JPS6147652B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は数値制御により加工される被加工物
加工面の仕上げ面精度を予めプログラムできるよ
うにした数値制御装置に関するもので、任意の加
工形状ブロツクに対して任意の仕上げ面精度を指
定できるようにしたものである。

従来この種の装置として第１図に示すものがあ
つた。第１図は数値制御工作機械、特に数値制御
旋盤の概略構成を示すブロツク図で、１は数値制
御装置であつて、２は紙テープまたは磁気テープ
等の加工情報入力媒体からの入力情報を得る入力
部、３は工具経路計算・加工速度計算・その他の
処理を行う中央処理装置、４は機械取扱者による
加工操作部、５は中央処理装置３と加工操作部４
からの情報を制御する制御部、６は制御部５から
の情報をもとに工作機械７を駆動する駆動部であ
る。また、７は工作機械であり、８は駆動部から
の制御情報により移動する工作機械７に取付けら
れた移動テーブル、９は移動テーブル８に取付け
られた荒工具・仕上げ工具等を取り付ける工具
台、１０は工具、１１は被加工物である。

第２図は被加工物１１の加工形状の一例で、１
２は最終加工形状、１３は仕上げ代を残した荒工
具による加工形状、１４は荒工具による加工形状
１３の加工経路、１５は加工開始点を示す。

次に動作について説明する。第２図に示す一例
の最終加工形状１２に対して、仕上げ面精度の指
定があるブロツクに仕上げ代を付加して、荒工具
での加工形状１３を決定する。次いで加工量・加
工速度等の条件により加工経路１４を決定し、加
工条件と共に加工情報入力媒体である紙テープま
たは磁気テープを作成する。この加工情報入力媒
体からの加工情報により、数値制御装置１は、工
作機械７の工具１０と被加工物１１の相対位置を
制御して加工を行うことになる。

加工情報入力媒体からの加工情報は、入力部２
から読み込まれ工具選択指令により、または加工
操作部４からの工具選択指令により、制御部６は
工具台９に指令された工具に対応する工具番号デ
ータを出力する。工具選択が完了すると中央処理
装置３は、１ブロツク毎に加工情報を入力部２よ
り得て、加工条件・その他から一定時間毎の工具
移動量を計算し、駆動部６に出力する。駆動部６
は制御部５の制御により上記工具移動量を移動テ
ーブル８のＸ軸・Ｚ軸の各モータに出力する。１
ブロツクの工具移動出力が完了すると、駆動部６
は次のブロツク読み込みのための指令を行い、そ
の指令に従つて中央処理装置３は入力部２から次
のブロツクの加工情報を得る。これらの動作を各
ブロツク毎に繰り返し、荒工具による加工形状１
３まで加工を行う。

次に仕上げ加工を必要とするブロツクまたは全
ブロツクに対して、仕上げ工具によるプログラム
を作成し、仕上げ工具を選択して、上記荒工具に
よる加工と同様な処理により、最終加工形状１２
に加工するか、または、仕上げ面精度を必要とす
るブロツクに対して、仕上げ工具により手操作で
最終加工形状１２に加工する。

従来の数値制御装置は以上のように構成されて
いたので、直接仕上げ面精度を指定することはで
きず、仕上げ面精度を必要とするブロツクまたは
全加工形状ブロツクに対して、新たに仕上げ加工
用のプログラムを作成しなければならず、そのプ
ログラムにより再加工することが必要で、また、
手操作による修正を必要とするなどの欠点があつ
た。

この発明は上記のような従来のものの欠点を除
去するためになされたもので、最終加工形状に対
して各ブロツク毎の機械系座標と、仕上げ面精度
指定と、仕上げ工具番号をプログラムすることに
より、仕上げ加工による加工プログラムを作成す
ることなく、仕上げ面精度指定のあるブロツクに
対して、仕上げ加工を行うことのできる数値制御
装置を提供することを目的としている。

以下、この発明の一実施例を図について説明す
る。第３図はこの発明の一実施例の概略構成を示
すブロツク図で、第１図と同一または相当部分に
は同一符号を付しているので説明を省略する。第
３図において、１６は荒工具による加工形状を記
憶するメモリで、１７は最終加工形状を記憶する
メモリである。

