JPS6145131Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 花嫁衣裳の打掛は振袖などの掛下衣裳の生地の
素材との関係上後方へすべつたり、両肩からすべ
つて前がはだけたりして、折角の着付がくずれて
しまうことがある。

特に、打掛の衿ぐりと掛下衣裳の衿ぐりと合う
ことの少ない貸衣裳の場合において甚しい。

そこで、打掛と掛下衣裳とを糸で縫止めするこ
とがあるが手数がかかる不便がある。

本考案は極めて構造簡単なもので、かつ使用法
もまた極めて容易でありながら打掛が着用者の動
きにも拘らず、掛下衣裳に対してすべりを生ぜ
ず、常に端整な着付を維持することができる打掛
すべり止め具を提供するものである。

すなわち、本考案は打掛と掛下衣裳との間で肩
の部分に摩擦抵抗の大きい薄片状のものを介在さ
せることにより打掛のすべりを抑止しようとする
ものである。

而して、介在物が外部にひびくことのない様に
その材質、形状に考慮を払つて柔軟で体格によく
馴染み易い材料を選んで使用した。

次に、本考案の実施例を図について説明する。

第１図は本考案に係る打掛のすべり止め具の平
面図で、摩擦抵抗と柔軟性のある薄いゴム片を使
用し、肩の前部に当てる部分１と肩の後部に当て
る部分２とを肩の頂部に当てる部分３をもつて連
結してある。

而して、肩の前部に当てる部分１は肩の後部に
当てる部分２よりも大きくし、肩の頂部に当てる
部分３は幅を狭くし、かつ肩の前部に当てる部分
１と肩の後部に当てる部分２との間に大きなくび
れ部４を生じる様に両部分１，２の中心で連結し
ないで一側に偏していて全体として平面変形ひよ
うたん型をなしている。

次に、本考案の使用法について説明する。

振袖，留袖等の掛下衣裳５の着付が済んだ後、
第２図に示す様に両肩の先にくびれ部４が向く様
にして本考案品の肩の頂部に当てる部分３を肩の
頂部に当てて本考案品を両肩上に夫々載置する
と、本考案品は柔軟な材料で出来ており、肩の頂
部に当てる部分３の幅が狭く、かつ肩の先から首
すじに向つてくびれ部４が出来ているから、肩の
前部に当てる部分１及び肩の後部に当てる部分２
が撓曲して肩の前，後部に密着し体の線によく馴
染むから、掛下衣裳５の上に打掛（図示せず）を
掛けて着用したときに本考案品の介在が外部にひ
びかず、肩の後部に当てる部分２は小形であるか
ら衿元から外部に現われず、打掛の下に本考案品
を介在していることが外部から全く分らないから
体裁がよく、掛けた打掛は本考案品が摩擦抵抗の
大きな材料でつくられているから後方へすべつた
り、両肩からすべつて前がはだけたりすることが
なく、常に端整な花嫁衣裳の着付を維持すること
ができる効果がある。

本考案における材料としては生ゴム、合成ゴ
ム、合成樹脂等が使用される。

また、両肩に使用する本考案品の形状は左右対
称であるから、同一形状のものをつくり、片方は
裏返して使用すればよい。

製法としては打抜きによつて容易につくること
ができ、価格も低廉に出来る特長がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る打掛すべり止め具の平面
図、第２図は打掛着用前の使用状態を示す説明図
である。 符号説明、１……肩の前部に当てる部分、２…
…肩の後部に当てる部分、３……肩の頂部に当て
る部分、４……くびれ部、５……掛下衣裳。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 肩の前部に当てる部分と肩の後部に当てる部
   分とが肩の頂部に当てる幅の狭い部分をもつて
   連結され、肩の頂部に当てる部分が肩の前部に
   当てる部分と肩の後部に当てる部分の一側に偏
   していて両部分の間に大きなくびれ部が形成さ
   れた摩擦抵抗が大きく柔軟性のある材料より成
   る打掛すべり止め具。 (2) 肩の前部に当てる部分を肩の後部に当てる部
   分よりも大きくした実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の打掛すべり止め具。