JPS6140218Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はアイスペールに関し、詳しくは氷はさ
みの保持構造の改良に関する。

従来、アイスペールの使用中には、氷はさみは
開閉蓋の上面に単に載せておくか、あるいは蓋体
の上面に形成した凹部に嵌め込む様にしているの
が普通である。ところが、単に載せただけでは不
測に手などが触れただけでも氷はさみが落下して
しまい、逆に凹部に嵌め込む様にしたものにあつ
ては、蓋体から氷はさみを取ろうとしたときに蓋
体から外しにくく、一方の手で蓋体を押えて他方
の手で氷はさみを持つて取り外す必要があり、そ
の後氷はさみを持ち直すと共に前記一方の手で蓋
体を開けるという２重の動作が必要となり、扱い
にくいという問題があつた。

一方アイスペールの外側部に氷はさみ収納用の
容器を取付けたものも提案されているが、この場
合氷はさみ収納用容器を特別に必要とするだけで
なく、該容器をアイスペールの外側部に取付ける
ための取付け構造を必要とし、構造並びに製作が
複雑となつて、コストアツプになり、しかもアイ
スペールの外側部に前記容器が大きく突出するこ
とになるので、使用時この容器に手や他物を引つ
掛けて、不用意にアイスペールを転倒させるごと
き恐れがあつた。

本考案は従来のかかる問題点に鑑み、一方の手
で蓋体を開けながら他方の手で氷はさみを取るこ
とができ、かつ氷はさみが不測に落下するような
ことがなく、それでいて構造並びに製作が簡単で
コスト高になるようなことがなく、しかも保持し
た氷はさみに手や他物を引つ掛けたりするような
恐れが少ないアイスペールを提供することを目的
とする。

上記目的を達成するため本考案は、外装ケース
内に径方向に間隔をあけて内ケースを配置し、前
記外装ケースの外周面に上下方向に長い凹部を形
成し、該凹部の溝深さを内外装ケースの前記間隔
より小寸にすると共に、溝幅を、氷はさみをその
弾性に抗して閉じたときの幅に略等しくして、氷
はさみを凹部内に弾性的に支持させるべく構成し
たものである。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。１はアイスペールの外装ケース、２は帯状
の把手、３は蓋体である。外装ケース１内には径
方向及び底壁間に間隔をあけて内ケース４が配置
されている。前記外装ケース１の外周面には、周
方向１個所若しくは複数個所に上下方向に長い所
定巾の凹部５が形成されている。この凹部５の溝
深さは、内外装ケース１，２の前記間隔より小寸
として、この凹部５の底が内ケース４の内面に突
出することのないように形成し、また溝幅は、氷
はさみ６をその弾性に抗して先端部を閉じた状態
で嵌め込むことができる様な幅となつている。図
示例では、凹部５の両側壁５ａを上下方向全長に
亘つてほゞ平行に形成することによつて成形を容
易ならしめているが、下方に向かつて間隔が狭く
なる様に形成しても良い。また、図示例では外装
ケース１の上端部を除いて下端までほゞ全高に亘
つて凹部５を形成することによつて成形を容易な
らしめているが、下端部を閉じることによつて氷
はさみ６の下端を支持できる様にしてもよい。ま
た、凹部５の深さは深い程氷はさみ６を安定して
保持できるが、外装ケース１と内ケース４間の径
方向の間隔、即ち凹部５の底壁５ｂが内ケース４
外周面に当接するまでの深さが限界であり、好ま
しくは伝熱による冷熱の逸散を少くするため、底
壁５ｂと内ケース４との間に僅かでも隙間を開け
ておくとよい。また、凹部５が深すぎると氷はさ
み６を取外しにくい面があり、安定して保持でき
る範囲で浅い方が好ましい。

前記内ケース４の上端部には、蓋体３嵌合用の
環状段部４ａが形成されており、その上端から径
方向外方に延設した係合鍔４ｂの外周縁部を外装
ケース１の上端縁に係合させ、内ケース４の底壁
の中央部下面に突設した取付筒４ｃ外周面に外装
ケース１の底壁に係合させた取付蓋７を螺合させ
ることにより、内ケース４を外装ケース１内に配
置固定している。前記蓋体３は、嵌合板８と上面
板９の外周縁を一体結合して中空体に構成され、
上面板９には３個又は４個の把み凹部１０が形成
されている。１１は前記把手２の両端の枢着ピン
で、外装ケース１上端部に嵌着されている。

以上の構成において、アイスペールの使用時に
は、氷はさみ６を仮想線で示す様に外装ケース１
外周面の凹部５に嵌め込んで保持させておくこと
により、氷が入用になると一方の手で蓋体３を開
けると共に、他方の手で氷はさみ６を凹部５から
取外し、直ちに内ケース４内の氷を氷はさみで取
り出すことができる。必要な氷を取出すと、蓋体
３を被せ、氷はさみ６を凹部５に嵌め込めばよ
い。

本考案のアイスペールによれば、以上の説明か
ら明らかな様に、外装ケースの外周面に上下方向
に長い凹部を形成してこの凹部に氷はさみを嵌め
込んで保持する様にしているので、一方の手で蓋
体を開けながら他方の手で氷はさみを取ることが
でき、氷を取り出す時に簡単な動作で済むため大
変好都合であり、しかも氷はさみは外装ケースの
外周面の凹部に嵌め込まれて、氷はさみ自身の弾
性で保持されているので、氷はさみが凹部内から
不用意に脱落するようなことがなく、それでいて
構造は外装ケースに凹部を形成するだけであつ
て、氷はさみの凹部での保持を、氷はさみ自身の
弾性を利用して行わせるものであるから、構造並
びに製作が簡単で、コスト高になるようなことが
なく、しかも氷はさみは凹部内に嵌め込まれ、外
装ケースからの突出は極く僅かであり、またこれ
以外に突出するものがないので、使用時に手や他
物を引つ掛けて、アイスペールを転倒させるよう
な恐れもないのである。その上前記凹部の溝深さ
を、外装ケースと内ケースとの間に形成される間
隔よりも小寸として、この凹部の底が内ケースの
内面から突出するようなことがなく、所謂内ケー
ス内面を平滑にすることができるので、氷の収容
や氷はさみによる氷の取り出しを極めてスムース
に行わせ得るのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は正面
図、第２図は縦断正面図、第３図は第１図のＡ−
Ａ矢視断面図、第４図は第１図のＢ−Ｂ矢視断面
図である。 １は外装ケース、４は内ケース、５は凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外装ケース内に径方向に間隔をあけて内ケース
   を配置し、前記外装ケースの外周面に上下方向に
   長い凹部を形成し、該凹部の溝深さを内外装ケー
   スの前記間隔より小寸にすると共に、溝幅を、氷
   はさみをその弾性に抗して閉じたときの幅に略等
   しくして、氷はさみを凹部内に弾性的に支持させ
   るべく構成したことを特徴とするアイスペール。