JPS6146797B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、燃料出入機、殊にこの燃料出入機
本体に接続される直接冷却装置との接続部の改良
に関するものである。

液体金属冷却高速増殖炉の燃料出入機は、ナト
リウムやナトリウムとカリウムの混合体のような
液体金属の付着した高い崩壊熱をもつ使用済燃料
体を安全に移送するため燃料出入機本体のコフイ
ン外筒の上部から外気の開ループの循環により液
体金属の入つたポツト内の使用済燃料体を冷却す
る間接冷却系と、コフイン内部に冷却ガスを直接
送りこんで使用済燃料を冷却する閉ループの直接
冷却系とを備えている。すなわち、第１図及び第
２図に示されるように、従来の燃料出入機は、グ
リツパ駆動装置１０とコフイン内筒１２とこれを
囲繞するコフイン外筒１４と可動ブロツク１６と
コフイン外筒１４を取囲む遮蔽体１８と、コフイ
ン外筒に連通される間接冷却系２０とコフイン内
筒に連通されて冷却ガス、例えばArガスを循環
させる直接冷却系２２とから構成され、この直接
冷却系をコフイン内筒に連通させる配管２３を燃
料出入機本体から外方に延出させて屈曲させ止弁
２４を介して直接冷却装置に接続している。

しかしながら、先に述べた従来の燃料出入機
は、以下のような難点を抱えている。すなわち、 (1) コフイン内筒に直接冷却系を連通させるため
の配管を行なうに際し、コフイン内筒からの遮
蔽の都合上、配管を直線上に構成することは出
来ず、第２図に示す通り屈曲させなければなら
ない。このように堅牢な遮蔽体内で配管を屈曲
させることは、装置の制作上及び検査を行う上
で非常に困難な作業となる。

(2) 使用済燃料体には、原子炉の冷却材であるナ
トリウム等の液体が付着しているので燃料出入
機内に空気が侵入するとナトリウムが酸化し、
更には放射性物質を含んだ原子炉のカバーガス
が機外に漏洩するのは好ましくないので、ナト
リウムのベーパバウンダリを可及的に小さく設
定することが望まれる。

(3) 燃料交換を行なう為、炉心から使用済燃料を
取出すに際し、燃料はナトリウムを充たしたポ
ツトに入れられた状態で燃料出入機に吊り下げ
られて間接冷却系により冷却される。そして、
燃料出入機は原子炉と直接接続されているの
で、燃料出入機のコフイン内は原子炉の放射性
物質を多量に含んだカバーガスで充たされる。
この際、直接冷却系は入口及び出口共に止弁に
より閉塞されているので、カバーガスは止弁の
位置まで入つてくることになる。したがつて、
止弁の設置位置までの配管を遮蔽する必要があ
り、配管に遮蔽体を取付けると配管の外径が必
然的に大きくなり、また重量も増える。更に、
止弁自体にも遮蔽体が必要であるが、このよう
に配管及び止弁に遮蔽体を取付けると偏心荷重
が増加し、耐震上問題となる。

この発明は、先に述べた多くの難点を克服する
ことを目的とし、構造が簡単で製作性の良い燃料
出入機を提供するにある。

この発明に於いて、燃料出入機本体の上下に上
部厚肉フランジと下部厚肉フランジとを形成し、
夫々の厚肉フランジにコフイン内筒に連通するガ
ス循環通路を設け、このガス循環通路を夫々止弁
を介して直接冷却装置に接続することにより、直
接冷却系を形成する。

すなわち、この発明の主たる目的は、駆動装置
と、この駆動装置の下方に位置するコフイン内筒
と、このコフイン内筒を囲繞するコフイン外筒
と、このコフイン外筒の下方に設置される可動ブ
ロツクと、コフイン外筒を取囲む遮蔽体と、コフ
イン外筒に連通される間接冷却系と、コフイン内
筒に連通されて冷却ガスを循環させる直接冷却系
とからなり、前記駆動装置と可動ブロツクとの下
側に夫々上部厚肉フランジと下部厚肉フランジを
設け、夫々の厚肉フランジにコフイン内筒に連通
するガス循環通路を設け、これらのガス循環通路
を夫々止弁を介して直接冷却装置に接続すること
により、直接冷却系を構成することを特徴とする
燃料出入機を提供するにある。

