JPS6144375Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は情報伝達用の光フアイバーを封入した
架空地線の圧縮形直線スリーブに関するものであ
る。

近年、架空送電分野において、送電の大容量化
による発変電所設備の大型化および遠隔地化に伴
ない、これらの情報伝達用の通信回線も多重化す
る傾向にある。

この情報容量の増大に対処するため、電波障害
を受けず、多重回線がとれる光フアイバーケーブ
ルを架空地線に封入することが可能であり、別個
に通信ケーブルの布設を必要としない。

第１図はこの光フアイバー入り架空地線の一例
を示す横断面図、１２は、複数本のアルミニウム
若しくはアルミ合金線、アルミ被覆鋼線又は亜鉛
鍍鋼線等合の金属線又は複合線１３より成る撚線
で、その中心に素線の代りに光フアイバーケーブ
ル１１が封入されて、光フアイバー入り架空地線
１４が構成されている。

本発明において、光フアイバーケーブル（以
下、光ケーブルと称す）とは、１本若しくは複数
本の光通信用フアイバー（ガラスフアイバー）を
線芯として、これに合成樹脂等の被覆を施した
線、又はさらに必要により、この線の外側に金属
パイプ若しくは緩衝材をかぶせたケーブル（第１
図参照）を意味する。

このような光フアイバー入り架空地線を通常の
鋼スリーブおよびアルミスリーブより成る圧縮形
直線スリーブで圧縮接続すると、光ケーブルがつ
ぶされ損傷する恐れがあり、又光ケーブル自身を
接続する保護スリーブを損傷せずに直線スリーブ
内に収納することが難しい問題があつた。

本考案は、上述のような問題点のある光フアイ
バー入り架空地線用圧縮形直線スリーブの適切な
構造を提供せんとするもので、鋼スリーブを中央
の光フアイバーケーブルの接続保護スリーブを保
護する充填カラーを隔てて２個に分割し、又圧縮
する架空地線の光ケーブルの周りに保護用心金を
挿入することにより、光ケーブルに損傷を与え
ず、かつ前記光ケーブルの接続保護スリーブを保
護する充填カラーの空孔部に容易に光ケーブルの
接続保護スリーブを収納し得る圧縮形直線スリー
ブを提供することが目的である。

本考案は、第２図に実施例に示すように、光フ
アイバー入り架空地線１４を圧縮接続する圧縮形
直線スリーブであつて、中央の光フアイバーケー
ブルの接続保護スリーブを保護する充填カラー１
５を隔てて両側に配置された、外面に凹凸４を設
けた円筒部２および圧縮部３より成る２個の鋼ス
リーブ１と、前記圧縮部３に挿入される前記架空
地線の端末部の撚線１２と光フアイバーケーブル
１１の間にそれぞれ挿入される２本の保護用心金
５と、２個の前記鋼スリーブ１，１の前記円筒部
２，２にかぶせて圧縮接続する中央鋼スリーブ６
と、該中央鋼スリーブ６、アルミカラー７を介し
て前記圧縮部３およびその外側の架空地線部にか
ぶせて圧縮接続するアルミスリーブ８とより成る
ことを特徴とする光フアイバー入り架空地線の圧
縮形直線スリーブである。

第２図は本考案の実施例を示す縦断面図であ
る。２個の鋼スリーブ１，１は、それぞれ円筒部
２および圧縮部３より成り、中央の光ケーブルの
接続保護スリーブ９を保護する充填カラー１５を
隔てて両側に対称に配置されている。円筒部２は
外面に、例えば複数本の環状の凹溝等の凹凸４が
設けられている。この凹凸４は、この部分に中央
鋼スリーブ６をかぶせて圧縮する際、鋼スリーブ
１，１と鋼スリーブ６を一体物にして接続を強固
にし、張力に十分耐えるためのもので、図のよう
な環状の凹溝に限られるものでなく、接続を強固
にする凹凸であれば他の如何なる形状のものでも
良い。

５は、光フアイバー入り架空地線１４の端末部
の撚線１２と光ケーブル１１の間に挿入される保
護用心金で、楔形のもので、鋼スリーブ１および
アルミスリーブ８の圧縮の際、内部の光ケーブル
１１を保護するものである。

中央鋼スリーブ６は、両側の鋼スリーブ１，１
の円筒部２，２にかぶせて圧縮接続するもので、
これにより、光ケーブルの接続保護スリーブ９を
収納する中央の空孔１０が形成される。両側の鋼
スリーブ１，１の圧縮部３，３とアルミスリーブ
８の間には、それぞれ段付きのアルミカラー７，
７が介在せしめられており、間隔を充填すると共
に、光フアイバー入り架空地線１４の電気的接続
を良くするものである。

