JPS6141786Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は土面上に溝掘削等の土木工事を行う
場合に使用する土留めパネルを接続するために使
用する接続部構造に関するものである。

土面上に溝を掘削し、管を埋設し、さらには埋
戻し等の工事を行う場合には、掘削した溝の側面
について土留めをする必要がある。この土留めを
するために、従来から土留めパネルを使用してい
るが、溝が深い場合には１枚のパネルだけでは足
りないので、パネルを上下に接続して使用してい
る。この上下のパネルを接続する手段としては、
ボルト・ナツトその他の接続部材が使用されてい
るが、その取扱いが煩雑であつたり、或はパネル
の外方にに突出して工事の支障となつたり、また
は充分な接続強度を得ることが困難であつたり、
さらには溝造が複雑で高価であつたりする欠点が
あつた。

またこれを改良するものとして両端部に凸状係
止部を有する棒状の連結部材を使用し、その凸状
係止部をパネル開口部管内の係止部に係合させる
ようにしたものが提案されているが、この場合連
結部材の長さが長くなり、このためパネルの長さ
によつては開口部管内で端部の凸状係止部がぶつ
かり合つて連結部材の挿入ができなくなるといる
欠点がある。

本考案は前記従来技術における欠点を解消し、
取扱いが簡単でかつ確実にパネルを接続すること
ができる土留めパネルの接続構造を提供すること
を目的とするものである。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す。

第１図は従来主として使用されている土留め装
置を示し、溝の両側に対向して立設され、パネル
１を紙面に直角方向に支持案内するためのガイド
レール２，３と、このガイドレールの間隔を保持
するためのストラツト４とから構成され、ストラ
ツト４はガイドレール２，３に回動自在に連結さ
れている。本考案はこのような土留めパネルを接
続するために使用する接続部構造に関するもので
ある。

本考案で用いる連結部材７は第２図、第３図に
示すように中央部に円柱状の把持部８が形成され
ると共に、首部９を介して先端部に扁平な凸状係
止部１０が形成され、また前記把持部８の反対側
には円筒の周面を２平面で削除した形状の係止部
１１が形成されると共にその基端部に連結ピンを
挿入するための穿孔１２が設けられている。なお
前記把持部８はスパナまたは手動により連結部材
７を回動させるものである。

第４図乃至第６図は前記連結部材７の係合状態
を示すもので、下側パネル１３の内部、すなわち
平行に位置する２枚の外側板１４，１５の間には
補強部材１６，管１７および先端部近傍に係止片
１８が固定して設けられ、前記連結部材７の凸状
係止部１０を係止片１８と係合させることによつ
て連結部材７が下側パネル１３に連結される。な
お係合状態にある凸状係止部１０と係止片１８と
の間にはパネル接合面の変形や若干の泥土の附着
による寸法誤差を許容するための小間隙１９が設
けられている。

また前記連結部材７の基端側の係止部１１は、
上側パネル２０の外側板２１，２２の間に固定し
て設けられかつ外側板２１，２２に設けられた穿
孔２３，２４と同軸上に穿孔２５を有する角管状
の係止部材２６に挿通され、前記穿孔２３，２
４，２５を介して連結部材７の穿孔１２に連結ピ
ンを差し通すことにより連結部材７が上側パネル
２０に連結される。

前記係止部材２６は第７図、第８図に示すよう
に対向する面に穿孔２５を有する長方形断面の角
管に形成され、その側面に第９図、第１０図に示
すように段付穿孔２７を有する厚手の鉄板２８が
溶着され、さらにその表面に第１１図、第１２図
に示すように軸心をはさんで対向する位置に凹溝
２９を設けた溝付穿孔３０を有する鉄板３１が溶
着されて一体化した結合体に形成され、その結合
体の内部には大径間隙３２を含む穿孔が形成され
ている。一方前記連結ピン３５にはリング状鉄板
３０の凹溝２９間のみを通過できる長さのロツク
ピン３３が設けられているので、このロツクピン
３３が凹溝２９間を通過して大径間隙３２に収ま
るように連結ピン３５を差し通し、次いで、連結
ピン３５のつま３４をまわして前記ロツクピン３
３を大径間隙３２内で前記凹溝２９から外れる位
置に移動させることにより容易に連結ピン３５を
ロツクすることができる。

