JPS6135933Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は互いに絡み易い被計量物の計量装置
に於ける定量取り出し装置に関するもので、特に
きぬさやの如く絡み易く、すべりも悪く、然も弾
力性のある農産物に適用して効果大なるものであ
る。

一般に大量計量及び補正計量に於いて、計量精
度を高める要点として絶対視されるのが計量ホツ
パーに被計量物を供給する定量取り出し装置の搬
送コンベア上にある被計量物の整列度合と流量密
度の均一性である。何故なら一段計量の結果の後
に補正投入される被計量物の秤量が直接に計量精
度を決定し、上記従来の計量機であると整列に不
向きな形状、大きさや単重に差のある被計量物の
場合、補正計量時に被計量物を定量だけ取り出す
ことが困難であり精度的には余り期待できなかつ
た。そこで上記した被計量物を高精度に計量可能
としたのが、本出願人がすでに提案している特公
昭54−14946号の重量組合せ計量機である。この
重量組合せ計量機の場合、例えば10台の自動計量
機で構成される重量組合せ計量機であれば、定量
取り出し装置によつて各自動計量機に供給する被
計量物は、秤量の1/3〜1/7であり、従来の計量方
式に較べ各自動計量機に供給する被計量物の量は
はるかに広い許容範囲を有する。しかしながら、
この重量組合せ計量機を用いても、きぬさやの如
く絡み易く、すべりも悪く、然も、弾力性のある
特殊な農産物（以下きぬさやと略す）を連続して
高精度に重量組合せ計量を行うことは困難であ
る。何故なら従来の定量取り出し装置であると、
各々の自動計量機に上述の秤量範囲を逸脱するこ
となくきぬさやを供給ホツパーより定量取り出し
て、これを各自動計量機に定量送りすることが困
難なるためである。

そこで従来の定量取り出し装置を用いてきぬさ
やを各自動計量機に定量送りする場合の問題点に
ついて述べる。

第１図は被計量物を撹拌する垂直揺動板１を供
給ホツパー２の中央部に設け、垂直面を基準とし
て左右に各々略45゜揺動運動を行なわせるように
した従来の定量取り出し装置である。しかしこの
定量取り出し装置であると垂直揺動板１の最上部
にきぬさやがぶら下がり、これが揺動運動ととも
に助長し、供給ホツパー２の側壁に取り付けたレ
ベル検出用光電管３，３のレベル制御を不可能に
してしまい、このため必要量のきぬさやが供給ホ
ツパー２に供給されなくなる。一方、供給ホツパ
ー２の底部のきぬさやは垂直揺動板１によつて供
給ホツパー２の側壁に必要以上押えつけられ、こ
のため出口ゲート４，４付近の密度が高くなり、
きぬさやがコンベアー５，５によつて送り出され
る時、傷つけられると共に出口ゲート４，４を出
てからも絡み合つたままであり、この結果きぬさ
やを定量送りすることが困難である。

即ち、従来の定量取り出し装置は、供給ホツパ
ー２の中央部に、垂直面を基準として左右に45゜
揺動運動する垂直揺動板１を取付けた構造であ
り、かつ、コンベアー５，５はフラツトであつた
ため、絡みやすい被計量物の定量取り出しに支障
があつた。

また、電磁フイーダーを用いた別の従来の定量
取り出し装置では、時間規制及び振巾規制を行な
つてもきぬさや等の特殊な農産物では振動を吸収
してしまい効果がなく定量送りは困難である。

この考案は重量組合せ計量機の各自動計量機に
きぬさやを定量送りする上述した従来の定量取り
出し装置の問題点に鑑み、これを改良除去したも
ので以下この考案の構成を図面について説明する
と次の通りである。

第２図に於いて６はきぬさやの供給ホツパー、
７は供給ホツパー６の開口上部に搬出端を設けた
きぬさやの供給コンベアー、８，８は供給ホツパ
ー６の側壁上部に取り付けたレベル規制光電管
で、供給コンベアー７の動作を規制することによ
つて供給ホツパー６へのきぬさやの供給量を一定
に保つ。９，９は低摩擦のテフロン製又はテフロ
ンコーテイングした板で形成した出口ゲートで供
給ホツパー６の底部に開口断面を調整可能に対面
して取り付ける。１０，１０は互いに近接する一
端を供給ホツパー６の底部の略中央部に配設し、
搬出端を出口ゲート９，９より外方に配設した設
定時間だけ互いに反対方向に走行する搬送用コン
ベアーで、例えばチエーンコンベアーを用いる。
このコンベアー１０，１０上に一定間隔をおいて
きぬさやの案内突起１１を固着する。１２は隣接
するコンベアー１０，１０の隣接端の間の上部に
設けたきぬさやの落込み防止板、１３は供給ホツ
パー６の側壁の略中央部に取り付けた枢軸、１４
は枢軸に揺動可能に枢着した水平揺動板である。
この水平揺動板１４を設定時間だけ水平面に対し
上下各々略45゜の範囲で揺動運動を行なうように
し、且つ、水平揺動板１４の先端部の上昇位置を
レベル規制光電管８，８によつて定めたレベルよ
り低く、また下降位置をコンベアー１０，１０の
搬送面と所定の間隔が空くように枢軸１３に枢着
する。１５，１５は出口ゲート９，９より外方に
あるコンベアー１０，１０の搬出端の下方に開口
を設置した互いに対面するプールホツパーで、き
ぬさやの秤量の1/3〜1/7を一時収納する。１６，
１６は上記プールホツパー１５，１５よりきぬさ
やの供給を受け、これを計量する互いに対面した
自動計量機であり、１６′，１６′は計量ホツパー
である。

