JPS6138881Y2

JPS6138881Y2 -

Info

Publication number: JPS6138881Y2
Application number: JP1979001453U
Authority: JP
Priority date: 1979-01-09
Filing date: 1979-01-09
Publication date: 1986-11-08
Also published as: JPS55103201U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は長じゆばんの衿芯に関するものであ
る。

さらに詳しくは着用中に湾曲となる衿肩回りの
芯にしわが発生し、衿が波打ち状態になること、
寸法変化による型くずれが発生するのを防止する
こと、および衿肩回りでの張り、腰の不足を補強
し、内周芯と外周芯からなる衿芯を容易に縫着形
成するための長じゆばんの衿芯に関するものであ
る。

従来の長じゆばんの衿芯は内周芯と外周芯の２
枚を縫着し、湾曲となる衿肩回りに相当する長さ
において内周芯と外周芯に寸法差を付け、衿肩回
りでのしわの発生を防ぐ考慮をしていた。

しかし、芯地の伸縮性が少ないため衿肩回りで
の寸法差を大にすると、内周芯と外周芯の縫着に
おいて衿肩回りでのイセ込みが出来ず、縫着が出
来なかつた。また、衿肩回りでの寸法差を大にし
無理にイセ込んで縫着すると、湾曲にしなくとも
大きなしわが発生し、衿が波打ち状態になる欠点
が発生した。さらに芯地に伸縮性をもたせるた
め、正バイヤスどりにして用いると希望する寸法
差をイセ込むことが出来るが、着用において寸法
変化が発生し型くずれが発生する欠点があり、ま
た、２枚の衿芯では衿肩回りの張り、腰が不足す
るなど数多くの欠点があつた。

本考案の目的は衿芯（内周芯、外周芯）の縫着
形成を容易にし、かつ縫着後および着用中の外観
をよくするため芯地に寸法差と適度な伸縮性をも
つものを用い、かつ衿肩回りに適度な張り、腰を
もち、かつ寸法変化を起こさないように、衿肩回
りを伸縮性の少ない接着芯地を用いて補強するこ
とによつて上述欠点を解決しようとしたものであ
る。

本考案は次の構成を有する。

すなわち本考案は、内周芯、該内周芯よりわず
かに長尺に形成された外周芯、上記内周芯と外周
芯の間に介在され、かつ外周芯の衿肩回り部分に
接着された補強芯の３種の芯地で構成された長じ
ゆばんの衿芯であつて、該各芯地の長さ方向の伸
縮性は、内周芯と外周芯はほぼ等しく、かつ外周
芯、内周芯ともに補強芯よりも大であり、しかも
上記内周芯と外周芯とは、衿付け側では長手方向
の一方の芯端から他方の芯端まで縫着され、衿芯
幅中央では衿肩回り部分を除く両端側部分で縫着
一体化されてなることを特徴とする長じゆばんの
衿芯に関する。

以下、本考案を図面に基づいて詳細に説明す
る。

第１図は従来の方法で内周芯１と外周芯２とを
縫着した衿芯を着用したときの正面図であり、衿
肩回りＡにしわ３が発生し、波打ち状態になるこ
とを示す。

第２図は従来の衿芯の縫着状態を示した正面図
であり、第３図は衿肩回りＡ部の断面図であり、
第４図は衿芯端部の断面図である。

第２図において内周芯１と外周芯２には衿肩回
りの範囲および衿の中心を示す衿肩回りを切り込
み７，８，９が入れてあり、縫着は外周芯２を下
に、内周芯１を上にして重ね、衿芯の衿付け側４
を一方の衿芯端５から他方の衿芯端６まで、内周
芯１と外周芯２の衿肩回り切り込み７，８，９を
正しく合せ、衿肩回り切り込み７〜８および８〜
９では外周芯２を押し込んでイセ込み、縫着す
る。次に衿芯幅の中央部１０を、衿芯がねじれな
いように衿肩回り切り込み７〜９間を除いた部分
を縫着する。

