JPS6133290Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、レール上に配されたテーブルに被加
工物あるいは加工装置などを支持、もしくは各種
キヤビネツト，移動座部，自動販売機などの移動
部において、これらの可動体を支持して直線案内
運動あるいは位置決めなどを行なうように摺動せ
しめる摺動ユニツトに係わり、とくにレールおよ
びテーブルに配するギブを、板材をプレス加工し
て構成した摺動ユニツトに関するものである。

従来、この種のユニツトとしてはレールおよび
テーブルが銅製あるいは鋳物などから構成され、
その摺動部にローラー，ボールなどからなる転動
体もしくはすべり材を使用したもの、あるいはレ
ールおよびテーブルを板材をプレス加工して構成
し、その摺動部に転動体を使用したものが用いら
れている。

しかしながら、摺動部に転動体を用いたものは
摩擦係数が低く円滑な動きが得られる反面、耐荷
重性，耐衝撃性に劣る。

また、銅製あるいは鋳物などからなるレールお
よびテーブルを用いたものは、転動体の摺動面
（軌道面）よりの逃げ道となる逃げ孔あるいはパ
イプ等を設ける必要上、ユニツトの形状が大きく
なる。

さらに、プレス加工されたレールおよびテーブ
ルを用いたものはユニツトの形状は小さくなる反
面、レールの剛性が低下するため該レールが転動
体の転動時に微小変形し易すく、該転動体の動き
が不安定となるとともに異音が発生し易すい。

さらにまた、転動体へ異物が浸入し易いため、
その動きに支障を来たすなどの種々の問題点を持
つている。

一方、摺動部にすべり材を用いたものは、転動
体を用いたものの問題点は解決せしめることがで
きる反面、レールおよびテーブルの形状が複雑に
なるとともに部品点数が多くなる。

また、重量が大きくなるため製作および取扱い
が煩雑であり、さらにテーブルの水平方向ならび
に鉛直方向の回転（傾き）による変位を吸収でき
ないため、その動きが不安定となる不具合があ
り、さらにまた価格が高くなるなどの種々の問題
点を持つている。

本考案は、従来の摺動ユニツトのもつ利点を合
せ持つ摺動ユニツトを低価格で提供できるように
するものである。

そして、その技術的課題は摺動部にはすべり材
を用い、またレールならびにテーブルの下面に配
されて該レールに嵌合するギブは、板材をプレス
加工することによつて構成せしめてレールおよび
ギブの形状を簡易な構造とし、その製作および取
扱いならびに取付けを容易にする。

さらに、耐摩耗性および耐衝撃性を有し、さら
にはテーブルの回転による変位を吸収できるよう
にする点にある。

上記課題を解決するための本考案の構成は、以
下の技術的手段を採るものである。

すなわち、ベース上に固定される板材をプレス
加工したレールと該レールに摺動可能に嵌合され
る平板材のテーブルとからなる摺動ユニツトにお
いて、該レールはベースに固定される基部と、該
基部の両端でレールの軸線を挾んで相対向するよ
うに上方に屈曲された側壁部と、該側壁部の上端
で基部と平行に外方向へ屈曲された摺動部と、該
摺動部の端部で基部側に向つて下方へ屈曲された
係止部とが一体に形成されている。

また、テーブルはその下面に摺動材を一体に被
着せしめた板材からなり、レールの係止部に嵌合
する係止片をプレス加工によつて設けたギブを一
体に配して形成されており、該テーブルをレール
にテーブルのギブが該レールの摺動部および係止
部とその摺動材が慴接し、かつ係止部と係止片が
上下方向に係止するように嵌合せしめた構成を採
るものである。

上記技術手段を採ることにより、以下の作用を
有するものである。

すなわち、レールおよびテーブルのギブを板材
をプレス加工して製作することにより、構造を簡
易にし、製作および取扱いならびに取付けを容易
にすることができる。

また、ギブを摺動材を一体に被着した板材をプ
レス加工によつて製作するため、摺動材を別途に
配する必要がなく、かつ該ギブの形状を任意にで
きる。

さらに、レールを板材からプレス加工によつて
製作することにより、テーブルの回転によつて生
じる変位あるいは取付け誤差を、該レールの弾性
変形で吸収せしめられるため、良好なテーブルの
摺動が得られるなどの作用効果を有するものであ
る。

以下、本考案の実施例を図面において詳細に説
明する。

１はステンレス鋼板，圧延鋼板からなる板材を
プレス加工して形成されたレールで、該レール１
はベースＢに固定される基部２と該基部２の両端
でレール１の軸線を挾んで相対向するように上方
に屈曲された側壁部３，３と該側壁部３，３の上
端で基部２と平行にその軸線を挾んで互いに背向
する外方向へ屈曲された摺動部４，４と、該摺動
部４の端部で基部２側に向つて下方へ屈曲された
係止部５，５とが一体に設けられている。

６は基部２に設けられたボルト孔である。そし
て、該レール１はボルト孔６に挿入されたボルト
７により、摺動部４を上方に向けてベースＢに固
定されるものである。

８は平板状のテーブルで、該テーブル８はその
下面９にレール１と摺接する摺動材１０を一体に
被着せしめた板材からなり、レール１の係止部５
に嵌合する係止片１１を該摺動材１０を内側にす
るようにプレス加工によつて設けたギブ１２を、
例えばスポツト溶接あるいはリベツト止めもしく
はネジ止めなどの固着手段をもつて一体に配して
形成せしめてなる。

