JPS6142307Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、信頼性を向上するようにした溝形
誘導炉に関する。

第１図は従来の溝形誘導炉を示すものである。
図において、１は鉄心、２は鉄心１の中央脚に巻
回されたコイル、３はコイル２を囲繞し耐火物で
構成された第１の容器で、コイル２の外側を周回
し両端に開口を有する溝４が設けられている。５
は第１の容器３が収納された金属性のケース、６
は耐火物で構成された溝４と連通する空間を有す
る第２の容器、７は第２の容器６が収納された金
属性のケース、８はケース５と７とを連結するボ
ルトである。これによつて溶融金属９が貯溜し、
溶融金属９の加熱が可能な溝形誘導炉が形成され
ている。

第１図の状態でコイル２に交流電流が流される
と、溶融金属９が充填された溝４に誘導電流が流
れ、誘導電流によるジユール熱によつて溶融金属
９が加熱される。

ところで、発熱部となる溝４を有する第１の容
器３は、溶融金属９による損傷が第２の容器６よ
りも激しい。このため各ケース５，７間の連結を
開放することによつて、第１の容器３の交換を可
能としているが、容器３，６間の連結部からの溶
融金属９のもれを防止するために、各ケース５，
７間の連結は強固な締結がなされている。

しかし、溝形誘導炉はコイルや溝に流れる電流
によつて発生される磁界が極めて大きく、磁束が
貫通する金属製のケースには局部的に渦電流が流
れ、各ケースを連結しているボルト８には循環電
流が流れる。これによつてボルト８が局部的に発
熱し、熱膨張によつてゆるんだり、また強度劣化
に伴なう折損事故発生の可能性がある。しかし、
ケースの連結部で容器の連結部に近いので適当な
冷却手段がなく、信頼性が低いという欠点があつ
た。

この考案は上記欠点を解消するためになされた
もので、ケース間を導電材料で接続することによ
つて、局部過熱を防止できる溝形誘導炉を提供す
る。

以下図に基づいて説明する。第２図および第３
図において、１〜９は従来と同様である。１０は
ケース５に設けられたねじ座、１１はケース７に
設けられたねじ座、１２は接続導体で、両端にそ
れぞれ端子が取付けられ、ボルトでそれぞれねじ
座１０，１１に取付けられている。

このように構成された第２図のものは、コイル
２によつて生じる渦電流および循環電流は、ボル
ト８よりも比抵抗が１桁以上小さい接続導体１２
へ分流する。これによつてボルト８に流れる循環
電流は小さくなる。したがつて、接続導体１２は
可能な限りボルト８に接近して設ける必要があ
る。第４図は他の実施例を示すものである。図の
ものは、各ケース５，７間に導電性を有するスペ
ーサ１３を挿入し、ボルト８による圧接で大きい
断面積を有する接続部を構成し、上記実施例と同
様の効果を期待している。

この考案によれば、金属製のケース間を導電部
材で接続することによつて、締結部材に流れる循
環電流を減少する。これによつて締結部材の発熱
を防止し、信頼性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の溝形誘導炉の正面図、第２図は
考案の実施例の正面図、第３図は第２図の部分拡
大図、第４図は他の実施例の部分を示す部分図で
ある。図において、１は鉄心、２はコイル、３は
第１の容器、４は溝、５はケース、６は第２の容
器、７はケース、８は締結部材、９は溶融金属、
１２は導電部材である。なお各図中同一符号は同
一又は相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 鉄心に巻回されたコイルの外側を周回し溶融
   金属が流通可能な溝を有する第１の容器を耐火
   物で構成し、上記溝と連通し上記溶融金属が貯
   溜される第２の容器を耐火物で構成し、上記各
   容器を金属製のケースにそれぞれ収納して上記
   両ケース間を締結部材で連結したものにおい
   て、上記両ケース間を導電部材で接続したこと
   を特徴とする溝形誘導炉。 (2) 導電部材は両ケース間に配置され締結部材で
   圧接されていることを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の溝形誘導炉。