JPS6146654B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はガスタービンエンジンに関し、特に、
ガスタービンエンジン内で２個の流体移送部材を
相互に連結する装置に関する。

最新のガスタービンエンジン、特に航空機動力
用のガスタービンエンジンでは、入口、前フア
ン、圧縮機、燃焼器、圧縮機駆動用高温タービン
および前フアン駆動用低温タービンが直列に配設
されている。これらのエンジンの多くは、入口を
通る空気のすべてが残りのエンジン構成部を通る
というものではない。エンジンの代表的なもので
は、フアン下流の分流体が入口流を２つの流れ、
すなわち、圧縮機と燃焼器と両タービンとを通る
コア空気流と、これらのエンジン構成部の周囲を
流れるバイパス空気流とに分ける。バイパス流は
軸方向に延在する周囲ダクト内の環状プレナム内
を後方に流れる。なお、このダクトは他のエンジ
ン構成部の半径方向外側に配置されている。前記
バイパス流はエンジンタービン部下流の様々な軸
方向位置においてコア流と再合流し得る。追加的
または代替的に、バイパス流はエンジンの他の構
成部の冷却に使用され得る。

バイパス流を通す環状プレナムはエンジンの他
の構成部を囲んでいるので、内部のエンジン構成
部に関連する流体供給管路がバイパスプレナムを
貫通していなければならない。多くの場合、エン
ジンの組立てを容易にするため、これらの供給管
路に関連する流体用取付物またはコネクタを設
け、しかもこれらのコネクタをバイパスプレナム
内に配設する必要がある。時折、コネクタは漏れ
を起こすことがあり、従つて、供給管路を通る流
体の一部はバイパス空気流内に混入する。

この汚染されたバイパス流が後方に流れるにつ
れ、混入流体は他のエンジン構成部に付着するか
またはエンジンの様々な空洞あるいは凹所に溜ま
るおそれがある。供給管路がエンジンの燃料また
は油を通す場合、溜まるか付着した流体によつ
て、望ましくない燃焼をひき起こすような状態が
生じ得る。本発明はこの状態の防止を意図するも
のである。

従つて、本発明の目的はガスタービンエンジン
内に配設された取付物またはコネクタから漏れた
流体がエンジン内に溜まることまたはエンジン内
部構成部を汚染することを防ぐ手段を提供するこ
とである。本発明の他の目的は漏れを起こしてい
る取付物またはコネクタをガスタービンエンジン
を分解することなく容易に検出し得る手段を提供
することである。

簡単に述べると、以下の詳述と添付の図面から
明らかになる上記および他の目的は本発明の次の
ような構成によつて達成される。すなわち、コネ
クタがバイパスプレナム内に設置され、このコネ
クタによつて第１および第２流体移送部材が実質
的に流体密の継目において相互に連結される。バ
イパスプレナムと継目との間には継目からプレナ
ム外部の或箇所まで延在する流体漏流路を画成す
る手段が設けられる。前記外部箇所はプレナム内
を流れる圧縮流体の圧力より低い圧力の存する所
である。また、圧縮流体をプレナムから漏流路に
導入することによつて、継目から遠ざかり且つ外
部箇所に向かうプレナム圧縮流体流を漏流路内に
確保するような導入手段を設け得る。

次に添付の図面を参照して本発明を説明する。
第１図には本発明を利用し得る代表的なガスター
ビンエンジンが概略的に符号１０で示されてい
る。ガスタービンエンジン１０は概して入口部１
１、フアンまたはブースタ部１２、圧縮機部１
４、燃焼器部１６、高圧タービン部１８、低圧タ
ービン２０、アフタバーナ部２２および排気ダク
ト部２４で構成され、これらはすべて直流関係に
ある。入口部１１に入る第１流体例えば空気はブ
ースタ部１２で圧縮された後、分流体２６によつ
て２つの流れ、すなわち、コア圧縮機１２および
それと直流関係にある残りのエンジン構成部を通
るコア流と、半径方向内側境界がコアエンジンに
よつて画成されそして半径方向外側境界がエンジ
ンケーシング３０によつて画成された環状の軸方
向延在プレナム２８内を流れるバイパス流とに分
けられる。ガスタービンエンジン１０の運転方法
は一般に当業者に周知であり、従つて、その詳述
は本発明の理解上不要である。

ガスタービンエンジン１０の組立ては、もし油
または他の流体送給管路がプレナム２８内を流れ
る圧縮流体または空気内に配置されたコネクタに
よつて連結されれば、容易となる。さらに詳述す
ると、コアエンジンにそれから突出する流体送給
管路を設けることができ、このコアエンジンに複
数の分割体で構成し得るエンジンケーシング３０
が被せられる。ケーシング外部の供給管路は、ケ
ーシング３０の適当な開口からプレナム２８内に
挿入された後、コアエンジンから突出する供給管
路に連結される。第１図では本発明のコネクタが
概略的に３２で示されている。

第２図はプレナム２８内に部分的に設置されそ
してエンジンケーシング３０上に装着されたコネ
クタ３２の断面図である。

さらに詳述すると、コネクタ３２は細長い中空
筒形部材３４から成り、この筒形部材３４はその
両端に設けられた相隔たる凹み３８とねじ部４０
との間に存する筒形内面３６を有する。第１流体
移送部材または導管４２が筒形部材３４の中空部
内に部分的に存在し、そして内面３６から離間し
て漏流路４４を形成している。導管４２の一端に
は環状座面４６が存し、第２流体移送部材または
導管５０の第２環状座面４８に当接して密封係合
をなす。導管５０もまた筒形部材３４の中空部内
に入つている。両座面が密封係合状態にある時、
両座面間に流体の透らぬ継目が形成され、そして
流体が導管５０内の通路５２と導管４２内の通路
５４とを通つて流れ得る。連管４２，５０はエン
ジンの運転に使われる油または燃料のような第２
流体を移送するに適する。