以上のごとき構成部材を使用して土留めパネル
の連結部を構成する過程は次の通りである。すな
わち第４図に示すように下側パネル１３の管１７
内に連結部材７の先端部の凸状係止部１０を係止
片１８の対向間隙を通過させ、次いで連結部材７
の把持部８をスパナまたは手動でまわして連結部
材７を角度90゜だけ長手軸に関して回転させるこ
とにより前記凸状係止部１０が係止片１８と係合
して連結部材７が下側パネル１３に連結される。
次に上側パネル２０を連結部材７の基端側の係止
部１１が係止部材２６を挿通するように下側パネ
ル１３に重ね、上側パネル２０に外側板に設けら
れた穿孔を介して前記連結部材７の穿孔１２に連
結ピン３５を差し通し、かつつまみ３４をまわし
て連結ピン３５をロツツクすることにより連結部
材７が上側パネル２０に連結され、上下のパネル
の接合が完了する。

このようにこの考案の土留めパネルの接続部構
造では、係止片１８と連結部材７を使用し連結部
材７を90゜回転させるだけで連結部材７を下側パ
ネル１３に連結できると共に、係止部材２６に連
結部材７の係止部１１を挿通して連結ピン３５を
差し込むだけで連結部材７を上側パネルに連結し
て上下のパネルの接合を完了させることができる
ので取扱いがきわめて容易である。また連結ピン
３５はつまみ３４をまわすだけで完全にロツクで
きるので上下パネルの接合状態を安全、確実に維
持することができ、また接合状態の解除も容易で
ある。またパネル内部の構成材が溶接により固着
されているので外側板と構成材との間に水の侵入
する恐れがなく、しかも構成材がパネル内部に収
容されて外部に突出することがなく、パネルの外
側板には連結ピン３５を差し込むだけの小さな穿
孔２３，２４が設けられているだけであるので外
側板の強度低下を招く恐れは全くなくまた溝掘削
作業の支障となることもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は土留め装置の説明図、第２図および第
３図は連結部材の一部縦断正面図および側面図、
第４図および第６図は連結部材の係合状態を示す
縦断側面図および縦断正面図、第５図は第４図の
Ａ−Ａ線断面図、第７図乃至第１２図は連結ピン
挿入部の各構成材の説明図であつて、第７図およ
び第８図は上面図および正面図、第９図および第
１０図は正面図およびそのＢ−Ｂ線断面図、第１
１図および第１２図は正面図およびそのＣ−Ｃ線
断面図である。 １……土留めパネル、７……連結部材、１０…
…凸状係止部、１２，２３，２４……穿孔、１３
……下側パネル、１７……管、１８……係止片、
２０……上側パネル、３５……連結ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上側パネル２０と下側パネル１３からなり、上
   側パネル２０内には係止部材２６をパネルに沿つ
   て設け、下側パネル１３には係止片１８をパネル
   の内側に向けて突設し、一端に凸状係止部１０
   を、他端側には穿孔１２を設けた連結部材７を上
   側パネル２０と下側パネル１３にわたつてその内
   側に取付け、上側パネル２０の係止部材２６に設
   けた穿孔２５とパネルに設けた穿孔２４と連結部
   材７に設けた穿孔１２とを貫通する連結ピンによ
   り上側パネル２０と連結部材７を一体化し、連結
   部材７をその長手軸を中心に回動させて凸状係止
   部１０を係止片１８に係合させるようにした土留
   めパネルの接続部構造。