この発明の典型的な実施例において、厚肉フラ
ンジ部の半径方向に第１通路を形成し、その一端
部をコフイン内筒に連通すると共に、その他端部
を厚肉フランジの外周部内に形成される弁室に連
通し、前記弁室より厚肉フランジの軸方向に対し
て第２通路を形成し、この第２通路を直接冷却装
置の上部に連通する。

更に、この発明の別の実施例において、厚肉フ
ランジの半径方向に通路を形成し、その一端部を
このコフイン内筒に連通すると共に、その他端部
を厚肉フランジの外側に形成される弁室に連通
し、前記弁室より厚肉フランジの軸方向に配管を
導出してこれを直接冷却装置に連通する。

弁室において、弁体は厚肉フランジの半径方向
に形成される通路の外側端部を開閉するよう設置
され、かつステムを介して外部作動装置に連結さ
れる。弁座は、厚肉フランジの外周端縁部にシー
ルリングを介して固着されるか弁室の外側端部に
シールリングを介して固着される。

更に弁体と弁座との間にベローズを介装するこ
とにより弁棒又はステムを介して放射能を含む気
体が外部に漏洩することを防止する。

次に、この発明の典型的な実施例につき、第３
図乃至第５図を参照しながら以下詳細に説明す
る。

まず、第３図において、この発明に係る燃料出
入機は、駆動装置２６と、この駆動装置の下部に
位置する上部厚肉フランジ２８と、この厚肉フラ
ンジ２８の中心部に挿通されるコフイン内筒３０
と、このコフイン内筒３０を囲繞するコフイン外
筒３２と、コフイン内筒の下部を挿通する可動ブ
ロツク３４と、この可動ブロツク３４の下方に位
置する下部厚肉フランジ３６と、下部厚肉フラン
ジ３６の下側に取付けられたドアバルブ３８と、
コフイン外筒３２を取囲む遮蔽体４０とにより構
成され、遮蔽体４０の上部及び下部の夫々に通路
４２，４４を設けて、コフイン外筒に連通させる
ことにより、間接冷却系４６を形成する。なお、
使用済燃料は駆動装置２６から適宜の吊り下げ手
段、例えばステンレステープによつて懸吊される
グリツパによつて保持され、コフイン内筒内に収
納される。

上部厚肉フランジ２８には、その半径方向に通
路４８を設け、更にこの通路４８に直交し、かつ
上部厚肉フランジ２８の軸方向に延在する通路５
０を設け、この通路５０は遮蔽体４０内に導入さ
れた後、屈曲されて遮蔽体外へ導出され、直接冷
却装置５２の上部に連通される。

通路４８と通路５０との交点において、弁室５
４が形成され、弁体５６を収納する。すなわち、
第４図及び第５図に於いて明らかなように、上部
厚肉フランジ２８の外周部において、通路４８よ
り大径の弁室５４が設けられ、更に上部厚肉フラ
ンジ２８の外周端縁部に弁フランジ５８がシール
用の二重Ｏリング６０を介してボルト６２により
固着される。弁フランジ５８は、遮蔽体６４によ
り遮蔽される。弁体５６は、ステム６６を介して
外部の操作手段６７に連結される。弁体５６と弁
フランジ５８との間にベローズ６８を介装し、ス
テム６６を介して放射能を含むガスが外部に漏洩
するのを防止する。なお、弁の作動は、典型的に
は第４図に示されるように、電動機６７により行
われるが、手動操作手段又は油圧操作手段に置換
できる。

下部厚肉フランジ３６に於いて、上部厚肉フラ
ンジ２８と同様に、その半径方向に通路７０を設
け、その外側開口端部の外側に弁室７２を形成
し、更にこの弁室７２から燃料出入機本体の外周
部に沿つて配管７４を立上がらせ、これを屈曲さ
せて直接冷却装置５２の下端部に連通する。弁室
７２には通路７０の外側開口端部を閉塞するため
の弁体７６を収納し、その取付手段及び操作は上
部厚肉フランジに設けた弁の構成と同様にして行
われる。

