JPS6150069B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 技術分野 本発明は例えば重量１〜２トンあるいはそれ以
上の大型インゴツトを鋳造するような場合に、鋳
型内に注湯された溶融金属表面に発生するドロス
を自動的に湯面中央部へ掻寄せてドロス自動掻取
装置のバケツトによるドロスの掻取り除去に便な
らしめるようにした装置に関するものである。

(ロ) 従来技術 従来、この鋳型内の溶湯表面に浮上するドロス
を除去する場合には、石綿等の板を使用して入手
により掻寄せすくい取つていたが、特に上記のよ
うな大型インゴツトを鋳造する場合にはドロス重
量も大きくなり、人力による作業では能率が悪
く、しかも高温作業であるため保安、衛生上から
も好ましくなかつた。

そこで、本発明者等はこれら従来の問題を解決
するため、鋳型内ドロスを自動的に掻取り除去す
る装置を別に出願したが、該掻取装置の掻取バケ
ツトでは鋳型内湯面の隅々のドロスまでは充分に
は掻取れずに残存する虞れがある。

(ハ) 発明の開示 本発明は上記掻取バケツトによる掻取りに便利
なように、鋳型内のドロスを四方から湯面中央部
へ向けて自動的に掻寄せるための装置を提供する
ものである。

即ち、本発明は複数の鋳型を並列配置して間欠
的に回動するターンターブルの上方に一側方へ水
平に延びる固定フレーム上に該フレームに沿つて
前後に摺動自在の移動フレームを載設し、該移動
フレーム上には下向きシリンダを設置してそのピ
ストンロツドは上記固定フレーム下方に臨ませそ
の先端は内底部中央に掻板操作用の他の下向きシ
リンダを設置した正面略方形の支持フレームの上
面部に取付けて該支持フレームを昇降自在に保持
し、該支持フレームの底板下面の前後には左右に
寄せて下方へ向つて取付フレームが取付けられ、
該左右の前後取付フレーム下端部間にはそれぞれ
２個づつのスライドブロツクを摺動自在に貫挿支
持するガイドシヤフトを平行に差渡し固定し、上
記掻板操作用シリンダのピストンロツド下端には
上記ガイドシヤフトと直角方向にかつ水平に支持
バーを取付けてその両端部には下端をそれぞれ上
記各スライドブロツクに軸着した連結杆上端が軸
着され、上記前側及び後側のスライドブロツクど
うしにはそれぞれ２本づつの案内杆を平行に差渡
し固定してそれぞれ一対の掻板取付ブロツクを摺
動自在に貫挿支持し、各掻板取付ブロツクの上面
にはガイド部材を取付けて各ガイド部材は掻板取
付ブロツク上側に水平に配置した案内板の前後に
開設されて互いに内方へ向つて近接して行く平面
ハの字形に形成された左右一対の案内構内にそれ
ぞれ摺動自在に嵌合せしめ、各掻板取付ブロツク
下側には平面略Ｌ形のドロス掻寄せ用掻板を支持
固定して各掻板取付ブロツクが互いに離反した状
態のときに相隣接する該掻板どうしがその端部側
面で互いに重合するように構成したドロス掻寄せ
装置に関するものである。

次に、本発明の一実施例を図を参照して以下説
明する。

(ニ) 実施例 第１図は本発明装置を組込んだ装置全体の側面
図で、１は水平方向に間欠的に回動するターンテ
ーブルであり、該テーブル１上には外側に寄せて
複数の鋳型２が等間隔に並列配置されている。３
はテーブル１中心部上方より一側方のテーブル１
外側へ水平に延びる長い２本の平行な固定フレー
ムで、該固定フレーム３上には該フレーム３に沿
つて前後に摺動自在の移動フレーム４が載設され
ていて、固定フレーム３の一方端部上に設置され
たシリンダ５により駆動されてピストンロツド５
ａを介して固定フレーム３を前後移動できるよう
になつている。

上記移動フレーム４には本発明に係る掻寄せ装
置部Ａと鋳型２内ドロスを掻取り除去する掻取装
置部Ｂが前後に適当な間隔を置いて懸吊固定さ
れ、両装置部Ａ，Ｂは固定フレーム３に沿つて同
時に水平移動を行ない、固定フレーム３直下に回
動して来て停止した鋳型２直上に前記シリンダ５
の作動により一方が移動して来て後述のように該
鋳型２内のドロスを掻寄せあるいは掻取るように
なつている。

