JPS6136661Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、カーテンウオール工法における笠木
の等圧構造に関する。

カーテンウオール工法における構造において、
笠木の目地部は注意を要する個所である。それ
は、目地部材に損傷が生ずると、笠木と無目の中
空部に雨水等が浸入して溜つてしまうからであ
る。その原因の一つとして笠木と無目との中空部
が密閉された状態から、目地部材の経年変化等に
より欠陥が発生すると外部を無目間に気圧差が生
じ、雨水が浸入してしまう結果となる。

そこで近時、笠木と無目との間に受水板を設
け、この受水板に通孔をあけ、笠木と受水板と無
目とを連通させ、無目に設けた穴によつて笠木と
無目との間の中空部が外気と等圧となるようにす
ると共に浸入してきた雨水をその穴から排出する
構造のものがあるが、これによると、笠木の全長
に亘つて等気圧構造としているために雨水が流れ
る部分が多くしかも材料が長尺になる欠点を有し
ている。

本考案は上記の欠点を解決することを目的と
し、笠木の目地部の無目と方立との接合部に気密
材を兼ねる補助材を設置することにより、目地部
に中空部を形成し、この中空部に方立より外気を
導入して等圧構造としたことを特徴とする。

本考案の一実施例を図面に従つて説明する。

第１図は補助板１の底面斜視図であり、底板２
を有する大略扁平の立方体であつて、前部が多少
上方に曲折しており、上端周囲には第２図に示す
如く内側に向けて縁３が形成してある。さらに、
底板２の一端には中空部４を形成するように段状
の突縁５を有する枠体６が２枚対向して固着され
て係合体７を形成し、この中空部４に該当する個
所の底板２に通孔８が設けてある。９は側板１０
に取付けた係止片であり係止孔１１を有してい
る。１２は係合舌片であつて底板２後端に固着し
ていて係合孔１３を有している。

以上の構成を有する補助板１を第２図〜第４図
に示す如く笠木１４の目地部１５の目地部材１６
の下方に位置するようにし、無目１７を貫通して
いる方立１８の上端開口に上記係合体７を挿着
し、その際に気密材１９を突縁５間に装着してお
き、方立１８内面に密着係止し、係止片９を係止
穴１１によつて無目１７にネジで固定し、係合舌
片１２はフラツシング２０に係合孔１３にネジで
固定する。

このように固定した補助板１の上面に縁３に気
密材２１を介して笠木１４の端部下面を密着さ
せ、目地部１５に目地部材１６をつめて完成させ
る。

図面中２２は方立１８に設けた外気導入孔、２
３は圧力調整孔である。

以上の構成による本考案によると、笠木１４の
目地部１５の直下に補助板１を配置し、この補助
板１に設けた通孔８を方立１８に連通したことに
より、笠木１４と無目１７との間の中空部２４は
方立１８より外気を導入することができるために
外気と等圧構造となる。

このような構成、作用を有する本考案による
と、笠木の目地部の中空部に外気との気圧差が生
じることがないために雨水が浸入することがな
く、また目地部材の損傷等によつて雨水が浸入し
てもその水は補助板に入り、通孔を通つて方立内
に流れるために常に水は排出されてしまい、中空
部内に溜つていることが無い。

また、補助板は目地部を含んだ狭い範囲に該当
する程度の大きさでよいために、少ない材料で排
水効果が得られると共に補助板の取付作業が極め
て容易であり施工も有利となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は補助板の底面斜視図、第２図は補助板
の取付状態を示す一部破断斜視図、第３図は取付
状態を示す側面図、第４図は第３図−線断面
図である。 １……補助板、２……底板、３……縁、４……
中空部、７……係合体、８……通孔、１４……笠
木、１７……無目、１８……方立。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底板を有する大略扁平の立方体で、上端周囲の
   内側には縁を形成し、底板前部に通孔を設け、こ
   の通孔に連通する中空部を有する係合体を底板下
   面に突設して補助板とし、この補助板の係合体を
   方立の上端開口に密着挿入して取付け、縁の上面
   に気密材を介して笠木の端部下面を密着させて全
   一体としたことを特徴とするカーテンウオール工
   法における笠木の等圧構造。