JPS6131976Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えば石油等の貯留槽内のスラツジ等
を含有するスラリーを掻寄せて搬送する移動式ス
ラリー処理装置に関する。

従来、槽内の清掃において、槽底に堆積した低
粘度の油等は、ポンプのサクシヨンパイプ等によ
り直接吸い揚げられるが、その下に必らず存在す
る高粘度のオイルスラツジ等は吸い揚げることが
困難であるため、人力によりレーキ、スコツプ等
を用いて掻集めすくい揚げることが多かつた。

このような実状から、この作業を機械化するこ
とにより、槽内の清掃を簡単且つ能率的に行い得
るようにすることが望まれていた。

尚、一般的な回収装置としては、回収物をオー
ガーで掻込み、吸上げて、所定の場所に搬送する
構造のものが、オーガー式除雪車等で使用されて
いるが、そのままの構造では貯留槽内の高粘度の
スラリーを効率良く回収することはできない。

本考案はこのような実状に鑑み、高粘度のスラ
リーを効率良く掻寄せて搬送することのできる移
動式スラリー処理装置を提供することを目的とす
る。

このため、本考案は、車輪を備えて移動可能な
前面及び前部底面を開放した本体と、該本体の前
部両側面に取付けた軸受に回転自在に支持して該
本体の移動方向と直角で且つ水平に軸線を配した
オーガー軸と、該オーガー軸の中央部から左右に
振り分けて取付けられて該オーガー軸の回転によ
りスラリーを左右から中央部に掻寄せるオーガー
と、前記本体の上部に取付けられ前記オーガー軸
の端部とチエーン機構により連結されて前記オー
ガー軸を回転させる駆動機と、前記本体の前部両
側面から前方且つ外方に延設されたプロテクタ
と、前記オーガー軸の中央部に取付けられて回転
しスラリーを後方に掻送る回転方向と直交するプ
レートと、前記本体に取付けられ前記プレートの
後方に吸込口を配した高粘度流体用ポンプとによ
り、移動式スラリー処理装置を構成したものであ
る。

以下に本考案による移動式スラリー処理装置を
第１図〜第３図に示す一実施例に基づいて説明す
る。

本体１は車輪２を備えて移動可能であり、前面
及び前部底面が開放されている。そして、この本
体１の前部両側面に取付けた軸受３にオーガー軸
４が回転自在に支持され、この軸４にはその中央
部から左右に振り分けてスラリー掻寄せ用回転体
としてのオーガー５が取付けられている。オーガ
ー軸４は本体１の上部に取付けられた油圧式又は
空気圧式の駆動機６の出力軸７によりスプロケツ
ト８、チエーン９及びスプロケツト１０からなる
チエーン機構を介して回転駆動されるようになつ
ている。１１はチエーンボツクスである。

オーガー５はオーガー軸４中央部を境として羽
根のピツチを逆方向に変えてあり、オーガー５の
回転によりスラリーを中央部に掻寄せるようにし
てある。１２は本体１の前部両側面に固定されて
前方且つ外方に延設されたプロテクタで、前方の
スラリーを幅広く掻寄せると共にチエーンボツク
ス１１等が受ける進行抵抗を減少させるために設
けられている。１９はオーガー軸４の中央部にロ
ツドを介して取付けられた回転方向と直交するプ
レートで、スラリーを後方すなわち後述する吸込
口１３の直前に掻送るために設けられている。

また、本体１にはオーガー軸４中央部すなわち
プレート１９取付部の後方に吸込口１３を配して
吸込パイプ１４が取付けられると共に、その吸込
用の高粘度流体用ポンプ１５が取付けられてい
る。そして、このポンプ１５の吐出側には搬送パ
イプ１６が接続されている。

尚、本体１はフツク１７に図示しないワイヤを
引掛け、ウインチ等を利用して移動させるが、方
向性の維持及び低粘度スラリー取扱い時人力によ
り移動させる場合もあることを考慮して把手１８
も設けられている。本体１を駆動機により自力で
走行するように構成してもよい。

作用を説明すれば、本体１の車輪２による前進
によつて、プロテクタ１２で前方のスラリーを幅
広く掻寄せつつ本体１内に導き、駆動機６により
回転されるオーガー５によりスラリーを左右から
中央部に掻寄せる。中央部に掻寄せられたスラリ
ーは、本体１の前進によつて生ずるスラリー自体
の圧力による他、プレート１９の回転により後方
に掻送られて、吸込口１３の直前に押しやられ
る。そして、吸込パイプ１４の吸込口１３から高
粘度流体用ポンプ１５により搬送パイプ１６を通
つて槽内に置かれた容器（ホツパー等を含む）へ
又は直接槽外へ圧送される。したがつて、槽底に
堆積している高粘度のスラリーが能率的に回収さ
れ、槽底の清掃を容易に行ない得るのである。

また、加熱コイル等低位置にある障害物の下で
使用する条件の場合は、ポンプ１５を吸込口１３
から水平に取付け、背高を低くするようにする。

さらに、スラリー掻寄せ用回転体としてのオー
ガー５は、第３図に示すような形状に限らず、第
４図に示すようなスパイラル状のオーガー５′を
用いてもよい。

以上説明したように本考案による移動式スラリ
ー処理装置によれば、槽底に堆積している高粘度
のスラリーも能率的に回収され、槽底の清掃作業
を簡単に行なうことができるという効果が得られ
る。特に駆動機を本体の上部に設け、チエーン機
構により連結しているので、駆動機が進行抵抗と
はならず、チエーン機構の部分のみとなり、進行
抵抗が少なくて済む。また、プロテクタを設けて
いるので、オーガー軸の軸受やチエーン機構によ
る進行抵抗も減少し、かつ隅々までスラリーを幅
広く回収できる。さらに、吸込口の前方のオーガ
ー軸の中央部に回転方向と直交するプレートを設
けて、スラリーを後方に掻送り、強制的に高粘度
流体用ポンプに押入れるようにしているため、ス
ラリーの搬送効率が大幅に向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による移動式スラリー処理装置
の一実施例を示す平面図、第２図は同上の側面
図、第３図は同上のオーガーの詳細図、第４図は
オーガーの変形例を示す図である。 １……本体、２……車輪、３……軸受、４……
オーガー軸、５，５′……オーガー、６……駆動
機、９……チエーン、１２……プロテクタ、１３
……吸込口、１５……高粘度流体用ポンプ、１９
……プレート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車輪を備えて移動可能な前面及び前部底面を開
   放した本体と、該本体の前部両側面に取付けた軸
   受に回転自在に支持して該本体の移動方向と直角
   で且つ水平に軸線を配したオーガー軸と、該オー
   ガー軸の中央部から左右に振り分けて取付けられ
   て該オーガー軸の回転によりスラリーを左右から
   中央部に掻寄せるオーガーと、前記本体の上部に
   取付けられ前記オーガー軸の端部とチエーン機構
   により連結されて前記オーガー軸を回転させる駆
   動機と、前記本体の前部両側面から前方且つ外方
   に延設されたプロテクタと、前記オーガー軸の中
   央部に取付けられて回転しスラリーを後方に掻送
   る回転方向と直交するプレートと、前記本体に取
   付けられ前記プレートの後方に吸込口を配した高
   粘度流体用ポンプとを備えてなる移動式スラリー
   処理装置。