JPS6132716Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は形状記憶型合金を利用した形状変化車
両玩具に関する。

形状記憶型合金とはある特殊な合金を一定の高
温状態において一定の形状に成形し、次に低温に
してから任意の形状に変化させても、最初の一定
の高温状態にするだけでもとの一定の形状に戻つ
てしまうという形状記憶効果を有する合金をい
う。

この種の形状記憶型合金にはNi−Ti合金また
はAl−Ni−Cu合金などが知られている。

本考案はこれらの合金の形状記憶効果を利用し
て自動車・電車等の車両玩具の各構成部分のヒン
ジ部等の連結部に一定の形状を記憶させた形状記
憶型合金を用いて、熱を加えることにより事故が
起こつたようにばらばらになつたり、もとにもど
つたりするという意外性のある動きをするおもし
ろい玩具を提供することを目的とする。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図及び第２図は本考案の一実施例を説明す
るもので、本実施例にあつては形状変化車両玩具
として自動車が例示されている。

この自動車１は、第２図に示すように、例えば
全体を４つの車体の部分２〜５に分割されてお
り、各車体の部分２〜５間はそれぞれヒンジ部分
６によつて連結されている。このヒンジ部分６に
は前述した形状記憶型合金製の部材６ａが用いら
れており、このヒンジ部分６は一枚の板または線
状の形状記憶型合金製の部材６ａに形成され、こ
の合金製部材６ａは各々半分づつヒンジ部６の蝶
板６′，６″上面に固着されている。

そして、例えば第１図に示すように所定の高温
状態において全体として完成した車輪１を形成す
るようにヒンジ６を構成する形状記憶型合金製部
材６ａに、伸直にされた形状を記憶させておく。
そして、常温において各ヒンジ６の部分から第２
図に示すように、車輪１の部分２〜５を左右に引
つ張り、ヒンジ部６で折曲げて例えば事故を生じ
た状態のように塑性変形を与えておく。この状態
でドライヤーなどの熱源を利用して、塑性変形さ
れた車輛に対して熱風１０を送ると、ヒンジ６は
瞬間的に元の状態に復帰し、第１図に示すように
完全な車輛としての形状に復帰することができ、
見る人に対して大きな驚きを与え、大きな興味を
持つて引きつけることができる。

もちろん、第２図に示すように、変形された状
態で記憶させた合金を用いてヒンジ６を構成して
おき、第１図に示すように完全な車輛として塑性
変形させておき、これを熱風１０を送ることによ
り、第１図の状態から第２図の変形した状態へと
変化させることも可能である。

なお、ヒンジ部を別部材として、このヒンジ部
に形状記憶型合金で形成したスプリングを連係し
て、このヒンジ部を可動自在としたものでもよ
い。

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、自動車等の車両玩具を複数の部材から構成
し、各部材を連結部材としてのヒンジによつて連
結し、このヒンジ部分に形状記憶型合金を用い、
所定の形状を記憶させておき、このヒンジ部分を
塑性変形させて全く異なつた形態をとらせてお
き、記憶された時と同じ温度を与えることにより
瞬間的に自動車等の車両があたかも事故が起こつ
たようにばらばらになつたりする意外性のあるお
もしろさがある玩具を提供できる。また、所定の
温度雰囲気の池・岩・他の自動車等にぶつかる
と、事故が起こつたようにばらばらに壊れて交通
事故がどういうものであるかということを学習で
きるという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例を説明す
る形状を記憶させた状態及び変形後の状態の斜視
図、である。 １……車輪、２〜５……車輛の分割部分、１０
……熱風。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両玩具を複数部材から構成し、各部材を連結
   部材によつて連結し、前記連結部材に形状記憶型
   合金を用いてこの形状記憶型合金に所定の温度に
   おいて前記各部材がばらばらに壊れたような形状
   になるように所定の形状を記憶させたことを特徴
   とする形状変化車両玩具。