次にこの発明になる数値制御装置の動作を説明
すると、プログラムされた数値指令データは、加
工操作部４の指示に従つて入力部２から読み込ま
れ、最終加工形状メモリ１７に順次記憶される。
この数値指令データには仕上げ面精度に関する情
報と加工条件たとえば加工速度・工具番号等の情
報も含でおり、各加工ブロツク毎に一定のフオー
マツトで最終加工形状メモリ１７に記憶される。
全ブロツクが記憶されると中央処理装置３は上記
最終加工形状メモリ１７に対して、各ブロツク毎
に仕上げ面精度指令データを参照し、仕上げ面精
度に対応した仕上げ代を付加し、第２図に示すよ
うな工具経路１４を計算して、加工条件データと
共に工具経路メモリ１６に記憶する。工具経路メ
モリ１６への記憶完了後、加工操作部２からの工
具選択指令またはプログラムされた工具選択指令
により、制御部５は荒工具選択データを駆動部６
を介して工作機械７本体に取り付けてある工具台
９に出力し荒加工用工具を決定する。続いて中央
処理装置３は工具経路メモリ１６から１ブロツク
分の工具経路データを取り出し、加工条件にあつ
た一定時間毎の各軸移動成分を計算して駆動部６
に出力する。駆動部６は上記出力量を工作機械７
本体に取り付けられた移動テーブル８のＸ軸・Ｚ
軸各モータに出力して、工具１０と被加工物１１
の相対位置を変化させ加工を行う。１ブロツク分
の各軸移動出力が完了すると、中央処理装置３は
工具経路メモリ１６から次の１ブロツク分の工具
経路データを取り出し、上記同様の処理を行う。
これらの上記処理を繰り返し行い、工具経路メモ
リ１６に記憶された加工形状まで順次加工を行な
うことになる。

工具経路メモリ１６に記憶された加工形状まで
の加工が完了すると、荒工具を加工開始点１５ま
で移動させ、中央処理装置３は最終加工形状メモ
リ１７に記憶されている仕上工具番号を参照し
て、制御部５に工具選択データを指令する。制御
部５は上記工具選択データ受けて工具台９に出力
し、仕上げ工具が選択される。中央処理装置３は
再度、最終加工形状メモリ１７を参照し、仕上げ
面精度に応じて加工速度計算・加工量計算を行つ
て加工経路を決定し、工具経路メモリ１６に記憶
する。以後は上記荒工具による加工の場合と同様
な処理が行われ、最終加工形状メモリ１７に記憶
された最終加工形状まで加工することになる。

なお、上記実施例では加工情報入力媒体とし
て、紙テープまたは磁気テープを用いた入力部２
を設けたものを示したが、加工情報入力媒体を含
む入力部２としてキーボードを設けてもよい。

また、上記実施例では数値制御旋盤の数値制御
装置について説明したが、フライス盤やその他の
数値制御工作機械の数値制御装置であつてもよ
く、上記実施例と同様の効果を奏する。

以上のように、この発明によれば最終加工形状
の仕上げ面精度をプログラム作成時に指定できる
ように構成したので、仕上げ加工に関するプログ
ラム作成が不要で、また、操作性のよいものが得
られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の数値制御装置の概略構成を示す
ブロツク図、第２図は被加工物加工形状の一例を
示す説明図、第３図はこの発明による数値制御装
置の概略構成を示すブロツク図である。 図中同一符号は同一または相当部分を示し、１
は数値制御装置、２は入力部、３は中央処理装
置、４は加工操作部、５は制御部、６は駆動部、
７は工作機械本体、８は移動テーブル、９は工具
台、１０は工具、１１は被加工物である。また、
１２は被加工物の最終加工形状、１３は荒工具に
よる加工形状、１４は荒工具の工具経路、１５は
加工開始点、１６は工具経路メモリ、１７は最終
加工形状メモリである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 予め定められたプログラムにより、工作機械
   に取り付けられた工具と被加工物との相対位置を
   制御して、加工を行う数値制御工作機械の数値制
   御装置において、少なくとも最終加工形状、仕上
   面精度、加工条件に関するデータを各加工ブロツ
   ク毎に一定のフオーマツトで記憶する最終加工形
   状メモリと、少なくとも工具経路に関するデータ
   を記憶する工具経路メモリと、上記最終加工形状
   メモリのデータを各加工ブロツク毎に参照し仕上
   面精度に対応した仕上代を付加した工具経路を演
   算して上記工具経路メモリに記憶させるとともに
   このメモリのデータを用いて荒工具による加工の
   ための各軸移動成分を演算出力し、且荒工具によ
   る加工終了後仕上げ工具による加工のための各軸
   移動成分を演算出力する中央処理装置とを備えて
   なる数値制御装置。