JPS6130156Y2

JPS6130156Y2 -

Info

Publication number: JPS6130156Y2
Application number: JP7346282U
Authority: JP
Priority date: 1982-05-21
Filing date: 1982-05-21
Publication date: 1986-09-04
Also published as: JPS58177799U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、セメント焼成用サスペンシヨンプレ
ヒータ、あるいは石灰、ドロマイト、アルミナ焼
成用プレヒータ等における原料供給用シユート
と、分散板の改良に係るものである。

第１図は、従来一般に使用されているセメント
焼成装置を示し、サスペンシヨンプレヒータ１
は、通常４段のサイクロン２ａ，２ｂ，２ｃ，２
ｄを相互にガス管路３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄ及び
原料供給用シユート４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄで連
結して上下に配列して構成され、ロータリキルン
５から出る1100℃程度の高温排ガスとセメント原
料との熱交換を行つて原料を加熱している。

セメント原料は、原料供給用シユート４ａから
プレヒータのガス管路３ａに供給されて、同管路
３ａ内を流れるガスに搬送されかつガスと熱交換
を行ない、サイクロン２ａに導入されて、同サイ
クロン２ａ内で遠心力によつて固気分離され、分
離されたセメント原料は、原料供給用シユート４
ｂによつて下方に配設されているガス管路３ｂに
供給される。

このような排ガスとの接触による熱交換と分離
とを繰返して、セメント原料は最下段のサイクロ
ン２ｄよりロータリキルン５の窯尻Ｑに原料供給
用シユート４ｅを介して供給される。

そして、上記したようなサイクロンを組合わせ
たセメントプラントの予熱器をサスペンシヨンプ
レヒータと称している。このサスペンシヨンプレ
ヒータ１を通る排ガスは、吸引フアン６によつて
吸引され、全系統は負圧で運転さきる。またサイ
クロンの原料供給用シユート４ａ，４ｂ，４ｃ，
４ｄ中には、これらシユート中のガスシールを目
的としてガスシールダンパ７が介装されている。
ロータリキルン５でセメント原料がバーナ８によ
つて最高1450℃まで加熱焼成されて生成したクリ
ンカは、クリンカクーラ９に送られ、同クリンカ
クーラ９では押込みフアン１０によつて供給され
る常温の冷却用空気で冷却され、次のクリンカ粉
砕工程に送られて製品セメントとされる。

第２図ａ，ｂ，ｃは、上記従来のサスペンシヨ
ンプレヒータに用いられているセメント原料を、
ガス管路に供給する個所に関する従来の構造例を
示す。第２図ａにおいて、１０３はガス管路（第
１図のガス管路３ａ）１０４は原料供給用シユー
ト、（第１図の原料供給用シユート４ａ）１１１
は分散板を示す。傾斜角θｓ（55〜60゜）を有す
る原料供給用シユート１０４中を流下してきたセ
メント原料１１２は、分散板１１１により、下位
のサイクロンからでてくる排ガスの施回気流１１
３中に分散されて熱交換を行ない、固気二相流１
１４となつてガス管路１０３中を施回上昇する。
従来のサスペンシヨンプレヒータの原料供給用シ
ユート１０４は、第２図ｂに示す如く円形で、そ
の直径ｄはガス管路直径Ｄの10〜20％であり、ま
た、分散板１１１の形状は、原料供給用シユート
１０４の直径ｄの約70％の幅W₁（第２図ｃ参
照）を有し、該分散板１１１をガス管路１０３内
に、該ガス管路１０３の直径Ｄの約20％程度突出
させており、その先端は水平からの角度θ_p1（約
30゜）程度ガスの下流側に曲げてある。

ところで、最近省エネルギの観点から、サスペ
ンシヨンプレヒータの圧力損失低減による電力原
単位の低減が強く要求されている。したがつて、
サイクロンの入口風速の低減や、ガス管路の風速
低減が必要となり、特にガス管路の風速が低くな
つても、セメント原料の分散が良好な分散板を開
発する必要が生じている。しかしながら第２図
ａ、ｂ，ｃに示すような従来の断面円形の原料供
給用シユート１０４による分散方式では、原料供
給用シユート１０４内を流下するガスセメント原
料の層厚が原料供給シユート１０４の中心部で厚
いので、施回気流１１３との衝突面が広い。した
がつて分散板１１１上に落下しれセメント原料
は、分散板１１１の側方のガス管路壁面に、大部
分が吹き飛ばされて、風速が非常に小さい部分で
あるガス管路壁面近傍に多量のセメント原料が存
在することになる。したがつてガス管路内の風速
を低くした場合には、上記の如くガス管路壁面近
傍に存在するセメント原料が落下し、このため、
排ガスとセメント原料との熱交換が十分でなくな
りセメント原料の焼成が十分でなく排ガス温度が
上昇するという欠点を上記従来のサスペンシヨン
プレヒータは有する。

本考案は、上記従来のサスペンシヨンプレヒー
タの欠点を解消することを目的として提案された
もので、複数台のサイクロンを、それぞれガス管
路を介して複数段に配設し、それら各ガス管路内
に原料供給用シユートを介し粉粒体を導入して、
粉粒体を予熱あるいは焼成するサスペンシヨンプ
レヒータにおいて、上記各原料供給用シユートの
底面を平坦にするとともに、同原料供給用シユー
トのガス管路内への開口部に、上記原料供給用シ
ユートの底面の幅とほぼ等しい幅をもつ分散板
を、該ガス管路内に向つて突出させてなることを
特徴とするサスペンシヨンプレヒータに係るもの
である。

