JPS6133600Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は燃料集合体に係り、特にロツキング・
タブワツシヤの燃料チヤンネル挿入の際の損傷を
防護するための構造に関する。

従来、燃料集合体は第１図（一部断面図で示す
概要図である。）に示すように、主に上部タイプ
レート１、下部タイプレート２、複数本の燃料棒
３、１本あるいは複数本のウオータロツド４、ス
ペーサ５と、これらを収納する燃料チヤンネル６
とからなる。前記上・下タイプレート１，２は燃
料棒３及びウオータロツド４の両端を固定し、前
記スペーサ５は燃料チヤンネル内で軸方向に複数
個設けられ、燃料棒３及びウオータロツド４を整
列支持している。

又、第２図、第３図に燃料集合体上部の詳細を
示す。上部タイプレート１は外部スプリング７を
圧縮しながら、結合燃料棒３′上部のナツト９に
よつて結合燃料棒３′に固定されている。さらに
ナツト９は回転防止のためにロツキング・タブワ
ツシヤ１０によつて固定されている。このロツキ
ング・タブワツシヤ１０はまた２本の結合燃料棒
３′を連結しており、下部タイプレート２にねじ
結合されている各々の結合燃料棒３′の回転も防
止する。

このような従来の燃料集合体では、燃料チヤン
ネル６を燃料集合体上部より挿入して行く際、上
部タイプレート１の４偶に位置する４本のポスト
１１が燃料チヤンネル６挿入ガイドとなるが、第
２図から明らかなように、４本のポスト１１が形
成する外径Ａとロツキング・タブワツシヤ１０が
形成する最大外径Ｂとが同じ大きさであるため、
製造公差及び組立誤差等によりＡ＜Ｂとなる場合
がある。よつて、ロツキング・タブワツシヤ１０
を損傷させる危険性がある。特に原子炉内燃料プ
ール（図示せず、燃料集合体を保管するプール）
においての燃料チヤンネル６挿入作業では、直接
目で確認しながらの作業が不可能であるため、上
述のような、ロツキング・タブワツシヤ１０の損
傷の危険性が大きくなる。

このような問題が発生した場合、原子炉内燃料
プール（図示せず）での燃料解体作業が非常に困
難となり、又完全に破損した場合には、ナツト９
のゆるみあるいは結合燃料棒３′のゆるみ等によ
り燃料取扱い中の燃料落下等の大事故につながる
危険がある。

本考案は上述の事情に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、ロツキング・タブワツ
シヤ１０の損傷を防止するために、ロツキング・
タブワツシヤ１０より上方に、ロツキング・タブ
ワツシヤ１０が形成する外径Ｂより大きい外径を
形成する燃料チヤンネル挿入用ガイドを設えた燃
料集合体を提供することにある。

第４図及び第５図を参照して本考案の実施例を
以下に説明する。第４図及び第５図において本考
案に係る上部タイプレート１の４偶に位置するポ
スト１１は各々、その先端の一部に上部タイプレ
ート１の対角線上の外方に突き出した丸状の突起
１２を有し、この突起１２は最先端が従来のポス
ト１１外径と一致し、上部タイプレート１と対角
線上の外方に次第に傾斜をもつて外径を増してい
る。そしてその最大外径は燃料チヤンネル６内面
に必要間隙を持つてフイツトする大きさを有し、
この最大径は燃料チヤンネル内面と接する短い直
線部持つて、すぐその下部は急傾斜で従来ポスト
１１の外径に連結されている。そして、従来同
様、複数本の燃料棒３とウオータロツド４はその
上端を上記燃料チヤンネル挿入用ガイドとなる丸
状の突起１２を設えた上部タイプレート１に固定
され、下端を下部タイプレート２に固定され、軸
方向に複数個設けられたスペーサ５によつて整列
支持されている。そして、これら全体を燃料チヤ
ンネル６に収納している。

このような本考案に係る燃料集合体は、その上
部より燃料チヤンネル６を挿入する際、燃料チヤ
ンネル６は従来同様の間隙をもつて上部タイプレ
ート１の４偶に位置するポスト１１を設える丸状
の突起１２の最上端に嵌合し、突起１２の傾斜に
沿つて挿入されて行き、突起１２の最大径部でそ
の内面は上部タイプレート１にフイツトし下方へ
と挿入されて行くが、第４図で明らかなように４
個の突起１２によつて形成される外径A′はロツ
キング・タブワツシヤ１０によつて形成される最
大外径Ｂと比較して、A′＞Ｂとなつているた
め、燃料チヤンネル６がロツキング・タブワツシ
ヤ１０に接触することがない。

以上のように本考案係る燃料集合体は燃料チヤ
ンネル６挿入時、特に直接目で確認しながら行な
うことが不可能である原子炉内燃料プール（図示
せず）作業でのロツキング・タブワツシヤ１０の
損傷を防止し、燃料解体作業時の事故を未然に防
止し、さらには、燃料取扱い中の燃料落下等の大
事故も未然に防止する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の燃料集合体の縦断面図、第２図
は第１図の上面を拡大して示す平面図、第３図は
第１図の上部の詳細を示す部分縦断面図、第４図
は本考案に係る燃料集合体の一例の平面図、第５
図は第４図の部分縦断面図である。 １……上部タイプレート、２……下部タイプレ
ート、６……チヤンネル、１０……ロツキング・
タブワツシヤ、１１……ポスト、１２……突起。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 燃料棒と、この燃料棒の上端を支持する上部
   タイプレートと、この上部タイプレートの四隅
   の上面に位置するポストと、燃料棒の下端を支
   持する下部タイプレートと、この下部タイプレ
   ートと上記上部タイプレートを結合する結合燃
   料棒と、この結合燃料棒と上部タイプレートを
   結合するナツトの回転止めに使用されるロツキ
   ング・タブワツシヤと、上記燃料棒の束を収容
   したなる長尺角筒状の燃料チヤンネルとを具備
   してなる燃料集合体において、上記ポストの上
   部に燃料チヤンネル挿入用の突起を設け、しか
   もこれらの４個のポストに設けられた突起に外
   接して形成される最小の正方形は上記ロツキン
   グ・タブワツシヤに外接して形成する正方形の
   うち燃料チヤンネルの壁と平行で水平な最大の
   正方形より大きく、さらに燃料チヤンネル内面
   に適切な間隙を持つて適合する大きさであるこ
   とを特徴とする燃料集合体。 (2) 突起はロツキング・タブワツシヤの上端より
   高い位置に設けたことを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の燃料集合体。