JPS6137780Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、エンジン排気中の未燃成分を触媒
を用いて再燃焼させて排気の浄化を図る一方、こ
の再燃焼によつて一層高温となつた排気から効率
よく熱回収を行うようにした触媒型マフラーに関
するものであつて、製作加工及び組立の容易化を
図るとともに触媒交換等のメインテナンスも簡単
に行うことのできるマフラーを提供することを目
的とする。

以下この考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図はエンジンを動力源及び熱源としたヒー
トポンプシステムの概略系統図であつて、エンジ
ン１によつて冷房系２の冷媒コンプレツサ３を駆
動するとともに、エンジン冷却水を暖房用並びに
給湯用の貯湯槽４に導いて熱交換し、又、エンジ
ン排気を触媒マフラー５で再燃焼処理するととも
に、エンジン冷却水をマフラー５に導いて排熱回
収するよう構成されている。

マフラー５は、中空の略箱形に構成された本体
ケース６とこれに内装される再燃焼ケース７と、
排熱回収用のエンジン冷却水を導通させる導通管
８ａ…８ｂ…群からなる。本体ケース６は断熱材
９を充填した二重壁断熱構造に構成さるととも
に、上下の二つ割り構造となつている。そして上
部分割ケース６ａの上面にはステンレス鋼のフラ
ンジ付き排気導入パイプ１０が内方突出状態で溶
接固定され、下部分割ケース６ｂの側面には排気
導出パイプ１１が設けられている。

再燃焼ケース７は両端を開放したステンレス鋼
の円筒で構成され、その内部に左右振分けた触媒
１２，１２が充填装備されるとともに、左右中央
の上面には同じくステンレス鋼からなる排気流入
パイプ１３が溶接固定して突設されていて、中央
に流入した排気を左右に分岐させて夫々触媒１
２，１２を通して再燃焼させたのち左右両端開口
部より排出するようになつている。そして、この
パイプ１３の孔が奥狭まりのテーパー孔に構成さ
れるとともに、分岐ケース６ａの排気導入パイプ
１０の内方突出端の外周が、このテーパー孔に嵌
入する先細りのテーパー面に構成されていて、両
パイプ１０，１３が上下に密着嵌入連結されるよ
うになつている。

上下分割ケース６ａ，６ｂの全周に設けたフラ
ンジ連結部には、ガスケツト１４，１５を介して
仕切り板１６が共締め挟持されており、この仕切
り板１６によつて本体ケース６の内部が上下の区
画室１７ａ，１７ｂに仕切られている。又、この
仕切り板１６の中央部には樋状の凹入部が形成さ
れていて、この凹入部１８に再燃焼ケース７が安
定的に係入支持され、この、ケース７の一端（図
では右端）から出た再燃焼排気は上部の区画室１
７ａに入つたのち仕切り板１６に設けた連通孔１
９…を通つて下部区画室１７ｂに流入し、又、再
燃焼ケース７の他端から出た再燃焼排気はその一
部が上部区画室１７ａに流入するとともに、一部
が凹入部１８の側壁に設けた連通孔２０…を通し
て下部区画室１７ｂに流入し、最終的には全排気
が下部区画室１７ｂに集められて排気導出パイプ
１１を経て排出されるようになつている。

そして、上下の区画室１７ａ，１７ｂの夫々に
おいて、分割ケース６ａ，６ｂの側壁に再燃焼ケ
ース７を囲むようにＵ字状に配管した導通管群８
ａ，…８ｂ…で熱交換が行われ、流入側集管部材
２１ａ，２１ｂを経て流入したエンジン冷却水が
高温水となつて流出側集管部材２２ａ，２２ｂを
通して取出されるようになつている。

本考案は以上のように構成したので次のような
効果が得られる。

本体ケースを分割型とし、且つこの分割ケー
スの間に別体構造の再燃焼ケースを挟持状態で
支持するようにしたので、組付分割が容易で、
触媒の交換等のメインテナンスが極めて簡単に
行える。

しかも再燃焼ケースの排気流入パイプと本体
ケースの排気導入パイプとをテーパー嵌合によ
る差込み連結構造としたので、上記のように組
付分解が容易でありながらその連結が確実であ
る。

パイプ連結を溶接でなく差込み連結としたの
で、全体を同材質にしなくてもよく、例えば高
熱部のみをステンレス鋼で構成して他を鉄板に
しておくようなことも可能となり、全体を高価
な材質で製作するのに比較して安価に構成でき
る。

本体ケース内を仕切り板で区画して再燃焼排
気を流動させるようにし、各区画室に排熱回収
用液体の導通管群を配備したので、排気の短絡
流出がなく、各区画室ごとに効率よく熱回収が
できる。

そして、この仕切り板を再燃焼ケースの支持
体として利用したので、再燃焼ケースの専用支
持部材が不要となり、構造の簡素化を図り得
た。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図はエン
ジンを用いたヒートポンプシステムの概略系統
図、第２図はマフラーの縦断側面図、第３図及び
第４図は夫々第２図におけるＡ−Ａ断面図及びＢ
−Ｂ断面図、第５図は分解斜視図である。 ６……本体ケース、６ａ，６ｂ……分割ケー
ス、７……再燃焼ケース、８ａ，８ｂ……導通
管、１０……排気導入パイプ、１２……触媒、１
３……排気流入パイプ、１６……仕切板、１７
ａ，１７ｂ……区画室、１８……凹入部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 断熱構造の本体ケース６を二つ割りに構成
   し、一方の分割ケース６ａに分割方向に開口す
   る排気導入パイプ１０を取付け、本体ケース６
   の内部には触媒１２を充填した再燃焼ケース７
   を収容し、このケース７の側面に設けた排気流
   入パイプ１３と前記排気導入パイプ１０とをテ
   ーパー嵌合構造で差込み連結し、且つ本体ケー
   ス６の内部を両分割ケース６ａ、６ｂの接合部
   で挟持した仕切板１６で２個の区画室１７ａ，
   １７ｂに区画し、各区画室１７ａ，１７ｂに再
   燃焼ケース７から排出された燃焼ガスを導くよ
   う構成し、各分割ケース６ａ，６ｂに各区画室
   １７ａ，１７ｂの燃焼ガスと熱交換する排熱回
   収液体の導通管８ａ，８ｂを取付け、仕切板１
   ６の中央には再燃焼ケース７を受止め支持する
   凹入部１８を形成してあることを特徴とするエ
   ンジンの熱交換型触媒マフラー。 ２ 排気導入パイプ１０と再燃焼ケース７及びこ
   れに設けた排気流入パイプ１３のみをステンレ
   ス鋼で構成してある実用新案登録請求の範囲第
   １項に記載したマフラー。