JPS6146448Y2

JPS6146448Y2 -

Info

Publication number: JPS6146448Y2
Application number: JP14646681U
Authority: JP
Priority date: 1981-09-30
Filing date: 1981-09-30
Publication date: 1986-12-27
Also published as: JPS5851258U

Description

【考案の詳細な説明】本考案はスパーク放電を光源とする発光分光分
析用の光源装置に関する。

アルゴン等の不活性ガス中の低圧スパーク放電
を光源とする発光分析では一方向性の放電電流に
よるスパーク発光を用いているが、このような光
源装置では、試料蒸気が試料に対向する電極の先
端に付着し、先端をとがらせてある電極の先端形
状が使用中に変形して分析値がドリフトする。

本考案は放電電極に試料蒸気が付着して電極形
状が変るのを防ぐことを目的とするもので、光源
用スパーク放電ギヤツプに印加する点弧電圧を主
放電中の電圧極性と反対になし得るようにして放
電電流を点弧時と主放電中とで反対になし得るよ
うにした光源装置を提供する。このようにすると
主放電中に試料に対向する電極に付着した試料か
らの蒸発物が次の放電における点弧時の放電によ
つて除去され、蒸発物の蓄積が起らないから電極
形状の変化が防がれることになる。

本考案の特徴を明かにするために第１図に従来
の発光分析用スパーク光源装置の回路を示す。こ
の図で１は交流電源、２は主放電回路用の低圧ト
ランス、４はダイオードで、６は主放電のための
エネルギーを蓄積するコンデンサで、１３が光源
用放電ギヤツプで下側が試料であり、上側の下向
きにとがつているのが対電極である。３はイグナ
イタ回路の高圧トランスでコンデンサ７はトラン
ス３の出力をダイオード５で整流した高圧直流に
よつて充電され、充電電圧が或る電圧に達すると
コントロールギヤツプ１４の絶縁が破れて光源用
ギヤツプ１３に点弧用高圧が印加されて同ギヤツ
プにおいて放電を起させる。８，９は抵抗、１０
はインダクタンスで夫々コンデンサ６，７の放電
時の時定数を調整するものであり、コンデンサ１
１とインダクタンス１２とで、点弧時の放電電流
が主放電回路に流入するのを阻止するフイルタを
構成している。この構成においては光源用ギヤツ
プ１３に印加される主放電のための電圧と点弧電
圧は同極性であり、放電電流は第２図に示すよう
な変化を示す。第２図で細く立上つているスパイ
ク状の波形が点弧放電時の電流でそれに続く低い
山形の波形が主放電電流である。

次に本考案の一実施例を説明する。第３図に同
実施例の回路を示す。回路構成は基本的には第１
図の従来例と同じであるから、第１図の各部と対
応する部分には同じ番号をつけ一々の説明を省略
する。本考案の特徴は極性切換えスイツチ１５を
介してイグナイタ回路を光源用ギヤツプ１３に接
続した点にある。切換えスイツチ１５の可動接点
を下側固定接点に接触させたときは、イグナイタ
回路の出力は主放電回路の出力と極性が反対にな
つて光源用ギヤツプ１３に印加される。この場合
点弧放電電流は主放電とは逆に試料から対電極へ
と流れるが、点弧放電が止んでもギヤツプ１３間
に発生したイオンが暫時存在するから反対極性の
主放電電圧が印加されると直ちに放電が起る。

即ち点弧電流は反対向きでもスパーク起動の機
能を有する。第４図は切換えスイツチ１５の可動
接点を下方へ切換えた上述の場合における第３図
の装置の光源ギヤツプ１３における放電電流波形
を示す。この図で下方に延びているスパイク状波
形が点弧放電電流であり上向きに立上つている山
形の波形が主放電電流の波形で、両電流は向きが
互に反対になつている。

第３図の回路で切換えスイツチ１５の用法は例
えば、分析に当つて予備放電（これによつて試料
面を浄化したりする）の期間中スイツチ１５を下
側に切換えて上述した点弧放電と主放電の電流の
向きを互に反対にしてこの間に対電極を浄化し、
次にスイツチ１５を上側の固定接点に切換えて第
１図に示した従来例と同じ回路構成としてスパー
ク放電を行わせ分析を行う。この用法は前回の分
析における試料物質が対電極に付着しているのを
今回の分析に先立つ予備放電によつて除去浄化す
るものである。もちろん第４図に示す放電形式で
分析を行つてもよいことは云うまでもない。

第５図は本考案の他の実施例を示す。この実施
例では第３図におけるトランス２，３を用いてい
ない。サイリスタSCR１を導通させるとコンデ
ンサ７の充電電荷がトリガトランス１６を通して
放電され、同トランスの２次側に高電圧を誘起
し、この高電圧が点弧電圧として光源用ギヤツプ
１３に印加される。第５図においても第３図の回
路各部と対応する部分に同じ符号をつけて一々の
説明を省略する。

本考案光源装置は上述したような構成で、光源
用ギヤツプに印加する点弧電圧と主放電電圧とを
逆極性としたので、試料に対向させた対電極に試
料からの蒸発物が付着するのが防がれ、そのため
ドリフトの少い分析が可能となり分析精度が向上
し、また対電極の寿命が長くなり、対電極交換の
頻度が低下し、対電極交換時に必要な較正作業の
回数が減少し、分析作業の能率向上にも寄与する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の回路図、第２図は同装置に
おける放電電流波形図、第３図は本考案の一実施
例装置の回路図、第４図は同装置の放電電流波形
を示す波形図、第５図は本考案の他の一実施例の
回路図である。１……交流電源、１３……光源用ギヤツプ、３
……イグナイタ回路の高圧トランス。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

試料と試料に対向させた電極との間に形成され
る光源用放電ギヤツプに主放電回路とは逆極性で
点弧電圧を印加し得るように、イグナイタ回路に
極性切換え手段を設けた発光分析用スパーク光源
装置。