JPS6143066Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は安価にしてかつ簡単な構造により窒素
酸化物の低減を行なうと共に、加湿機能を具備し
た家庭用燃焼機器としてのバーナ装置を提供する
ことを目的とする。

従来、工業用に実施されている窒素酸化物の低
減方法としては２段燃焼、排ガス再循環、蒸気、
水の添加等が挙げられるが、上記既存の技術は設
備が大掛かりとなるきらいがあつた。こうした状
況のため家庭用燃焼機器への展開は容易ではな
く、現在家庭用で使用されている窒素酸化物の発
生が低いシユバンクバーナにおいても価格が高い
という問題点を有している。

また、燃焼室を設ける燃焼形式には従来より見
られるスミセルバーナが挙げられるが、これは実
験室で使用されている程度であり、家庭用機器に
は展開されていない。

本考案は単一の２次炎孔を有し、パイプ・タン
クをその周辺に設けた容器、あるいは受水し得る
構造を有する容器を従来使用されているバーナに
取付けることにより上記従来の欠点を解消するも
のであり、安価かつ簡単な構成により窒素酸化物
の低減を実現でき、さらに室内の加湿効果を得る
ことができる。

以下、本考案の一実施例について、第１図およ
び第２図に基づいて説明する。第１図において、
気体燃料はノズル１から噴出され、バーナ２には
混合管入口部３から入り、その際のジエツトによ
り周囲から大気を１次空気として吸引する。その
際１次空気量は空気過剰率ｍが0.6〜0.9におさま
るように混合管入口部３の口径をダンパ等により
調整する。気体燃料と空気は混合管４内で混合さ
れて可燃性気体となり、１次炎孔５上で火炎を形
成する。第３図は横軸にインプツトを１次炎孔総
面積及び２次炎孔総面積にて除した値、すなわち
１次炎孔負荷と２次炎孔負荷との比を取り、縦軸
にはCO／CO₂、窒素酸化物を取つている。１次
炎孔負荷と２次炎孔負荷の比が0.35を越えると窒
素酸化物及びCO／CO₂の値は仕上り始める。こ
うした理由から１次炎孔負荷、２次炎孔負荷の比
が0.35以下になるように２次炎孔６を構成する。
このように設定された２次炎孔６を有すると共に
１次燃焼室７を形成する容器８には、受水タンク
９を接続した大小のパイプ群１０，１１が装着さ
れている。下部パイプ１０は受水タンク９からの
水で満たされており、上部パイプ１１は蒸気通路
となり、受水タンク９は上部パイプ１１より低い
位置に設置されている。パイプ１２は、上部パイ
プ１１中の蒸気を混合管入口部３付近に導くため
のもので、給水パイプ１３は受水タンク９へ供水
するための役割をはたしている。このように、バ
ーナ２とこれを覆う容器８とによりバーナ装置は
構成されている。

上記構成において、混合管４内の可燃性気体は
空気不足の雰囲気状態で１次炎孔５に流れ込ん
で、１次火炎を形成する。不足空気は１次炎孔５
が１次燃焼室で覆われているために回復できず、
未然ガスは２次炎孔６上で漸く２次空気と接触
し、ここで２次火炎を形成する。このように火炎
は１次火炎と２次火炎に分離され、両炎孔上に安
定した火炎を保つ。

この結果、火炎の最高温度、並びに平均温度は
従来バーナ装置による火炎温度に比較して低くな
り、この火炎温度低下及び最高温度時のO₂濃度
の低下に起因して窒素酸化物の発生を抑制するこ
とができる。

一方、パイプ１０内の水は容器８により加熱さ
れ、蒸気はパイプ１１，１２を通して混合管入口
部３に導かれ、さらに周囲の大気と共に混合管４
内にブンゼンバーナのエゼクタ効果により吸引さ
れる。このように吸引された蒸気は１次火炎、２
次火炎の温度を下げつつ大気中に放出される。

その結果、窒素酸化物の発生はさらに抑えられ
ると共に室内は加湿されることになる。

次に、本考案の他の実施例を第４図及び第５図
により説明する。先の実施例と異なる点は受水タ
ンク９を直接容器に取付け、さらに受水タンク９
に円孔１４に設けた点である。このように構成さ
れた容器８により１次炎孔５を覆うことにより構
成されている。

上記構成において、受水タンク９内の水は容器
８により加熱されると同時に容器８自体の温度を
下げ容器８が赤熱されることを防ぐ。加熱された
受水タンク９内の水は蒸気となりパイプ１１によ
り混合管入口部３に導かれ、また円孔１４から排
出される。

この結果、混合管入口部３から流入した蒸気は
１次火炎の温度を下げ、円孔１４から排出された
蒸気は２次火炎中に入り、火炎温度を下げること
になる。こうして、火炎温度の低下は１次燃焼室
７を設けることにより生ずると共に蒸気の添加に
も起因して、窒素酸化物の発生を抑制する。さら
に蒸気が室内に放出されることから、室内の加湿
を行うことができる。

以上のように、従来のバーナの一次炎孔を１次
燃焼室を形成する容器で覆い、この容器に２次炎
孔を設け、かつ前記容器外周部には他端開口を前
記バーナの混合管入口部に臨ませた水冷管を設け
たもので、２段燃焼とガス混合気への蒸気の添加
により、火炎温度を低下させ窒素酸化物の発生を
著しく抑制でき、さらに室内の加湿もできる。ま
た、複数のバーナをもつて１個の燃焼装置にする
際の各バーナを形成するのに最適である。しかも
本考案は冷却→加熱水→蒸気と一連の状態変化を
容器の外周部に設けた水冷管だけで行なうことが
でき、かつ蒸気はバーナ混合管の入口部よりブン
ゼンバーナのエゼクタ効果により混合管内に吸引
するようにしているため、蒸気発生のための駆動
源は不要となり、その結果、コスト的にも安価に
得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のバーナ装置の一実施例を示す
斜視図、第２図は上記バーナ装置の要部断面図、
第３図は２次炎孔仕様を決める際に利用した実験
結果図、第４図は本考案の他の実施例を示す斜視
図、第５図は第４図の要部断面図である。 ２……バーナ本体、５……１次炎孔、６……２
次炎孔、７……１次燃焼室、８……容器、９……
受水タンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の一次炎孔を有するブンゼンバーナ本体
   を、一次燃焼室を形成するとともに単一の矩形状
   の二次炎孔を有する容器により覆うと共に、前記
   容器外周部には、他端開口を前記バーナ混合管入
   口部に臨ませた蒸気導入用の水冷管を設けてなる
   バーナ装置。