このイセ込みは、従来内周芯１と外周芯２の芯
地をタテどりにするので、伸縮性が0.1％前後と
少なく衿肩回りＡでのイセ込みが困難であつた。
また、イセ込みを容易にするため、内周芯１と外
周芯２の芯地を正バイヤスどりにすると伸縮性が
５％前後と大になりイセ込みが容易になるが衿肩
回りＡでの寸法変化が生じ、型くずれが起きるな
どの欠点があり、さらに２枚の芯では衿肩回りで
張り、腰が不足するなど数多くの欠点が発生し
た。

第５図、第６図、第７図は本考案の内周芯１、
外周芯２、補強芯１１の各々の正面図を示す。第
５図に示す内周芯１および第６図に示す外周芯２
はポリエステル100％またはポリエステル／綿混
紡等からなる織物あるいは不織布であつて、かつ
熱などにより溶融して接着効果をもつ樹脂などが
付着していない材質で形成された非接着芯地であ
り、その長さは内周芯１が外周芯２より僅かに短
く形成されている。

すなわち、本考案の衿芯では衿肩回りでは湾曲
となるので、内周芯１と外周芯２の衿肩回りの切
込み７〜９間において寸法差を付ける必要があ
る。その寸法差は内周り（内周芯）と外周り（外
周芯）の円周差となる。着用時の内周芯１の衿肩
回りの曲率半径をr₁、着用時の外周芯２の衿肩回
りの曲率半径をr₂と定めたとき、それぞれの円周
は２πr₁およびπr₂となる。したがつて両者の半
径の差は芯地の厚さに関係し衿肩回りの長さは内
周芯＜外周芯の関係を満足することが必要であ
り、少なくとも両者の寸法差は0.4cmが必要であ
る。この寸法差によつてイセ込むことが出来る
が、さらに縫着後にしわが生じないようにするた
め、内周芯及び外周芯とも補強芯より伸縮性を大
にする必要から、例えば織物などでは正にバイヤ
スどりにして用いるようにする。また、内周芯
１、外周芯２にはイセ込みを行う範囲を示すため
衿肩回りＡに衿芯の中心を示す衿肩回りの切り込
み７，８，９を入れておく。

第７図に示す補強芯は、ポリエステル100％ま
たはポリエステル／綿混紡等からなる織物あるい
は不織布であつて、かつ熱などにより溶融して接
着効果をもつ樹脂などが付着してある材質で形成
された接着芯地であり、寸法変化をなくするた
め、前述の内周芯および外周芯より伸縮性の低い
ものを使用する。このため例えば織物などではタ
テどりにしたものを用いる。また、補強芯１１は
衿肩回りの張り、腰をもたせる目的から厚さは内
周芯１、外周芯２と同等のもので、長さは衿肩回
りの長さよりやや長くし、接着後の剥離防止上か
ら三日月形とすることが好ましい。さらに衿肩回
りＡと衿芯の中央を示す衿肩回りの切り込み７，
８，９は外周芯２に接着するため、外周芯２と同
寸法の位置に入れる。また、衿芯中央での幅は、
内周芯１と外周芯２の間に入れるので内周芯１、
外周芯２の衿中央の幅よりやや狭くする。

第８図は本考案の外周芯２に補強芯１１を接着
した状態を示す。

補強芯１１の接着は、外周芯２と補強芯１１の
衿肩回りの切込好み７，８，９を正確に合せ、浮
きが生じないように接着する。このように外周芯
に補強芯を接着することにより衿肩回りの切込み
はシワを生ずることなく容易にできる。なお、補
強芯１１を内周芯１に接着し、外周芯２と縫着す
ると平らに置いたとき、内周芯１と外周芯２の添
いが悪く衿肩回りＡが大きくふくらみ製品を折り
たたんで重ねるとき、折りじわが発生する欠点が
でるので前述の如く必ず補強芯１１は外周芯２に
接着する。