この発明に係る燃料出入機によれば、先に説明
した通り、直接冷却装置と燃料出入機との接続部
分を出入機本体の一部を構成する厚肉フランジ内
に構成したため、遮蔽体内で配管の引き回しを行
なう必要がなくなり、製作性が著しく向上した。
更に、止弁を燃料出入機本体内に組込むことによ
り、ナトリウムベーパバウンダリが小さくなり、
従つて空気侵入乃至は放射性物質の漏洩を阻止す
ることができる。また、止弁を厚肉フランジ内に
組み込むことにより、配管用の遮蔽が不要とな
り、しかも弁座が厚肉フランジ内に組み込まれて
いるので、弁座の遮蔽も少なくすることができ、
偏心荷重が減少し耐震上の利点が大きい。

以上、この発明の典型的な構成において説明し
たが、この発明の目的と特徴とを逸脱しない範囲
において種々の設計変更をすることは勿論であ
る。例えば、下部厚肉フランジの厚さを大きくと
り上部厚肉フランジと同様の構成にすることも可
能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来型の燃料出入機の全容を示す縦断
面図、第２図は第１図の−線断面図、第３図
は本発明に係る燃料出入機の縦断面図、第４図は
直接冷却系との接続部を示す横断面図、第５図は
第４図の−線断面図である。 １０……グリツパ駆動装置、１２……コフイン
内筒、１４……コフイン外筒、１６……可動ブロ
ツク、１８……遮蔽体、２０……間接冷却系、２
２……直接冷却系、２３……配管、２４……止
弁、２６……駆動装置、２８……上部厚肉フラン
ジ、３０……コフイン内筒、３２……コフイン外
筒、３４……可動ブロツク、３６……下部厚肉フ
ランジ、３８……ドアバルブ、４０……遮蔽体、
４２，４４……通路、４６……間接冷却系、４８
……通路、５０……通路、５２……直接冷却装
置、５４……弁室、５６……弁体、５８……弁フ
ランジ、６０……Ｏリング、６２……ボルト、６
４……遮蔽体、６６……ステム、６７……操作手
段、６８……ベローズ、７０……通路、７２……
弁室、７４……配管、７６……弁体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 駆動装置と、この駆動装置の下方に位置する
   コフイン内筒と、このコフイン内筒を囲繞するコ
   フイン外筒と、このコフイン外筒の下方に設置さ
   れる可動ブロツクと、コフイン外筒を取囲む遮蔽
   体と、コフイン外筒に連通される間接冷却系と、
   コフイン内筒に連通されて冷却ガスを循環させる
   直接冷却系とからなり、前記駆動装置と可動ブロ
   ツクとの下側に夫々上部厚肉フランジと下部厚肉
   フランジを設け、夫々の厚肉フランジにコフイン
   内筒に連通するガス循環通路を設け、これらのガ
   ス循環通路を夫々止弁を介して直接冷却装置に接
   続することにより直接冷却系を構成することを特
   徴とする燃料出入機。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の燃料出入機にお
   いて、厚肉フランジ部の半径方向に第１通路を形
   成し、その一端部をコフイン内筒に連通すると共
   にその他端部を厚肉フランジの外周部内に形成さ
   れる弁室に連通し、前記弁室より厚肉フランジの
   軸方向に対して第２通路を形成し、この第２通路
   を直接冷却装置に連通することを特徴とする燃料
   出入機。 ３ 特許請求の範囲第１項記載の燃料出入機にお
   いて、厚肉フランジの半径方向に通路を形成し、
   その一端部をこのコフイン内筒に連通すると共に
   その他端部を厚肉フランジの外側に形成される弁
   室に連通し、前記弁室より厚肉フランジの軸方向
   に配管を導出してこれを直接冷却装置に連通する
   ことを特徴とする燃料出入機。 ４ 特許請求の範囲第２項または第３項に記載の
   燃料出入機において、弁室において弁体は厚肉フ
   ランジの半径方向に形成される通路の外側端部を
   開閉するよう設置され、かつステムを介して外部
   作動装置に連結されることからなる燃料出入機。 ５ 特許請求の範囲第２項または第３項記載の燃
   料出入機において、弁座は厚肉フランジの外周端
   縁部にシールリングを介して固着されることから
   なる燃料出入機。 ６ 特許請求の範囲第２項または第３項記載の燃
   料出入機において、弁座は弁室の外側端部にシー
   ルリングを介して固着されることからなる燃料出
   入機。 ７ 特許請求の範囲第２項乃至第６項のいずれか
   に記載の燃料出入機において、弁体と弁座との間
   にベローズを介装することを特徴とする燃料出入
   機。