次に、このドロス掻寄せ装部Ａについて第２〜
７図により説明する。

６は左右の上記両移動フレーム４上に差渡すよ
うにして浮設固定した台フレーム７の中央部に設
置した下向きシリンダで、該シリンダ６のピスト
ンロツドは上記固定フレーム３下方に臨ませてそ
の先端は内底部中央に後記掻板２７操作用の他の
下向きシリンダ８を設置した正面略方形の支持フ
レーム９の上面部に取付けることにより、該フレ
ーム９を昇降自在に保持している。１０は上記支
持フレーム９底板と一体に前後外側へ延長形成し
た翼板１１上に立設固定した４本のガイドロツド
で、両移動フレーム４の内側に突設した４個のガ
イドメタル１２をそれぞれ密に貫挿し、支持フレ
ーム９が昇降する際に横振れしないようになつて
いる。

上記支持フレーム９底板の前後の翼板１１下側
には下方へ向つて前後互いに広がつて行くような
２本づつの取付フレーム１３が左右に寄せて取付
けられ、前側及び後側の各フレーム１３下端部間
にはそれぞれ断面Ｌ形の取付板１４が取付固定し
てある。この両取付板１４は互いに平行し鋳型２
の縦巾にほぼ等しい間隔を置いて前後に相対面し
ており、その長さは鋳型２の横巾より多少短いも
のである。

１５は上記前後両取付板１４間の左右に寄せて
差渡し固定した２本の平行なガイドシヤフト１６
にそれぞれ２個づつ貫挿支持されて該シヤフト１
６に沿つて前後に摺動自在の４個のスライドブロ
ツクで、前側の左右相対面するブロツク１５ａ，
１５ｂどうしはそれぞれ後記一対の掻板取付ブロ
ツク２３を貫挿支持する２本の平行な案内杆１７
により互いに連結されている。

１８は前記支持フレーム９内底に設置した下向
きシリンダ８のピストンロツド１９下端に水平に
取付けた前記取付板１４と平行な１本の支持バー
で、該バー１８の左右両端部には下端をそれぞれ
前記４個のスライドブロツク１５に軸着した４本
の連結杆２０上端が軸着され、上記シリンダ８の
作動により支持バー１８が降下すると各ガイドシ
ヤフト１６に支持されたスライドブロツク１５ａ
と１５ｃならびに１５ｂと１５ｄは互いに離反
し、バー１８が上昇すると互いに接近するよう構
成されている。

２１は支持バー１８の揺動を防止するため該バ
ー１８を上下に貫挿して上端を前記支持フレーム
９底部に固定し、下端を上記２本のガイドシヤフ
ト１６間中央部に該シヤフト１６に支持されるよ
うにして差渡し固定されたブロツク２２に止着さ
れた２本の平行なガイドピンである。

２３は相対する前記スライドブロツク１５ａ，
１５ｂならびに１５ｃ，１５ｄ間にそれぞれ２本
づつ差渡し固定した案内杆１７に貫挿されて摺動
自在に支持されている各一対の掻板取付ブロツク
で、該ブロツク２３の上面中央部にはそれぞれガ
イドローラ等のガイド部材２４が設けられ、各ガ
イド部材２４は前後の取付板１４と上記中央部の
固定ブロツク２２間に載設固定した２枚の案内板
２５にそれぞれ開設した左右一対の案内溝２６内
にそれぞれ摺動自在に嵌合しており、前後にある
左右一対の案内溝２６は互いに上記固定ブロツク
２２方向へ向つて近接して行く平面ハの字形に形
成されている。これにより、各掻板取付ブロツク
２３はその移動方向を上記案内溝２６に嵌合する
ガイド部材２４によつて規制され、前記支持バー
１８が降下すると前後のスライドブロツク１５が
互いに離反するに従い、前方及び後方の各一対の
掻板取付ブロツク２３どうしも互いに離反して、
４個の該ブロツク２３があたかも四方へ離散する
ように移動して行き、またバー１８が上昇すると
今度は逆に４個のブロツク２３が集合して来るの
である。