かように構成された本考案による圧縮形直線ス
リーブを用いて光フアイバー入り架空地線１４を
接続するには、先ず接続すべき２本の架空地線１
４の端末部を、光ケーブル１１をつき出させて段
剥きし、それにアルミカラー７、中央鋼スリーブ
６およびアルミスリーブ８を通す。次いで各端末
部に保護用心金５を挿入し、それぞれの鋼スリー
ブ１に挿入して圧縮接続し、つき出された光ケー
ブル１１，１１を接続保護スリーブ９を用いて接
続する。

次いで、両側の鋼スリーブ１，１の円筒部２，
２および中央の空孔１０の上に光ケーブル１１，
１１の接続保護スリーブ９を保護する充填カラー
１５をかぶせ、中央鋼スリーブ６をかぶせて圧縮
接続する。充填カラー１５は長さ方向に２つ割に
なつている。この際両側の鋼スリーブ１，１間の
間隔を全く変化させずに圧縮接続できるので、光
ケーブル１１および接続保護スリーブ９は張力や
たるみを全く受けず、安全に保護される。

次いでアルミカラー７，７およびアルミスリー
ブ８を所定の位置にかぶせ、アルミスリーブ８の
外周を圧縮接続して接続を完了する。この際の圧
縮は、アルミスリーブ８の全面でも、又中央鋼ス
リーブ６の外周を除く外周でも良い。

なお、必要により、第２図に示すように、アル
ミカラー７の内側の鋼スリーブ１の円筒部２に、
凹凸４、例えば環状の凹溝を設ければ、接続がよ
り強固になる。

以上述べたように、本考案は、両側の鋼スリー
ブ１の圧縮部３に挿入される光フアイバー入り架
空地線の端末部の撚線１２と光ケーブル１１の間
にそれぞれ挿入される２本の保護用心金５を有す
るため、圧縮接続に際し、光ケーブル１１が安全
に保護され、損傷しない効果がある。

又本考案は、前述のように、中央の光ケーブル
の接続保護スリーブ９を保護する充填カラー１５
を隔てて両側に配置された、外面に凹凸４を設け
た円筒部２および圧縮部３より成る２個の鋼スリ
ーブ１と、それらの円筒部２にかぶせて圧縮接続
する中央鋼スリーブ６、アルミカラー７およびア
ルミスリーブ８を有するから、架空地線の端末部
の光ケーブル１１を所定の間隔で接続した状態
で、張力又はたるみを与えずに中央鋼スリーブ６
により圧縮接続して中央の空孔１０を形成し得る
ので、接続作業中、光ケーブル１１やその接続保
護スリーブ９が安全に保護され、損傷を受けない
と共に、両側の鋼スリーブ１の円筒部２の外面の
凹凸４により、強固に接続されるので、架線張力
に充分耐える効果がある。

従つて本考案は、光ケーブル１１を損傷せず、
中央の空孔１０に容易に光ケーブル１１の接続保
護スリーブ９を収納し得、かつ接続が強固な光フ
アイバー入り架空地線用圧縮形直線スリーブを提
供する利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は光フアイバー入り架空地線の一例を示
す横断面図である。第２図は本考案の実施例を示
す縦断面図である。 １……鋼スリーブ、２……円筒部、３……圧縮
部、４……凹凸、５……保護用心金、６……中央
鋼スリーブ、７……アルミカラー、８……アルミ
スリーブ、９……光フアイバーケーブルの接続保
護スリーブ、１０……空孔、１１……光フアイバ
ーケーブル、１２……撚線、１３……金属線又は
複合線、１４……光フアイバー入り架空地線、１
５……充填カラー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 光フアイバー入り架空地線を圧縮接続する圧縮
   形直線スリーブであつて、中央の光フアイバーケ
   ーブルの接続保護スリーブを保護する充填カラー
   を隔てて両側に配置された、外面に凹凸を設けた
   円筒部および圧縮部より成る２個の鋼スリーブ
   と、前記圧縮部に挿入される前記架空地線の端末
   部の撚線と光フアイバーケーブルの間にそれぞれ
   挿入される２本の保護用心金と、２個の前記鋼ス
   リーブの前記円筒部にかぶせて圧縮接続する中央
   鋼スリーブと、該中央鋼スリーブ、アルミカラー
   を介して前記圧縮部およびその外側の架空地線部
   にかぶせて圧縮接続するアルミスリーブとより成
   ることを特徴とする光フアイバー入り架空地線の
   圧縮形直線スリーブ。