JPS6137948Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は液体燃料燃焼装置に関し、特にドラフ
トチユーブ内に装着された圧力噴霧ノズルから噴
霧された燃料と送風機から送られてくる空気とを
混合せしめて燃焼させるガンタイプバーナの改良
に関する。

この種のバーナの一例を第１図に概略的に示
す。

ドラフトチユーブ１内に圧力噴霧ノズル２、ス
タビライザ３、点火プラグ４等を内装している。
燃焼用送風機５から送られてくる空気とノズル２
から噴霧される液体燃料とをスタビライザ部で混
合し燃焼させる。すなわち燃焼用空気は、スタビ
ライザ３の中央開口を通つて施回して噴霧燃料と
混合され、燃焼火炎はスタビライザ部で保炎され
る。また、ドラフトチユーブ１とスタビライザ３
との隙間を通つた二次空気が燃焼火炎部へ供給さ
れ完全燃焼する。通常、このバーナは、断熱材で
囲まれた燃焼室内に突入状態にて設けられる。

ところで、ノズル２よりも風上側の空気通路す
なわち、ドラフトチユーブ１あるいは送風筒６内
における空気の流速分布は、図中矢印で示すよう
に、上層になるにつれて小さくなつている。この
ことによつてスタビライザ３の前方に形成される
火炎は、施回流になつているにもかかわらず火炎
の上部が空気不足状態となつて赤炎ですすを発生
し易い不完全燃焼状態となる傾向がある。このた
め燃焼室あるいはこれに配設されている熱交換器
にすすが付着堆積したり、一酸化炭素を発生した
りする。この結果、高い燃焼効率が得られなくな
つたり、燃焼室を大きくしなければならない等の
欠点を有したままで使用せざるを得なかつた。

本考案は上記の如き欠点を簡単な改良を施すだ
けで解消できるようにしたものである。

本考案は、噴霧ノズルより風上側の空気通路内
であつて流速が上層になるにつれて低くなる空気
通路の下層域に、空気流に対して鈍角をなすよう
に風上側から風下側に立上げて空気偏向板を設
け、該空気偏向板の上端には空気流と平行かつ幅
方向に間隔をおいて複数の整流板を立設したこと
を特徴とする。

第２図は本考案の要部すなわち、バーナ部分の
概略構造を断面図で示す。

ここでは、圧力噴霧ノズル２より風上側の空気
通路のうちドラフトチユーブ１内の下部、すなわ
ち流速が上層になるにつれて低くなる箇所の下層
域に、空気流に対して鈍角をなすように風上側か
ら風下側に立上げて空気偏向板７を設けている。
図中、矢印はドラフトチユーブ１の入口、内部、
出口の流速分布をそれぞれ表わしている。

空気偏向板７は、第３図に詳しく示したよう
に、その上端に空気流に平行となるように幅方向
に間隔をおいて複数の整流板７１が立設されてい
る。

このような構造により、送風機５が駆動される
と、燃焼用空気は送風筒６内においては矢印で示
すような流速すなわち風量分布となる。これに対
し、ドラフトチユーブ１内においては空気偏向板
７により下層流の空気が上向きに偏向され、上層
部分ほど流速の速い流れとなつてノズル２に至
る。更に、この空気流は、ノズル２から噴霧され
た燃料とノズル２の前方で混合され、スタビライ
ザ３の中心孔より更に前方に放出される。

一方、整流板７１は、空気偏向板７の上端近傍
における空気流を整流するように作用し、スタビ
ライザの中心孔に向かう空気量の均一化を図つて
噴霧燃料との混合を一様にすることができる。

このようにドラフトチユーブ１内においては、
上方部が空気過多傾向となり、ドラフトチユーブ
１を出てから出口上方の空気は火炎が上昇するの
を抑止するように作用する。これによつて図示の
如く不向きの安定した火炎が形成される。

以上のことから、このバーナは、燃焼特性が向
上するだけでなく、ボイラや暖房機と組み合わせ
て使用する場合に、次のような効果が得られる。

１ 火炎部上方に燃焼空気が十分に供給されるの
で、全体として火炎上部が押さえられた下向き
傾向の白色火炎が形成され、火炎が長くなつた
り、上方に伸びたりしない。

２ この結果、燃焼スペースを小さくでき、ボイ
ラなどでは熱交換器を燃焼室内の低位置すなわ
ち、バーナの近くに設置してもすすが付着堆積
したりする心配が無く、完全燃焼言い換えれ
ば、燃焼効率の向上化が達成され、コストダウ
ンに寄与する。

３ ドラフトチユーブ、スタビライザ等の構造は
そのままで、形状の簡単な空気偏向板を設ける
だけの改良で、燃焼用空気の流れ、火炎の形状
が制御できる。

このような理由で性能面だけでなく、設計面か
ら見ても優れたバーナを提供することができる。

なお空気偏向板の設置位置は、ドラフトチユー
ブ１内に限らず排気筒６内であつてもその効果は
ほとんど変らない。

以上説明してきたように、本考案による燃焼器
は、数多くの利点を有し、バーナの構成が簡単で
小形給湯機から大形ボイラ、各種暖房機用の燃焼
器として有用であり、特に燃焼用スペースの小さ
い高燃焼負荷のものにその威力を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のガンタイプバーナの概略構造を
断面図で示し、第２図は本考案の一実施例の要部
すなわち、バーナ部の概略構造を断面図で示し、
第３図は第２図における空気偏向板の形状を斜視
図で示す。 図中、１はドラフトチユーブ、２は圧力噴霧ノ
ズル、３はスタビライザ、４は点火プラグ、５は
送風機、６は送風筒、７は空気偏向板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドラフトチユーブ内に装着された圧力噴霧ノズ
   ルから噴霧された燃料と送風機から前記ドラフト
   チユーブを通して送られてくる空気とを混合せし
   めて燃焼させるガンタイプバーナにおいて、前記
   圧力噴霧ノズルより風上側の空気通路内であつて
   流速が上層になるにつれて低くなる空気通路の下
   層域に、空気流に対して鈍角をなすように風上側
   から風下側に立上げて空気偏向板を設け、該空気
   偏向板の上端には空気流と平行かつ幅方向に間隔
   をおいて複数の整流板を立設したことを特徴とす
   る液体燃料燃焼装置。