JPS6144572Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は葉煙草幹の刈取り作業に使用して便利
な葉煙草幹刈機に係るものにして、その構成を添
付図面を参照に詳述すると次の通りである。

一輪用に適応させた狭い横幅に本体枠１を形成
する。

この本体枠１の前部に動輪２１個を軸架する。
図面の動輪２は本体枠１の左右桟３の前部寄りに
垂設した軸受支承板４の下側に軸受５を設け、こ
の左右の軸受５間に動輪２を付設した車軸６を架
設した場合を示している。

この本体枠１の後部に尾輪７とハンドル８を付
設する。

図示のハンドル８は本体枠１の後端に付設した
ハンドル保持筒９に高さ調節自在に立設したハン
ドル支持杆１０の上端部にコ字状に形成したハン
ドル８の中間部を連設した場合を示している。

本体枠１の側方下部に煙草畑上に摺動する先端
を機体側に且つ少し上向きに屈曲せしめた接地ガ
イド杆１１を本体枠１と略平行に設ける。

図面は本体枠１の一側にコ字状の支承枠１２を
突設し、この支承枠１２の中程に設けたガイド杆
保持筒１３に高さ調整自在に設けた調整杆１４の
下端に水平突出距離調整自在にガイド支承杆１５
を連設し、このガイド支承杆１５の先端に接地ガ
イド杆１１の中間部を接合すると共に接地ガイド
杆１１の前部寄りを前側程本体枠１との距離の減
少する彎曲形状とし、煙草幹列の夫々の幹根部に
接地ガイド杆１１が円滑に添つて動くように形成
した場合を示している。この接地ガイド杆１１の
上方に煙草幹１６を切断し且つ引掛溝１７を削成
するカツター部ａを設ける。

このカツター部ａを本体枠１に立設した支柱１
８より側方に突設した支持枠１９に支承せしめ
る。

図面は前記支承枠１２の外両隅部に立設した支
柱１８間に、側端開放のコ字状枠２０の中間部を
上下スライド固定自在に架設し、このコ字状枠２
０にカツター部ａを支承せしめた場合を示してい
て、このカツター部ａは第２図に示す様にコ字状
枠２０の後腕２１の先端部に後側軸受部２２を設
け、コ字状枠２０の前腕２３の先端部に第１リン
ク杆２４の中程を摺動自在に軸着すると共にこの
第１リンク杆２４の後方位置の前腕２３に第２リ
ンク杆２５の末端部を軸着し、この第１、第２リ
ンク杆２４，２５の両先端部にカツター保持杆２
６の後部を軸着し、カツター保持杆２６の先端に
前側軸受部２７を設け、第１リンク杆２４の末端
部に一端を係止した伸抗発条２８の他端をコ字状
枠２０に止着したリンク機構２９によりカツター
保持杆２６を側方に揺動自在に設け、前側軸受部
２７と後側軸受部２２間にスプライン軸３０とユ
ニヴアーサル継手３１を中間に有するカツター回
動軸３２の両端部を軸着し、更に前側軸受部２７
に連設した２連のギヤ機構３３の一方に煙草幹１
６を切断する切断刃盤３４１枚を水平に設け、他
方にこの切断刃盤３４のやや上方位置させて煙草
幹１６に引掛溝１７を削成する切取刃３５付切込
刃盤４２２枚を傾斜させて設けた場合を示してい
る。

エンジン３６を本体枠１に搭載し、このエンジ
ン３６の動力によりカツター部ａと動輪２とを駆
動せしめる動力伝達機構３７，３７′を２系統に
設ける。

図示したカツター部ａの動力伝達機構３７は前
記カツター回動軸３２の後端部に設けたカツター
プーリー３８とエンジン３６の主軸３９に付設し
た２個の主軸プーリー４０の一方との間にＶベル
ト４１を張設する事により切断刃盤３４と切込刃
盤４２を回動せしめる場合を示している。