第９図は本考案の内周芯１と、補強芯１１を接
着した外周芯２とを縫着した状態を示す正面図で
あり、第１０図は衿肩回りＡ部の断面図であり、
第１１図は衿芯端部の断面図である。

縫着方法は第１図で説明した従来の衿芯の縫着
方法とほぼ同じであり、外周芯２の下に、内周面
１を上にして重ね、衿芯の衿付け側４を一方の衿
芯端５から他方の衿芯端６まで、内周芯１と外周
芯２の衿肩回り切り込み７，８，９を正しく合せ
るが、衿肩回り切り込み７〜８および８〜９部分
では外周芯２は伸縮性の少ない補強芯１１を接着
しているので、外周芯２の伸縮性が小さくなつて
いるため、内周芯１を伸ばして衿肩回り切り込み
７，８，９を正しく合せて縫着する。次に衿芯幅
の中央部１０を、衿芯がねじれないように衿肩回
り切り込み７〜９を除いた部分を同様に縫着す
る。

かくして得られる衿芯は、着用状態で衿肩回り
が湾曲になつた時のしわの発生がなく、外観形態
もよく、さらに着用時の寸法変化による型くず
れ、洗たくによる寸法変化の型くずれがないとい
う特徴に加えて、衿肩回りに張り、腰のある衿芯
を形成することができるという効果を発揮するも
のである。

＜実施例＞内周芯、外周芯には材質がポリエステル65％綿
混紡で、非接着である織物芯を用い、伸縮性を大
にするため内周芯、外周芯とも正バイヤスどりと
した。補強芯には材質が前記ポリエステル65％綿
混紡で、接着である織物芯を用い、伸縮性を少な
くするためタテどりにした。補強芯を外周芯に接
着し、この外周芯２に内周芯１を縫着する。その
場合、内周芯１は衿長手方向に伸び易いが、外周
芯２は非伸長性の補強芯１１が接着されており伸
びにくい構成となつている。したがつて、該外周
芯２を衿付け側４で縫着する際、外周芯２より短
く設計された内周芯１を伸ばしながら縫い付ける
（伸ばし縫い）だけで、容易に衿芯の衿肩回りが
形成され得るのであり、しかも、かくして得られ
た衿芯では縫着後のしわの発生もなく、外観形態
のよいものであつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の方法で縫着した着用状態の衿芯
の正面図、第２図は従来の衿芯の縫着状態を示す
正面図、第３図は第２図衿肩回り部の断面図、第
４図は第２図衿芯端部の断面図、第５図、第６
図、第７図は本考案の衿芯に使用する内周芯、外
周芯、補強芯の各正面図、第８図は本考案の衿芯
の使用する外周芯に補強芯を接着した状態の正面
図、第９図は本考案の衿芯の縫着状態を示す正面
図、第１０図は第９図衿肩回り部の断面図、第１
１図は第９図衿芯端部の断面図を示す。１……内周芯、２……外周芯、３……シワ、４
……衿芯の衿付け側、５，６……衿芯端、７，
８，９……衿肩回りの切り込み、１０……衿芯幅
の中央、１１……補強芯、Ａ……衿肩回り。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

内周芯、該内周芯よりわずかに長尺に形成され
た外周芯、上記内周芯と外周芯の間に介在され、
かつ外周芯の衿肩回り部分に接着された補強芯の
３種の芯地で構成された長じゆばんの衿芯であつ
て、該各芯地の長さ方向の伸縮性は、内周芯と外
周芯はほぼ等しく、かつ外周芯、内周芯ともに補
強芯よりも大であり、しかも上記内周芯と外周芯
とは、衿付け側では長手方向の一方の芯端から他
方の芯端まで縫着され、衿芯幅中央では衿肩回り
部分を除く両端側部分で縫着一体化されてなるこ
とを特徴とする長じゆばんの衿芯。