図示のように、筒形部材３４の内面３６と導管
４２との間に形成された漏流路４４は前記流体の
透らぬ継目に近接する箇所からプレナム２８の外
部の或箇所まで延在する。筒形部材３４にはそれ
を半径方向に貫通するプレナムの機外通気孔５６
（１個だけ図示）が設けられ、漏流路４４を部材
３４の外部の環境４５に連通させる。この外部環
境４５は、同環境内の圧力がプレナム２８内に存
する圧力により低い限り、周囲環境と加圧された
環境のいずれでもよい。

導管４２，５０を相互に締付けるために連結段
が設けられ、これによつて座面４６，４８は当接
係合状態に保持され、実質的に流体の透らぬ継目
を形成する。さらに詳述すれば、筒形部材３４の
ねじ付き端部４０が導管５０のねじ付き端部５８
とねじ係合する。また、保持ワイヤ６２が筒形部
材３４の環状凹み、３８内に部分的に在し且つ環
境状凹み６４内に部分的に存する。筒形部材３４
はねじ部４０をねじ部５８内にねじ込むように回
転可能であり、これにより座面４６，４８は相互
に当接密封関係になる。筒形部材３４はワイヤ６
２が凹み３８，６４の壁面と係合するまでさらに
回転し得る。この係合が生ずると、導管４２，５
０は相互に効果的に締付けられ、流体の透らぬ継
目が形成される。

上述の装置は本発明の目的を達成するに好適で
ある。通路５２，５４内を流れる流体が環状座面
４６，４８間の継目を通過して漏れる場合、流体
は漏流路４４に入る。漏流路４４内に閉じ込めら
れた漏出流体は結局機外通気孔５６を通つて外部
環境４５に流出する。このようにして、漏出流体
はプレナム２８への流入を防げられ、従つて、漏
れを起こしている取付物は、外部環境４５内の漏
出流体の存在をしらべることによつて、エンジン
を分解することなく容易に検知され得る。

次に本発明の他の態様を説明する。ねじ部４
０，５８を比較的緩くはめ合わせることによつ
て、プレナム２８から極めて少ない流量の空気が
漏流路４４に流入し得る。このように漏流路４４
とプレナム２８とを連通させることにより、継目
から遠ざかりそして機外通気孔５６に向かう圧縮
空気流が漏流路４４内に生ずる。継目において環
状座面を通過して漏れる流体は漏流路４４内の空
気流に混入しそして通気口５６を通つて流出す
る。こうして、プレナム２８から遠ざかつて外部
環境４５に向かう漏出流体の流通はさらに促進さ
れる。緩いねじ係合の代わりに、筒形３４に開口
６６（第２図に点線で示す）を設けることにより
同様の効果が得られる。さらに、外部環境４５内
の圧力がプレナム２８内の圧力より低いので、環
状座面４６，４８を経て漏れる流体はプレナム２
８から遠ざかつて外部環境４５に向かうというこ
とは本発明の重要な特徴である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるガスタービンエンジンの
概略図、第２図は本発明の拡大断面図である。 ３２……コネクタ、３４……筒形部材、４０…
…ねじ端部、４２……第１流体導管、４４……漏
流路、４６，４８……座面、５０……第２流体導
管、５６……機外通気孔、５８……ねじ端部、６
２……保持ワイヤ、６６……開口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内部を圧縮流体が流れるプレナムを有するガ
   スタービンエンジンにおいて、前記プレナム内に
   配置されて第２流体を移送する第１および第２流
   体移送部材と、前記プレナム内に存する実質的に
   流体の透らぬ継目で前記両移送部材を係合状態に
   維持する締結手段と、前記流体移送部材の一つを
   囲み且つそれから離間して、前記継目から前記プ
   レナム内より圧力が低い前記プレナム外部の或箇
   所まで延在する前記第２流体用の漏流路を形成す
   る中空部材とから成る連結装置。 ２ 前記継目から遠ざかりそして前記外部箇所に
   向かう前記プレナム圧縮流体の流れを前記漏流路
   内に確保するために前記プレナム圧縮流体を前記
   プレナムから前記漏流路に導入する手段を含む特
   許請求の範囲第１項記載の装置。 ３ 前記中空部材が細長い筒形中空部材から成
   る、特許請求の範囲第１項記載の装置。 ４ 前記導入手段が前記中空部材を貫通して前記
   流体漏流路と前記プレナムとを連通させる開口か
   ら成る特許請求の範囲第２項記載の装置。 ５ 内部に圧縮空気のプレナムを有するガスター
   ビンエンジンにおいて、実質的に流体の透らぬ継
   目を形成するように前記プレナム内で当接密封係
   合をなす第１および第２密封表面をそれぞれ有す
   る第１および第２流体導管と、両導管の少なくと
   も一方を囲みかつそれから離間して前記一方の導
   管との間に流体漏流路を築く中空部材であつて、
   前記漏流路が前記継目から前記プレナム内より圧
   力が低い前記プレナム外部の或箇所まで延在する
   ような中空部材と、前記表面間の係合を維持する
   締結手段とから成る連結装置。 ６ 前記継目から遠ざかりそして前記外部箇所に
   向かう圧縮空気の流れを前記漏流路内に確保する
   ために圧縮空気を前記プレナムから前記漏流路に
   導入する手段を含む特許請求の範囲第５項記載の
   装置。