上述した第２図の構成即ち、１つの供給ホツパ
ー６に対して、コンベアー１０、プールホツパー
１５、計量ホツパー１６′及び自動計量機１６を
２つずつ対応ずけた構成を計量機構の一単位とし
て、例えば第２図の図面上で紙面に直交する方向
に５単位を直列に配設させれば、10台の自動計量
機からなる重量組合せ計量機を構成することがで
きる。１７は組合せ計量機の各々の自動計量機の
計量ホツパーから排出されるきぬさやを集合する
集合シユート、１８は集合シユート１７の底部に
設けた集合ホツパー、１９はベルトコンベアー、
２０はベルトコンベアー１９上に載置したきぬさ
やの収納箱である。

尚、水平揺動板１４の揺動運動、コンベアー１
０，１０の動作及びプールホツパー１５，１５の
開閉蓋の開閉動作は各々計量機構の計量ホツパー
の排出信号によつて、即ち、重量組合せ計量機の
各々の自動計量機の計量重量を演算回路で演算
し、組合せ選択された自動計量機の計量ホツパー
１６′の排出信号によつて規制する。ただし揺動
板１４については、きぬさやを撹拌し過ぎること
のない様にタイマー設定時間だけ揺動運動を行な
わせるようにし、一方、集合ホツパー１８の開閉
蓋の開閉動作は収納箱２０が集合ホツパー１８の
下部に到達した信号でもつて行なわせる。

以上説明した構成からなるこの考案のきぬさや
の定量取り出し装置の作用について説明する。先
ず、被計量物であるきぬさやを供給コンベアー７
によつて供給ホツパー６内に供給する。きぬさや
の供給はレベル規制光電管８，８に規制された水
準を維持するようにして行う。つづいて、水平揺
動板１４が水平面を基準として上下に略45゜の範
囲で揺動運動を行う。この時、水平揺動板１４は
下降する側ではきぬさやを強く供給ホツパー６の
側壁に押圧することなく若干コンベアー１０，１
０の搬送面に押え、また上昇する側では片側に片
寄ることなくさばき、こうしてきぬさやを供給ホ
ツパー６の底部に密度を均一にして分布させる。
この揺動運動は計量ホツパー１６′，１６′の排出
信号が出てから設定時間内だけ行なわせるように
し、きぬさやが傷つけ合いまた過密に分布するの
を防ぐ。以上のようにして供給ホツパー６の底部
に均一に分布したきぬさやを互いに反対方向に走
行するコンベアー１０，１０に載置して、コンベ
アー１０，１０を一定時間だけ作動させる。この
時、きぬさやをコンベアー１０，１０に設けた案
内突起１１によつて滑べることなく所定の開口断
面の出口ゲート９，９を介し、整列度合と密度を
均一にしてプールホツパー１５，１５に定量送り
する。即ち、供給ホツパー６より秤量の1/3〜1/7
を重量組合せ計量機の各々のプールホツパーに定
量取り出しを行い、これを各々の自動計量機１
６，１６の計量ホツパー１６′，１６′に投入す
る。引き続いて、空になつた各々のプールホツパ
ー１５，１５へは上述した方法できぬさやを定量
送りしておき、次回の計量ホツパー１６′，１
６′への投入に備える。ここで各々の自動計量機
１６，１６により内容重量を検知し、この重量値
を演算回路で演算し計量設定値に同じか、一番近
い（＋）目の値になるよう各内容重量の組合せ選
択を行い、選択された自動計量機の計量ホツパー
１６′，１６′の開閉蓋を開け、内部のきぬさやを
排出する。排出されたきぬさやは、集合シユート
１７を介して集合ホツパー１８に集め、収納箱２
０が集合ホツパー１８の下部に到達したとき、そ
の開閉蓋を開きベルトコンベアー１９上の収納箱
２０に投下収納する。一方、選択された各々の自
動計量機に属するプールホツパー１５，１５は、
該自動計量機の計量ホツパー１６′，１６の排出
信号を受け、きぬさやをこの計量ホツパーに投下
した後プールホツパー１５，１５の開閉蓋を閉じ
る。この直後、前記のプールホツパーに属する水
平揺動板とコンベアーが上述した方法で動作し、
再びプールホツパーにきぬさやを定量送りし、以
下同様にしてきぬさやの重量組合せ計量を連続し
て行う。