２７は各掻板取付ブロツク２３下面に支持固定
された平面略Ｌ形のドロス掻寄せ用の掻板で、各
ブロツク２３が上記のように四方へ離反している
状態で鋳型２内壁面に密接するときに相隣接する
各掻板２７どうしがその端部側面で互いに多少重
合するようになつており、（第７図イ）、各ブロツ
ク２３が集合すると各掻板２７どうしはその重合
の度合を増すよう移動して鋳型２内ドロスを周囲
から中央部へ向けて掻寄せることができるように
なつている（第７図ロ）。

しかして、図示の装置全体の一連の作用につい
て説明すると、ターンテーブル１が回動して鋳型
２が固定フレーム３直下の所定位置に到達すると
停止し、注湯樋（図示せず）から溶融金属２８が
鋳型２内に注湯され、湯面が鋳型２内中間の所定
レベルまで来るとこれを光電管等によつて検知す
ることにより該鋳型２直上に待機している第１図
の掻取装置部Ｂのシリンダ２９が作動して旋回離
反している両バケツト３０下端部を容湯中に浸漬
させ、さらに他のシリンダの作動により両バケツ
ト３０を閉じ合せてまずいつたん溶湯表面のドロ
スを掻取る（これを荒取りという）。

この荒取りを行なつたら、両バケツト３０を閉
じたままシリンダ２９を逆作動させて上昇させ、
該バケツト３０の上昇終了後、受皿３１をシリン
ダ３２によりバケツト３０直下まで前進させてバ
ケツト３０内のドロスが鋳型２内に滴下しないよ
うにしたまま、両バケツト３０はシリンダ５によ
り、また受皿３１はシリンダ３３によりそれぞれ
同時にドロス排出シユート３４上まで平行移動さ
せ、更に受皿３１はシリンダ３２により多少移動
後退させて該受皿３１内のドロスをシユート３４
内に排出させた後、両バケツト３０を拡開離反さ
せてバケツト３０内のドロスをシユート３４内に
排出させるのである。

前記のように掻取装置部Ｂがシユート３４上へ
移動して行くと、該装置部Ｂを吊持する移動フレ
ーム４に同様に吊持された後側の本発明に係るド
ロス掻寄せ装置部Ａが鋳型２直上に到達してい
る。そして、まずシリンダ６が作動して四方へ広
がつている４枚のＬ形掻板２７を降下させて下部
を鋳型２内の溶湯２８に浸漬させ、次いでシリン
ダ８の作動で支持バー１８を引上げることにより
前記の如く各掻板２７を集合させ、これにより湯
面に残存するドロスを湯面中央部に掻寄せ、これ
が終了するとシリンダ８及び６の逆作動により各
掻板２７を広げると共に上昇させて行く。

なお、以上の操作の間も注湯樋から鋳型２内へ
の溶湯の供給は続けられており、鋳型２内湯面は
光電管等により検知されていて、上記バケツト３
０ならびに掻板２７の溶湯２８への浸漬の度合が
自動的に調整されるようになつている。

上記の荒取り及び掻寄せが終了すると、シリン
ダ５で移動フレーム４を元の位置まで戻すことに
より再び掻取バケツト３０を鋳型２上に戻し、前
記と同様にしてドロスの掻取りを行なう（これを
中取りという）。そして、前記のようにして再度
掻板２７によりドロス掻寄せが行なわれると、こ
の時点では鋳型２内への注湯も完了しており、両
バケツト３０による三度目のドロス掻取り（これ
を仕上げ取りという）を行なつて、ドロス掻取り
作業を終了するのである。

以上の一連の作業が終了すると、鋳型２を固定
する装置（図示せず）が解除され、ターンテーブ
ル１が再び回動して次の鋳型への注湯、ドロス掻
寄せならびにドロス掻取り除去が行なわれる。

