JPS6145591Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ａ 産業上の利用分野 本考案は、炭酸飲料供給機に関し、特に、シロ
ツプと炭酸水とを販売の際に所要量だけ混合して
炭酸飲料として供給する、いわゆるポストミツク
ス型の炭酸飲料供給機の改良に関するものであ
る。

ｂ 従来の技術 従来、この種の炭酸飲料供給機としては、第１
図に略示したように、製氷機IMから通路１を経
て氷１１を供給される貯氷槽２を有し、貯氷槽底
部には一般にコールドプレートと呼ばれている高
熱伝導率の冷却板３が設置されていて、炭酸ガス
ボンベ４の炭酸ガス圧力によつてシロツプボンベ
５内のシロツプをシロツプ供給系６を介して冷却
板３に送ると共に、炭酸ガスボンベ４からの炭酸
ガスをカーボネータ７に供給し、水と混合して炭
酸水として炭酸水供給系８を介して冷却板３に送
るものが公知にされていた。図示しないが、各供
給系６，８は冷却板３内を蛇行しながら通過する
ようになつているので、その間に冷却板３上の氷
によつてシロツプ及び炭酸水が冷却され、ドラフ
ト９で混合され、吐出口１０から炭酸飲料として
適宜の容器に供給される。貯氷槽２内の氷１１は
この炭酸飲料を受けた容器に入れるためにも使用
される。

ｃ 考案が解決しようとする問題点 このような炭酸飲料供給機の貯氷槽２において
は、コールドプレート３上の氷１１が炭酸水及び
シロツプとの熱交換で融解するため、氷が互いに
融着し、鎖線１２で示すようにコールドプレート
３の上方でブリツジ状となるアーチング現象が発
生し易かつた。この現象が生じると、コールドプ
レート３上へ氷が落下しないため冷却効果が急激
に極端に悪化するという問題点があつた。

従つて、本考案はこのようなアーチング現象の
生じない炭酸飲料供給機を提供することを目的と
するものである。

ｄ 問題点を解決するための手段 上述の目的を達成するため、本考案は、製氷機
と、該製氷機で製造された氷を貯留する貯氷槽
と、氷の一部を受けるように前記貯氷槽の底部に
傾斜配置された高熱伝導率のコールドプレート
と、前記コールドプレート内にその下方部位から
入つて上方部位から抜けるように接続された炭酸
水供給系及びシロツプ供給系と、前記コールドプ
レートの底面及び頂面を除く４面を前記貯氷槽内
で実質的に囲む囲い枠とを備え、前記囲い枠内に
は、前記コールドプレートの上面近くまで延びる
下端を有する少なくとも１枚の仕切板が、前記コ
ールドプレートの前記下方部位と前記上方部位と
の間で垂直に配設されている炭酸飲料供給機を提
供するものである。

ｅ 作 用 本考案によれば、製氷機から貯氷槽内に供給さ
れコールドプレート上に堆積し貯留された氷は囲
い枠によつて囲い枠外側の氷と隔離されており、
また、囲い枠内は、相対的に高温の炭酸水及びシ
ロツプが入るコールドプレートの下方部位上の室
と、相対的に低温に冷却された炭酸水及びシロツ
プが出るコールドプレートの上方部位上の室とに
仕切板によつて区画されているために、相対的に
高温である下方部位側の室内の氷のほうが上方部
位側の室内の氷より速く融解しても、該下方部位
側の室内の氷は全体として下降し、アーチング現
象を生じることなく円滑に下がつて行く。

ｆ 実施例 次に、本考案の好適な実施例について添付図面
を参照して詳細に説明するが、図中、同一符号は
同一又は対応部分を示すものとする。

本願と同一の出願人は、本願と同日付けで、実
願昭56−23359号（実開昭57−144179号公報）と
して、第２図に示すように示すような炭酸飲料供
給機を出願した。この炭酸飲料供給機は、コール
ドプレート３の底面と頂面を除く４面を囲い枠１
３で囲み、しかも単に囲い枠１３を配置するので
はなく、囲い枠１３を構成する４つの板部材１３
ａ〜１３ｄのうち、少なくとも１対の対峙する板
部材１３ａ及び１３ｄをその上端が互いの方に近
付くように傾斜させて、アーチング現象の発生を
防止している。しかし、シロツプ供給系６及び炭
酸水供給系８は、横Ｌ形コールドプレートの底部
３ａに傾斜方向の下方部位で入り上方部位から出
るように接続されているために、相対的に高温で
ある下方部位側の室内の氷が相対的に低温である
上方部位側の室内の氷よりも速く融解する傾向に
あり、この傾向が顕著に表れると、第３図に示す
ように、氷が囲い枠１３に支えられて矢張りアー
チング現象が生じる可能性が僅かではあるが存在
する。

