JPS6143753Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はホツパーの改良に関するものである。

一般に下水処理場等においては、流入する沈砂
等をかき上げる必要があるが、かきあげた沈砂等
をそのままホツパーに貯溜しておくと、沈砂等の
水分がホツパーの下部に溜り、開閉ゲートの隙間
より漏洩してホツパーの下方を汚す恐れがあつ
た。そのため従来は第１図に示すようなホツパー
が広く用いられている。ところが第１図に示す従
来のホツパーは、架台１′によつて所定の高さに
設置されたホツパー本体２′の下部に、一対のゲ
ート３′をピン４′で枢着し、各ゲート３′を開閉
シリンダー５′にて開閉させるようにホツパーを
構成し、一方のゲート３′の底面に、ゲート閉鎖
時にゲート接合端面の下部に位置する樋６′を設
け、ゲート接合端面からの漏洩水を樋６′に受け
て図示しない他の排水路を介して排水させるよう
になつているため、ゲート３′を開いてホツパー
内の沈砂等を排出する際、排出される沈砂等の一
部が樋６′に当つて排出の障害となるばかりか、
樋６′内に沈砂等が落下し、その都度樋６′内を清
掃しなければならないという欠点があつた。そこ
で、ゲート３′の開閉に応じて樋６′を障害となら
ないよう傾動させる機構も考えられているが、な
お機能が十分でなく、また、機構が複雑で取扱い
が不便である等多くの欠点があつた。

本考案は、前記従来の欠点に鑑みなされたもの
で、各ゲートの対向する下端部に設けたオーバー
ラツプ部分に漏洩水受部を形成し、溜つた水をゲ
ートの端板に設けた排水口より排出するように
し、それによつて別途樋を設けることなく漏洩水
を排出することができ、樋を頻繁に清浄したり、
ゲートの開閉に応じてその都度樋を傾動させたり
する必要がなく、取扱いのきわめて容易なホツパ
ーを提供せんとするものである。

以下、本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

第２図は本考案の１実施例を示すホツパーの正
面図で、図中１，２，３（３ａ，３ｂ），４及び
５は、第１図に示す従来のホツパーの正面図に付
した符号１′〜５′に対応する部材である。また、
本考案のホツパーが第１図に示す従来のホツパー
と大きく異なるのは、ホツパー本体２の下部にピ
ン４によつて枢着され、ホツパーの開口部を開閉
する一対のゲート３ａ，３ｂの下端部の構造を段
違いにしてオーバーラツプさせたことである。す
なわち、本考案のホツパーにおいては、図面に示
すように、各ゲート３ａ，３ｂの対向する下端部
に、ゲート閉鎖時にその下端部が互いに重なり合
うように段違いのオーバーラツプ部分７（７ａ，
７ｂ）が設けられている。

そして、各ゲート３ａ，３ｂの底面は、各ピン
４を中心とする異つた半径Ra，Rb（但しRa＞
Rb）を有する円弧面に各々形成されており、下
側のゲート３ａのオーバーラツプ部分７ａはその
半径Raの円弧面と同様の円弧面を所定長さだけ
延長して構成されている。したがつて、下側のゲ
ート３ａのオーバーラツプ部分７ａは、その上面
に図示のように漏洩水を溜め得る断面皿状の漏洩
水受部８として形成されることになる。また、９
は上側のゲート３ｂのオーバーラツプ部分７ｂの
先端縁を下向に折曲げて形成したせき板で、その
下端縁は下側のゲート３ａの上面に接触し、ゲー
ト開閉時にはせき板９の下端縁がオーバーラツプ
部分７ａの上面を摺動するようになつている。