また動輪２と動力伝達機構３７′は主軸プーリ
ー４０の他方とウオーム減速器４３の一側に設け
たプーリー４４との間にＶベルト４１′を張設
し、ウオーム減速器４３の出力軸４５に付設した
出力プーリー４６と車軸６の一端に設けた動輪プ
ーリー４７との間にＶベルト４１″を遊動状態に
巻設し、このＶベルト４１″にテンシヨンを与奪
するクラツチプーリー４８を折曲作動杆４９の先
端に設け、この折曲作動杆４９の反対端部に操作
杆５０を設けた場合を示している。

図中符号５１は燃料タンク、５２は煙草葉巻込
防止用ガード杆、５３は第１リンク杆２４の前側
ストツパー、５４はその後側ストツパー、５５，
５５′は安全カバー、５６はエンジン始動レバー
である。

近年タールやニコチンなどの含有量の少ない煙
草の需要が増大傾向にあるが、この種低ニコチ
ン、低タール煙草の原料葉を得るには煙草畑に所
定畝幅、所定間隔で栽培した煙草幹の高い位置に
生育する天葉、中葉などの若葉群だけの付いた煙
草幹を刈り取つて、幹に付いたまま天葉、中葉を
乾燥させると良いとされている。

従つて、この種刈り取り作業を行う以前に煙草
幹の低位置に生育した土葉や下葉などを採取して
天葉、中葉などだけを煙草幹に残す準備作業が行
われるのは勿論である。

この準備作業の既になされた煙草畑に於て刈り
取り作業がなされるが、この刈り取り作業は、煙
草畑の煙草幹を葉のない下側位置で切断すると共
に次の乾燥作業の便宜を計るためにこの切断位置
より稍高い煙草幹の一部を下向きに切欠いて、引
掛溝を削成するものである。

そして従来より行われていたこの刈り取り作業
は、例えば作業者が鎌で煙草幹を切断して後に引
掛溝を削成していたが、作業全体が手作業に依る
ので、作業者には重労働となり、刈り取り作業の
能率は極めて悪い欠点があつた。

また例えば切断用の１枚刃と引掛溝を削成する
２枚刃とを柄先に付設した３枚刃の鎌で刈り取る
等の方法も試みられていたが、やはり手作業であ
る事には変わりなく、作業能率は極めて悪いなど
の欠点は免れ得なかつた。

その後小型耕運機の動力を利用して、１枚の切
断用丸鋸刃盤と２枚の引掛溝削成用丸鋸刃盤とよ
り成るカツター部を作動せしめて煙草幹を刈り取
る事が行われたが、小型耕運機は単輪でないた
め、その最小横巾のものでさえ煙草畑の畝間を走
行させるには横巾が大き過ぎて、走行が極めて不
安定となり、カツター部を煙草幹の所定位置に当
てる事は出来ないため、刈り取り作業には不向き
となるなどの欠点があつた。

本考案は係る欠点を解決したもので上述の様に
構成したから、次にその作動を説明する。

先ずエンジン３６を始動すると、一方の主軸プ
ーリー４０の回転はＶベルト４１、カツタープー
リー３８を介してカツター回動軸３２を回動し、
更にこのカツター回動軸３２に連設された２連の
ギヤ機構３３を介してカツター部ａの切断刃盤３
４と切込刃盤４２が回転される。

同時に他方の主軸プーリー４０はＶベルト４
１′を介してプーリー４４を回動し、ウオーム減
速器４３の出力プーリー４６の回動はＶベルト４
１″を介して動輪プーリー４７を回動し、車軸６
に付設された動輪２を回動する事になる。

次に本機の使用法を説明する。

エンジン３６を始動して第３図に示す様に煙草
畑の隣り合う畝５７の谷部に動輪２を位置させる
と共に接地ガイド杆１１を切断すべき煙草幹１６
の幹根部にして畝５７の頂上付近に接地せしめな
がらハンドル８を持つて１人の作業者が運転させ
るだけで良い。このように運転すると、接地ガイ
ド杆１１の上方に設けられたカツター部ａが立木
の煙草幹１６の下部寄りに当接し、煙草幹１６を
切断すると同時にその切断部の少し上方に引掛溝
１７を削成する事になるから、接地ガイド杆１１
を畝５７上の煙草幹１６の列に添わせて本機を走
行せしめるだけで簡単に畝５７上の煙草幹１６を
刈り取る事が出来る。