そこで、本考案によれば、第４図及び第５図に
示すように、囲い枠１３内には仕切板１３ｅが配
置されている。この仕切板は、後述する理由のた
め、シロツプ供給系６及び炭酸水供給系８の入口
側と出口側とを二分するするように、対峙する板
部材１３ｂ及び１３ｄに取り付けるのがよい。仕
切板１３ｅを設けたことによつて囲い枠１３の内
部は、相対的に高温側のスペースもしくは室１４
と相対的に低温側のスペースもしくは室１５とに
分割される。仕切板１３ｅの下端とコールドプレ
ート３の上面との間には、氷とシロツプ及び炭酸
水との熱交換によつて生じた氷の融解水がコール
ドプレート上面に沿つて流下できるように、若干
の隙間がある。同様の理由で板部材１３ａとコー
ルドプレート上面の最下端との間にも若干の隙間
がある。

仕切板１３ｅは、この実施例のように１枚だけ
ではなく、平行又は交叉するように複数枚設けて
もよい。

一方、製氷機からの氷の放出口となる通路１の
出口１ａは高温側の室１４の上方に臨んでいて、
氷を先ず室１４に供給するように位置決めされて
いる。

また、本考案の炭酸飲料供給機においても、先
行技術に関連して説明した諸構成要素１〜10を有
するが、これ等は従来と同一のものでよいので、
その詳細な説明は省略する。

ｇ 考案の効果 以上のように本考案によれば、コールドプレー
ト３を囲い枠１３で囲むと共に、囲い枠１３の内
部に、仕切板１３ｅがコールドプレート３の下方
部位と上方部位との間で垂直に配設されているた
め、製氷機で製氷された氷が通路１（第１図）を
経て、囲い枠１３で囲まれたコールドプレート３
上に乗り、コールドプレート３内を通るシロツプ
供給系６及び炭酸水供給系８の流体との熱交換で
コールドプレート上面の下方部位側の氷が上方部
位側の氷よりも速く融解しても、囲い枠１３の室
１４及び１５内の氷はアーチング現象を生じるこ
となく落下し、コールドプレートの冷却効果が損
なわれることはない。

また、好適な実施例においては、氷の融解が室
１５におけるよりも速い室１４に優先的に通路出
口１ａから氷が供給されるので、仕切板１３ｅを
設けても、通路出口１ａからの氷放出量が室１４
における融解量より多い限り、室１４内には常時
氷が存在し、室１４が満杯になれば氷は次に室１
５を満たし、更に貯氷槽を満たすことになる。従
つて、貯氷槽からスコツプなどで氷を室１４及び
１５内へ入れる面倒な作業は全く必要なしに、コ
ールドプレートに常時冷却効果を発揮させること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の炭酸飲料供給機の概要を示す略
図、第２図は囲い枠で囲まれて貯氷槽内に配置さ
れたコールドプレートの斜視図、第３図は第２図
の−線断面図、第４図は本考案に従つて構成
された炭酸飲料供給機の第２図に相当する斜視
図、第５図は第４図における−線断面図であ
る。 １ａ……通路出口、２……貯氷槽、３……コー
ルドプレート、６……シロツプ供給系、８……炭
酸水供給系、１１……氷、１３……囲い枠、１３
ａ〜１３ｄ……板部材、１３ｅ……仕切板、１
４，１５……室、IM……製氷機。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 製氷機と、該製氷機で製造された氷を貯留する
   貯氷槽と、氷の一部を受けるように前記貯氷槽の
   底部に傾斜配置された高熱伝導率のコールドプレ
   ートと、前記コールドプレート内に下方部位から
   入つて上方部位から抜けるように接続された炭酸
   水供給系及びシロツプ供給系と、前記コールドプ
   レートの底面及び頂面を除く４面を前記貯氷槽内
   で実質的に囲む囲い枠とを備え、前記囲い枠内に
   は、前記コールドプレートの上面近くまで延びる
   下端を有する少なくとも１枚の仕切板が、前記コ
   ールドプレートの前記下方部位と前記上方部位と
   の間で垂直に配設されている炭酸飲料供給機。