したがつて、せき板９は、ゲート閉鎖時にはホ
ツパー内の沈砂等をせき止めて流出を防止し、ホ
ツパーの下部に溜る水だけをオーバーラツプ部分
７ａ側に漏洩させることになる。また、ゲート開
閉時には、その都度せき板９の下端縁がオーバー
ラツプ部分７ａの上面を摺動し、沈砂等の付着物
をかき落すので、オーバーラツプ部分７ａの上面
は、常に清浄に保たれることになる。そして、こ
のオーバーラツプ部分７ａに形成された漏洩水受
部８に入つた水は、下側のゲート３ａの端板１０
に設けた排水口１１より外方に突出する導管１２
を介して排水路１３に導かれ、排水されるように
なつている。この場合、漏洩水受部８を形成する
下側ゲート３ａのオーバーラツプ部分７ａは、第
３図に示すように排水口１１方向に下向のゆるや
かな傾斜を持たせて、漏洩水受部８に入つた水が
自然に排水口１１側に流れて行くようにしておく
ことが望ましい。なお、傾斜を持たせない場合に
は、第４図に点線で示すように、反対側の端板１
０にも排水口１１を設け、両方の排水口１１より
排水させるようにしてもよい。

第５図は本考案の他の実施例を示したもので、
漏洩水受部８の容量を大きくして漏洩水受部８よ
り水が溢流しないようにしており、オーバーラツ
プ部分７ａはプレス等で大きく湾曲させて成形し
た後、端板１０及び下側のゲート３ａの端縁に溶
接されている。

なお、せき板９は上側のゲート３ｂのオーバー
ラツプ部分７ｂの先端縁を折曲げて形成する代り
に、別途製作したものを着脱自在に取付けて、せ
き板９が損傷したとき自由に取換えられるように
してもよい。

以上、具体的に説明したように、本考案はホツ
パー本体の下部に、ホツパーの開口部を開閉する
一対のゲートを開閉自在に枢着したホツパーにお
いて、上記各ゲートの対向する下端部に、ゲート
閉鎖時にその下端部が互いに重なり合うように段
違いのオーバーラツプ部分を設け、下側のゲート
のオーバーラツプ部分に漏洩水受部を形成し、該
ゲートの端板に漏洩水受部に入つた水を排出する
排水口を設けると共に、上側のゲートのオーバー
ラツプ部分の先端縁に、ゲート開閉時に下側のゲ
ートのオーバーラツプ部分の上面を摺動するせき
板を設けてホツパーを構成したので、ゲートの下
部に別途排水用の樋を設ける必要はなく、従来の
ように樋がホツパーから排出される沈砂等の排出
の障害となつたり、破損したりする恐れはない。
また、漏洩水受部が形成される下側のゲートのオ
ーバーラツプ部分の上面に付着する沈砂等の付着
物は、ゲートが開閉するたびにかき落されるの
で、オーバーラツプ部分の上面は常に清浄に保た
れることになり、付着物のかき落し作業をする必
要がない等、多くの利点を有し、従来のものと比
較してはるかに機能的で、安価に製作することが
でき、取扱も容易であるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のホツパーの正面図、第２図は
本考案の１実施例を示すホツパーの正面図、第３
図は第２図に示す矢視Ａ方向より見たホツパーの
部分側面図、第４図は第３図における矢視Ｂ−Ｂ
線に沿つた断面図、第５図は本考案の他の実施例
を示すホツパーの部分正面図である。 １，１′……架台、２，２′……ホツパー本体、
３（３ａ，３ｂ），３′……ゲート、４，４′……
ピン、５，５′……開閉シリンダー、６′……樋、
７（７ａ，７ｂ）……オーバーラツプ部分、８…
…漏洩水受部、９……せき板、１０……端板、１
１……排水口、１２……導管、１３……排水路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ホツパー本体の下部に、ホツパーの開口部を開
   閉する一対のゲートを開閉自在に枢着したホツパ
   ーにおいて、上記各ゲートの対向する下端部に、
   ゲート閉鎖時にその下端部が互いに重なり合うよ
   うに段違いのオーバーラツプ部分を設け、下側の
   ゲートのオーバーラツプ部分に漏洩水受部を形成
   し、該ゲートの端板に、漏洩水受部に入つた水を
   排出する排水口を設けると共に、上側のゲートの
   オーバーラツプ部分の先端縁にゲート開閉時に下
   側のゲートのオーバーラツプ部分の上面を摺動す
   るせき板を設けたことを特徴とするホツパー。