ
り吹き出し、詰まりが解消される。

さらにその他の実施例として第３図に示すよう
にハンドピース後端の送水路９ａに流量調節器２
２を設けたハンドピースである。これはニードル
部２４を有する流量調節ビス２３によつて注水口
１６より流出する洗浄水の量を調節するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の歯科用マイクロバキユームハ
ンドピースの縦断面図。第２図は排出路閉塞装置
を持つ歯科用マイクロバキユームハンドピースの
縦断面図。第３図は排出路閉塞装置と流量調節器
を持つ歯科用マイクロバキユームハンドピースの
縦断面図。第４図はタービンホースの断面図で、
ａ図はハンドピース側の断面図で、ｂ図はａ図の
Ａ−Ａ線断面図。 ２…把持部、３…接続部、５…エゼクタ式吸引
装置、１７…ピペツト、１８…排出路閉塞装置、
２２…流量調節器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ハンドピースの後端にホースとの接続部、す
   なわち後端外周に螺合を、そして端面に洗浄水を
   送る送水パイプと圧縮空気を送る送気パイプと排
   出物を排出する排出パイプを設け、ハンドピース
   把持部の内部にエゼクタ式吸引装置を設け、該吸
   引装置のノズルと前記送気パイプは送気路と送気
   管とによつて連通し、また前記吸引装置のひろが
   り管部と前記排出パイプとは排出路と排出管によ
   り連通され、ハンドピース先端の頭部に着脱自在
   に接続されるアダプターの先端に吸引パイプを設
   け、該吸引パイプは吸引路と吸引管を介して前記
   吸引装置の吸引室に連通し、前記吸引パイプに口
   腔内特に根管内に挿入されるもので可撓性を有し
   先端に向けて漸縮するピペツトを接続し、該ピペ
   ツトの外周面に沿つて流出する洗浄水の注水口を
   ハンドピースの頭部下面に設け、該注水口と前記
   送水パイプとを送水路と送水管とによつて連通し
   て成る歯科用マイクロバキユームハンドピース。 ２ ハンドピース把持部の外部にその一部を現わ
   しスプリングによつて摺動可能なピンの押圧操作
   により排出路を閉塞する排出路閉塞装置を設けた
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の歯
   科用マイクロバキユームハンドピース。 ３ ハンドピース後部の送水路にニードル部を有
   する流量調節器を設け、該調節器によつて洗浄水
   の流量を調節することを特徴とする特許請求の範
   囲第１項または第２項記載の歯科用マイクロバキ
   ユームハンドピース。