１３，１３はテーブル８に設けられた取付用の
孔である。

ここで、ギブ１２に設けられる摺動材１０とし
ては、圧延鋼板などの板材上に自己潤滑性にすぐ
れる金属粉を焼結せしめたもの、あるいは金属の
焼結層上に合成樹脂を被着もしくは含浸せしめた
もの、さらには一般の金属焼結層上に軟質金属を
含浸せしめたものなどが好ましいものである。

また、ギブ１２の係止片１１ならびにレール１
の係止部５の屈曲度は、レール１とテーブル８の
上下方向の係止を確実にする上では大きい方が好
ましいが、該テーブル８とレール１の摺動特性を
考慮すると、摺動部４を水平基準として屈曲部に
おいて画定される垂線より基部２側下方に、換言
すればレール１の中心方向にその傾斜角を10゜〜
30゜の範囲内で屈曲させることが望ましいもので
ある。

なお、係止片１１ならびに係止部５を傾斜角10
゜より小さく設けた場合は、レール１とテーブル
８の上下方向の係止が不確実となり、また傾斜角
30゜より大きく設けた場合は、レール１とテーブ
ル８の摺動が不安定となり易いものである。

さらに、レール１の側壁部３は該レール１の取
付け誤差およびテーブル８の回転による変形をそ
の弾性変形で吸収、換言すれば該側壁部３はギブ
１２によつて外側への弾性変形（拡き）が規制さ
れるため、とくに内側への弾性変形（縮み）で吸
収せしめるため、基部２を水平基準としたとき側
壁部３は本実施例図のように垂直もしくは第３図
および第４図に示す他の実施例図のようにレール
１の軸線側、換言すれば内側に傾斜角20゜内位ま
で屈曲せしめて設けることが望ましいものであ
る。

なお、側壁部３が垂直状態より外側に開いた場
合は、レール１に作用する荷重によつてより外方
に拡がり、テーブル８とレール１の慴接いわゆる
嵌合状態がきつくなるためその動きが阻害され易
すくなる。また、内側に傾斜角20゜を超えて屈曲
せしめた場合は、レール１の鋼性が低下して該レ
ール１に作用する荷重によつてより内方に縮ま
り、テーブル８とレール１間にガタ付きが生じそ
の動きが不安定となり易いものである。

第５図および第６図は、レール１の弾性変形に
よる回復を確実に行なわせ、かつ上述した不具合
が生じるのを防止せしめた他の実施例を示すもの
である。

すなわち、第５図および第６図に示す態様は、
レール１の側壁部３，３間にゴム体よりなる弾性
体１４を嵌着せしめ、レール１の内側への弾性変
形を該弾性体１４の反撥力で回復、いわゆる元に
戻すようにしたもので常にレール１の正常状態が
保持せしめられるものである。

なお、第５図においてはレール１の外方への拡
がりを防止するため、側壁部３，３を係止ボルト
１５によつて締結した態様としたものである。

本実施例においては、レール１を単体いわゆる
一本用いた態様で説明したが、これに限らず該レ
ール１は従来の摺動ユニツトでも行なわれている
ように複数本を並列に設置し、テーブル８もこれ
に応じて配する態様も採ることができるものであ
る。また、レール１の側壁部３，３間に配する弾
性体１４は、ゴム体に限らずコイルバネなどのバ
ネ体を用いることもできるのである。

さらに、本考案の摺動ユニツトはレール１に対
してテーブル８が移動もしくはテーブル８に対し
てレール１が移動するいずれの使用態様でも用い
ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の摺動ユニツトを示す縦断面
図、第２図は、その斜視図、第３図は、他の実施
例の摺動ユニツトを示す縦断面図、第４図は、そ
の斜視図、第５図および第６図は、さらに他の実
施例の摺動ユニツトを示す縦断面図である。 １；レール、２；基部、３；側壁部、４；摺動
部、５；係止部、８；テーブル、９；下面、１
０；摺動材、１１；係止片、１２；ギブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベース上に固定される板材をプレス加工したレ
   ールと該レールに摺動可能に嵌合される平板状の
   テーブルとからなる摺動ユニツトにおいて、該レ
   ールはベースに固定される基部と、該基部の両端
   でレールの軸線を挾んで相対向するように上方に
   屈曲された側壁部と、該側壁部の上端で基部と平
   行に外方向へ屈曲された摺動部と、該摺動部の端
   部で基部側に向つて下方へ屈曲された係止部とが
   一体に形成されており、テーブルはその下面に摺
   動材を一体に被着せしめた板材からなり、レール
   の係止部に嵌合する係止片をプレス加工によつて
   設けたギブを一体に配して形成されており、該テ
   ーブルをレールにテーブルのギブが該レールの摺
   動部および係止部とその摺動材が摺接し、かつ係
   止部と係止片が上下方向に係止するように嵌合せ
   しめたことを特徴とする摺動ユニツト。