(ホ) 発明の効果 本発明に係る装置は以上のように構成され、鋳
型内に溶融金属を注湯されて湯面に生じるドロス
を自動的に場面中央部へ掻寄せることができるの
で、保安、衛生上も安心であり、またこの掻寄せ
られたドロスを掻取バケツトによりきれいに掻取
り除去することが可能となり、得られる金属イン
ゴツトは不純分のない品質良好なものが効率良く
得られる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るドロス掻寄せ装置を組込
んだ一連の装置全体の側面説明図、第２図は本発
明に係るドロス掻寄せ装置の側面図、第３図は同
正面図、第４図は同下半部の平面図、第５図は同
斜視図（ただし、掻板は示していない）、第６図
は掻板部分の斜視図、第７図イ〜ロは掻板の作動
を示す平面的説明図である。 符号説明、Ａ……ドロス掻寄せ装置部、Ｂ……
ドロス掻取装置部、１……ターンテーブル、２…
…鋳型、３……固定フレーム、４……移動フレー
ム、５……シリンダ、６……シリンダ、７……台
フレーム、８……シリンダ、９……支持フレー
ム、１０……ガイドロツド、１１……翼板、１２
……ガイドメタル、１３……取付フレーム、１４
……取付板、１５……スライドブロツク、１６…
…ガイドシヤフト、１７……案内杆、１８……支
持バー、１９……ピストンロツド、２０……連結
杆、２１……ガイドピン、２２……固定ブロツ
ク、２３……掻板取付ブロツク、２４……ガイド
部材、２５……案内板、２６……案内溝、２７…
…掻板、２８……溶湯（溶融金属）、２９……シ
リンダー、３０……掻取りバケツト、３１……受
皿、３２……シリンダ、３３……シリンダ、３４
……ドロス排出シユート。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数の鋳型を並列配置して間欠的に回動する
   ターンターブルの上方に一側方へ水平に延びる固
   定フレーム上に該フレームに沿つて前後に摺動自
   在の移動フレームを載設し、該移動フレーム上に
   は下向きシリンダを設置してそのピストンロツド
   は上記固定フレーム下方に臨ませその先端は内底
   部中央に掻板操作用の他の下向きシリンダを設置
   した正面略方形の支持フレームの上面部に取付け
   て該支持フレームを昇降自在に保持し、該支持フ
   レームの底板下面の前後には左右に寄せて下方へ
   向つて取付フレームが取付けられ、該左右の前後
   取付フレーム下端部間にはそれぞれ２個づつのス
   ライドブロツクを摺動自在に貫挿支持するガイド
   シヤフトを平行に差渡し固定し、上記掻板操作用
   シリンダのピストンロツド下端には上記ガイドシ
   ヤフトと直角方向にかつ水平に支持バーを取付け
   てその両端部には下端をそれぞれ上記各スライド
   ブロツクに軸着した連結杆上端が軸着され、上記
   前側及び後側のスライドブロツクどうしにはそれ
   ぞれ２本づつの案内杆を平行に差渡し固定してそ
   れぞれ一対の掻板取付ブロツクを摺動自在に貫挿
   支持し、各掻板取付ブロツクの上面にはガイド部
   材を取付けて各ガイド部材は掻板取付ブロツク上
   側に水平に配置した案内板の前後に開設されて互
   いに内方へ向つて近接して行く平面ハの字形に形
   成された左右一対の案内溝内にそれぞれ摺動自在
   に嵌合せしめ、各掻板取付ブロツク下側には平面
   略Ｌ形のドロス掻寄せ用掻板を支持固定して各掻
   板取付ブロツクが互いに離反した状態のときに相
   隣接する該掻板どうしがその端部側面で互いに重
   合するように構成してなることを特徴とする鋳型
   内ドロスの掻寄せ装置。 ２ 前記支持フレームの底板と一体に前後外側へ
   延長形成した翼板上に４本のガイドロツドを立設
   固定し、各ロツドを前記移動フレームの内側に突
   設した４個のガイドメタルにそれぞれ密に摺動自
   在に貫挿した特許請求の範囲第１項記載の鋳型内
   ドロスの掻寄せ装置。 ３ 前記支持フレーム下側には前記支持バーを上
   下に貫挿して下端を前記２本のガイドシヤフト間
   中央部に該シヤフトにより支持されるようにして
   差渡し固定されたブロツクに止着した２本の平行
   なガイドピンを垂設固定してなる特許請求の範囲
   第１項又は第２項記載の鋳型内ドロスの掻寄せ装
   置。