JPS6136422Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は積荷木材と荷台との干渉が少ないと
ともに、ウインチ性能、けん引性能の良い運搬車
の荷台後部構造に関するものである。

林業用運搬車では木材等のけん引にターンテー
ブルを使用する場合がある。

すなわち、木材の下端を接地させる一方、上端
付近をこのターンテーブル上に乗せ、下端を引き
ずりながらけん引するのである。したがつてあま
り短かい木材をこのようなけん引姿勢にすると、
木材と荷台とが干渉し、良好なけん引ができなく
なる。さらに直行の場合は干渉しなくても、回行
の際はターンテーブルが回動し、ターンテーブル
と荷台後端との長さが長くなる関係上、干渉して
走行不能になる場合等があつた。

そこで、この考案はターンテーブルを荷台後部
から中央部分のみ延長した部分に設置するととも
に、この延長部分中、ターンテーブルを設置する
個所より後方は一段と低段にすることで、ターン
テーブルを荷台の最後部に設置すると同様の効果
を奏し、木材との干渉を極力減らすとともに、併
せてウインチ性能、けん引性能の向上を図つたも
のである。

以下、この考案の具体的な実施例を図面を参照
して説明する。

第１図および第２図はこの考案が実施された運
搬車のそれぞれ側面図および平面図であるが、ま
ず運搬車の一般的構成は次るようになつている。

運搬車は平板状の荷台１のほぼ中央部を上下に
仕切る仕切板２を境として、前方を操縦部Ａ、後
方を荷台部Ｂ、そして仕切板２の下方を走行部Ｃ
としている。

操縦部Ａには動力源たるエンジン３、運転者が
座るシート４、さらに各種の操作レバー５等が配
備されている。

荷台部Ｂには平板状の荷台１が構成されている
他、後記するターンテーブル６が装備されている
とともに、その後部構造も後記のような構成にな
つている。

走行部Ｃには前方に駆動輪７、後方に受動輪８
がそれぞれ配備されているとともに、これらにク
ローラ９が巻き掛けられており、その中央あたり
にウインチ１０を有している。

このような構成でエンジン３の動力はミツシヨ
ン１１を経由して駆動輪７に伝達されるのであ
る。

またウインチ１０から巻き出されるロープ１２
は仕切板２の上部に設けられるアイドラ１３によ
つて後方に方向転換され、ウインチ作業に供され
る。

ところで、この考案は荷台１の後端から両側部
分は空間のままで中央部分のみ延長突出させ、こ
の突出部分１４の前方部位１４ａに前記のターン
テーブル６を設置するのである。

第３図および第４図はこの考案を実施した運搬
車の荷台１の後部の一部断面側面図および平面図
であるが、ターンテーブル６の構造は次のように
なつている。

ターンテーブル６は下盤１５と上杆１６の嵌合
的組み合わせからなつており、下盤１５は円盤状
の盤体１５ａの中心に縦に装着筒１５ｂが形成さ
れたものであり、これをまず前記突出部分１４の
前方部位１４ａの取付座１７に取り付け、次いで
上杆１６のうち、左右に杆体が伸びる支持杆１６
ａの中心に同じく縦に前記装着筒１５ｂに挿入さ
れるよう形成された挿通シヤフト１６ｂを挿通し
てセツトする。

突出部分１４のターンテーブル６が設置される
前方部位１４ａより後方部位１４ｂはターンテー
ブル６の取付座１７よりも一段と低段になつてい
る他、その最後部に突出部分１４を構成する両側
板１８，１８間を連結する渡し杆１９が存在する
他は空間２０の状態にしておく。

次に、渡し杆１９の後面にウインチ繰り出し用
のロープ１２のガイドローラ２１，２１およびヒ
ツチ体２２等が装着できる形態にしておく、すな
わち渡し杆１９に前後に孔をあけ、この孔に挿通
される締結具２３，２３によつて締着される平面
視コ字状の本体２４を設け、この本体２４に前記
ガイドローラ２１，２１を取付シヤフト２５，２
５によつて縦２筒型に取り付けるとともに、棒状
のヒツチ体２２をこの本体２４に縦または横にし
て固着しておく。