尚、実施例では供給ホツパー６へのきぬさやの
供給をレベル規制光電管８，８と、これによつて
動作を規制される供給コンベアー７とを用いて行
なうようにしたが、これらを用いずに手供給でも
つて行うようにしてもよい。

また、被計量物によつてはプールホツパー１
５，１５を省略でき、或いはプールホツパーの代
りにコンベアー１０，１０の各搬出端に計量ホツ
パーからの排出信号によつて開閉動作をするシヤ
ツターを設けてもよい。

更に、重量組合せ演算の結果、選択されたきぬ
さやは集合シユート１７を介して集合ホツパー１
８に集め、ベルトコンベアー１９上の収納箱２０
に収納するようにしたが、集合ホツパー１８から
包装機へ直接排出するようにすることもできる。

以上説明したようにこの考案は、二列対面する
ようにして配設した多数のの自動計量機で形成さ
れる重量組合せ計量機に於いて、各々対面する自
動計量機の供給ホツパーの略中央部の側壁に取り
付けた設定時間だけ水平面を基準にして上下に略
45゜の範囲で水平揺動運動を行う水平揺動板と、
互いに一端を供給ホツパーの底部の略中央部に近
接配設し、搬出端を供給ホツパーの底部両側壁よ
り外方に配設し而も設定時間だけ水平揺動板の枢
軸に直交する水平方向外方に向けて走行駆動さ
れ、搬送面に被計量物の案内突起を等間隔に設け
た互いに対面するコンベアーとからなり、重量組
合せ演算の結果選択された各々の自動計量機の計
量ホツパーの排出信号によつて、前記水平揺動板
の水平揺動運動と前記コンベアーの動作を順次に
行なわせ被計量物を前記演算の結果選択された
各々の自動計量機の計量ホツパーに供給するよう
にした互いに絡み易い被計量物の定量取り出し装
置としたから、供給ホツパー内にあるきぬさやの
如く滑りも悪く、絡み易く而も、弾力のある特殊
な農産物を水平揺動板の水平揺動運動により、こ
の水平揺動板の下降する側では被計量物を押圧す
ることなく若干コンベアーの搬送面に押えまた、
上昇する側では絡んで架橋した被計量物をさば
き、片側だけに片寄ることなく供給ホツパーの底
部に均一の密度をもつて分布させることが可能で
ある。この分布状態は水平揺動板の水平揺動運動
を計量ホツパーの排出信号が出てから所定時間内
だけ行なわせるようにしたから一層均一化するこ
とが可能である。また従来の定量送り出し装置の
如く、水平揺動板の押圧力が供給ホツパーの側壁
に向うことがないので被計量物を必要以上に供給
ホツパーの側壁に押え付けることがなく、従つて
コンベアーで搬送時、団子状態になつて出口ゲー
トで傷つくこともなく、また出口ゲートを出てか
らも絡み合うことがない。然も均一に分布した被
計量物をコンベアーに載置して案内突起によつて
滑ることなく、途中、所定の開口断面を有する出
口ゲートを介して被計量物を所定の整列度合にし
た後プールホツパー又は直接計量ホツパーに搬送
するようにし、またこの搬送を計量ホツパーの排
出信号を受けてから所定時間内だけ行なわせるよ
うにしたから定量の被計量物を計量ホツパーに搬
送することが可能である。この結果重量組合せ計
量機の各々の自動計量機に計量範囲内の被計量物
を供給ホツパーより定量取り出しができ、この考
案の定量取り出し装置を用いることによつてきぬ
さやの如く滑りも悪く絡み易く而も弾力のある特
殊な農産物を連続して重量組合せ計量を行うこと
が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来より用いられている計量機の定量
取り出し装置の正面図、第２図はこの考案による
定量取り出し装置の実施例を示す正面図である。 ６……供給ホツパー、９……出口ゲート、１０
……チエーンコンベアー、１１……案内突起、１
４……水平揺動板、１５……プールホツパー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 二列対面するようにして配設した多数の自動計
   量機で形成される重量組合せ計量機に於いて、
   各々対面する自動計量機の供給ホツパーの略中央
   部の側壁に取り付けた設定時間内だけ水平面を基
   準として上下に略45゜の範囲で水平揺動運動を行
   う水平揺動板と、互いに一端を供給ホツパーの底
   部の略中央部に近接配設し、搬出端を供給ホツパ
   ーの底部両側壁より外方に配設し而も設定時間だ
   け水平揺動板の枢軸に直交する水平方向外方に向
   けて走行駆動され、搬送面に被計量物の案内突起
   を等間隔に設けた互いに対面するコンベアーとか
   らなり、重量組合せ演算の結果選択された各々の
   自動計量機の計量ホツパーの排出信号によつて、
   前記水平揺動板の水平揺動運動と前記コンベアー
   の走行動作を行なわせ被計量物を前記演算の結果
   選択された各々の自動計量機の計量ホツパーに供
   給するようにした互いに絡み易い被計量物の計量
   装置に於ける定量取り出し装置。