JPS6144559Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はヘリコプタにより物品を吊り下げて
運搬する際に使用されるハンガーホイストに関す
るものである。

従来ヘリコプタ用ハンガーホイストは常時機体
上部に背負われているか、又は機内に搭載されて
いる。従つてハンガーホイストの重量がデツドウ
エートとなり、この重量分だけヘリコプターの有
効搭載量が少なくなつていた。又ホイストにより
物品吊り下げ用のワイヤをワイヤガイドを介して
巻き上げ、巻き上げを行う際ワイヤガイドの位置
が不動で、ワイヤがホイストから解放される位置
がホイストの長手方向に沿つて移動するため、ワ
イヤがホイストの長手方向に沿つて移動するた
め、ワイヤが斜めになり、時には二重巻きとなつ
て巻戻しの際ヘリコプターにシヨツクを与えた
り、また緊急の際カツタによるワイヤカツトが困
難となり、さらにワイヤがカツタにより損傷を受
けることがあつた。

この考案は従来のヘリコプタ用ハンガーホイス
トにおける上記の欠点を除去することを目的とす
る。

以下実施例を示す図面に基きこの考案を説明す
る。ヘリコプタ１に取りつけた金具２には４本の
ワイヤ３によりケーシング４が吊り下げられてい
る。ケーシング４は四角形でその内部にはドラム
シヤフト５が回転可能に設置され、これに巻取り
ドラム６が固定されている。巻取りドラム６の外
周にはワイヤリード溝７が螺旋状に設けられ、
又、ドラムシヤフト５の一端にはチエーンホイー
ル８が取りつけられている。ドラムシヤフト５に
平行にケーシング４の床４ａにはスクリユーロツ
ド９がその軸心まわりに回転可能に配置されてい
る。スクリユーロツド９のピツチはワイヤリード
溝７のピツチと同じに設定されている。スクリユ
ーロツド９の一端にはチエーンホイール８と同寸
のチエーンホイール１０が取りつけられている。
チエーンホイール１０は２個の中間のチエーンホ
イール１１，１２を介してチエン１３により連結
されている。

スクリユーロツド９にはナツト１４が螺合し、
ナツト１４は台車１５の台板１５ａの下面に取り
つけられている。台板１５ａの下面にはさらに下
端にそれぞれローラ１５ａを有する４本の脚１５
ｂが取りつけられている。ローラ１５ｃはケーシ
ング４の床面４ａに設けた床板２４上を転動す
る。台板１５ａの下面には又ワイヤガイド１６が
取りつけられ、これには巻取りドラム６に巻回さ
れて同ドラム６から垂下するワイヤ１７の通過を
案内するガイド孔１６ａが設けられている。ガイ
ド孔１６ａは巻取りドラム６のドラムシヤフト５
から横方向に巻取りドラム６の半径にほぼ等しい
位置にある。台板１５ａの上面にはワイヤカツタ
装置１８が設けられている。このワイヤカツタ装
置１８は油圧式アクチユエータ１９とカツタ台２
０とカツタ台２０内を油圧式アクチユエータ１９
により往復するカツタ２１とからなつておりカツ
タ台２０にはワイヤ１７が通過する孔２０ａが設
けられている。カツタ２１は孔２０ａに対し進退
してワイヤ１７を切断する。なお、２２はドラム
シヤフト５駆動用の直流モータであり、モータ２
２とドラムシヤフト５間には減速用ギヤボツクス
２３が介装されている。

上記の構成において、モータ２２の回転により
ギヤボツクス２３を介してドラムシヤフト５が減
速回転するとチエーンホイール８，１０及びチエ
ン１３を介してスクリユーロツド９がドラムシヤ
フト５と同速度で回転する。すなわち巻取りドラ
ム６とスクリユーロツド９は同じ速度で回転す
る。一方巻取りドラム６の外周に設けたワイヤリ
ード溝７のピツチとスクリユーロツド９のピツチ
とは同じであるからワイヤリード溝７とスクリユ
ーロツド９のねじ溝とは常に同じ距離だけ進退す
る。すなわちスクリユーロツド９にはこれに螺合
するナツト１４を介して台車１５が取りつけら
れ、台車１５にはワイヤガイド１６及びカツタ台
２０が取りつけられているのでワイヤガイド１６
及びカツタ台２０はワイヤリード溝７と同じ速度
で進退する。従つてワイヤリード溝７に巻回され
ているワイヤ１７がドラムシヤフト５の回動によ
り同溝７から解放されて垂下している部分は常に
垂下の状態でカツタ台２０の孔２０ａ及びワイヤ
ガイド１６のガイド孔１６ａを上下方向に貫通し
ている。すなわちカツタ２１は常にワイヤ１７に
対し直角の姿勢を保持しているので緊急事態の発
生によりワイヤ１７を切断する時には切断が確実
迅速に行われることになる。又ワイヤ１７がドラ
ム６に２重巻となることはない。なお、この考案
のハンガーホイストは機体への着脱が金具２とワ
イヤ３の係脱により極めて迅速に行われるのでハ
ンガーホイストの着脱を頻繁に行わねばならない
使命を有している時は従来のヘリコプタに比し格
段の威力を発揮し、又有効搭載量を増加すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例のヘリコプタへの
取付関係を示す概要図である。第２図はこの考案
の一実施例の正面図を示し、第３図は第２図の側
面図を示す。第４図は一実施例の要部の拡大側面
図である。 ４……ケーシング、６……巻取りドラム、７…
…ワイヤリード溝、９……スクリユーロツド、
｛８，１０……チエーンホイール、１３……チエ
ーン｝巻取りドラムとスクリユーロツドとを同一
速度で回転させる機構、１５……台車、１６……
ワイヤガイド、１８……ワイヤカツタ機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヘリコプタに着脱可能に吊り下げられるケーシ
   ングと、螺旋状のワイヤリード溝を外周上に有し
   ケーシングと内で軸心まわりに回転可能に配設さ
   れた巻取りドラムと、巻取りドラムのワイヤリー
   ド溝と同じピツチを有し、軸心まわりに回転可能
   に、かつ巻取りドラムの軸心に並行に巻取りドラ
   ムの下方においてケーシング内に配設したスクリ
   ユーロツドと、スクリユーロツドに螺合するナツ
   トを固着し、スクリユーロツドの軸方向に移動可
   能にケーシング内に配設した台車と、巻取りドラ
   ムから垂下するワイヤをほぼ鉛直方向に下方に案
   内する、前記台車に取りつけたワイヤガイドと、
   ワイヤガイド巻取りドラムとの中間において台車
   に取りつけたワイヤカツタ装置と、巻取りドラム
   とスクリユーロツドとを同一速度で回転させる機
   構とからなるヘリコプタ用ハンガーホイスト。