尚この刈り取りの際第２図に示すようにリンク
機構２９の側端にカツター部ａを設けて置くと、
切断されつつある煙草幹１６にカツター部ａが押
し当てられるから切断された煙草幹１６がカツタ
ー部ａの反対側に倒れ、切断された煙草幹１６の
収集に際して便利となる。

次に本機の特徴を説明する。

１ 一輪用に適応させた狭幅の本体枠１の前部に
動輪２を軸架したから、動輪２を畝５７と畝５
７との狭い谷部の真ん中に確実に走行させる事
が可能となり、而かも本体枠１も幅狭であるか
ら畝５７間走行を極めて容易に行い得る。ま
た、畝５７から出て次の畝５７に入れるために
本機をＵターンさせなければならないが、動輪
２一輪であるから、従来の動輪２が二輪以上の
小型耕運機を利用したものでは得る事の出来な
い小さな回転半径が得られ、煙草畑の周囲の空
き地面積が狭小でも畝５７から畝５７へのＵタ
ーンによる移行を容易に行い得る。

２ 本体枠１の側方に煙草畑上に摺動する接地ガ
イド杆１１を本体枠１と略平行に設け、この接
地ガイド杆１１の上方に煙草幹１６を切断し且
つ引掛溝１７を削成するカツター部ａを設けた
から、接地ガイド杆１１を煙草幹１６の根幹部
に接触させる注意を払いつつ、本機を運転させ
るだけで煙草幹１６に引掛溝１７を削成すると
同時に切断するという刈り取りが出来、従来の
刈り取り作業に比し遥かに容易にその作業をな
し得る。この接地ガイド杆１１は畝上を摺動し
乍ら且つ葉煙草の茎の根本に押しつけられた状
態で前進するためカツター部ａの切断作用が行
い易い位置を常に機体が直進するように方向を
是正するガイドを役目も果たすから一層刈り取
り作業が能率良く良好に行い得ることになる。

３ カツター部ａ、動輪２の両者の駆動は、本体
枠１に搭載した１個のエンジン３６に依り２系
統の動力伝達機構３７，３７を介して行われる
から、作業者は本機の操作に於て、人力を用い
る必要はなく、単に付き添つているだけでよい
から、ハンドル８を把持して進行方向や接地ガ
イド杆１１の位置に注意を向ける事に専念出
来、従来からのこの種刈り取り作業から受けた
疲労は一掃されて殆ど疲れる事はなく、当該作
業に携わる人の健康が確保される。

４ 本体枠１には動輪２、接地ガイド杆１１のほ
かに尾輪７が付設されているから、本機の安定
性は運転中も停止中もこの３者により確実に支
承されて転倒する事はなく、取り扱いにおいて
も極めて安全である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものにして、第
１は斜視図、第２図はカツター部の平面図、第３
図は使用状態の正面図である。 ａ……カツター部、１……本体枠、２……動
輪、７……尾輪、８……ハンドル、１１……接地
ガイド杆、１６……煙草幹、１７……引掛溝、１
８……支柱、１９……支持枠、３６……エンジ
ン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンを搭載せしめ、一輪用に適応させた狭
   幅の本体枠の前部に動輪１個を軸架し、この本体
   枠の後部に尾輪とエンジンを付設し、本体枠の側
   方下部に煙草畑上に摺動する先端を機体側に且つ
   少し上向きに屈曲せしめた接地ガイド杆を本体枠
   と略平行に設け、この接地ガイド杆の上方に煙草
   幹を切断し且つ引掛溝を削成するカツター部を設
   け、このカツター部を本体枠に立設した支柱より
   側方に突設した支持枠に支承せしめ、前記エンジ
   ンの動力によりカツター部と動輪とを駆動せしめ
   る動力伝達機構を２系統に設けたことを特徴とす
   る葉煙草幹刈機。