JPS6135150Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は調理具に対する把手の取付装置に関す
る。

従来、この種の把手取付装置は、第１図に示す
ように、調理具１の外周面に螺合ボス２を突設し
た把手取付金具３を固定し（溶接又はリベツト止
め）、該取付金具３を覆う把手４の軸心貫通孔５
に挿入したボルト６を上記螺合ボス２に螺合結合
していた。

したがつて、ボルト６を螺合ボス２に螺合する
ため、把手４の形状が直線状のものに制約されて
しまい、またボルト６の頭が外部からみえる等、
把手の形状に伴う使い勝手及び意匠的に悪影響を
及ぼしていた。

本考案は、上記の点に鑑み、ボルト等の緊締具
を使用することなく把手を取付けることを技術的
課題とし、その主要な構成は次の点にある。

(a) 調理具の外周面に固定した把手取付金具の一
対の支持腕下面に切欠凹部を形成したこと。

(b) 把手の端面より内方に上記取付金具を嵌入す
る段付き凹部を形成したこと。

(c) 上記の各支持腕に形成の切欠凹部と上記把手
の凹部内壁に夫々弾発的に係止する弾性係止体
を備えたこと。

次に、本考案の一実施例を図面により説明す
る。

第２図において、７は調理具にして、該調理具
７の外周面には一対の支持腕８ａを有する把手取
付金具８が溶接、リベツト止め等により固定され
ている。

而して、各支持腕８ａには、放熱孔８ａ１が設
けられると共に、上面に突条８ａ２，８ａ３が形
成され、該突条８ａ３より下方へ連続して弧面８
ａ４が、該弧面８ａ４に連続して切欠凹部８ａ５
が夫々形成されている。

第３図Ａ，Ｂにおいて、９は把手にして、該把
手９の端面より内方には上記把手取付金具８を嵌
入する凹部９ａと該凹部９ａより巾広の凹部９ｂ
が連続形成され（段付き凹部と総称する）、該凹
部９ａ，９ｂの連接段部９ｃは後述する弾性係止
体の係止面を形成し、該連接段部９ｃの下方には
放熱孔９ｄが設けられている。

第４図は上記把手取付金具８に把手９を取付け
る弾性係止体１０を示し、該係止体１０は、連結
部１０ａと、該連結部１０ａの両端を同方向平行
に折曲形成した一対の腕部１０ｂと、該各腕部１
０ｂの先端を連結部１０ａの方向に平行してほぼ
Ｖ字状に折曲形成した先端部１０ｃとから成り、
一本の鋼線より構成されている。

なお、連結部１０ａの長さは各支持腕８ａの外
側面間隔より若干大きく設定されている。

次に、調理具７に把手９を取付ける工程につい
て説明する。

(a) 把手９の段付き凹部（凹部９ａ，９ｂ）内に
弾性係止体１０を収納する（第５図Ａ参照）。

(b) 把手９の段付き凹部内に調理具７に固定され
ている把手取付金具８を嵌入するように差込
む。

而してこの際、 (イ) 係止体１０の連結部１０ａの両端部は各支
持腕８ａの弧面８ａ４を摺動し、連結部１０
ａは下方へ弾性変形する（第５図Ｂ参照）。

(ロ) 次いで、連結部１０ａの両端部は切欠凹部
８ａ５に達し、第６図に示すように、弾性復
元力により切欠凹部８ａ５の一側面と把手９
の連接段部９ｃとの間に嵌入する。

(ハ) 上記(ロ)の状態で把手９の端面は調理具７の
外周面に密着する。

以上のようにして取付けられた把手９は、第６
図に示すように、係止体１０の連結部１０ａの両
端部が各支持腕８ａの切欠凹部８ａ５の一側面と
把手９の連接段部９ｃとの間に、係止体１０の各
腕部１０ｂと先端部１０ｃとの連接折曲部が段付
き凹部９ｂの内壁上面隅角部に、また係止体１０
の先端部１０ｃの端部が凹部９ｂの内壁下面に
夫々弾発的に係止された状態となつている。

したがつて、把手９に引抜き方向の外力が作用
すると、把手９の凹部９ａと９ｂとの連接段部９
ｃが係止体１０の連結部１０ａの両端部を押圧す
るが（第３図、第６図参照）、該連結部１０ａは
固定の支持腕８ａの切欠凹部８ａ５内に嵌入して
いるので、把手９の動きを阻止し、把手９が脱れ
ることはない。

また、把手９の端面が調理具７の外周面に密着
し、かつ係止体１０の弾発係止作用により、把手
９が上下、左右にガタ付くこともない。

なお、各支持腕８ａの上面に突設された突条８
ａ２，８ａ３は把手９の凹部９ｂの内壁上面との
接触点を少なくして、調理具７の使用中における
調理具７から把手取付金具８を通じての把手９へ
の熱伝導を小さくし、また把手９に設けた放熱孔
９ｄは凹部９ａ，９ｂ内の熱を外部へ放出し、把
手９への断熱効果を期している。

以上のように、本考案は、調理具に固定した把
手取付金具に弾性係止体を介して把手を取付けて
いるので、把手を調理具に応じた使い勝手のよい
形状に自由に設定しうると共に、取付金具及び弾
性係止体は把手の凹部内に収納されているので、
外部から把手取付けのための器具がみえず、外観
上も美しく意匠的にも優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の把手取付装置の縦断面図を示
し、第２図乃至第６図は本考案に係る把手取付装
置の一実施例を示し、第２図は把手取付金具の斜
視図、第３図Ａは把手の横断面図、同図Ｂは縦断
面図、第４図は弾性係止体の斜視図、第５図Ａ，
Ｂは把手取付工程の説明図、第６図は把手取付完
成時の縦断面図である。 ７……調理具、８……把手取付金具、８ａ……
支持腕、８ａ４……弧面、８ａ５……切欠凹部、
９……把手、９ｃ……連接段部、１０……弾性係
止体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 調理具の外周面に固定された一対の支持腕を有
   する把手取付金具と、該取付金具を嵌入する段付
   き凹部を端面より内方に有し、該端面が調理具外
   周面に密着する把手と、前記取付金具の各支持腕
   の先端より下面にわたり形成された弧面を摺動
   し、該弧面に連設形成された切欠凹部の一側と前
   記把手の凹部の連設段部間に弾発的に嵌入する連
   結部を有し、該連結部の両端部より平行にほぼＶ
   字状に折曲成形され、前記把手の凹部内壁下面に
   弾発的に当接する先端部を有する弾性係止体とを
   備えてなる調理具の把手取付装置。