このように構成しておくことで、ウインチ１０
からロープ１２を下出しするとき、このガイドロ
ーラ２１，２１を通して後方に延伸でき、さらに
けん引するとき、その係脱具２６をこのヒツチ体
２２に係着すればけん引できる。

以上、この考案は運搬車の荷台１の後端から突
出部分１４を両側部分は空間のままで中央部分の
み延長して設け、この突出部分１４の前方部位１
４ａにターンテーブル６を設置するとともに、突
出部分１４中、ターンテーブル６から後方部位１
４ｂはターンテーブル６の取付座１７よりも低段
に形成し、かつ最後部に前記突出部分１４を構成
する両側板１８，１８間に渡し杆１９を設ける他
は空間２０の状態にしたことを特徴とするもので
ある。

したがつて、まず荷台１の後端から突出部分１
４を設け、しかもこの突出部分１４は両側部分は
空間のままで中央部分のみを延長したものであ
り、この突出部分１４の前方部位１４ａにターン
テーブル６を設置し、これにより後方部位１４ｂ
はその取付座１７よりも低段に形成したことによ
り、ターンテーブル６を荷台１の最後部に設置し
たと同様な効果があり、荷台１と木材２７の干渉
が少ない。すなわち第１図から明らかなように、
本来干渉すべきが、この低段によつて避けられ、
干渉せず、その最大傾斜角度θが非常に大きくと
れる。そしてこの場合回行する際であつても、タ
ーンテーブル６が位置する両側部分は空間である
から、回行時における対荷台１の後端までの長さ
はそれ程変わらず、干渉事体がますます少ないこ
とになる。

次に、突出部分１４の最後部に渡し杆１９を設
け、この渡し杆１９にガイドローラ２１，２１や
ヒツチ体２２を装着できる形態にしたことによ
り、用途がますます拡大する。すなわちウインチ
１０のロープ１２の下出しが可能になる上、ヒツ
チ体２２によるけん引もできる。そしてこの場
合、突出部分１４の低段部分によるものであるか
ら、けん引点が下がり、ウインチ性能、けん引性
能とも増す。また渡し杆１９は突出部分１４の両
側板１８，１８間一杯に掛け渡してあるものであ
るから、相当巾広利用でき、前記のガイドローラ
２１，２１等の取り付け位置を変えたり、その他
のアタツチメント類も装設できる。

さらに突出部分１４は両側板１８，１８とこの
渡し杆１９とで閉じた形態をしており、強度的に
何んら劣るものでない等の種々優れた効果が期待
できるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図はこの考案に係る荷台後部構造
を具備した運搬車のそれぞれ側面図、平面図、第
３図、第４図は第１図、第２図の要部の同じく側
面図、平面図である。 符号、１……荷台、６……ターンテーブル、１
４……突出部分、１４ａ……突出部分の前方部
位、１４ｂ……突出部分の後方部位、１７……タ
ーンテーブルの取付座、１８……突出部分の側
板、１９……渡し杆、２０……空間、１２……ウ
インチロープ、２１……ガイドローラ、２２……
ヒツチ体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 運搬車の荷台後端から突出部分を両側部分は
   空間のままで、中央部分のみ延長して設け、こ
   の突出部分の前方部位にターンテーブルを配置
   するとともに、突出部分中、ターンテーブルか
   ら後方部位はターンテーブル取付座よりも低段
   に形成し、かつ最後部に前記突出部分を構成す
   る両側板間に渡し杆を設ける他は空間の状態と
   したことを特徴とする運搬車の荷台後部構造。 実用新案登録請求の範囲第項記載の渡し杆
   がウインチロープ繰り出し用のガイドローラお
   よびヒツチ体が装着可能な形状に形成されるこ
   とを特徴とする運搬車の荷台後部構造。