以下、第３図、第４図及び第５図に示す実施例
により、本考案につき具体的に説明する。なお図
示の例は、本考案をセメント原料の焼成用サスペ
ンシヨンプレヒータに適用した場合を示す。

それらの図で、１０３は上記従来のサスペンシ
ヨンプレヒータと同様に構成されたガス管路。２
０４は該ガス管１０３に接続された原料供給用シ
ユート、２１１は該シユート２０４のガス管路１
０３への開口部に装着された分散板を示し、原料
供給用シユート２０４中を流下してきたセメント
原料１１２は、分散板２１１により、下段のサイ
クロンからでてくる排ガスの施回気流１１３中に
分散されて、固気二相流となり、第３図に示す如
くガス管路１０３内を施回上昇するようになつて
いる。本考案の原料供給用シユート２０４は、そ
の横断面形状が、第４図に示す如く角形に形成さ
れており、また、分散板２１１の形状は、原料供
給用シユート２０４の長辺ｂ寸法の同一幅W₂を
有し、ガス管路１０３内への水平突出部先端は、
水平から角度θ_p2（10゜〜50゜）程度、排ガスの
下流側に向つて曲げられている。なお、原料供給
用シユート２０４の横断面積の大きさは、従来の
円形横断面形状の原料供給用シユート相当の大き
さを有し、長辺ｂの寸法は、ガス管路１０３の直
径Ｄの約20〜50％に形成されており、また、分散
板２１１の長さL₂は、ガス管路１０３の直径Ｄ
の10〜50％程度の範囲に形成されている。

本考案のサスペンシヨンプレヒータの原料供給
用シユート２０４及び分散板２１１は上記のよう
に構成されており本考案の原料供給用シユート２
０４は、横断面形状が角形に形成されており、底
面が平坦で、かつその幅ｂがガス管路１０３の直
径Ｄの20〜50％に形成されているため、従来の横
断面形状が円形の原料シユートのものに比し、原
料供給用シユート内を流下するセメント原料は、
均一な薄層となつて流下する。そのため、ガス管
路１０３内の施回気流１１３との衝突面が小さく
なり、該施回気流１１３による分散板２１１の側
方への吹き飛ばし作用が弱くなり、その結果、セ
メント原料が、分散板２１１に沿つてガス管路１
０３内部まで流れやすくなるので、セメント原料
はガス管路１０３の中央近傍まで均一に分散され
る。従つてセメント原料と排ガスとの熱交換は効
率的に行なわれ、セメント原料は十分に焼成され
る。

第６図は、分散板上方におけるセメント原料の
濃度分布の計測例を示すが、同図で、カーブＡは
本考案による場合は、Ｂは従来のものの場合のも
のを示し、同図から本考案による場合の方が従来
のものよりも、セメント原料の濃度が均一である
ことが伴る。また、第７図はセメント原料の供給
を一定とし、風量を下げた場合のセメント原料の
下方への落下率（落下量／供給量）の比較例を示
すが、同図でカーブＣは本考案の場合カーブＥは
従来のものの場合を示しておりこの図から同一風
量、同一粉体供給量では、従来のものよりも、本
考案の場合の方が落下率が小さいことが判り、本
考案の方が平均的にみると、同一風速によつて運
ばれる粉体の集団が小さく、すなわち分散効果が
よいことを意味している。

なお、この実験結果では、ガス管路の圧損は、
従来のものと、本考案の場合とは同じであつた。

なお、上記実施例においては、原料シユートの
横断面形状が長方形のものについて説明したが、
この実施例にのみ限定されるものではなく、正方
形でもよく、また、底辺が直線で他が円弧状ある
いは多角形状のものでもよく、要は少なくとも底
辺が比較的長く、すなわちガス管路直径の20〜50
％の長さを有し、かつ底辺が水平方向に沿つたも
のであれば他の辺の長さ、形状の如何は問わな
い。

なおまた、上記実施例において、原料供給用シ
ユートは複数個でもよく、また、ガス管路も円形
断面に限るものではなく、角形断面形状ものもの
でもよい。

本考案のサスペンシヨンプレヒータは、上記の
ような構成、作用を具有するものであるから、本
考案によれば、上記従来のサスペンシヨンプレヒ
ータの欠点を解消したサスペンシヨンプレヒータ
を実現できるという実用的効果的効果を拳げるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来一般に使用されているセメント
焼成装置の略示的説明図、第２図ａは、第１図の
Ｘ部拡大断面図、第２図ｂは、第２図ａのイ−イ
断面図、第２図ｃは第２図ａのロ−ロ線断面図、
第３図、第４図及び第５図は、本考案の一実施例
の概略説明図、第３図は第２図ａに相当する断面
図、第４図は第３図のハ−ハ線断面図、第５図は
第３図のニニ線断面図、第６図、第７図は従来の
サスペンシヨンプレヒータと本考案のものとを対
比して示す実験結果のグラフである。第３図乃至
第５図において、１０３……ガス導管、２０４……原料供給用シ
ユート、２１１……分散板。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

複数台のサイクロンを、それぞれガス管路を介
して複数段に配設し、それら各ガス管路内に原料
供給用シユートを介し粉粒体を導入して、粉粒体
を予熱あるいは焼成するサスペンシヨンプレヒー
タにおいて、上記各原料供給用シユートの底面を
平坦に形成するとともに、同原料供給用シユート
のガス管路内への開口部に、上記原料供給用シユ
ートの底面の幅とほぼ等しい幅をもつ分散板を、
該ガス管路内に向つて突出させてなることを特徴
とするサスペンシヨンプレヒータ。