JPS6147055B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、金属黒鉛ブラシ（金−黒鉛・銀−黒
鉛・銅−黒鉛等）の材質の改良に関するもので、
機械的強度を高めることを目的とする。

一般に金属黒鉛ブラシは、主成分である金属
（例えば金・銀・銅等）と黒鉛に、二硫化モリブ
デン・鉛・窒化ホウ素・二硫化タングステン等の
添加物を加えてブラシ原料とし、圧粉成形により
作製される。

金属と黒鉛のみから成るブラシは周囲の環境条
件によつて特性が大きく変化し、低湿度下では摩
擦特性が特に悪く、コンミテータ（又はスリツプ
リング）に対し付着したりすべりを生じたりし
て、その摩擦力は時間的に変化する。そのためブ
ラシは振動してコンミテータに対する電気的接触
性が不安定となり、ブラシ−コンミテータ間に大
きな火花が生じ、ブラシは著しく摩耗しやすい。
又コンミテータとの凝着作用が強いため、短絡事
故を生じやすい等の欠点がある。

そこで、これ等の欠点を解消するために前記添
加物を加えるもので、二硫化モリブデンは低温度
時の摩擦特性をよくし、窒化ホウ素・二硫化タン
グステンは高温度時の摩擦特性をよくして、ブラ
シの摩擦特性や電気的接触性を向上する。又鉛は
コンミテータ（又はスリツプリング）の主成分で
ある銅とはお互いに全く結合しない性質があるた
め、ブラシとコンミテータ間の凝着作用を軽減で
きる。

ところがそれ等の添加物粒子は金属・黒鉛のブ
ラシ主原料粒子との結合性がほとんどないこと、
二硫化モリブデン・二硫化タングステンはそれ自
体の自己壁開性によつて簡単にこわれやすいこ
と、とによつてブラシ組織が脆弱になり、機械的
強度が低下しブラシの摩耗が多くなる。従つて現
在のところ添加物の量は１％程度に押えられてい
る。

本発明は、それ等の添加物を加えることによる
利点を損なうことなく、ブラシの機械的強度を高
めるために、添加物粒子に金属メツキして用いる
ものである。

添加物粒子１の径は１〜100μ位で、その表面
に厚さ0.1〜10μ位の金属メツキ４を施す。この
メツキは例えば公知の化学メツキ法による。メツ
キ金属は銅・銀・金等を用いる。

上記の金属メツキした添加物１の粒子を金属
２・黒鉛３のブラシ主原料粒子に第２図に示すよ
うに加えると、添加物１は表面の金属メツキ層４
によつて金属粒子２・黒鉛粒子３との結合性が高
められる。又添加物同志も金属メツキ層４を介し
てよく結合する。又内部の添加物粒子自体がこわ
れても、メツキ層２によつて被覆されているから
主原料粒子との結合性、添加物粒子同志の結合性
が低下することはない。

従つて添加物１の添加量を５・10・20％と増加
して行つてもブラシ組織は脆弱にならないため、
機械的強度の高い高性能なブラシを得ることがで
きる効果がある。

又使用により多数の添加物の金属メツキ層４が
逐次摩耗して、ブラシとコンミテータ間に添加物
自体１が介在することになり、ブラシの摩擦特
性・電気的接触性の向上・凝着作用の軽減等の本
来の目的効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は添加物の一部切欠き斜面図、第２図は
その添加物を使用して圧粉成形した本発明ブラシ
の内部組織図である。 １は添加物、２は金属、３は黒鉛、４は金属メ
ツキ層、５は気孔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 粉末粒子状の金属・黒鉛とから成るブラシ原
   料に、ブラシの摩擦特性・電気的接触性を向上す
   るために添加する二硫化モリブデン・鉛・窒化ホ
   ウ素・二硫化タングステン等の粒子に銅・銀・金
   等の金属メツキを施こしたことを特徴とする圧粉
   成形した金属黒鉛ブラシ。